なんとかPCも復活して溜まったレビューを書いています。
これで半分は終了。まだまだ、書きますよ〜!!
今回のイチ押しは文句なしの癒し系映画。
西の魔女が死んだ | 監督:長崎俊一 | 出演:サチ・パーカー、高橋真悠、木村祐一 | |
2008年 日本映画 | |||
今週のイチ押し:中学生のまいは、突然学校には行かないと両親に宣言した。まいの両親は理由は聞かず、彼女を母方の祖母の家に連れて行った。まいはこのおばあちゃんが大好きだった。おばあちゃんはイギリス人で日本に嫁いで来たのだ。しかも、おばあちゃんは魔女の血を引いているという。まいはおばあちゃんの元で魔女になるための修行をすることに。しかし、その修行は日々の生活をしっかりと送ることで、まいにとってはとっても退屈な事だった。山の畑で採れた野菜やハーブに囲まれた生活は徐々にまいに笑顔を取り戻させた。ところが、近所に住むゲンジという変な男の事でおばあちゃんとまいは諍いを起こしてしまう。そしてまいはわだかまりを残したまま両親の元に戻る事になった・・ | |||
私評:ニシノマジョカラ、ヒガシノマジョヘ・・・・・・この映画には日ごろ私たちが忘れてしまいがちな、小さな教訓がたくさん詰め込まれている。だいたい、そういう話を聞かされる時っていうのはお説教じみた言葉が多いのですが、この映画のおばあちゃんはそっと包み込むように、そしてとてもわかりやすい言葉でまいを正しい方向へと導いてくれる。そして都会では決して味わう事のできない、季節の移り変わりを、そして小さな日々の変化を見る事の幸せを目の当たりにするのです。台詞にもあるのですが「毎日の変化を楽しむから、前もって先を知る必要はない」。自然と共存する・・こんな生活ができたらいいな〜・・・。おばあちゃん役はシャーリー・マクレーンの娘、サチ・パーカー。実は彼女は少女時代を日本で過ごしていたので日本語がペラペラ。彼女の素敵な台詞のひとつひとつがこの映画の見所です。まい役は新人の高梨真悠ちゃん。両親役は大森南朋とりょう。その他、郵便配達役で高橋克美、変人ぽい隣人役で木村祐一が登場します。監督は「8月のクリスマス」の長崎俊一。 | |||
バンテージ・ポイント | 監督: ピート・トラヴィス | 出演:デニス・クエイド、 マシュー・フォックス | |
Vantage Point | 2008年 アメリカ映画 | ||
スペインのサラマンカ広場に、アメリカ大統領のアシュトンが到着した。彼はテロ撲滅サミットの開催に合わせこの地を訪れたのだ。この模様は全世界にライブ中継されていて、女性プロデューサーのレックスが仕切っていた。大統領の警護に当たっているシークレットサービスの中には1年前に大統領に向けられた銃弾を、己の体を盾にして守ったバーンズがいた。これが彼の現場復帰の仕事だった。アシュトン大統領の演説が始まると同時に1発の銃弾が大統領を撃ち抜いた。パニックに陥る群集。しかし、バーンズは銃撃の直前に向かいのビルの窓に人影を見ていた。彼は群集の中でビデオカメラを回していたハワードの映像を見た。そして彼は次なる危機を見つけるがすでに遅かった。何者かが仕掛けた爆弾が爆発し、広場は修羅場と化してしまう・・・・ | |||
私評:誰かが嘘をついている・・・・大統領銃撃事件をさまざまな視線からみるという新しいタイプの映画。そして視点を変える毎に明らかになっていく事実。そんな謎解きだけではなくアクションもギッシリと詰まったお得な映画です。しかも、上映時間90分!それだけこの映画は贅肉をそぎ落とした、まさに無駄のない映画なのです。本当にあっという間に映画が終わってしまった。ひとりの視点が終わるとテープがリワインドされ、また同じ時間からスタートすると言うのも、面白い演出だったと思います。出演者はデニス・クエイド、シガニー・ウィーバー、フォレスト・ウィテカー、ウィリアム・ハートらのベテランに混じって、「LOST」のマシュー・フォックス、「オープン・ユア・アイズ」のエドゥアルド・ノリエガ、「ボーン・アルティメイタム」のエドガー・ラミレスなど個性的な面々が終結。監督はピート・トラヴィス。 | |||
ノー・カントリー | 監督:コーエン兄弟 | 出演:トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム | |
No Country for Old Men | 2007年 アメリカ映画 | ||
猟をしていたモスは銃殺された死体の山を発見する。そして近くのトラックの中にはバッグ一杯の札束と大量のヘロイン。バッグを持って自宅に帰ったモスは、その夜<自分を戒めながら>再び、現場へと足を運ぶ。思ったとおり、これが彼を破滅へと導いていく。彼は何者かに銃で撃たれ、重症を負ってしまう。なんとか家にたどり着いたモスは妻を実家に帰らせ、ただ一人逃亡を図る。彼を追っていたのは孤高の殺し屋シガー。実は現金の入ったバッグには発信機が取り付けられていたのだ。執拗なまでにモスを追い詰めるシガー。そしてもう一人、モスを追う男がいた。時代遅れの保安官エドだ。彼はシガーが現れる先々で築かれる死体の山を見て、モスの身柄を拘束しようとする。しかし、シガーはモスの滞在するモーテルを襲撃。シガーはボンベ式のエアガンでドアのシリンダーを打ち抜き、それがモスの腹部にあたり、モスは重症を負うが何とかメキシコへと逃げ伸びる。しかし、シガーは追跡の手を休める事はしなかった・・・・ | |||
私評:昔の保安官は銃を持たなかった。最近の犯罪は理解できない・・・今年のアカデミー賞を総なめにしたこの映画。はっきり言って「エンターテイメント」ではありません。ダークで、シュールで、そして残酷なまでにリアルな人間ドラマです。映画は静かな語り口の中で人間のエゴや邪悪な部分をじっくり見つめている。その醒めて乾いた映像が良いのです。アメリカ南部の乾いた土地に降り注ぐ血の雨・・。この設定はアメリカ以外の国ではどうなのでしょうね?しかし、この映画を好きか?と言われると私は苦手な作品。ラストの「どよ〜ん」とした終わり方も不気味だし・・。とにかく、この映画の3人の男たちは素晴らしいです。特にシガー役のハビエル・バルデムはすごい!(良いとか、悪いじゃなくて「すごい!」)あの不気味な演技は「羊たちの沈黙」にレクター博士級の怖さでした。そしてモス役は「プラネット・テラー」のジョシュ・ブローリン。最近、彼をよくスクリーンで見ますが「チョイ悪」な感じが私は好きです。そして大御所トミー・リー・ジョーンズは、貫禄の演技でした。監督はオスカー受賞のコーエン兄弟です。 | |||
ジャンパー | 監督 : ダグ・リーマン | 出演:ヘイデン・クリステンセン、サミュエル・L・ジャクソン | |
Jumper | 2008年 アメリカ映画 | ||
目立たない高校生デヴィッドは、ある日虐めに遭い凍結した川に落ちてしまう。次の瞬間彼は図書館への瞬間移動をしていた。彼はその力を悪用し、銀行から大金を盗み、その後荒れた生活を送る父の元を離れ、ひとりニューヨークに向かった。「世界中のどこへでも瞬時に移動できる」という力を利用してデヴィッドはセレブな生活を満喫した。しかし、そんな自由を邪魔するパラディンというグループが現れる。彼らは彼のような力を持った「ジャンパー」を狩るのが生業だった。デヴィッドは偶然出会った同じジャンパーと協力し、パラディンとの戦いに挑むが・・ | |||
私評:たまには普通の人間のように歩いてみたいんだ・・・・「瞬間移動」と力を持った青年の話ですが、この映画を見ていてすぐに浮かんできたのが「透明人間」の話。こういう特殊な能力を持つと人間は悪い方に使いたがる。これは自分に置き換えても、きっと同じことをすると思います。(確信)しかし、シナリオは穴凹だらけで辻褄が合わなかったり強引だったりするのですが、こういう作品の宿命ですね。予告編だけで全て観た感も・・・。とにかくこの映画では映像のすごさを堪能しましょう!しかも、90分にも満たない作品なので、サクッと見ることができます。主演は「スター・ウォーズ」2、3でアナキン・スカイウォーカーを演じたヘイデン・クリステンセン。そしてもうひとりのジャンパー役は「リトル・ダンサー」のジェイミー・ベル。パラディン役でサミュエル・L・ジャクソン。そしてデヴィッドの母親役はダイアン・レイン。監督は「Mr. & Mrs.スミス」のダグ・リーマン。 | |||
美しすぎる母 | 監督:トム・ケイリン | 出演:ジュリアン・ムーア、スティーブン・ディレイン | |
Savage Grace | 2007年 スペイン・フランス・アメリカ映画 | ||
美しいバーバラは大富豪と結婚し貧しい生活から抜け出した。それ以降の彼女は水を得た魚なのように社交界を泳ぎまわり、華やかで刺激的な生活をエンジョイしていた。やがて彼女はアントニーを産み彼を溺愛した。アントニーは成長し思春期を迎えていた。彼はバーバラの派手な私生活を嫌悪し始める。そして夫も彼女に冷ややかな視線を送るようになってしまう。やがて、夫はアントニーの恋人だったブランカという若い娘と一緒に、彼女の元を去ってしまう。狂ったように二人を罵倒するバーバラ。パトロンのサムを呼び、しばらく一緒に暮らすが彼女の心の溝を埋めることはできなかった。そしてバーバラは徐々にアントニーに傾倒していく。壊れていく母親を目の当たりにして戸惑うアントニーが選んだ究極の手段とは??・・・・ | |||
私評:これから外に出て最初に会った男に送ってもらうわ・・・この映画は実話がベースになっている。ブルジョワな生活を送り、我侭放題してきたバーバラにつけが回らないわけがない。天国から地獄へと突き落とされるように、ガラガラと音を立てて崩れていく彼女の幸せ。それを冷ややかな目で見つめる息子・・。バーバラは何事も「すぎる」のがいけなかったのですね。そんな家族の崩壊をカメラは冷酷に抉り出すように見つめていきます。そして家族の間に漂う妙な「しらけた雰囲気」が増殖し、ついには悲劇が・・・。どうにも救いようのない悲劇で私はすっかりブルーになってしまいました。主演は名女優ジュリアン・ムーア。彼女はこんなスキャンダラスな役もできるのですね・・。アントニー役は「エリザベス:ゴールデン・エイジ」のエディ・レッドメイン。監督はトム・ケイリン。 | |||