今回のイチ押しはあまり期待していなかった作品。
しかし、やっぱり映画は観てみないとわかりません。しかも、この作品は
日本の資本も入っています!実は・・あと2本、レビューが書けていません。
世界最速のインディアン | 監督:ロジャー・ドナルドソン | 出演:アンソニー・ホプキンス、ダイアン・ラッド | |
The World's Fastest Indian | 2005年 NZ、US映画 | ||
今週のイチ押し:ニュージーランドの南端インバカーギルでひとり暮らしをしているバート・マンローは、今日も近所の迷惑を顧みずバイクの爆音を轟かせている。彼は1920年型のインディアン・スカウトというバイクに改良を重ね、ある夢を実現させようとしていた。それはライダーの聖地であるアメリカのボンヌヴィル塩平原で世界記録に挑戦することだ。しかし、老人の域に達しようとしているバートに残されている時間はあまりなかった。収入は年収のみ、マシンの改良も節約ずくめだが、どうしてもアメリカへの渡航費が足りない。カンパも微々たるもので諦めかけたとき、彼を突然心臓発作が襲った。「やるなら今しかない!」ついに家を抵当に入れたバートは金を手に入れ、アメリカへと渡った。渡航の船の中でも彼はコックとして働きついにアメリカへ。そこはバートにとっては観るもの聞くもの珍しいことばかり。しかし、彼は多くの人たちと接しながら聖地を目指して走り出した・・ | |||
私評:夢を追わない人間は野菜と同じだ・・・。この映画は実在の人物を描いた作品。しかも、破天荒な老人の映画です。会う人会う人みんなに名前を伝え、素性を明かして心置きなく接する。そして彼の独特の人柄がニュージーランドだけでなくアメリカでも多くの人に受け入れられるのです。この映画はそんな不思議な老人のロードムービーです。とにかく誰の心でも掴んでしまうバートの人柄に思わず笑みが浮かんでしまいました。そしてクライマックスのレースはすごい迫力でした。映画館を出るときには私の顔の筋肉は緩みきっていたことでしょう。それくらい「癒される」映画なのです。主演は名優アンソニー・ホプキンス。この役は彼じゃないとダメです。しかし、ハンニバル・レクターと同じ人とは思えないくらい、穏やかで暖かで・・・。共演は「ワイルド・アット・ハート」のダイアン・ラッド、子役のアーロン・マーフィー。また、この映画を製作総指揮しているのは日本のOLC・ライツ・エンタテインメントの稲葉正治。(ディズニーのオリエンタル・ランドの子会社)監督は「スピーシーズ」「ダンテズ・ピーク」のロジャー・ドナルドソン。 | |||
ドリームガールズ | 監督:ビル・コンドン | 出演:ジェイミー・フォックス、ビヨンセ・ノウルズ | |
Dreamgirls | 2006年 アメリカ映画 | ||
1962年。デトロイトの町に未来を夢見る3人の少女たちがいた。彼女たちは「ドリーメッツ」というトリオを組み音楽で成功するため、オーディション・イベントに参加していた。しかし、優勝者は最初から決まっていたのだ。そんな彼女たちに熱い視線を送っていたのは中古車ディーラーのカーティス。彼も音楽でビジネスをしようと、機会を虎視眈々と狙っていたのだ。まず、3人が得たのはデトロイトシアターで抜群の人気を誇るジェームズ・アーリーのバックコーラスだった。ジミー・アーリー&ドリーメッツは徐々に頭角を現し、全米が注目をし始める。ベテランマネージャーのマーティからジミーのマネジメント権を奪ったカーティスは会社の車を一気に売りさばき自らのレーベルを立ち上げた。そしてジミーとドリーメッツにスポットライトを当てるためにあらゆる手段を駆使した。彼らの人気はうなぎ上りだった。やがて、カーティスは黒人の「ソウル」を守ることではなく白人の文化を取り込むことに躍起になり始める・・・・ |
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私評:私たちは家族〜♪ひとつの大きな根を持つ〜♪・・・舞台ミュージカルを映画に移植した作品は最近もけっこうありましたが、ここまで完成度の高い作品ってあまりないでしょう?とにかく主要の出演者の全員がエンターテイナーなのです。彼らが煌びやかなステージで歌いまくる、そして踊りまくる!!とにかくめちゃめちゃ面白かったです。しかし、主演のジェイミー・フォックスは「レイ」でレイ・チャールズを演じて音楽の才能が非凡であることは知っていたし、ビヨンセ・ノウルズは正真正銘のトップシンガーだけど、ビックリしてしまったのがエディ・マーフィとジェニファー・ハドソンのふたりです。とにかくこの2人の歌の上手さは天下一品!特にエディ・マーフィは、いつものハイテンションの演技だけではなく売れっ子歌手が麻薬に溺れ・・・という今までの彼からは想像できない役を見事に演じています。そしてビヨンセが霞んでしまうくらいの存在感とパワフルな歌で圧倒するジェニファー・ハドソンのド迫力!ふたりがオスカー候補なのも納得です。そしてブラックアクターの大御所ダニー・グローバーも良い役で登場します。(しかし、老けたな〜・・・)監督は名作「ゴッド・アンド・モンスター」のビル・コンドンです。最高のサントラは即効でゲットしました。 | |||
墨攻 | 監督:ジェイコブ・チャン | 出演 : アンディ・ラウ、アン・ソンギ | |
A Battle of Wits | 2006年 中国・日本・韓国映画 | ||
紀元前370年の中国。趙と燕の国境の国、梁は危機に瀕していた。趙は燕に攻め入るために大軍を率いて移動していたが、その途中にある小国の趙が攻められるのは必至。そこで趙の王は百戦錬磨の民を抱える墨家に援助を求めた。しかし、やってきたのは粗末な身なりをした革離ただひとりだった。革離が到着すると早々に趙の先発隊がやってくるが革離はたった一本の矢で彼らの出鼻をくじいてしまう。敵は勇猛な10万の軍、いっぽう梁は全住民でわずか4千人。この戦いで革離は「1ヶ月持ちこたえる」ことを1番に掲げた。全ての住民を総動員して革離の準備は着々と進められていった。そしてついに趙の総攻撃が始まった。人数では遥かに上回る趙は一気に梁に攻め入ろうとするが、そこに張り巡らされた数々のトラップについに趙は退却を余儀なくされる。革離は絶大な信頼を得るが、逆にその信頼が自分を上回るのではと、王は疑心暗鬼になってしまう・・・・ |
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私評:墨家ではお礼は受け取りません・・・中国と韓国、そして日本が合体して作られた映画です。監督・主演と製作は中国、韓国からは名優アン・ソンギが趙の大将役で登場。そして原作と音楽は日本というなんともアジアチックな映画です。ハリウッド映画のようなやたらとCGを使ったり、火薬でぶっ飛ばすシーンはありませんが物量という勝負なら引けをとりません。特にエキストラの数は半端じゃありません!しかし・・・、せっかくの革離の奇策が画面上で分かりづらいんですよ。せっかく、梁城の模型とかも登場するのだから上手く使えば良いのに〜・・。そして私的には騎馬隊の女大将との色恋は不要でした・・。それでも合戦シーンはかなりの迫力。アメリカだったらぜったいにCGで作っちゃうんだろうな〜・・。主演は「インファナル・アフェア」のアンディ・ラウ。彼はさすがにすごい存在感。もちろん、アクションもこなせるし良い配役でしたね。そして韓国からアン・ソンギが登場。やっぱり言葉の壁が越えられなかったようですね。ちょっと力不足な感が・・。その他「北京ヴァイオリン」のワン・チーウェン、紅一点のファン・ビンビンなどなど。原作は日本のコミックで森秀樹作。音楽も日本人で川井憲次。監督は「流星」のジェイコブ・チャン。 |
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幸せのちから | 監督:ガブリエリ・ムッチーノ | 出演:ウィル・スミス、タンディ・ニュートン | |
the Pursuit of Happyness | 2006年 アメリカ映画 | ||
医療機器のセールスマンのクリスの家計は正直火の車だった。彼の家計を支えていたのは妻のリンダだったが、彼女も忍耐の限界が近づいていた。そんなある日、クリスはフェラーリから颯爽と降り立った男に声を掛けた。「どうしたら君のようになれるんだい?」彼は株の仲買人で、証券会社の養成コースを受ければ学歴は関係ないという。さっそく一流証券会社の養成コースを受けに来たクリスだったが、なんと半年間は無給だと知り愕然としてしまう。しかも、大事な商品の測定器をヒッピーに持ち逃げされてしまう。その夜、妻のリンダは息子のクリストファーと一緒に姿を消してしまう。その夜証券会社の人事担当から、彼の面接をするという電話が入る。しかし、面接の前日にクリスは駐車料金の未払いで拘留されてしまう・・・・ | |||
私評:夢があったらそれを守れ・・・子連れでホームレス生活を余儀なくされてもめげずに人並み以上の生活を手に入れた男の実話なのですが、なぜかあまり感動はありませんでした。と言うのも、主人公の男を「可哀相」とは思えなかったからなのです。主演がウィル・スミスと言うことがあって彼には悲壮感をまったく感じなかったのです・・。むしろ「人間やる気になれば、なんでもできる」という活力としてこの映画は私の中に入り込んできました。なんだか最後に彼が職を手に入れるシーンも「え〜!!?」って感じ。理由は映画を観ていただければ、一目瞭然だと思うのですが・・。主演は「インデペンデンス・デイ」のウィル・スミス。彼はやはりお気楽アクションが似合う。リンダ役は「クラッシュ」のタンディ・ニュートン。そして息子のクリストファー役はウィルの実息ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス(長い・・)。演技はまあ上手くもなく、下手でもなく・・(笑)。監督はイタリアのガブリエレ・ムッチーノ。 | |||
キャプテン トキオ | 監督・出演:渡辺一志 | 出演:ウェンツ瑛士、中尾明慶、泉谷しげる | |
Captain TOKIO | 2006年 日本映画 | ||
西暦20XX年、巨大地震に襲われた東京は壊滅的な打撃を受けた。日本政府は東京を見捨ててしまう。廃墟となった東京は無法地帯となるが、そこにはエネルギーに溢れた若者が集い、新しいカルチャーが生まれた。そんな東京に本土から2人の高校生がやってくる。映画好きのフルタとロックミュージックが好きなニッタだ。しかし、ふたりはニセ警官に身ぐるみを剥がされてしまう。そんな彼らを拾ったのは映画撮影に来ていた4人の男たちだった。4人の元で映画の仕事を手伝い始めたフルタは才能に花が咲き、自ら脚本まで書き上げた。その名は「キャプテントキオ」。一方のニッタは東京で見ようと思っていたロックライブの情報が入らず焦っていた。そんなニッタに目をつけたのは「映画屋」たちを疎ましく思っていた通称「東京都知事」。彼は東京のPR映画を作ろうとしていて、4人にはあっさり断られてしまうが、フルタの脚本を気に入り彼に映画監督を依頼する。しかし、そこにはどす黒い陰謀が渦巻いていた・・・・ | |||
私評:ボクの映画を返せ!!・・・いやはや、なんともB級の映画です。しかし、B級ならではのパワーを感じる映画でもあります。とにかく何もかもが若い!主役も若い!発想も若い!音楽もファッションも若い!そんな青臭さがプンプン。逆に言うと勢いばかりで緻密さが感じられないのですが、それはそれ。まあ、これからを期待しましょう。とりあえず低予算でも、これだけの迫力の映画は作れるというお手本みたいな映画かも??CGも巧みに取り込んでいるし・・・。主演は「ゲゲゲの鬼太郎」が待ち遠しいウェンツ瑛士、「戦国自衛隊1549」の中尾明慶。脇役陣は超異色ですよ〜。泉谷しげる、いしだ壱成、日村勇紀、藤谷文子、そしてなんとあの石立鉄男!!音楽は「頭脳警察」のPANTA。彼は役者としても登場します!監督は「19」の渡辺一志。彼は映画の中で革命的な(?)映画監督役で出演もしています。 | |||