2012/3/4

今回も良い作品が揃いました。マラソンの疲れを癒すのも
やっぱり映画です!今回は映画愛に溢れたファンタジーと
馬の目を通して観る感動の戦争映画

ヒューゴの不思議な発明  監督 : マーティン・スコセッシ  出演 : エイザ・バターフィールド、クロエ・グレース・モリッツ
HUGO  2011年 アメリカ映画
今週のイチ押し:パリの駅の時計台に一人の少年が住んでいた。彼の名前はヒューゴ。父親を火事で亡くし時計修理工の叔父に引き取られたが、呑んだくれの叔父は行方不明中。しかし、ヒューゴは時計のネジを巻きながらひっそりと生きている。そんなある日、ヒューゴは駅の構内にある玩具店でネズミのおもちゃを盗もうとするが店主に見つかってしまう。そこでヒューゴは大切にしていた父の形見のノートを取り上げられてしまう。実はヒューゴは父が遺した機械人形の修理が日課になっていて、その部品の収集のために盗みも働いていたのだ。そしてノートには機械人形の修理方法が記されていた。店主のジョルジュは盗んだ分を働らけばノートを返すと告げた。ジョルジュにはイザベルと言う名の養子がいた。彼女と意気投合したヒューゴは彼女が見た事がないとい映画を見に連れて行く。そこでヒューゴは彼女が首に下げていたハート型のネックレスを発見。それこそが機械人形の鍵だった。ふたりはさっそく鍵を使ってみるが・・・
私評:冒険は大好きよ・・・・今年のアカデミー賞でも話題に上がっていたファンタジー映画。しかし、この映画の根底にはあるのは“映画に対する愛”。特撮映画の元祖とも言えるジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」が作品の中で大事な要素として使われていますが、今でもビックリするような映像なので、当時はすごいインパクトだったでしょうね。まさに“マジック”です。そして原作者がこのメリエスを愛している事が伺えます。そしてこの映画で何よりすごいのが3Dです。これぞ3D映画のお手本というような作品。というか、この映画は3Dでないとダメです!ドキドキのアクションシーン、美しいパリの夜景のシーン・・、何もかもが3D用に計算され尽くされています。主演のヒューゴを演じるのは「リトル・ランボーズ」のエイザ・バターフィールド君、イザベル役は「モールス」「キック・アス」のクロエ・グレース・モリッツちゃん(大きくなりました!)ジョルジュ役は大御所「ガンジー」のベン・キングスレイ。その他、「ボラット」のサシャ・バロン・コーエン、「シャッターアイランド」のエミリー・モーティマー、クリストファー・リー、ジュード・ロウらが共演。監督はやっぱり天才だと確信した「タクシー・ドライバー」「ディパーテッド」のマーティン・スコセッシ。超感動作です!!
戦火の馬  監督 : スティーブン・スピルバーグ  出演 : ジェレミー・アーヴィン、エミリー・ワトソン
War Horse  2011年 アメリカ映画
今回のイチ押し:第1次世界大戦を目前にしたイギリスの田舎町で仔馬が生れた。誕生の瞬間を遠くから見つめていた少年、アルバートはその美しい馬に心を惹かれた。仔馬は村の市場で競りにかけられたが、酒に酔った勢いで大枚を叩いて落札したのは、なんとアルバートの父親だった。貧しいながらも農耕用の馬を買うはずが、サラブレットの血が入った馬を見て妻のローズは愕然とすると。しかし、アルバートはこの運命の出会いに感激していた。彼は馬に「ジョーイ」と言う名をつけて深い愛情を持って育てていく。そんなある日、地主のライオンズが地代の徴収にやってくる。しかし、そんな金もない父親は秋まで待ってくれと懇願した。アルバートはジョーイを農耕用に鍛える事を決意。それは家族を、そしてジョーイを守る唯一の手段だった。そっと農耕具を付けたアルバート。しかし、奇蹟は起こった。ジョーイは驚くべきパワーで、荒れ地を耕していったのだ。そこにカブを植えて、一家は安泰と思っていたが、大雨がこの地を襲いせっかくの作物が全滅してしまう。やむを得なくジョーイは軍馬として売られてしまう・・
私評:戦争が終わったら、君にジョーイを返す・・・実は「戦火の馬」っていうタイトルからして、あまり食指が動かなかった作品です。しかし、映画を見終えた後は、大きな感動に包まれ大満足で劇場を後にしました。イギリス軍の将校、ドイツ軍の幼い兄弟、病気がちな少女とその祖父らとジョーイがドラマを育んでいきます。立場は違えど、みんなジョーイが持っている何かに心を動かされていくんですね。その何かはアルバートの元に帰りたいと言う本能の成せるものなのかも知れません。奇蹟の馬は銃弾が飛び交う戦場を駈けまわり、重い大砲を引っ張り、泥だらけになっても必死に生き延びていきます。その真摯な姿に私は泣きました・・。そしてなんとも印象的だったのがラストの夕焼けのシーン。美しかったです。主演は馬の「ジョーイ」なのですが・・・・アルバート役は新人のジェレミー・アーヴィン、彼の母親役で「奇蹟の海」のエミリー・ワトソン、父親役は「マイ・ネーム・イズ・ジョー」のピーター・ミュラン。その他、デヴィッド・シューリス、トム・ヒドルストンなど、イギリスの名優がずらりと登場。そして今回、私が注目したのが音楽です。スピルバーグ作品と言えば、この人ジョン・ウィリアムズ。この映画にはピッタリの素晴らしい音楽でした。監督は御存じスティーブン・スピルバーグ。彼らしい大袈裟で、苦笑してしまうような演出も多々あるのですが、この作品にはそれがマッチしていたと思います。
アンダーワールド 覚醒  監督 :モンス・モーリンド、ビョルン・スタイン  出演 : ケイト・ベッキンセール、スティーブン・レイ
Unerworld Awakening  2012年 アメリカ映画
ヴァンパイアの長老を倒し、ヴァンパイアと狼男(ライカン)のハイブリットであるマイケルと結ばれた処刑人のセリーン。しかし、“非人類”の存在に気付いた人間たちによってふたりは追われる身になり、ついには軍に捕らえられてしまう。12年後、セリーンは冷凍睡眠から目を覚ます。バイオ企業の研究室にいた彼女はそこを逃げ出した。研究責任者のレーン博士はセリーンの抹殺を命令。しかし、彼はもうひとつの悩みを抱えていた。それはもうひとつの実験体も逃亡したことだった。街へ出たセリーンはヴァンパイアのデヴィッドと出会い、彼らが今、深い地下でひっそりと生きている事を知らされる。そして同じく地下に潜むライカンの動きが活発化しているという情報を得た。そんな時、突如としてライカンがセリーンとデヴィッドに襲いかかる。そこでセリーンはイヴと言う名の少女を救出する。実は彼女は冷凍睡眠中にマイケルとセリーンの間にできた子供だった。怪我を負ったイヴを連れてヴァンパイアのアジトへと向かうが、突如としてライカンが襲いかかる。そしてそこに現れたのはセリーンが見た事もない巨大なライカンだった・・・・
私評:彼女には噛まれた跡がない・・・・アンダーワールドの第4弾。前作は主演が変わりましたが、今作からまた、ケイト・ベッキンセ-ルが復活。やっぱり、この映画は彼女じゃなくちゃ!今回は3D映画と言う事もあり、アクションシーンはかなり派手になっています。だけど、CGはかなり手抜きな感じがしました。ライカンが襲ってくるシーンなんか人形みたいにカクカクしています。だけど、そんな状態をふっ飛ばすかのように画面狭しと暴れまくるセリーンがカッコイイのなんのって・・。そして映画の最後は「続く・・・」って感じ。また、次回作が見られるのはシリーズのファンとしては嬉しい限りです。88分と言う尺の短さもサクッと見られて良いですね。主演は「月下の恋」「モーテル」のケイト・ベッキンセール。レザーのピタッとした衣装が相変わらずお似合い。アクションもすごいです。博士役は「クライング・ゲーム」のスティーブン・レイ、そして生き延びたヴァンパイアを率いるのは「エイリアン3」のチャールズ・ダンス。そしてイヴ役はオリビア・ハッセーの娘(父親は布施明ではありません)インディア・アイズリー。監督はモンス・モーリンドとビョルン・スタインのふたり。
おとなのけんか  監督 : ロマン・ポランスキー  出演 : ジョディ・フォスター、ケイト・ウィンスレット
Carnage  2010年 フランス・ドイツ・ポーランド映画
ニューヨーク、ブルックリンに住むマイケルとペネロペ夫婦の家を、アランとナンシーの夫婦が訪ねていた。実はアランの息子のザッカリーとマイケルの息子のイーサンとの間でいざこざが起こり、イーサンは前歯を二本折ってしまったのだ。ふた組の夫婦は和解のために集まったのだ。話し合いの当初はペネロペが作った特製コブラーを食しながら和やかに進んでいたが、いつしか会話は噛み合わなくなりだんだんと険悪な雰囲気になっていく。そんな状況に拍車をかけるようにアランは携帯電話が鳴り続ける。実はアランは今回の話し合いにもまったく乗り気ではなく、マイケルたちと話し合いも上の空で仕事の事ばかり。そんなイライラはナンシーの神経を逆なでして、ついに・・・・・、ナンシーはペネロペが大事にしていた画集の上にリバースをしてしまう。洗面所から戻ったナンシーは、落ち着きを取り戻し「実は今回の子供たちのもめごとの原因はイーサンにもあるのでは?」と反論を始める。これで火がついたふた組の夫婦の壮絶な口喧嘩が始まる。事なかれ主義のマイケルが用意したスコッチはその場を和ませるのか??・・
私評:「武装した」は言いすぎじゃない??・・・・「こどものけんか」に口をはさむ「おとなのけんか」は性質が悪い。最初は“自分の子供可愛さ”をひけらかしながらも“大人らしいスマートな解決”を試みるのですが、途中からは見るも無残な“大人げない喧嘩”に発展。最後には夫婦間の不満まで爆発させて・・・・。この映画のオープニングで子供たちが喧嘩に至る様子が遠めのカメラで収められているのですが、実は私はクレジットの文字を見ていて、子供たちにほとんど注目していませんでした・・・。このシーンだけでももう一度見てみたい。そしてエンドクレジットでも同じように子供たちが映っているのですが、これがまた笑っちゃうくらい皮肉な映像なのです。舞台用に作られたコメディなので4人の役者が部屋の中だけで物語を繰り広げていきます。最後のオチも最高でした。主演の4人は「羊たちの沈黙」「告発の行方」のジョディ・フォスター、「シカゴ」「ダレン・シャン」のジョン・C・ライリー、「イングロリアス・バスターズ」のクリストフ・ヴァルツ、そして「タイタニック」「愛を読むひと」のケイト・ウィンスレットという超豪華な顔ぶれ。彼らが悪ノリというラインのギリギリを攻めてきます。監督は「戦場のピアニスト」のロマン・ポランスキー。まさに、大人のための映画です。
POV ~呪われたフィルム~  監督 : 鶴田法男  出演 : 志田未来、川口春奈
 2012年 日本映画
人気若手女優の志田未来の携帯用の新番組「それだけは見ライで!」の番組収録に出演した。今回のゲストは同じ事務所の川口春奈。しかし、未来は今回の収録に、気が乗らなかった。と言うのも、今回のテーマが彼女の苦手な「心霊特集」だったからだ。番組が始まり最初の投稿映像が流れた。そこに映っていたのはある学校の女子トイレ。しかし、それは予定にはない映像だった。しかも、そのトイレは春奈が卒業した学校のトイレとそっくりだという。再び、再生をしてみるとそこには前回とは違う映像が・・・。次の投稿映像もなんと春奈の卒業した学校のシャワールームの映像。実は春奈は在校中に心霊ビデオを撮影しようとした事があり、その作品は今回流れた映像とそっくりだと言う。危険を察知したスタッフは配信を中断するが、その後も回っていたカメラに収められたのは、ふたりの後方の窓ガラスの向こうに浮かぶ、不気味な人影だった。事の重大さを感じたスタッフは、後日、浄霊を行うが・・・・
私評:私が撮影します・・・・日本版の「パラノーマル・アクティビティ」を目指したのか?かなりの低予算で作られた作品です。まあ、よくある「映り込んでしまった」系の心霊写真やお化け屋敷みたいに「わっ!」と驚かすようなシーンが満載。怖さもあるのですが、どちらかと言うと「ドッキリ」の方が強い感じ。前半はどうにもダルイ展開だったのですが、途中で某スタッフが姿を消す辺りから、ジワリジワリと怖さが増してきます。「なるほど、だから○○だったのか!」という、ちょっとした謎も解けます。無理やりこじつけた感は否めませんが、まあ、この手の映画にはよくあることなので・・・。主演は「借りぐらしのアリエッティ」で声優にも挑戦した志田未来ちゃん、そして「桜蘭高校ホスト部」でブレイク必須の川口春奈ちゃん。ふたりは自分役で登場します。監督は「リング0」「予言」の鶴田法男。ちなみにPOVとは”Point Of View”の略


前回の記事も読んでね~!



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