2006/3/12(その1)

すっかりレビューを貯めてしまい、もうすでに公開が終わった映画も・・
今回は大量放出なので2ページになってます。なんとイチ押しは
2つともジェイク・ギレンホールが出演!

ブロークバック・マウンテン  監督:アン・リー  出演:ヒ−ス・レジャー、ジェイク・ギレンホール
Brokeback Mountain  2005年 アメリカ映画
今週のイチ押し:1963年。イニスとジャックはブロークバック・マウンテンの季節労働者として雇われた。山でキャンプをしながら二人きりで羊の放牧の管理をするのが仕事だ。壮大な大自然に抱かれ共に仕事をしてきたふたりはいつしか友情を超えた感情を抱き、ついには肉体関係を持ってしまう。お互いゲイではないと己に言い聞かせるが、そんな罪悪感の中でも二人は感情を抑えることができなくなっていた。しかし、そんなふたりが戯れているのを見た牧場主のジョーは予定よりも早く二人を山から戻らせる。再会の約束もしないままふたりはそれぞれの道を歩き始めた。イニスは地元に戻って許婚と結婚。ふたりの娘をもうけ、小さな幸せを育んでいた。一方、ジャックもロデオ大会で出合った大手農機具販売会社の社長の娘ラリーンと出会い結婚する。それから4年、イニスの元に一通の手紙が届いた。それはジャックからのものだった。再会を果たしたふたりは4年間の溝を埋めるかのように唇を奪い合うが、そんな二人をイニスの妻アルマが見てしまう
私評:ジャック・・永遠に一緒だよ・・・・なんて切ない映画なんだ。以前にも書きましたが、私はホモセクシュアルが大嫌いです。レズビアンはOKなのですが(笑)、男同士は気持ちが悪いだけ。この映画も男同士の濡れ場があると聞いていたので覚悟して行ったのですが、予想に反し素直に彼らのハートに触れることができました。私が好きなのが冒頭の出会いのシーン。セリフが全然ないのですが、彼らの気持ちが触れては離れ、また触れては離れる。そのじれったいまでの演出が素晴らしかった。そしてブロークバック・マウンテンの美しい映像も印象的でした。そして再会を果たした二人が、実際の彼らの抱えている生活と彼氏への思いとの間で揺れる。言葉にしなくても画が語るのです。この素晴らしい演出は名匠アン・リー監督の技量です。本当に素晴らしかった。主演はヒース・レジャーとジェイク・ギレンホール。このふたりはまさにオスカー物の演技です。そしてアルマ役は「スピーシーズ」で少女エイリアンを演じたミシェル・ウィリアムズ。ラリーン役は『プリティ・プリンセス』のアン・ハサウェイ。彼女の脱ぎっぷりの良さに感動!!その他ランディ・クエイド(ID4)アンナ・ファリス(最終絶叫計画)も良い演技を見せます。
ジャーヘッド  監督:サム・メンデス  出演:ジェイク・ギレンホール、ジェイミー・フォックス
Jarhead  2005年 アメリカ映画
今週のイチ押し:海兵隊に志願した若者スオフォードをはじめとする兵士たちは打倒フセインに燃えていた。厳しい訓練を終え、ついに彼らは戦いの地である砂漠に到着する。カジンスキー中佐は「砂漠の盾作戦」の全貌を語り始める。彼らはいつか来るであろう戦いに備えて日々訓練を重ねていく。敵を待つのが彼らの仕事だった。彼らは退屈を紛らわすためにマスターベーションを重ね、想像に時間を割き、そしてひたすら語り合う。そして起こる数々の事件にキレまくる。しかし、まだ戦いは始まっていないのだ。Xマスイブの夜、スオフォードは同僚に見張りを頼み、禁止されていた酒を仰ぐ。しかし、そんな時に事件が起きてしまう・・。そして砂漠に来て175日14時間5分、いよいよ国境に向けて進撃が開始される・・
私評:頼む、一発だけ撃たせてくれ・・・戦争映画は数々あれど、私たちでも良く知っている「イラク戦争」が今回の舞台だ。しかし、壮絶なバトルシーンがメインではない。この映画は来るべきバトルに備え、故国を遥か離れた若者が抱える孤独、苛立ち、不安、そして狂気をメインに描いている。そして唐突に開始される戦い。それらがとてもリアルに描かれている。そんな中で狂気の演技を見せるのがここ最近、出演作が目白押しのジェイク・ギレンホール。彼の演技はすごい。まさに鬼気迫るという表現がピッタリ。印象的なのが、海兵隊員がみんなで「地獄の黙示録」を見るシーン。今後戦いに身を置くであろう自分たちと重ね合わせているんでしょうね・・。そして静かながら印象的な演技を見せるのが、オスカー俳優ジェイミー・フォックス。完璧です。監督は「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデス。これは面白かった!!
クラッシュ  監督:ポール・ハギス  出演:マット・ディロン、サンドラ・ブロック
Crash  2005年 アメリカ映画
冬、クリスマス間近のロサンゼルス。深夜のハイウェイでLAPDの黒人刑事グラハムと同僚でスペイン系の恋人のリアは、交通事故に巻き込まれた。車から降り立ったグラハムは、偶然事故現場脇で若い黒人男性に死体を発見する・・。 その前日──。ペルシャ人の雑貨店経営者ファハドと娘のドリは、銃砲店でイラク人と間違われ、口論になった。銃を買って帰宅したが、頑固なファハドは、鍵屋のダニエルの意見を無視する・・夜のウェストウッド。若いアフリカ系黒人のふたりの若者は肌の色の違いで差別されることにイラついている。2人を見た瞬間怯えたような素振りを見せた白人女性に腹を立てた2人は、彼女と夫に銃を突きつけ、車を強奪し逃走する。 白人警官のライアンはベテランだが、人種差別主義者。その夜、パトロール中のライアンと彼のバディのハンセンは黒人の裕福なTVディレクター夫婦の車を止めた。車から降ろされた2人は容疑者扱いされた上に、クリスティンは身体をまさぐられ酷い屈辱を受けるが・・・・
私評:私は天使のガウンを着ているから大丈夫・・・今年のアカデミー賞の作品賞をゲットしたのがこの作品。LAの町の中で人々はぶつかり合う。怒り、恐怖、屈辱、孤独、憎しみ・・。彼らは様々な感情を抱きもがく。そして36時間後に、天使の町に数々の奇跡が起こる。それは人と人が出会いぶつかり合ったからこそ起きた奇跡。最後は奇麗にまとめ上げている。まるで、ホンモノの天使が彼らに幸せの粉をかけたかのように・・。しかし・・・、その日ひねくれていた私はあまりに奇麗にまとまりすぎたエンディングにリアリティが感じられず、妙にしらけてしまった。でも、実際の出来事はこんな美談じゃないんだ。それでも十分に映画を堪能したんですけどね。出演はイヤラシイ役がすっかり板に付いたマット・ディロン、今回も重厚な演技を見せるドン・チードル、どの映画でも同じサンドラ・ブロック、到底検事には見えないブレンダン・フレイザー、妻は主演女優賞のライアン・フィリップ、久々に見たサンディ・ニュートン・・。しかし、本当に素晴らしい演技を見せたのはほとんど無名のマイケル・ペニャ(ミリオンダラー・ベイビー)とショーン・トーブ(スティグマータ)のふたり。素晴らしいです。監督は脚本家として有名なポール・ハギス。
アサルト13 要塞警察  監督:ジャン・フランソワ・リシェ  出演:イーサン・ホーク、ローレンス・フィッシュバーン
Assault On Percent 13  2005年 アメリカ映画

大晦日のデトロイト。街は激しい吹雪に襲われていた。老朽化のためその日を持って閉鎖される13分署では数人の警官が最後の務めをしていた。そんな時、悪天候のために護送車が立ち往生し凶悪犯のビショップが13分署に搬送された。緊張の中、時間を過ごす署員たち。その時突如武装集団が13分署を襲う。しかもその正体は犯罪対策の警官だった。なぜ??13分署でのリーダー、ローニックは抵抗を試みるが、重装備の相手に手も足も出ない。そしてついにローニックは署内に監禁していた囚人たちに武器を持たせ手を組むことにした。外部への連絡の手段も断たれた彼らは、戦いに勝つ以外ここから脱出すことはできない。果たして彼らの運命やいかに・・・・

私評:俺たちの敵は外だ・・・要塞警察は1976年にジョン・カーペンターによって作られた映画のリメイクだ。この作品は劇場公開されずテレビとビデオでしか見られなかったのだが、かなりインパクトのある映画でした。今回の作品はオリジナル作品より複雑なストーリーになっているがオリジナルのコンセプトはしっかりと守られているのが良いですね。銃撃戦もかなりの迫力で私は大満足でした。主演はイーサン・ホーク。彼はメジャー作品にはあまり出ないのですが、今回はドンパチ映画で大活躍。ビショップ役は(やっぱり私はモーフィアスに見えてしまう)ローレンス・フィッシュバーン。そして「エンド・オブ・ザ・デイ」のサタン役を髣髴させるガブリエル・バーン。彼の悪役、良いですね〜。そして「タブロイド」のジョン・レグイザモも登場。そして私の目を引いたのが「コヨーテ・アグリー」のマリア・ペロ。良いな〜!!監督はフランス出身のジャン=フランソワ・リシェ(まさにフランス人って名前ですね)。この映画が彼のハリウッドデビューになります。
僕のニューヨークライフ  監督・出演 :ウディ・アレン  出演:ジェイソン・ビッグス、クリスティーナ・リッチ
Anything Eles  2003年 アメリカ映画

ジェリー新進のコメディ作家。仕事もようやく調子が出てきたが目下の悩みは、気まぐれな女優の恋人アマンダの事。半年におよぶセックス・レス生活と、突然アパートに転がり込んできた強烈なアマンダの母との同居に堪え忍ぶジェリー。そんな中で、ジェリーの先輩であり、良き相談役の初老の作家ドーベルは、アマンダの浮気疑惑を指摘する。そしてふたりでカリフルニアへ移住しようと申し出る。しかしそれは彼の大好きな街、そして大好きな女との別れを意味していたのだ。しかし、アマンダの前に出ると、彼女の魅力の前に彼は一気に力を失ってしまうのだった・・・

私評:人生なんてそんなもんさ・・・ウディ・アレンは彼の分身を欲しがっているのかもしれません。『アニー・ホール』の頃の自分を演じられる男はいるのでしょうか?そして今回の映画のジェイソン・ビッグスは、そんな大役を背負い込まされた感があります。しかし、それがこの映画の場合裏目に出ていたような気がしますね〜・・。彼ってまったくと言っていいほど華がない。それに引き換えノリノリで見事に気まぐれ女を演じたクリスティーナ・リッチが可愛いのなんのって・・。神経質で疑い深いA型男と、気まぐれで冒険家のB型女の紡ぐ、NYのラブライフ。そしてそれに絡むアヤシイ人たちが秀逸。ジェリーの無能なマネージャー役はダニー・デヴィート。最高です!アマンダの母役はストッカード・チャニング。素晴らしい!!しかし、相変わらずマイペースなウディ・アレンはこの映画でもボヤキまくり。まあ、これが彼らしさなのですが・・。この映画が90分間掛けて観客に訴えてきたことが、映画の最後のタクシードライバーの言葉に全て集約されています。その一言を聞いて、私は思わずほくそ笑んでしまいました。監督は言わずと知れたNYの変人ウディ・アレン。今回も音楽の選択は最高でした!!


前回の記事も読んでね〜!



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