今週末は11作品をアップします。ようやく追いつくか??
珍遊記 | 監督: 山口雄大 | 出演 : 松山ケンイチ、倉科カナ | |||||
2016年 日本映画 | |||||||
今回のイチ押し:その昔、子供を欲しがっていたじじいとばばあの家の近くに隕石が落ちた。そこにいたのはなんと赤ん坊!ふたりは子供を授かったと喜び、山田太郎と名付けた。ところが子供は成長するに従って妖力を得て凶暴さを露わにしていき、今ではどこに行ってもお尋ね者だった。そんなある日、じじいとばばあの家に天竺へ向かう途中の僧、玄奘が訪れる。事情を知った玄奘は宝珠を使って太郎の力を封印する事に成功。ついでに天竺までのお供を命じた。ふたりの行く先々でも太郎は指名手配になっていたが妖力をなくした太郎は見た目も変わっていた。ある町に辿りついた玄奘と太郎は人だかりを見つける。そこにいたのはイケメンの龍翔。若者には絶大な人気を得ているが、年寄りはなおざりになっている。そこで玄奘は年寄りを集めて、不思議な力で治療を始めるが・・ | |||||||
私評:チンコですか??・・・山口雄大監督、大好きです。「地獄甲子園」「魁!クロマティ高校」を見て、あまりのとんでもなさに感動した私。今回はバカさがさらにレベルアップ。素晴らしいキャスト陣にあんなことやこんなことまでさせて・・・。それを演者が嬉々と演じているのがまた、素晴らしい!私はマンガも読んでいたので、サブのキャラクターがちょっと力不足な感もありましたが、映画版の独特なギャグにも大爆笑してしまった私。ここまでバカに徹する事ができればなんの文句もございません(この文章の『バカ』は褒め言葉です)お上品な方にはお勧めしません。太郎役は「デスノート」「カムイ外伝」の松山ケンイチ、玄奘役は「夢売るふたり」の倉科カナ(彼女が最高に良いです)。その他、溝端淳平、田山涼成、笹野崇史、ピエール瀧などなど。おバカになって笑いたい人には超おすすめです。 | |||||||
マネー・ショート | 監督 : アダム・マッケイ | 出演 :クリスチャン・ベイル、スティーブ・カレル | |||||
Big Short | 2015年 アメリカ映画 | ||||||
今回のイチ押し:2005年、マネートレーダーのマイケルは市場のある事に注目していた。それは低所得者向けの住宅ローン=サブプライムローン。このままでは債務不履行が起こるのは必然で、金融機関に壊滅的な打撃を与えると彼は唱えるが、取引銀行にその話をしても、彼らは全く信用しない。そこでマイケルはCDSに目をつけサブプライムローンが暴落した時、莫大な保険金を受け取るという契約をとりつけた。また、銀行家のジャレドはマイケルの動きを察知しヘッジファンドマネージャーのマークにCDSに投資するよう話を持ちかける。また、小さなガレージからビジネスを成功させた若き投資家のジェイミーとチャーリーは伝説の銀行家のベンに伺いを立てる。そして彼らもCDSに目をつける。ベンのコネクションもあり彼らは巨額をCDSに投資する。そして2008年ついに住宅ローンは破綻。市場崩壊の兆候が現れるが・・ | |||||||
私評:CDS=クレジット・デフォルト・スワップ=一定の事由の発生で生じた損失額の補填を受ける仕組み・・・リーマン・ショックは私も記憶に新しい金融界の大暴落。いま、冷静に考えてみれば破綻は起こるべくして起きたような気がしますが、当時のアメリカの住宅金融界はイケイケ状態。そんな状況を察知していた男たちの物語です。シリアスな内容ではなくコミカルな内容になっているのが良いです。しかし、業界用語がどんどん出てくるのとある程度の知識は持って行かないと、それこそ会話についていけなくなりますよ。私は偶然?「インサイド・ジョブ」というドキュメンタリーを最近見たので、あらためて大暴落の引き金になった業界の動きが見られて面白かったです。出演者は「バットマン」シリーズのクリスチャン・ベール、「フォックス・キャッチャー」のスティーブ・カレル、「ラースと、その彼女」のライアン・ゴズリング、そして「フューリー」のブラッド・ピットという分厚いキャスティング。なかでもスティーブ・カレルの演技は素晴らしかった!監督はアダム・マッケイ。 | |||||||
ロブスター | 監督 : ヨルゴス・ランティモス | 出演 : コリン・ファレル、レイチェル・ワイズ | |||||
The Lobster | 2015年 アイルランド・イギリス・フランス・ギリシャ・映画 | ||||||
デイビットは妻と別れてひとり身になった。その時代、独り者はある施設に収容され45日以内にパートナーを見つけないと動物に変えられて森に放たれるという制度があった。そこでデイビットは“足の悪い男”と“滑舌の悪い男”と出会う。3人はつるんで話しあうがまずは足の悪い男が“すぐに鼻血を出す女”をパートナーに決めた。デイビットは“感情のない女”とカップルになるが、彼は彼女に合わせていて、実は感情を捨て切れていなかった。ある事件が元でデイビットはパートナーを麻酔銃で撃ち、森へと逃げだしてしまう。そこで彼は独り者たちが隠れ住む集団に加わった。そこでは恋愛はご法度だが、デイビットはそこで“目の悪い女”と出会いお互いに恋をしてしまう・・・ | |||||||
私評:ロブスターがいい。100年生きるし、その間、生殖活動も続けられるから・・・何とも不思議な映画です。しかしこんな作品に錚々たるスターが集まり、嬉々として演じているのが嬉しい。映画はその時代のシステムについての説明はしないで、どんどん話が進んでいくので、それらを知った上でもう一回見てみると、新たな発見がいくつもありそう。しかし、ラストシーンはとても気になる。デイビットは●を●●したのか??主演のデイビット役は「トータル・リコール」のコリン・ファレル。マッチョなイメージの彼がポッコリお腹の中年を好演。目の悪い女は「ハムナプトラ」のレイチェル・ワイズ。相変わらず美しい!!独身者のグループのリーダーは「スペクター」のレア・セドゥ、足の悪い男は「スペクター」のベン・ウィショー、滑舌の悪い男は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジョン・C・ライリー。贅沢なキャストですね~。監督は「籠の中の乙女」のヨルゴス・ランティモス。この映画、大好きです! | |||||||
ザ・ブリザード | 監督 : クレイグ・ギレスピー | 出演 : クリス・パイン、ケイシー・アフレック | |||||
The Finest Hours | 2016年 アメリカ映画 | ||||||
1952年2月、大西洋を航行中だったタンカーが巨大なブリザードと遭遇した。船は大自然の力に屈し真っ二つに折られてしまう。船長を失った後部の船に残された32名の乗組員たちは誰よりも船の構造に詳しいシーバードに命運を預ける。シーバードは沈没する前に浅瀬に座礁させることを提案する。一方、湾岸警備隊のチャタム支局に大西洋沖でのタンカーの事故の話が飛び込んでくる。ところがその事故とは別の場所で今回のタンカー事故は起きていたのだ。一等水兵のバーニーは小型救命艇で現場に向かうが、彼らの前にとんでもない巨大な波が現れる。なんとか波をかわしたもののコンパスを失った船は、目的地が分からなくなってしまう。奇跡的にタンカーを発見するが小型艇の上院人数は12名。どこでバーニーが下した決断とは・・・ | |||||||
私評:誰も残していかない・・・ディズニーが作った感動もセットになったスペクタル巨編です。最初は主人公の恋愛がチマチマと語られて「かったるいな~」なんて思っていたのですが、ここで主人公の人柄や彼の周辺が語られることで、危険な仕事への取り組みや揺るがない信念が嘘っぽくならず、最後の最後にすごい感動を呼び起こしました。しかし、これは実話。こんなにビックリするような海難事故があったのですね。タンカーが真二つって信じられない。そして大波の中を突き進んでいくシーンも凄い迫力でした。バーニー役は「スター・トレック」「アンストッパブル」のクリス・パイン、シーバード役は「インターステラー」「セインツ」のケイシー・アフレック、バーニーと救助に向かう同僚に「ローン・サバイバー」のベン・フォスター、そして司令官役は「ハルク」のエリック・バナ。監督は「ラースとその彼女」「フライト・ナイト/恐怖の夜」のクレイグ・ギレスピー。 | |||||||
虹蛇と眠る女 | 監督 : キム・ファラント | 出演 : ニコール・キッドマン、ジョセフ・ファインズ | |||||
Strangerland | 2016年 オーストラリア・アイルランド映画 | ||||||
ある事件が原因で砂漠の近くの小さな町に引っ越してきたキャサリン。家族は薬局で働く夫マシュー、15歳の長女のリリーと長男のトミー。彼らはそれぞれ心に鬱憤を抱えている。トミーは夜になると徘徊をする癖があった。その日、リリーは夕食の席でマシューにコンサートに行きたいと懇願するが、バッサリと否定され怒って部屋に戻ってしまう。そして夜中、トミーの後を追うようにリリーは柵を超えて外に出て行った。翌日、キャサリンは寝坊をしてしまう。リリーの部屋には学校のカバンが置いたままで彼女の姿は見えなかった。学校に問い合わせるとすでに1週間も学校には来ていないという。警察に届け出るが24時間は捜査を行わないという。しかし、灼熱の砂漠地帯で外にいれば2日は持たない。必死にリリーを探すキャサリンは娘の醜態を目の当たりにするが・・・ | |||||||
私評:暗闇で私に触って・・・この映画はサスペンス映画ではありません。性に開放的過ぎる早熟な娘に振り回される家族に話です。特にキャサリンは若さゆえに本能のままに体を開いている娘の事を知って、自らのタガも外れてしまう。その矛先を夫に向けても満たされず、保安官にも断られ、ついにはとんでもない行動をとってしまいます。そのエロさ、ハンパないです!それにしてもなんで「虹蛇と眠る女」なんてタイトルにしたんだろう??原題の「ストレンジャーランド」の方が物語とピタッとはまるのに・・・キャサリン役は「リピーテッド」「パディントン」のニコール・キッドマン。こういうインディ系の映画でこそ、彼女は異彩を放ちます。マシュー役は「恋におちたシェイクスピア」のジョセフ・ファインズ、保安官役は「マトリックス」「ロード・オブ・ザ・リング」のヒューゴ・ウィーヴィング。そして妖艶な魅力を振りまくのがリリー役のリサ・フラナガン。決して美人ではないのですが・・・。監督は女性監督のキム・ファラント。 | |||||||
セーラー服と機関銃 卒業 | 監督 : 前田弘二 | 出演 : 橋本環奈、長谷川博己、安藤政信 | |||||
2016年 日本映画 | |||||||
星泉は普通の女子高生。しかし、ちょっとだけ違うのは彼女が元やくざ組長だった事。彼女の叔父は「目高組」の組長だったが、泉と一緒の時に敵対する浜口組の組員に射殺されてしまう。泉は残った組員を引き連れ浜口組に殴り込みに行き、目高組を解散する事と引き換えに地元の商店街からは手を引く事で手打ちとなった。目高組の事務所は、いまは可愛いカフェになっている。しかし最近、町の中で不穏な事件が起きている。麻薬入りのクッキーが秘密裏に若者たちに売られていたのだ。一方、泉の元にも偽のタレント事務所が若い女たちをだましているという情報が入る。現場に駆け付けた泉たちは、事務所の男たちとひと悶着するが彼らは浜口組の庇護を受けているという。しかし、本当の黒幕は別にいて目高組と浜口組の間に波風を起こそうとしていた・・・ | |||||||
私評:かいっ・・・かん・・・角川映画40周年記念作品として作られたこの映画。角川映画と言えば70年代に一世を風靡した。私も角川映画の1作目「犬神家の一族」以来、何本の映画を見た事か・・・。今作は角川作品の中でも名作と謳われる作品です。宣伝やプロモーション映像を見ていると主演の橋本環奈推しで、ミーハーなイメージが払拭できなかったのですがかなり良くできた映画でした。オリジナルの監督の相米慎二さんの得意だった「長回し撮影」がこの作品にも生かされていて、ある意味相米監督へのオマージュ的映画なのかもしれません。個人的にはかなりポイントが高い作品です。主演は「天使すぎる」とかのキャッチフレーズで人気の橋本環奈。まったく期待していなかったのですが彼女の演技はたいしたものです。喜怒哀楽をすごいパワーで演じることができます。そして彼女をサポートするのが「舞子はレディ」の長谷川博己と「GONIN サーガ」の安藤政信。この二人の演技がこれまたすごい!ふたりの押されて地味になっちゃっているのが武田鉄矢と伊武雅刀・・・。監督は「婚前特急」「私のハワイの歩き方」の前田弘二。 | |||||||