2015/4/5

あっと言う間にもう4月。今回のイチ押しは恵比寿ガーデンシネマのこけら落し作と
久々にガツンときたホラー映画です。

カフェ・ド・フロール  監督 : ジャン=マルク・ヴァレ  出演 : ヴァネッサ・パラディ、ケヴィン・パラン
Cafe De Flore  2011年 カナダ・フランス映画
今回のイチ押し:1960年代。ジャクリーヌは男の子を出産するが、その子はダウン症だった。施設に預けるべきという夫と別れ、彼女はひとりでその子供、ローランを育てる事を決意。障害者だからといって特別な教育は受けさせず、一般の子供たちと同じ学校に入れ、時には優しく、そして時には厳しくローランを育てていく。そんなある日、ローランのクラスに同じダウン症の女の子のヴェラが転校してくる。ふたりは強く惹かれあい、片時も離れようとしない。いつも抱き合っているふたりに周りの生徒たちへの影響が問題視される・・・現代。Djとして成功しているアントワーヌはふたりの娘、両親、そしてセクシーなガールフレンドのローズと暮らしている。音楽の力を信じるアントワーヌは事あるごとに”カフェ・ド・フロール“の音楽を流している。一方、離婚から2年経っても彼の前妻のキャロルは立ち直れていない。夢遊病になり娘たちにも心配されている。時々、彼女の見る夢に妙な人物が挿入されるようになり・・
私評:私たちはソウルメイト。絶対離れない・・・恵比寿ガーデンプレイスの映画館が再オープン。そのこけら落としの作品がこれです。正直言うと、私は映画館のオープンが嬉しくて劇場を見るために映画館に入ったので、この映画の情報がまったくないまま入場しました。しかし、これが驚くべき映画でした。全く違う時代で違う境遇の二つのストーリーが同時並行に描かれていきます。そして最後に二つの話がリンクする。強引な展開ではあるのですが、心に響いた。悲劇とハッピーが融合した不思議なクライマックスです。そしてこの映画の素晴らしいのが時代を彩る音楽たち。1960年代の話ではピンク・フロイド、ザ・バンドなどの音楽、そして現代はクラブミュージック。そしてそのどちらの時代にもかかる音楽がスピリチュアルに二つの話を繋ぐ・・・。傑作だ!!ジャクリーヌ役は「橋の上の女」のヴァネッサ・パラディ。ジョニデと別れて彼女も復帰ですね。相変わらずコケティッシュでキュート。アントワーヌ役はミュージシャンとして有名なケヴィン・パラン。これが初出演とは思えない見事な演技です。そして彼の周りのふたりの美女はエヴリーヌ・ブロシュとエレーヌ・フローラン。驚きの演技を見せるのがはダウン症の少年マラン・ゲリア君。監督は「ダラス・バイヤーズクラブ」のジャン=マルク・ヴァレ。
クラウン  監督 : ジョン・ワッツ  出演 : アンディ・パワーズ、ピーター・ストーメア
Clown  2014年 アメリカ映画
今回のイチ押し:不動産のセールスの仕事をしているケントは息子の誕生日に手配をしていたピエロ(クラウン)がドタキャンになり大慌て。売却物件の家のクローゼットを漁ったケントは偶然にもピエロのコスチュームを発見し、自ら仮装をしてパーティに登場。子供たちは大喜びだった。パーティも終わり、そのままの格好で寝てしまったケントは翌日、仕事に行くためコスチュームを脱ごうとするが脱ぐことができない。なんと衣装だけでなくカツラまでが体と一体化していた。電気ノコギリで衣装を切ろうとしても歯が立たない。ケントは衣装を見つけた家の主を訪ねようとするが、すでに亡くなっていた。しかたなく、故人の兄弟を訪ねると、そこにいた男の口から恐ろしい事実が語られる。ケントが纏ったのは呪われた禁断の衣装だったのだ。かつてクラウンは子どもを誘拐しては喰らっていたのだ・・
私評:首を落とすんだ!!・・・この作品は、当時は素人だった監督がフェイクの予告編を作り勝手にホラー映画の気鋭イーライ・ロスの名前を使ってWEBにアップをしたのが発端。これを見たイラーイが怒るかと思いきや、「面白いから本当に映画にしよう!」と言ったらしい。そしてできたのがこの映画です。実際のフェイク予告編もまだ、WEBに残っています。しかし、この映画は面白い!最近のホラー映画になかった気持ち悪さ、グロテスクさ、そして奇想天外なストーリー。久々に「キター!」って感じでしたね。狂気に支配されていく夫と息子を守ろうとする妻の壮絶な戦い。ラストの後味の悪さ、最高です!ケント役はTVシリーズで活躍するアンディ・パワーズ、妻のメグ役はローラ・アレン。ケントを救おうとする屋敷の元の持ち主の兄弟役は「アルマゲドン」「ラストスタンド」の怪優ピーター・ストーメア。そして制作のイーライ・ロスも出演しています。監督は若き新人クリエーター、ジョン・ワッツ。
リピーテッド  監督 : ローワン・ジョフィ  出演 : ニコール・キッドマン、コリン・ファレル
Before I Go To Sleep  2014年 イギリス・アメリカ・フランス・スウェーデン映画
その日、クリスティーンは知らない部屋で目覚めた。隣には見知らぬ男が寝ている。そっとベッドを抜け出し、洗面所に行くとそこには無数の写真が貼り付けられている。中にはクリスティーンとベッドの男の結婚式の写真もある。部屋に戻ると男は起きていた。彼の名前はベン。クリスティーンはある事故が原因で記憶障害があり、記憶が一日しか持たない。今夜寝て、明日の朝、目が覚めれば彼女の20代の記憶だけになり、今日のことも忘れてしまうのだ。ベンはそんな毎日を繰り返しているのだという。ベンが出勤後、部屋に電話が入る。相手の名はドクター・ナッシュ。彼女の担当医だという。クローゼットにあるカメラを見れば、昨日の自分からのメッセージがあるという。そこには確かに彼女自身が録画した映像があった。外でナッシュと会ったクリスティーンに、彼女の記憶障害が起こった事件について語り始める。なぜ、ベンはその事を語らなかったのか??徐々に記憶を取り戻しつつあったクリスティーンは驚愕の事実にたどり着く・・
私評:私の名前はクリスティーン。私は記憶障害で明日は記憶が残っていない・・・試写会で一足先に観てきました!英国ミステリー界騒然のベストセラー!という触れ込み。彼女が記憶を無くした原因はいったい何なのか?同じ日々の繰り返しの中から少しずつ事件の全容が見えてくる。90分くらいの映画なのですが最後の10分間で怒涛の展開を見せます。怪しいと思っていた奴が実は善人だったり・・・。最後まで登場人物を疑い続けました。主演は私の女神ニコール・キッドマン様。相変わらずの美しさ。あの裸の後ろ姿は彼女自身でしょうか??今回、ニコール様は暴行にあって血まみれ・・・。ああ、可哀想。ベン役は「英国王のスピーチ」「ラブ・アクチュアリー」のコリン・ファース、医者のナッシュ役は「キック・アス」のマーク・ストロング。製作総指揮は「エイリアン」「エクソダス」のリドリー・スコット。監督はローワン・ジョフィ。
風に立つライオン  監督 : 三池崇史  出演 : 大沢たかお、石原さとみ
 2014年 日本映画
1987年、長崎の大学病院に勤務する島田航一郎はケニアの研究施設に派遣された。恋人の貴子には「一緒に来ないか」と声を掛けたが、彼女は実家の診療所を継ぐことを選ぶ。そんなある日、航一郎は国境近くの赤十字病院の要請を受け一緒にケニアに渡った青木と一緒に赴任。ところがそこは戦場が近く毎日信じられないくらいの負傷兵が担ぎ込まれてきた。そんな過酷な環境下に日本人の看護師が派遣されてくる。彼女の名前は草野和歌子。彼女の技量の高さを悟った航一郎は院長に対して、禁止されていた「看護師の縫合」を進言した。そんな時、病院に少年たちが担ぎ込まれた。少年の多くは地雷を発見するために地雷原を歩かされたのだ。また、彼らの中には兵士として実際に人を殺した少年もいた。彼らは麻薬を打たれ正気をなくしていた。誰にも心を開かない少年に航一郎は手を焼くが・・
私評:僕は医者になんかなれない。僕は人殺しだ・・・この映画に登場するのは実在の人物、柴田紘一郎さんがモデル。1987年に彼の活動にインスパイアされた“さだまさし”が、紘一郎さんが日本の恋人に宛てて書いた手紙を歌にした。それが「風に立つライオン」。また、この曲にインスパイアされたのが大沢たかお。彼がこの曲の小説化、そして映画化を熱望。2013年にさだまさし自身が原作を書き上げ、そして今回映画化となったわけです。ケニアの深刻な戦況は事実に基づいていると思いますが、かなり悲惨。子供たちに手を繋がせて地雷原を歩かせたり、薬を使って洗脳したりとまさに無法地帯。そんな子供たちに真正面から向かい合う主人公の姿は感動的。そして彼の影響を受けて看護師の和歌子が子供たちのための学校を作るシーンも良いです。欲を言えばなんだか途中がダラダラ。主演は「藁の楯」の大沢たかお、和歌子役は「貞子3D」の石原さとみ、貴子役は「さよなら渓谷」の真木よう子。その他、萩原聖人、鈴木亮平、石橋蓮司などなど・・。監督は「十三人の刺客」「藁の楯」の三池崇史。
ナイト・ミュージアム エジプト王の秘密  監督 : ショーン・レヴィ  出演 : ベン・スティラー、ロビン・ウィリアムズ
Night At The Museum Secret Of The Tomb  2014年 アメリカ映画
ニューヨーク自然博物館の夜警をしているラリーは、夜な夜な不思議な力で動き出す展示物とすっかり仲良し。彼らの力を借りて夜の博物館でイベントを行うが、突如として展示物たちに異常が起こる。会場はパニックになってしまう。その原因は不思議な力の源である「アクメンラーの石板」にあった。金色に輝く石板が錆び始めてきたのだ。この原因を突き止めるにはラリーはかつて、この博物館で夜警をしていてラリーを採用した大先輩を訪ねた。そしてどうやらこの謎を解く鍵は大英博物館にあるらしいという情報を得る。館長を説得してイギリス行きを決めたラリーは息子のニッキーを伴い、大英博物館への潜入に成功。実はこの石版は古代エジプトのファラオ、アクメンラーが生まれた時に、彼の両親が作らせたものだった・・
私評:ニッキーはもう大人・・・人気シリーズの3作目にして完結編。博物館の展示物たちが夜な夜な動き出すという奇想天外な発想がこのシリーズの人気。CGもふんだんに盛り込んで遊園地で遊んでいるみたいな感覚になれます。CGのクオリティも(もちろん)今回は最高。しかも97分というお手頃な長さなのでサクッと見られます。まあ、この映画はあまり考えてみる映画ではなく「お~!」とか「わ~!」とか言いながら楽しむ作品。笑いもいっぱいあって私は楽しかったです!主演は「LIFE!」のベン・スティラー。この映画の面白さの8割はこの人のキャラクター。笑いのツボでした。ルーズベルト大統領の役は昨年惜しくも亡くなったロビン・ウィリアムズ。なんだか心なしか彼に覇気を感じなかったのですが、そう感じたのは私だけ??そして大英博物館のエジプト王役は「ガンジー」のベン・キングスレイ。そして「レ・ミゼラブル」のヒュー・ジャックマンが本人役で登場!このシーンが一番笑えました。監督はシリーズ全作、そして「リアル・スティール」のショーン・レヴィ。
暗殺教室  監督 : 羽住英一郎  出演 : 山田涼介、山本舞香、知英、橋本環奈
 2015年 日本映画
謎の宇宙生物によって月が破壊され、地球の滅亡も秒読み。そんな時、その生物はある提案をする。地球滅亡までの間、その生物は超エリート進学校「椚ヶ丘中学校」の出来損ないの生徒たちが集う(ENDの)E組の担任を請け負ったのだ。そして生徒たちに自分を殺すように仕向けたのだ。成功の報酬はなんと100億円!!「殺(ころ)先生」と名付けられた生物と生徒たちは毎日が闘い。しかし、超絶な能力を持つコロ先生はどんなに銃弾を放っても、爆弾を放ってもするりと交わしてしまう。しかし、コロ先生の授業、そして教育者としての姿勢は徐々に生徒たちに浸透し、温かい師弟関係が築かれていく。いつまでも成果が上がらないE組にしびれを切らした政府は、新たな刺客を送り込むが・・
私評:まだまだですね~。早く私を殺してください・・・・コミックはすごい販売数でテレビアニメも大好評の作品が実写化。それにしてもよくこの作品を実写化できたな~!と感心することしきり。私はどうも作品の雰囲気にノリきれずじまい。おっさん化しているという事でしょうか?だけど、劇場に来ていた子供たちはかなり盛り上がっていました。アクションシーンはかなり気合が入っていましたね。そして映画の最期に“To Be Continued…”の文字が・・・。続くのか!!決してつまらない映画ではなかったのですが、正直、何も印象が残っていません。主演はHey Say Jump!の山田涼介。映画初主演ですが、彼はけっこう演技が上手いかも?彼のクラスメートで成績優秀だが停学中の赤羽役は「海月姫」の女装が印象的だった菅田将暉、殺し屋として派遣されたセクシー先生イリーナ役は「元・KARA」の知英、自立思考個定砲台役は「天使すぎるアイドル」橋本環奈、そして防衛省所属の副担任、烏間役は「謎解きはディナーのあとで」「悼む人」の椎名桔平。その他、高嶋政宏、加藤清史郎などなど。そしてコロ先生の声は嵐の二宮和也!監督は「海猿シリーズ」の羽住英一郎。
ジュピター  監督 : ウォシャウスキー姉弟  出演 : ミラ・クニス、チャニング・テイタム
Jupiter Ascending  2014年 アメリカ映画
家政婦として日々働き続けるジュピター。彼女は母親と叔母の3人暮らし。そんな彼女に転機が訪れる。突如、何者かに襲われた彼女は、見ず知らずの男に助けられる。彼の名前はケイン。彼は遠い星の遺伝子操作によって生まれた階級の低い男。そして彼は戦うためだけに育てられた究極の戦士だという。ケインはジュピターが宇宙最大の王朝の王族だと語る。遥か宇宙にある王朝では三人の継承者が覇権めぐり争っているが、亡き母と同じ遺伝子配列を持つジュピターが生まれ変わりとして地球を引き継ぐ運命なのだと言う。王朝の長男バレムは10万年前から支配してきた人類をジュピターもろとも滅ぼそうとしているのだ。ジュピターとケインは、ともに人類の危機に立ち向かうが・・
私評:宇宙でいちばん貴重なものは「時間」・・・最新のCG技術の粋を集めて作られたSFアクション大作。映像はすごいです。3D映像は宇宙が舞台だとその威力をさらに発揮しますね。飛び交う戦闘機、銃弾。そこに突然なら合われる巨大戦艦!今回はIMAXで鑑賞したのでさらに迫力アップ!しかし、なぜか新しさを感じない。なぜでしょう?ストーリーは単純なはずなのですが、わざと入り組ませていてちょっとダラダラした感がありました。まあ、アクションの映像だけで結構楽しめちゃうんですけどね・・・。主演は「テッド」「サード・パーソン」のミラ・クニス。ケイン役は「フォックス・キャッチャー」のチャニング・テイタム。この2人けっこう地味です。(笑)そして悪党のバレムを演じるのは今年のアカデミー賞男優のエディ・レッドメイン。ジュピターを守るベテラン兵士役で「ロード・オブ・ザ・リング」のショーン・ビーン。そして悪の殺し屋(?)役で「空気人形」「ほえる犬は噛まない」のペ・ドゥナも登場します。監督は「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー姉弟。


前回の記事も読んでね~!



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