2013/3/10

今回はサンダンス映画祭を湧かせた若きクリエイターの
サスペンス映画がイチ押し。

マーサ、あるいはマーシー・メイ  監督 : ショーン・ダーキン  出演 :エリザベス・オルセン、ジョン・ホークス
Marthe Marcy May Marlene  2011年 アメリカ映画
今週のイチ押し:マーサはあるカルト集団と一緒に2年間生活をしていたが、ある日の朝、彼女はそこを逃げ出した。町に出ても集団の1員が彼女に迫る。そして彼女は唯一頼れる、姉のルーシーに電話をして迎えに来てもらった。ルーシーと夫のパトリックは裕福で湖の近くの別荘で休暇を取っていた。そこにマーサが加わり、3人の生活が始まる。しかし、マーサはカルト集団が自分を連れに来るのでは?という恐怖に苛まれていた。そしてそこでの尋常でない2年間で、マーサは洗脳もされていたのだ・・・。2年前にマーサは逃げるようにカルト集団に加わった。リーダーのパトリックから“マーシー・メイ”という名前をもらい、大家族の一員として安息を感じていた。しかし、徐々に彼女は恐怖を感じはじめる。必死に馴染もうとするが、彼女の恐怖を決定づける事件が起こる・・
私評:これは儀式なの。素晴らしい事なのよ・・・なんとも不思議なテイストの映画です。現在の姉との生活とカルト教団の中での生活が交互に描かれていく。カルト教団の中では自身のアイデンティティーを見出し、孤独からの解放されていくが、徐々に恐怖が彼女に襲いかかる。現在の生活ではその恐怖を顧みながら、深い闇から逃げ出せずにいる。その描き方は抜群にうまい。そして最後はなんとも不気味な雰囲気を残したままエンドクレジット。その瞬間は「なんでこんな所で終わっちゃうの?」という気持ちでしたが、後になって考えてみれば、それがいちばん怖い終わり方。この映画は印象に残るシーンが多いのですが、ラストはぶっちぎりで怖いです。そして姉のルーシーとの関係も考えるところがあります。2年前に家を出たマーサを救えなかったというのがルーシーの心に罪悪感として刻まれているんですよね・・。主演はオルセン姉妹の妹のエリザベス・オルセン。セレブでお高い女なのかもしれませんが、抜群の演技力です。そしてマジで美しい。次回は「オールドボーイ」のリメイク版との事。こちらも注目です。カルト教団のリーダーは「ウインターズ・ボーン」のジョン・ホークス、マーサの姉のルーシー役は「恋は邪魔者」のサラ・ポールソン。このふたりの演技も素晴らしい!監督は若干29歳でこの作品を作った新鋭ショーン・ダーキン。
オズ はじまりの戦い  監督 : サム・ライミ  出演 : ジェームズ・フランコ、ミシェル・ウィリアムズ
OZ the Greatest and Powerful  2013年 アメリカ映画
サーカスの一員として手品をしているオズは、ある日、乗っていた気球が竜巻に巻き込まれ、気がつくと知らない世界に辿りついていた。そこは見た事もない生物がうじゃうじゃいた。そこでオズはツタに絡まって動けなくなっていた翼の生えたサルのフィンリーを助ける。フィンリーはオズに忠誠を誓った。しばらくするとオズは美しい女性と出会った。彼女の名はセオドラ。西の魔女だと言う。セオドラはこの土地の名前がオズだと言うこと、そして「偉大なる魔法使い」がこの地を救うという予言を信じていて、オズがその救世主だと信じた。そして彼女はオズに惹かれてしまう。セオドラは姉のエヴァノラ(東の魔女)が統治するエメラルド・シティに辿り着いた。エヴァノラはオズにこの街の王になる事を勧め、そのためには南の魔女を倒さねばならぬとオズに告げた。財宝にも目がくらんだオズはフィンリーと共に南の魔女が住む森を目指すが・・・・
私評:ここミュージックボックスをあげよう。これはボクのおばあさんが・・・ディズニーが放ったファンタジー映画。とっても分かりやすくて、しかもキャラクターが面白い!私は好きですね~。映画のスタートは白黒で4:3の画面。ところがオズに着いたとたんに画面が横に伸びて、カラーの映像になります。カラーになる演出は1939年の作品「オズの魔法使い」と同じですね。そしてクライマックスの奇想天外な戦いも私はお気に入り。しかし、監督のサム・ライミと言えば「死霊のはらわた」でデビューして以来、かなり毒のある作品を手掛けているのですが、今回はディズニー作品と言う事もあり、かなり規制があったのでは??インパクト不足は否めないですね。オズ役は「スパイダーマン」シリーズで監督とは組んでいるジェームズ・フランコ。彼ってそんなに華があるわけではないけど、この役はピッタリだったと思います。そして美しい3人の魔女は「マリリン 7日間の恋」のミシェル・ウィリアムズ、「ボーン・レガシー」のレイチェル・ワイズ、そして「テッド」ミラ・クニス。良い女優を揃えましたね~。この3人を見るだけで、私は十分価値ありです。そしてサム・ライミの盟友「悪魔のはらわた」のブルース・キャンベルがどこかに出ています。私は見事に発見しましたが、意外な役です!?
野蛮なやつら  監督 : オリバー・ストーン  出演 : テイラー・キッチュ、アーロン・テイラー・ジョンソン
SABEGES  2012年 アメリカ映画
カリフォルニアのラグーナビーチはセレブが集う街。この街の高台の一等地に住んでいるのは植物学者のベン、傭兵上がりのチョン、そしてふたりのミューズのオフィーリア(通称“O”)。ベンとチョンは10年来の親友で、ふたりが手掛けた高品質の大麻の栽培が大成功して大金を手に入れたのだ。しかし、そんなビジネスを他が放っておくわけもない。メキシコの麻薬カルテルが彼らに提携を求めてきたのだ。身の危険を感じたふたりは事業を丸ごと彼らに売り、国外に逃げるプランを立てる。しかし、冷酷なカルテルのボスのエルサはふたりを服従させ、彼らが築いてきたコネクションも手に入れようとしていた。エルサは“O”を誘拐してふたりを脅した。最初はエルサに従っていたふたりだったが、このままでは“O”も自分たちも助からないと確信したふたりは一気に反撃に出る。麻薬取締局の悪徳捜査官のデニスからカルテルの極秘資料を手に入れた・・・・
私評:「それは「明日に向って撃て」だろう?」「あの映画、女は死なないのよ」・・・さすがは名監督オリバー・ストーン。テンポの良さは天下一品です。抜群の語り口で物語はどんどん進んでいきます。すごいアクション&バイオレンス、そしてエロスが入り混じり映画は一気にクライマックスまで駆け続けます。ところが、最後の最後で(私的には)とっても余計な演出があってせっかくの上機嫌が一気にダウン。しかも、その演出がどうにもこうにもつまらなくて・・・。あのシーンで終わっていたらカッコ良かったのに!!(詳しくは本編をご覧ください)主演は「キック・アス」アーロン・テイラー・ジョンソンと「バトルシップ」のテイラー・キッチュ。このふたり、カッコ良すぎます!!“O”役は「HICK ルリ13歳の旅」のブレイク・ライブラリー。彼女ってすごい美人じゃないけどなんかイイ!すごい脇役陣は悪徳捜査官はジョン・トラボルタ、女ボスはサルマ・ハエック、そして超悪役のベニチオ・デル・トロ。このトリオ、濃すぎます!!(良い意味でね!)監督は「プラトーン」「JFK」のオリバー・ストーン。


前回の記事も読んでね~!



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