2015/3/21

今回はアカデミー賞で話題になった2作品を鑑賞。
やっぱり良いです。

博士と彼女のセオリー  監督 : ジェームズ・マーシュ  出演 : エディ・レッドメイン、フェリシティ・ジョーンズ
THe Theory Of Everything  2014年 イギリス映画
今回のイチ押し:1963年、イギリスの名門ケンブリッジ大学の大学院で物理学を研究するスティーブン・ホーキング。彼はちょっと変わりものだったが天才的な頭脳を持っている。そんな彼がパーティで恋に落ちた。彼女の名前はジェーン。ふたりはお互いの価値観を認め合い、愛を深めていった。しかし、その頃からスティーブンの体に異変が起こる。学校内で頭から転んだスティーブンは病院に担ぎ込まれ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断された。余命はたったの2年。スティーブンはジェーンの事を考え、別れを選択するが、ジェーンは彼に寄り添うことを決意。そしてふたりはめでたく結婚した。子宝にも恵まれるがスティーブンの病気は確実に彼を蝕んでいく。しかし、ジェーンの支えの元で、スティーブンは研究者として着実に成果をあげ、「ブラックホールの特異点定理」を発表。世界的にも注目を集める。その後もふたりの子どもを儲けるが、ジェーンはスティーブンの介護と子供たちの世話で心身ともに疲れきってしまう・・
私評:“あっち”は無意識なので大丈夫・・・ホーキング博士と言えば車椅子に乗った天才科学者として有名ですが、彼のプライベートの事は全く知りませんでした。しかも、長年に渡り彼のパートナーを務めたジェーンとの恋物語は、まさにドラマチックという言葉がピッタリ。余命2年と言われた彼が、今なお健在なのはジェーンの愛があったからでしょうね。しかし、病気の進行で声もなくしたスティーブンは究極の決断をするのです。このシーンは彼の心情が伝わってきてめちゃ泣けました・・・。ブラックホールの話などは、私は全くわかりませんが、何か分かりやすい説明があればさらに良かったかも??主演はこの映画でアカデミー主演男優賞を獲得した「レ・ミゼラブル」のエディ・レッドメイン、ジェーン役はアカデミー主演女優賞にノミネートされたフェリシティ・ジョーンズ。この映画はこのふたりの名演につきます。監督は「マン・オン・ワイヤー」のジェームズ・マーシュ。
イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密  監督 : モルティン・ティルドゥム  出演 : ベネディクト・カンバーバッチ、キーラ・ナイトレイ
The Imitation Game  2014年 イギリス・アメリカ映画
今回のイチ押し:第2次世界大戦時、イギリス軍はドイツが開発した暗号機「エニグマ」の解読に躍起になっていた。しかし、毎日変わるこの暗号の組み合わせは想像を絶する。エニグマを解読するため、イギリス国内からエキスパートが集められた。そのメンバーのひとりアラン・チューリングは天才的な数学者。彼は人間の頭脳では制限時間内に暗号解読は不可能だとして、解読用の機械を作成しはじめる。他のメンバーも頭脳を駆使してエニグマに挑むが、惨敗を重ねていく。そしていつしかチューリングの理論に賛同する者たちが現れる。そしてチューリングは一般人からも才能ある者を登用する。そこで彼が出会ったのがクロスワード・パズルの天才のジョーンという若い女性。国から10万ポンドの予算を引き出しチューリングたちは機械を作り上げる。そしてついに暗号は解読されるが・・
私評:私は罪人なのか?それとも英雄なのか??・・・チューリングが発明したこのシステムは現在のコンピューターの元祖(らしい)。しかし、チューリングのこの偉業は50年間も封印されていたというから驚きです。まあ、戦争中に「暗号解読できたよ~!」と発表したらすぐに変えられてしまいますからね。彼がエニグマを解読したことによって終戦が早まったことは事実。つまり、武器を持たずに頭脳で戦争を終結に導いたのですから、彼を英雄と呼ばずになんと呼べば良いのでしょう?映画の中では暗号がどいうものかという物理はなく、どれだけ解読が大変なのかというところだけが語られる。それが映画を面白くして、いいテンポに繋がっているのでしょうね。あるヒントをきっかけに機械が答えを導き出す瞬間はドキドキしました!主演は「スタートレック イントゥ・ダークネス」のベネディクト・カンバーバッチ。彼はこの映画でオスカー候補に。ジェーン役は「はじまりのうた」のキーラ・ナイトレイ。その他、「イノセント・ガーデン」のマシュー・グード、「エイリアン3」のチャールズ・ダンス、「キック・アス」のマーク・ストロングなどなど。監督はモルテン・ティルドゥム。
ブルックリンの恋人たち  監督 : ケイト・パーカー=フロイド  出演 : アン・ハサウェイ、ジョニー・フリン
Song One  2014年 アメリカ映画
ヘンリーは売れないストリート・ミュージシャン。その日も街頭でライブをしていたが、ヘッドフォンをしたまま歩いていた彼は車に跳ねられ意識不明の重体になってしまう。そのニュースはモロッコにいた彼の姉のフラニーにも届いた。急いで帰国した彼女は弟の様態を見て愕然とする。実はフラニーはミュージシャンになるために大学を辞めたヘンリーと大喧嘩をしていたのだ。ヘンリーの部屋で彼の自作の音楽を見つけたフラニーは、その曲に感動する。そして自分が今まで彼の事をまったく知らなかった事を悔やみ、彼の日記を元に彼が勤めていたギターショップ、行きつけのレストラン、ライブハウスを訪ね歩く。そんなある日、フラニーはヘンリーの部屋にポスターが貼ってあったミュージシャンのジェイムズと出会う。ジェイムズはヘンリーが憧れていたミュージシャン。弟の事を話すと彼は病室に見舞いに訪れ、ヘンリーの前で歌を歌ってくれた。フラニーはジェームズとの時間を重ねて、徐々に彼に惹かれていく。しかし、彼はあと数回のライブをこなした後、故郷に帰る事になっていた・・・
私評:歌う事は素晴らしいんだ・・・都内でもひっそりと公開されているこの映画。私の大好きな音楽がモチーフになっている映画。ニューヨークのブルックリンで夜な夜な行われいるライブの様子が映画の中で何度も登場します。トラッドのフォーク、カントリーミュージック、クラブミュージック、そしてナオミ・シェルトンのため息が出るほどメロウで哀しげな歌。最高です!ストーリーはとってもシンプルなのですが、ブルックリンの街並み、ネオン、そしてこれらの音楽がこの映画の最高のエッセンスになっている事は間違いありません。低予算の映画ではあるのですが、心に残るステキなラブストーリーでした。主演は「レ・ミゼラブル」で抜群の歌唱力を世界に見せつけたアン・ハサウェイ。しかし、この映画の中では下手くそな歌を披露。これも彼女の実力か??彼女はプロデューサーでもあります。ジェームズ役はミュージシャンとしても活躍しているジョニー・フリン。フラニーの母親役は「バック・トゥ・ザ・フューチャー Part3」のメアリー・スティーバージェン。この映画のプロデューサーには「羊たちの沈黙」のジョナサン・デミも名を連ねています。監督は「プラダを着た悪魔」で監督アシスタントをしていたというケイト・パーカー=フロイド。
イントゥ・ザ・ウッズ  監督 : ロブ・マーシャル  出演 : メリル・ストリープ、エミリー・ブラント
Into The Woods  2014年 アメリカ映画
パン屋の夫婦は仲睦まじいが子供ができないのが悩み。そこに森の魔女がやってくる。実は昔、パン屋の主人の父親が魔女の家の庭に忍び込み、魔法の豆を盗んだのだ。その時、魔女は息子には子供ができないよう魔法をかけたのだという。その魔法を解くためには「ミルクのように白い牛」「血のように赤いずきん」「とうもろこしのように黄色い神」そして「金のように輝く靴」を3日間で用意することが必要だった。夫婦はそれらを手に入れるためにさっそく森へと向かう。そこでふたりはジャックという少年が真っ白な牛を連れて歩いているところに遭遇。ふたりは魔法の豆と交換で牛を手に入れる。そして森の奥の小さな小屋では狼に丸呑みにされた赤ずきんを救出。彼女の赤いずきんを手に入れる。しかし、ある悲劇が夫婦を襲う・・・
私評:夢は叶う・・・ブロードウェイのミュージカルが映画化されました。しかも、パン屋の夫婦以外の登場人物たちが有名な童話の主人公たち。赤ずきん、ジャックと豆の木、塔の上のラプンツェル、シンデレラの「その後」が描かれます。しかも、それがどれもかなりシュール。上記の童話はどれもハッピーエンディングなのですが、現実はシビアなのです?映像もけっこうダークだし・・・。しかし、作品がミュージカルなのですごくテンポが良い。そしてこの映画のために集ったメンツが実に魅力的です。魔女役はアカデミー賞の常連のメリル・ストリープ、パン屋の主人は「ワン・チャンス」のジェームズ・コーデン、妻役は「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のエミリー・ブラント、(メリル&エミリーの組み合わせだと「プラダを着た悪魔」がありましたね!)、シンデレラ役は「マイレージ、マイライフ」のアナ・ケンドリック、シンデレラの王子役には「スタートレック」のクリス・パイン、そしてオオカミ役は「チャーリー・モルデカイ」のジョニー・デップ。どうですこのメンバー!このオールスターキャストを見るだけでも、この映画を見る価値あり。監督は「シカゴ」のロブ・マーシャル。
ジェサベル  監督 : ケヴィン・グルタート  出演 : セーラ・スヌーク、マーク・ウェバー
Jessabelle  2014年 アメリカ映画
妊娠中のジュサベルはBFと一緒に新居へ引越し。幸せいっぱいの彼女だったが、次の一瞬で全てを失ってしまう。ふたりを乗せた車はトラックと衝突してBFとお腹の子供の両方をなくしてしまったのだ。数ヵ月間のリハビリを終えて、ジェサベルは子どもの時に別れた父親に引き取られ故郷の古い屋敷に移り住んだ。彼女はひょんな事で古いビデオテープを発見。その中身はジェサベルを産んで直ぐに死んでしまった母親から彼女へのメッセージが入っていた。そしてタロットカードの占いを始めるが、徐々に表情が曇っていく。帰宅した父親はなぜか激怒しテープを破壊して、しかもジェサベルの車椅子を湖に投げ捨ててしまう。その夜、ジェサベルの枕元に会ったこともない女の子が訪れる。以来、少女は夜な夜なジェサベルの夢に現れては、彼女を殺そうとする。そんなある日、ジェサベルは隠し持っていた残りのVHSを再生すると、母親は焦燥し美しかった時の面影もなくなっていた。しかし、ふたたび父親に現場を発見され、彼はVHSを焼いてしまおうとするが、火が彼の体に引火し物置小屋に閉じ込められ焼死してしまう・・・
私評:私の名前はジェサベル・・・超インパクトがあるチラシの画像を見て以来、気になっていた作品が都内1館だけで公開されました、すでにDVDの発売も6月で決まっていますが、ホラーはやっぱり劇場で観ないとね!そんな怖くないだろうとタカをくくっていたら、けっこうドキドキする展開。少女の幽霊、母親が残した不気味なビデオ、湖の向こう側の謎の光・・そして葬られていた過去の事件が次々に掘り起こされていく。ジェサベルが車椅子を使っているところも怖さに拍車をかけます。90分の作品の60分くらいまではすごく面白かったのですが、残念なことに後半は失速。オチはいい感じで練られていたのですが・・・。まあ、サクッと怖がりたい人にはおすすめかも? ジェサベル役はほとんど無名のセーラ・スヌーク。決して美人とは言い難いのですが、終始ホラーヒロインの鉄則である“巨乳”“タンクトップ”を見せまくります。彼女の幼馴染のプレストン役は「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」のマーク・ウェバー。母親役はジョエル・カーター、幽霊の少女はアンバー・スティーブンス。監督は「SAW ザ・ファイナル」のケヴィン・グルタート。


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