春っぽくなってきましたね。花粉症に負けずに
映画館に通います!
マジカル・ガール | 監督: カルロス・ベルムト | 出演 : バルバラ・レニー、ホセ・サクリスタン | |||||
Magical Girl | 2014年 スペイン映画 | ||||||
今回のイチ押し:元・文学の教師をしていたルイスは現在失業中。彼には日本のアニメ「魔法少女ユキコ」が大好きな娘、アリシアがいる。彼女は白血病で大きな手術も待っている。そんな時、ルイスはアリシアの日記を見た。そこには3つの欲しい物が書かれていて、2つ目には「ユキコ」のコスチュームと書かれていた。ネットで調べてみると特注品のため7000ユーロもする。到底、そんな費用は捻出できないが、ひょんな事で彼はバルバラという女性と出会い、一夜を共にする。彼女が金持ちだと踏んだルイスはその夜の模様を携帯に録音し、それをネタにバルバラに7000ユーロを要求する。夫とは仲が醒めているバルバラは且つてのビジネスパートナーで売春を斡旋しているアダを訪ねる。特別な客を紹介されたバルバラはなんとかお金を捻出し、受け渡しに成功。ルイスもコスチュームを購入するが、彼は大事な「魔法少女」のアイテムを買い忘れてしまう・・ | |||||||
私評: おお、私の守護天使・・・この映画好きです。まったく、先が読めないシュールな展開。理不尽なようだけど不思議と納得できるドラマ。そしてとても変な登場人物たち。しかも、スペイン映画なのにいきなり日本のアニメの主題歌(なんと歌っているのは演歌の長山洋子!)・・・。この映画には独特な世界観があります。現実の世界なのですが本当に不思議な世界。この世界がSの私には実に居心地良いのです。どんどん深みにはまっていく登場人物たちが辿る末路が・・・、ショッキングです。まさかの急展開でした。そしてラストシーンで物語がひとつの輪になる展開もステキです。最近、ちょっと大人しかったスペイン映画から目が離せなくなりそうです。バルバラ役は「フリア 蘇りの少女」のバルバラ・レニー。彼女が不気味すぎる・・・。ルイス役はルイス・ベリメホ。そしてアリシア役はルシア・ポリャンちゃん。オープニングでアニソンに合わせて踊る姿が天使すぎる・・・。超美少女です。監督はこれが初監督砂浜と思えない演出を見せるカルロス・ベルムト。この映画を見逃したら勿体無いよ!! | |||||||
家族はつらいよ | 監督 : 山田洋次 | 出演 :橋爪功、吉行和子 | |||||
2016年 日本映画 | |||||||
今回のイチ押し:東京の郊外に3世帯で暮らす平田家。家長の周造は長年働き詰めたが定年退職して、ゴルフに出かけたり、行きつけの居酒屋でくだを巻くのが日課。そんなある夜、長年周造に連れ添った妻の富子から「離婚したい」と切り出される。途方に暮れる周造と慌てふためく周造の子どもたち。一方、この家の次男の庄太は恋人で看護師の憲子にプロポーズする。そしてついに憲子を両親に合わせようと家に連れてくるが、そこでは長男、長女たちが家族会議の真最中。周造、富子も加わり、ふたりの離婚を何とか阻止しようとする。しかし、長女の夫の泰三の一言に怒り心頭した周造は、その場で白目を剥いて倒れてしまう。看護師の憲子の適切な処置でなんとか命はとりとめるが・・ | |||||||
私評:その一言が聞きたかったのよ・・・山田洋次監督、久々のコメディ映画です。「東京家族」の家族が再結集しました。「寅さん」シリーズを彷彿するテンポの良い会話とリアクションに劇場にいたお年寄り&私は大爆笑に告ぐ大爆笑。また、主要登場人物がそれぞれの役にピタッとはまっていて全く違和感がない。モウレツ社員だった頃の勢いそのままに、暴君的な父、大人しくて諄々だけど実はとても芯が強い母、口ばかりで頼りない長男、しっかり者だけど気が強い嫁、頭が良いけどヒステリックな長女、長女に養われているが余計な事をすぐに言うその夫、大人しくてちょっと心配性(?)の次男、しっかり者のその恋人。それぞれを橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優が演じます。そこに風吹ジュン、小林稔侍、笹野崇史らが絡みます。劇中に小津安二郎の「東京物語」を挿入したり、「男はつらいよ」のパッケージや主題歌をさりげなく挿入したり、「東京家族」のポスターを使ったりと小技も冴えています!これはぜひ、続編も作っていただきたい。そして山田監督のライワークにして欲しいです。 | |||||||
アーロと少年 | 監督 : ピーター・ソーン | 出演 : レイモンド・オチョア、ジェフリー・ライト | |||||
The Good Dinosaur | 2016年 アメリカ映画 | ||||||
昔々、巨大隕石が地球の激突・・・せず、恐竜が絶滅・・・しなかった世界。恐竜は進化を遂げて知能が発達。畑を耕したり、話ができるようになった。そんなある日、3つの卵が孵化した。3つ目の一番大きな卵から生まれたのは、他の2匹と比べるととても小さい恐竜。両親は彼にアーロと言う名前を付けた。アーロは成長しても、兄弟と比べても体が小さく、気も小さい虚弱な恐竜になってしまう。そんなある日、アーロは激流に飲み込まれ家族と離れ離れになってしまう。そんなアーロに近づいてきたのは人間の子ども。アーロは彼にスポットという名前を付け、故郷までの旅のパートナーにした。大人しいアーロとは真逆で、スポットは凶暴で好奇心の塊。降りかかるピンチにもどんどん立ち向かっていく。そんなスポットにアーロも少しずつ影響を受け始める。いつしかふたりの間には不思議な絆が生まれるが・・・ | |||||||
私評:ここに印をつけられるのは、何かを成し遂げた者だけだ・・・ピクサー作品は外しませんね~。今回は友情と勇気の物語。しかし、恐竜と人間の立場が逆になっているのが面白い。本来なら(話ができる主人公の)人間と(話ができないサブキャラの)動物の関係ですもんね。そんな視点を変えるアイデアを持っているのがすごい。そしてそこで芽生えていく友情、そして別れ・・・。パターンは使い古されているのですが、新たな感動がありました。子供たちにはぜひ見てもらいたい作品です。映画が終わった後、映画館のロビーに会ったアーロのビニールの人形は大人気でした。また、本編の前に短編映画は舞台がインド。これがまた、面白かったです。オリジナルの声優陣でアーロ役はレイモンド・オチョア、脇役陣にサム・エリオット、フランシス・マクドーマンなど大物も出ています。私が観たのは吹替えだったのですが、ママ役で安田成美、Tレックス役で松重豊と八嶋智人が出ていました。エンドクレジットで流れるのはKiroroの名作「ベスト・フレンド」!監督は監督は「晴れときどきくもり」(カールじいさんの空飛ぶ家前の短編)のピーター・ソーン。 | |||||||
エヴェレスト 神々の山嶺 | 監督 : 平山秀行 | 出演 : 岡田准一、阿部寛、尾野真千子 | |||||
2016年 日本映画 | |||||||
山岳カメラマンの深町は日本のエヴェレスト登頂隊に帯同するが、メンバーの滑落事故でキャンセルになってしまう。そんな時、彼はカトマンズのある店で1台の古いカメラを発見する。それは1924年にエヴェレストで行方不明になった登山家ジョージ・マロリーが所持していた物と同じ型だった。そんな深町の前にアン・ツェリンというシェルパと大男が現れる。その店の物はすべて盗品でカメラも彼らに没収されてしまう。深町は大男を見て、彼がかつて日本でもその名を馳せたクライマーの羽生丈二だと気付く。しかし、マロリーのカメラをなぜ羽生が持っているのか??深町は日本に帰国すると羽生の事を調べ始める。かつての同僚は彼の事を非難するが、羽生を慕っていた岸と言う男の名前に出くわす。しかし、岸は羽生と登山中に事故に遭い死亡していた。しかも、羽生がザイルを切ったのではないかと言われていた・・・ | |||||||
私評:『俺を撮れ!逃げ出さないように』・・・夢枕獏の大ベストセラーの映画化です。今回は実際にエヴェレストまで行って撮影をしたと言うから気合が入っています。美しい風景や山々の映像は目を見張ります。原作を読んでいたのでドラマチックな物語であることは知っていたのですが、けっこう話が端折られていて肝心な部分が疎かになっている。しかも、けっこうだらだらとセリフでカバーするシチュエーションが多いのも玉に瑕。あれだけの原作を2時間で纏めようっていう所に無理がある。しかし、そんな私の小言を吹っ飛ばすくらい役者陣は素晴らしかった。深町役は「永遠の0」で賞を総なめにした岡田准一、羽生役は「テルマエ・ロマエ」「ふしぎな岬の物語」の阿部寛、羽生の元恋人には「起終点駅 ターミナル」「ソロモンの偽証」の尾野真知子。その他、ピエール瀧、甲本雅裕、風間俊介などなど。監督は「OUT」「嗤う蛙」の平山秀幸。 | |||||||
インサイダーズ 内部者たち | 監督 : ウ・ミンホ | 出演 : イ・ビョンホン、チョ・スンウ | |||||
Insiders | 2015年 韓国映画 | ||||||
韓国の巨大自動車会社と、これからの韓国の政治を左右するかもしれない議員。そんな二者の癒着は巨大な腐敗権力を作り上げていたが、それらを陰で操っていたのは大手新聞の編集長・ガンヒだった。ガンヒに雇われ様々な悪事を代行して成り上がったアン・サングは、そんな事とは知らず両社の癒着の証拠となるファイルを入手しガンヒに差し出すが、アン・サングは不審な男たちに監禁され右手を切りとられてしまう。一方、検事ウ・ジャンフンはその裏金事件を捜査していたが、ファイルをアン・サングが横取りしてしまったため捜査を打ち切りにされる。後ろ盾のないウ・ジャンフンは、すべての責任を負わされ左遷されるが、それでも諦めきれない彼はチンピラに成り下がりながらも復讐を企てるアン・サングに目をつける・・・ | |||||||
私評:復讐劇のはじまりだ・・・韓国では空前の大ヒットとなったクライム・サスペンス。大手企業の社長、議員、そしてメディアがタッグを組んで好き放題をしている構図は韓国ならではかもしれません。(日本だとちょっとリアリティがない)しかし、こういう力を持った悪い奴らを雑草みたいな奴らが追い詰めていく展開はスカッとします。どうせならもうちょっと懲らしめて欲しかったけど。途中の騙しあいはちょっと捻りが足りないけど映画のテンポが良いので最後までしっかり楽しめました。やっぱり韓国映画はパワーがあるな~・・。主演は「ターミネーター 新起動」などでハリウッド進出も果たしたイ・ビョンホン。剥き出しな感じの演技が私はどうも苦手ですが・・・(ラブホのトイレのシーンは好きです)。ジャフン役は「マラソン」のチョ・スンウ。そして注目すべきは悪オヤジ3人組。イ・ガンヒ役のペク・ユンシク、大統領候補のイ・ギョンヨン、そして自動車会社会長のキム・ホンパ。この3人本当に憎たらしいです。監督は「スパイな奴ら」のウ・ミンホ。印象的なのが悪オヤジ3人の接待シーン。「俺のドライバーで・・・」「アルバトロスだ~!」大爆笑! | |||||||