春の気配がまったく感じられない週末。寒いので部屋にこもってます。
イチ押しはそんな気分も吹き飛ばして元気にしてくれる青春映画!
銀の匙 | 監督 : 吉田恵輔 | 出演 :中島健人、広瀬アリス | ||||||
Silver Spoon | 2014年 日本映画 | |||||||
今週のイチ押し:札幌の進学校に通いながらも受験に失敗し、寮があるからという理由だけで大蝦夷農業高校に入学した八間勇吾。サラリーマン家庭で育った彼は入学したその日からアウトサイダー。将来の夢を抱いてここにやってきた同級生たちの話は勇吾をさらに凹ました。毎日の動物たちの世話は過酷そのもの。しかし、クラスメイトのアキは可愛いし、勇吾にまっすぐな言葉をかけてくれるので好きになってしまった。しかし、勇吾は家畜動物の命に対する割切りができずにいた。生まれたばかりの可愛い子豚も数ヵ月後には食用として出荷される。子豚に「豚丼」と名付けて可愛がる勇吾にクラスメイトは「ペットじゃないんだ!」「中途半端な同情を見せるな!」となじるのだった。入学してからどんどん時間は過ぎて行くが勇吾には夢も目標も生まれてこない。しかし、そんな彼を校長先生は「それはいいことだ」と言ってくれた。そして迎えた夏休み。勇吾はアキの実家で酪農の手伝いをする事になった。そこで彼は今まで彼を追い詰めていた悩みの一つが解消される・・ | ||||||||
私評:やれば何でもできるって!・・・これはコミック原作の映画。私は原作は読んでいませんが、良いという評判は耳にしていました。しかし、私がどうしてもこの映画を見たかったのは監督が吉田恵輔だったから。昨年のマイ・ベストにも挙げた「ばしゃ馬さんとビッグマウス」、そして「さんかく」「麦子さんと」「純喫茶磯辺」とどれもが大好きな映画。とにかくこの監督さんは役者の演技づけがうまい。今回も最初は気に入らなかった勇吾、可愛く見えなかったアキが、映画が終わる頃には大好きになっていました。しかも、心の底から彼らにエールを送っていた。まさに青春映画。しかも、直球でど真ん中の映画。痛快で心が爽やかになりました!みんなにおススメしたい。主演はジャニーズのSexy Zoneに所属する中島健人。アキ役は2009年のミス・セブンティーンの広瀬アリス。アリスちゃんの長ぐつパーカー姿が可愛くて・・・。そして谷間のシーンも最高!クラスメイトの駒場役は「書道ガールズ」の市川知宏。この若い3人が素晴らしいです。アキのおじ役は哀川翔、父親役は竹内力。このふたりのツーショットもこの映画の見所!その他、中村獅童、吹石一恵、黒木華、西田尚美、石橋蓮司、吹越満。そして驚きは校長役の上島竜兵!これがピッタリの配役。さすがは吉田監督! | ||||||||
それでも夜は明ける | 監督 :スティーブ・マックイーン | 出演 :キウェテル・イジョフォー、マイケル・ファスベンダー | ||||||
12 Years A Slave | 2013年 アメリカ映画 | |||||||
1841年、ニューヨーク州のサラトガでバイオリン弾きのソロモンは妻とふたりの子供に囲まれ幸せに暮らしていた。彼は生まれた時から「自由証明書」で認められた「自由黒人」で白人の友人も多かった。そんなある日、ソロモンは知人の紹介で知り合ったふたりにショーの演奏を頼まれワシントンへ出向いた。仕事を終えて祝杯を呑みすぎたソロモンが目を覚ますとどこかの地下室にいた。しかも、手足は鎖で拘束されている。もちろん、自由証明書もなくなっていた。ソロモンは南ジョージア州から逃げてきた黒人奴隷とされ、逆らった彼は容赦なく鞭で打たれた。ニューオーリンズ行きの船に乗せられたソロモンは屈強の男たちと反乱をもくろむがひとりが無残に殺されのを目の当たりにしてしまう。奴隷商人によってプラットという名をつけられ売り飛ばされた先は牧師のフォードが所有する大農園。彼はそこの製材所で働き始める。それから12年、ソロモンの自由への闘争が続く・・・ | ||||||||
私評:俺は生きたいんだ。生きてここを出て家族に会う・・・本年度アカデミー賞の最優秀作品賞を獲得したこの作品。アメリカ史では欠かす事の出来ない奴隷問題。しかし、今まで私が観てきた奴隷の映画はアフリカから輸入されてきた話だったのですが、自由な黒人を拉致誘拐して奴隷にするという話は初めて知りました。これはまさに人間の人間による密漁。アフリカからの輸入が禁止され黒人奴隷の販売価格は高騰。奴隷商人たちはこんな卑劣な手を使って私腹を肥やしていたわけです。しかし、私がこの映画でちょっとひっかかるのが「自由黒人」と「奴隷黒人」が別れている事。そう考えると12年間は地獄のような奴隷だったけど解放された彼は、まだラッキーだったのでは??しかも、彼はバイオリンを弾けたり大工仕事ができたりという「スキル」もあったし・・・。しかし、残酷な物語です。それゆえにラストシーンは涙が止まらなかった。主演は「ラブ・アクチュアリー」のキーラ・ナイトレーの花婿キウェテル・イジョフォー、残酷な農場主エップス役は「SHAME-シェイム」のマイケル・ファスベンダー、フォード役にはベネディクト・カンバーバッチ、そしてこの映画で見事アカデミー最優秀助演女優賞を獲得したルピタ・ニョンゴ。そして登場シーンは少ないですが、この映画の製作も手掛けたのはブラッド・ピット。監督は「SHAME シェイム」のスティーブ・マックイーン。 | ||||||||
偉大なる、しゅららぼん | 監督 : 水落豊 | 出演 : 濱田岳、岡田将生、深田恭子 | ||||||
2014年 日本映画 | ||||||||
琵琶湖のほとりで代々不思議な力を伝承してきた日出家に、分家の涼介が修行のためにやってきた。まず、彼を迎えたのは何でも忘れてしまう船頭の源治郎。そしてとってもマイペースな女性・濤子。実は彼女は涼介の力の修業の師匠だった。そしてついに彼は本家の10代目を継承する、生きる伝説と呼ばれている淡十郎と対面。ボンボン育ちの彼は出会うなり涼介を「供」に従えた。ふたりは淡十郎が作らせた真っ赤な制服で初登校。奇異な彼らにはいじめ目的の葛西以外は誰も近づいてこない・・、と思いきや不思議なオーラをまとった日出家の代々の宿敵である棗家の跡取り、広海もクラスメイト。日出家と棗家は1300年にも渡り戦いを繰り広げていたのだ。しかし、そんな戦いをよそに新たな危機が迫っていた。そしてその敵は日出一族のみならず、棗家にも危害を及ぼし、両家を琵琶湖のほとりの町から出て行くよう命令する。果たして彼らの運命は?そして涼介と広海が聞いた「しゅららぼん」の意味とは??・ | ||||||||
私評:それは美しくないんだよ~・・・「鴨川ホルモー」「プリンセス・トヨトミ」など奇想天外な話を作るのが得意な万城目学原作。今回もまさに奇想天外な話です。一体どんなアイデアからこの作品が生まれたのか??とにかく不思議ワールドです。ストーリーはもちろんキャラクターも変な奴ばかり。しかし、とってもふざけた雰囲気の中でCGだけはめちゃめちゃ力が入っています。なんたって琵琶湖が割れちゃいますから・・・!そして最後の最後に明かされる「しゅららぼん」の意味とは??エンドクレジットの後に淡十郎がぼそぼそ語ります。けっこううけました!淡十郎役は「ロボジー」「永遠の0」の濱田岳。個性的な彼のルックスがこの映画にはまってる!涼介役は「宇宙兄弟」「四十九日のレシピ」の岡田将生。このふたりの主演がめっちゃ良いコンビ。淡十郎の姉の清子役は「ルームメイト」「ヤッターマン」の深田恭子。彼女の“S” なセリフが萌えます!その他、貫地谷しほり、渡辺大、笹野高史、佐野史郎、村上弘明、大野いと・・・監督は「いぬのえいが」の短編を撮り、劇所長編はこれがデビュー作となる水落豊。 | ||||||||