2007/3/5

今回はすべてがイチ押しにしても良い作品。本当に良い映画に
たくさん出会えました!!

ボビー  監督・出演:エミリオ・エステヴェス  出演:シャロン・ストーン、アンソニー・ホプキンス
Bobby  2005年 アメリカ映画
今週のイチ押し:1968年6月4日、アンバサダーホテル。もしも、ロバート・F・ケネディがカリフォルニアの予備選で勝てば、ここで祝勝パーティが行われることになっている。メキシコ系青年のホセはホテルのバスボーイ。彼はドジャースの試合のチケットを手に入れたのにダブルシフトになっていて憤慨する。これはラテン系への差別なのか?ロビーでは長年ホテルでドアマンを勤めたジョンと同僚だったネルソンがチェスに講じている。彼らはホテルの歴史の生き証人。クーパーとジョニーは若きボランティア。コーヒーショップのウェイトレスのスーザンは女優を夢見ている。多くの人々がホテルの中でそれぞれの人生を生きている。そして、彼らの誰もがケネディに何らかの希望を抱いていた。ケネディは選挙で圧倒的な勝利。彼の到着でホテルは歓喜の渦に巻き込まれていく・・
私評:我々の国は偉大な国であり、寛大な国であり、憐れみ深い国です・・・・これまたすごい映画に出会いました。なんと、ホテルの中にいる22人の群像劇です。ロバート・アルトマン監督亡き後、彼のスタイルを継承するのはエミリオ・エステヴェスかもしれません??しかし、色々な事情を抱える彼らのささやかな希望がロバート・F・ケネディに託されていたのです。私などはどうしても彼の兄のJFKの事ばかりに目が行っていたのですが、アメリカ人にとってのロバートの存在は本当に大きなものだったのですね。そしてついに悲劇が・・・。この映画の登場人物は架空の人々なのですが、唯一ホセだけは実在のモデルがいるそうです。彼が凶弾に倒れたロバートの手をとるシーンが残っていました。出演者はシャロン・ストーン、デミ・ムーア&アシュトン・カッチャー、マーチン・シーン、イライジャ・ウッド、アンソニー・ホプキンス、ヘレン・ハント、ウィリアム・H・メイシー、リンジー・ローハン、ヘザー・グラハム、クリスチャン・スレーター、ローレンス・フィッシュバーン、ハリー・ベラホンテ・・・。もう、これだけのスターを見ればお腹いっぱいです。これも監督のエミリオ・エステヴェスの人徳なのでしょうね・・。
(さけび)  監督:黒沢清  出演:役所広司、葉月里緒奈、小西真奈美
 2006年 日本映画

刑事の吉岡の周辺で連続殺人事件が起こる。早速捜査に乗り出した吉岡だったが、なぜか現場からは吉岡の指紋が検出される。そんな時、反抗期まっさかりの少年が医師である父親に殺害される。偶然か殺害方法がまったく同じだ・・。吉岡には春江という恋人がいた。微妙な距離感があるふたりは不思議な関係に見える・・・。そんなある日、強烈な叫びが吉岡を襲う。そして「あなただけ許します」というメッセージが・・。そして彼が10年以上も前にフェリーで通勤をしていた頃に見た黒い建物が脳裏をよぎる。そんな彼を待っていたかのように作業船の男は吉岡を誘う。そして最後に彼を待っていたのは・・・・

私評:やっと来てくれましたね・・・黒沢清監督の映画も当たりはずれの差が大きいのですが、今回の「叫」は私的には大ヒット。彼の作品のハズレ作品は訳が分からない展開になってしまうのですが、この作品は数々の伏線が見事に最後で締めくくられる。思わず「なるほど!」と膝を叩いてしまったくらいです。しかし、この作品はとにかく不気味な映画です。そして怖い映画です。特にあの「叫び」はすごい威力。これは映画館の大音響で楽しんでいただきたいです。主演の吉岡を演じるのは役所広司。彼はこんな汚れ役でも見事に演じてしまう、まさにカメレオン役者。赤い服の女役は葉月里緒奈。彼女が怖いです!(前作のLOFTの安達由美も怖かったけど、葉月里緒奈も負けていません!)吉岡の恋人、春江役は小西真奈美。その他伊原剛志、オダギリジョー、加瀬亮、奥貫薫、野村宏伸という面子。この映画のラストは絶対に言えません。
松ヶ根乱射事件  監督:山下敦弘  出演 : 新井浩文、三浦友和
 2006年 日本映画

光太郎は派出所勤務の警官。家族は母親と双子の兄の光、そして姉夫婦が畜産業を営んでいる。そんなある日の早朝、路上で女の死体が発見される。光太郎は検死に立ち会うが、彼女は仮死状態であることが分かり息を吹き返す。事件の可能性から刑事が取調べを行うが、女は挙動不審で事故については何も口にしなかった。釈放された女が向かったのは怪しい男、西岡の元だった。なぜか、ふたりは氷の張った湖をアイスピックで穴を開けようとするが上手くいかない。数時間後、光が町の食堂で西岡と女に会っていた。なんと女を車でひき逃げしたのは光だったのだ。そして近所の理髪店では、家出中の光太郎の父親が理髪店の娘を妊娠させたことが発覚する・・・・

私評:みんな知ってんだよ・・・・これはやばい作品に出会ってしまった。これと言って強烈なインパクトがある作品ではないのに、グイグイ物語りに引き込まれていく。登場人物は誰もが変なヤツばかり。しかし、彼らの不安や怒りやモヤモヤした気持ちがすごく伝わってくるのです。そしていつしか私も松ヶ根の住人になったような錯覚さえ覚えるのです。そんな中で異彩を放つのが父親役の三浦友和。お調子者のダメ親父なのですが、彼のセリフにはすごい力がある。彼の演技には本当に脱帽です。そして主演の新井浩文もすごい存在感。地味な役なんですけどね・・・。そしてもうひとり、強烈なオーラを放つのが木村祐一。彼はきっと良い役者になるでしょう!その他の出演者は山中崇、川越美和、烏丸せつこ、光石研などなど・・・。監督は「リンダ・リンダ・リンダ」の山下敦弘。彼の静かだけど人間の内面を抉るような演出は天下一品です。韓国の名監督ポン・ジュノが天才と言ったのも頷けます。

さくらん  監督:蜷川実花  出演:土屋アンナ、安藤政信
 2006年 日本映画
華やかな吉原の街に8歳の女の子がやってきた。金魚が泳ぐ大きな門をくぐるとそこは煌びやかな別世界、遊郭の玉菊屋。そこで働くことになった彼女はきよ葉と命名された。負けん気が強く、何事にもめげないタフなきよ葉は、すぐさま玉菊屋を脱走するがすぐに捕まってしまう。ひどい折檻を受けても、彼女はいつかここを飛び出していくことを強く心に誓うのだった。美しく成長したきよ葉は店でもトップクラスの売れっ子になるが、たとえどんな客にも媚びることはなかった。そしてついに店を代表する花魁の座まで登りつめ、名前も日暮に変わる・・・・
私評:咲かない桜などありゃせん・・・・この原作のマンガを読んだとき、このきよ葉はぜったい土屋アンナだな・・と思っていたのですが、私の思いが届いたのかなんと彼女が主演で映画になってしまった。実際に見てどうだったかというと、サイコーでしたね。まさに彼女にピッタリのキャラクターでした。そして彼女をとりまく女たちに、きよ葉の面倒を見ることになった花魁に菅野美穂、きよ葉にライバル心むき出しで当たる女に木村佳乃、遊郭の女将に(しゃべり方が湯婆と同じだった)夏木マリ。そして彼女が初めて仄かな恋心を抱く青年に成宮寛貴、彼女を娶ろうする家柄の良い武士役は椎名桔平、陰ながらきよ葉を支える店番に安藤政信・・・と良いメンバーが揃っています。そしてこの映画のもう一つの見所が椎名林檎の音楽です。これがまた映画にピッタリなんです。監督は写真家の蜷川実花。絢爛豪華な映像はさすが写真家という感じ。しかも、女性だからこれだけの色香が出せるのではないでしょうか?ラストで花畑を走っていくシーンはめちゃめちゃ好きです。
ゴーストライダー  監督:マーク・スティーブン・ジョンソン  出演:ニコラス・ケイジ、エヴァ・メンデス
Ghost Rider  2006年 アメリカ映画
バイクの曲芸で生計を立てているジョニー親子。しかし、ジョニーは恋人がいて2人は駆け落ちをすることになっていた。その夜、ジョニーは父親が末期癌であることを知った。ひとりでバイクの調整をしていたジョニーの前に一人の男が現れる。彼の名前はメフィスト=悪魔。彼は契約書にサインをして魂をよこせば、父親の癌を治すという。翌朝、父親の病気はすっかり良くなったが・・・。成人したジョニーは超危険なスタントショーで人気を博していた。そんなある日、ふたたびジョニーの前にメフィストが現れる。そしてメフィストを裏切り、地上にもう一つの地獄を作ろうとするブラックハートを倒すことをジョニーに命じた。ジョニーの体は炎に包まれゴーストライダーに変身!!彼は魔界の力を手に入れたのだ。そして彼にはもう一つの使命があった。それは人間の悪行を見抜き、悪人に対しては地獄の裁きを与えることだった・・・・
私評:俺が世界を救ってみせる・・・ゴーストライダーってコミックを読んだことがないし、キャラクターもなんだかパッとしなくて、まったくそそられなかったのですが、ちょうど開始の時間に間に合ったので劇場に飛び込んで観てきました。公開2日目だというのにけっこう空いている・・。ところが映画はめちゃめちゃ面白かったです。キャラクターはダークなヒーローなのですが、けっこう笑えたりします。そしてアクションシーンもすごい迫力で私は大満足。特に炎のバイクで街を疾走するシーンはサイコー!あんなバイクが私も欲しい!!主演のニコラス・ケイジがすごく良いです。彼のシリアスなんだけど笑わせてくれる演技が最高。見事に鍛えた体も要チェックです。ヒロインのエヴァ・メンデスがまたグッドです。最高のプロポーションを見せ付けるようなボディコン!やはり彼女も笑わせてくれるのです!そしてビックリしたのがメフィスト役のピーター・フォンダ!!カッコ良すぎるぜ〜!ケアテイカー役のサム・エリオットもサイコー!監督は「デアデビル」のマーク・スティーブン・ジョンソンです。


前回の記事も読んでね〜!



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