2009/4/5

桜の季節ですが、お花見で騒ぐのが嫌いな私は映画館通い。
今回は2回も試写会があったので嬉しかったです。
今回もイチ押し候補ばかりですが泣く泣く2作品に絞りました。

フロストXニクソン  監督:ロン・ハワード  出演:フランク・ランジェラ、マイケル・シーン
Frost Nixon  2008年 アメリカ映画
今週のイチ押し:1974年、第37代大統領リチャード・ニクソンは自ら政界の表舞台から姿を消した。彼がホワイトハウスから去る光景は全世界にTV中継され、実に4億人が目撃した。人気テレビ司会者のデビッド・フロストはその数字を聞いて驚くとともに、ニクソンと1対1のトークショーを思いつき交渉を始めた。数ヶ月後、ニクソンの代理人から電話が入る。60万ドルという法外な料金を突き付けられたフロストはこれを受け、プロデューサーのジョン・バート、そして飛行機の中でナンパしたキャロラインを伴いニクソン邸を訪れた。ご機嫌な態度で彼らを迎え入れたニクソンに対し、フロストは前金の20万ドルを自前で立て替える羽目になってしまう。この企画をアメリカの3大ネットワークへの売り込みに苦戦していたのだ。そして迎えた1973年3月23日。ついに歴史的なインタビューが開始された・・
私評:私は君にとって最も手ごわい敵になるだろう・・・・泥沼化したベトナム戦争、ウォーターゲート事件などの汚名を残し、アメリカ大統領で唯一、自ら辞任した大統領のニクソン。しかし、彼のカリスマ性は誰もが認めるところでしょう。そんな彼にTVショーという舞台で戦いを挑んだ男の話です。このふたりの『戦い』はすごい!カメラの前で語り合うふたりは、まさに火花を散らし闘っていたのです。前半は圧倒的な優位でニクソンが攻めに攻める。しかし、クライマックスのウォーターゲート事件の件で反撃に出るフロスト・・・。とにかくこのふたりの演技に圧倒されっぱなしの2時間。特にニクソンを演じたフランク・ランジェラはすごい!彼は今年のアカデミー主演男優賞にノミネートされていましたが、納得の演技です。というか、彼が最優秀じゃないの??彼に真っ向から勝負を挑むフロスト役はマイケル・シーン。TVプロデューサー役は「プライドと偏見」のマシュー・マクファディン、フロストと組むジャーナリスト役はオリバー・プラット、そして作家役でサム・ロックウェル、ニクソンの側近役はケビン・ベーコン。監督は「アポロ13」のロン・ハワード。
ストレンジャーズ 戦慄の訪問者  監督:ブライアン・ベルチノ  出演 : リヴ・タイラー、スコット・スピードマン
The Strangers  2008年 アメリカ映画
今週のイチ押し:クリスティとジェームズは気まずい思いで車を走らせていた。友人の結婚パーティの夜、ジェームズは彼女にプロポーズをしたが断られてしまったのだ。その夜のために用意したバラの花びら、シャンパン、そしてBGMもすべてが空しい。そんな空気を裂くように、何者かがドアをノックした。時間は朝の4時なのに・・。すると、そこには一人の若い女が立っていた。「タマラはいる??」不気味な女は渋々その場から消え去った。気分転換にドライブに出たジェームズ。ひとり残されたクリスティはふたたびノックの音に驚かされる。しかも、ノックの音は徐々に大きくなっていく。窓から外を覗くと、そこにはマスクをした男が立っていた。クリスティからの電話を受け家に戻ったジェームズ。ふたりで窓から外を見ると、さっきやってきた女がマスクをつけてこちらを見ている。ただのいたずらなのか??しかし、二人は想像を絶する恐怖を味わうことに・・
私評:あたり一面・・血だらけなの…助けて・・・これはアメリカで実際に会った事件がベースになっている。いわゆる、愉快犯という奴で何の理由もなく人を殺すという極めて悪質な事件。しかし、こういう輩にたいしては予防のしようがないのです。それゆえ、いつ自分の身に降りかかってくるかも分からない恐怖がこの作品のコアです。また、この映画では犯人がやたらと画面にカットインしてくるのですが、次のシーンでは消えている。これはジョン・カーペンターの「ハロウィン」でも用いられた手法ですが、効果的に使われています。そしてやはり映画館の大音響はこの作品の恐怖を更に引き立てます。いや〜、久々にドキドキしました。主演は「アルマゲドン」のリヴ・タイラー。彼女の怖がる顔がまた怖い!(笑)そしてジェームズ役は「アンダーワールド」のスコット・スピードマン。監督はブライアン・ベルチノ。
マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと  監督 : デヴィッド・フランケル  出演:オーウェン・ウィルソン、ジェニファー・アニストン
Marley & Me  2008年 アメリカ映画 
新婚カップルのジョンとジェニーは新しい家族をして一匹のラブラドール・レトリバーを買った。200ドルという破格値だったこの犬はマーリーと名付けられた。しかし、この犬はとんでもないいたずら好き。とにかく噛みつく、食いちぎる、そして暴走する。訓練所に連れて行っても退校処分を受けてしまうし、留守番を頼んだ犬好きの少女も「2度と御免です」と捨てぜりふを吐いて帰ってしまった。そんな時、ジョンは上司からコラムを書くよう依頼される。気が進まないジョンだったが、彼の思いと裏腹に彼の書いたコラムは大評判!マーリーを中心に書かれたコラムは長く連載されることになる。そんな折、ジェニーは妊娠。しかし、10週目に入る前にジェニーは流産をしてしまう。落ち込む彼女の隣にはマーリーがいた・・
私評:マーリーのいない家なんて考えられない・・・・わが家の愛犬「トムくん」もマーリーに負けないくらいのおバカ犬ですが、小さいのでまだなんとかなります(笑)。しかし、レトリバーはでかいので大変ですよね〜。ジョンとジェニーの夫婦の歴史にいつもマーリーが一緒にいて、マーリーはずっとそんな彼らを見つめていた。ファミリーフォトにはいつもマーリーがいる。そして夫婦にはついに3人のこどもを授かり、家族として充実して、絆も深まっていく。しかし、それらを築く上にマーリーは一躍買っていたのですね。この映画は本来の夫婦の、そして家族の在り方を再確認させてくれる。それは難しいことではなくて、ただ一緒に歩いて行くことなのです。そして苦労を乗り越える度に絆は強くなって行く。しかし、最後は泣けました。特に長男君のセリフ・・・。主演は「ナイトミュージアム」のオーウェン・ウィルソンと「迷い婚」のジェニファー・アニストン。この夫婦がお互いを思いやる気持ちに溢れていて素晴らしいんです。そしてジョンの上司役は「リトル・ミス・サンシャイン」のアラン・アーキン。そしてこの映画の中で一番ビックリしたのは犬の教官役で登場したキャスリン・ターナー。昔の面影はまったくなくて、ただのデブなおばさんになっていました。監督は「プラダを着た悪魔」のデヴィッド・フランケル。
ラスト・ブラッド  監督:クリス・ナオン  出演:チョン・ジヒョン、小雪、倉田保昭
Blood the Last Vampire  2009年 香港・フランス映画
TOKYO、大きな筒を担いで地下鉄に乗っている一人の少女がいた。その車両には新聞を読む男が・・。突如彼女は筒の中から日本刀を出し男に斬りかかる。牙をむいて反撃する男は頭を真二つにされ絶命した。彼女の名前はサヤ。彼女は400年前からオニと戦い続けてきたのだ。彼女の父親は鬼の起源であるオニゲンによって殺されたのだ。そして彼女は徐々にオニゲンに近づいていく。アメリカ基地内で惨殺死体が出たことをしったサヤは、基地内の学校に転校した。そこで女子高生に化けたオニが、サヤのクラスメイトのアリスに襲いかかるのを見たサヤは、オニたちを斬り捨てた。ふたりのクラスメイトをけしかけ自分を襲わせようとした教師に真相を聞きに出かけたアリス。しかし、そこはオニたちの巣窟。あっという間にオニたちに群れに囲まれてしまう。しかし、そこに現れたのはまたしてもサヤだった・・・・
私評:雑魚はもういらない。オニゲンを殺す・・・・私の大好きな「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンが日本のアニメーション「BLOOD THE LAST VAMPIRE」の実写版に主演するというので以前から楽しみにしていた作品がようやくお目見えです。この映画は原作が日本、主演は韓国人、プロデューサーは香港、監督はフランス人という実に国際色豊かな映画です。これは対ハリウッド映画でもあるのかも??映画はとにかくすごいアクション。主演のチョンちゃんは初のアクション映画らしいのですが、ワイヤーで吊られたり、ふっ飛ばされたり、そして見事な回し蹴り!!(その時のパンチラがセクシー!)とにかくカッコ良かったです!!オニゲン役は小雪。彼女って妖怪っぽい感じがするので、この役はピッタリでしたね。そしてサヤを育てた加藤という爺さん役は倉田保昭。まだまだ、アクションスターで行けます!アリス役はTVシリーズ「デスパレードな妻たち」のアリソン・ミラー。監督は「キス・オブ・ザ・ドラゴン」のクリス・ナオン。最後にこの映画で気になるのが吹き替えです。チョン・ジヒョンの日本語は全部吹き替えですが、なんか不自然。そしてたぶん小雪の声も吹き替えみたいに違和感があるんです・・。なぜ??
セントアンナの奇跡  監督 : スパイク・リー  出演:デレク・ルーク、マイケル・イーリー
Miracle at St. Anna  2008年 アメリカ・イタリア映画
NYの郵便局に勤めている黒人の男。彼は切手を買いに来た男の顔を見るなりいきなり銃を放った。これまで慎ましく生きてきた男がなぜ??そして男の部屋からはイタリアのフィレンツェの橋にあった、彫像の頭部が発見される。この橋はナチスによって爆破されたのだ。謎を解くカギは1944年のイタリアにあった。その時、郵便局員はトスカーナにいた。彼が所属していたのは第92歩兵師団、バッファロー・ソルジャー。最も危険な最前線に送り込まれる黒人部隊だ。彼らは命令に従い川を渡るがそこにはドイツ兵が待ち受けていた。彼を含む4人の男は銃撃から逃げているうちに部隊からはぐれてしまう。しかも、ちょっと頭の回転が鈍い優しい大男トレインは爆撃を受けた地元の少年を助けて連れてきてしまう。彼らは食料と少年の治療を求めて地元の村を訪ねる。回復した少年は不思議な力を持っていた・・・・
私評:チョコレートの巨人、好きだよ!・・・この映画のタイトルにもなっているセントアンナには悲しい歴史がある。ドイツ軍により教会の前で罪もない村人が惨殺されたのだ。映画の中でもそのシーンは再現されていて、思わず目を背けそうになってしまった。兵士が救った少年はその事件の唯一の生き残りで、事件で死んだ彼の兄が守護の天子のように少年に付きまとっているのです。そしてドイツ軍の攻撃は村にも押し寄せてくるのです。映画は2時間46分という長尺ですが、内容が濃いので一時も目を離すことができません。そしてなんとも遣る瀬ない、それでいて何だかほんわかしたエンディングを迎え、緊張が解けたとたんにグッタリと疲れてしまいました。それくらい映画にのめり込んでいたのですね・・。映画の中には何度か壮絶な惨殺シーンがあるのでR15指定です。出演はデレク・ルーク、マイケル・イーリー、ラズ・アロンソ、オマー・ベンソン・ミラーが兵士たちを演じます。無名な彼らが素晴らしい演技を見せます。NYの刑事役でジョン・タトゥーロが登場します。監督は「インサイドマン」のスパイク・リー。
鑑識・米沢守の事件簿  監督 : 長谷部安春  出演 : 六角精児、萩原聖人、
 2008年 イギリス映画
東京ビッグシティマラソンのテロ事件は杉下・亀山のコンビの活躍で解決した。顔認証システムで犯人を追っていた米沢は、マラソンの参加者の中に別れた妻の知子を発見する。警察の威力を使い彼女の情報を探り出した米沢。しかしその翌日、彼女は死体で発見される。しかも、名前は同じ知子でも、米沢の別れた妻ではなかった。彼女の死は自殺で処理されるが納得のいかない男が一人いた。彼は死んだ知子の元夫で所轄署の刑事相原だった。知子の死に疑問を抱いた相原は、知子が務めていた警察の外郭団体・青少年防犯協会(青防協)を訪ねた。強引に同行させられた米沢は青防協が警察の天下り先であること、そしてそこの課長から知子が理事からセクハラを受けていたという情報を聞き出す。この理事も警察の天下りだが、セクハラが問題で警察を去っていたのだ。知子の死に事件性を見出した二人は独自の捜査を開始する・・・・
私評:これは私のヤマですから・・・・昨年大ヒットした「相棒」からのスピンオフ作品。しかし、スピンオフってけっこう面白かったりするんですよね。この作品がどうだったかというと・・・決してつまらなくはないのですが、それほどでもなかったというのが率直な感想。まあ、私が米沢鑑識官にまったく思い入れがないですからね。それゆえに、キャラクターの弱さは否めず。テレビの2時間ドラマだったら秀作といえたかも???米沢を演じるのは六角精児。いかにもオタクって感じがこの役には合っているかも?熱血刑事相沢役には萩原聖人。そして青防協の経理課長役で市川染五郎が登場。もちろん、相棒の水谷豊、寺脇康文も登場します。監督は「あぶない刑事」のベテラン監督長谷部安春。


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