2014/2/23

去年は東京マラソンを走っていた私ですが、
今年は映画館です。イチ押しはハイテンションコメディと
現代の若者の衝撃作。

土竜の唄 潜入捜査官REIJI  監督 : 三池崇史  出演 :生田斗真、堤真一、仲里衣紗
 2014年 日本映画
今週のイチ押し:交番勤務の菊川玲二は警察学校を史上最低の成績で卒業。勤務中にも問題ばかり起こしてばかりだが、正義感だけは人一倍強い。そんなある日、玲二は突然クビを言い渡される。しかし、それは交番勤務をクビになり潜入捜査官になるという辞令だった。合成麻薬の密売ルートを暴くべく武闘派暴力団組織・数寄谷会の一員となり、会長の轟周宝を挙げる事が玲二のミッションだった。闇カジノに入った玲二は数寄谷会の傘下阿湖義組の組長“クレイジーパピヨン”こと、日浦に気に入られた玲二は彼と兄弟の誓いを立てる。しかし、数寄谷会は内部でも権力闘争が起きていて、しかも関西の暴力団組織蜂乃巣会との抗争も勃発。なぜか、どこにでもクビを突っ込み格好のターゲットになってしまう玲二だったが、それは彼の名前を売り込み、そしてさらに存在を知らしめる事に・・・
私評:♪土竜の唄だよ、2番はないよ!・・・原作は大人気の漫画。しかし、私はまったく知りませんでした。それにしてもこの映画はテンションが高い!このテンションに着いていければ映画を楽しめるでしょう。幸か不幸か(たぶん幸)その日の私はめっちゃハイテンションだったのでこの映画に嵌まってしまいました。とにかく「おバカ」な映画なので、阿波踊りの原理で観る側もバカになりきってしまうのが大切??しかも、この映画のすごいところは始まりから終わりまで、そのハイ・テンションをキープしているところ。観終わるとけっこうグッタリします。しかし、心地の良い疲れです。という事で、この映画は大好きです!主演は「源氏物語」「脳男」の生田斗真。ハンサムな彼がバカに徹しています!日浦役は「俺はまだ本気出してないだけ」の堤真一。その他、仲里衣紗(エロイ!)、山田孝之、岡村隆史、上地雄輔、大杉漣、岩城滉一。監督は「藁の楯 わらのたて」の三池崇史。この監督は時々、こういう面白映画を作るから侮れない!!
17歳  監督 : フランソワ・オゾン  出演 : マリーヌ・ヴァクト、ジェラルディン・ペラス
Jeune & Jolie  2012年 フランス映画
今週のイチ押し:夏:パリの名門高校に通うイザベルは医師である母親シルヴィと再婚相手のパトリック、そしておませな弟のヴィクトルの4人暮らし。裕福な家族はリゾート地でバカンスを楽しんでいた。そんな時にイザベルはドイツ人の青年と知り合い初体験を済ませた。行為の最中に自分を見ているもうひとりの自分の冷ややかな視線を感じた。数日後、彼女は17歳の誕生日を迎えた。そして初体験の相手とは別れの挨拶もせずにその地を去った。秋:豪華なホテルの一室を訪ねたイザベルは母親のブラウスを着て、化粧をしている。そしてその部屋の初老の男とセックス。彼女は彼以外にも不特定多数の男たちと会っては300ユーロを手にしていた。そんなある日、彼女はシルヴィと観劇中に初老の男と偶然会ってしまう。すると彼女の携帯にメールが届いた。それからも彼とは定期的に会っていたが、他の客の数を減らす事もなく彼女は黙々と男たちに会っては抱かれる。しかし、そんな時に彼女はとんでもない事件に遭遇してしまう・・・
私評:お嬢さんの裏の顔は、娼婦です・・・衝撃的な映画です。これは今の17歳としては普通の事なのでしょうか?時代と共に若者の考え方も感性も変わって来るので、私には理解できない部分も多々あります。しかし、この映画の少女がなぜ売春をしていたのかは感覚的には分かるのですが、論理的には説明ができない。金でもない、セックスへの興味でもない、ましてや快感のためでもない。それなのに男たちに金を払わせ抱かれ続けるなんて・・・。映画の中で彼女を取り巻く大人たちの対応がまさに私の思いです。私に17歳の娘がいたらストーカーになって監視しちゃうかも??そんなイザベルを演じるのはマリーヌ・ヴァクト。美しいだけではない、不思議でちょっと怖いくらいミステリアスな女性です。これが彼女のデュー作。シルヴィ役は「ふたりの5つの分かれ道」のジェラルディン・ペラス、そしてこの監督の作品にはこの人!「スイミング・プール」「まぼろし」のシャーロット・ランプリング。監督は「危険なプロット」「8人の女たち」「焼け石に水」のフランソワ・オゾン。彼の幅広い才能にはいつも本当に驚かされます。最後にこの映画のキャッチコピーが凄く好きです「若さは いつも 美しくて愚かしい」。まさにこの作品の事!
大統領の執事の涙  監督 :リー・ダニエルズ  出演 :フォレスト・ウィテカー、オプラ・ウィンフリー
The Butler  2013年 アメリカ映画
アメリカ南部の綿畑でセシル・ゲインズは両親と共に小作農として働いていた。そんなある日、この家の主人は母親を無理やり小屋に連れ込んだ。そしてセシルの目の前で父親は頭を撃ち抜かれて死んだ。そんなセシルを不憫に思ったこの家の女主人はセシルを屋敷の中の仕事(ハウス・ニガー)に就かせた。年月は過ぎて青年になったセシルはこの屋敷をひとりで出て行った。ひょんな事でウエイターの仕事を得たセシルは、数年後さらにその上を行く高級ホテルでの仕事を手にする。結婚をして子供もできたセシルにさらなるチャンスが巡って来る。なんとホワイトハウスの執事の仕事が舞い込んできたのだ。セシルが初めて応対したのはアイゼンハワー。ケネディ、ジョンソン、ニクソン、フォード、カーター、レーガンに仕えたセシルは、全ての大統領に信頼された完璧な執事だった。しかし、彼の長男は大学生の時に黒人解放運動に参加、そして二男はベトナム戦争に参加する・・
私評:そこへの行き方は知っているよ・・・これは実際にあった話。実在のホワイトハウスの執事が新聞に取り上げられて話題になった。いつも執事という立場で世界を動かしているアメリカ大統領の傍で時代を見つめてきた男。しかし、彼が黒人であるがゆえに70年だからの黒人たちの差別、人権問題、そしてついには黒人がアメリカの大統領に就任という彼らからしてみればこの上ない感動的なドラマ。しかし、アメリカの歴史だけではなくゲインズ家の歴史も見事に描かれています。ラストシーンはステキでした!!セシル役は「ラスト・スタンド」のフォレスト・ウィテカー。やはり、彼は真のオスカー俳優ですね!その他に歴代大統領を演じたのがロビン・ウィリアムズ、ジェームズ・マースデン(X-MENのサイクロプス)、ジョン・キューザック、リーヴ・シュレイバー、アラン・リックマンという豪華な顔ぶれ。その他にもテレンス・ハワード、ロック歌手のレニー・クラヴィッツ、キューバ・グッディングJr、ジェーン・フォンダ、そしてマライア・キャリー・・・という超豪華なキャスト。彼らを観ているだけでも十分価値ありの映画。監督は「プレシャス」のリー・ダニエルズ。
スノーピアサー  監督 : ポン・ジュノ  出演 : クリス・エヴァンス、ソン・ガンホ
Snowpiercer  2013年 韓国・アメリカ・フランス映画
20141月、地球温暖化い歯止めをかけるべく人口冷却物質「CW7」が大気中に散布された。しかし、CW-7は地球を雪と氷で覆い尽くし新たな氷河期へと導いた。すべてが凍りつく前に「スノーピアサー」という1年で地球を一周する列車に乗り込んだ者たちだけが生き残った。それから17年。現在もスノーピアサー号の中だけが人間が生活できる場所。列車内は富裕層と貧民層に分けられていた。列車後方の貧民たちは不潔で、いつも飢えているが前方の富裕層は地球が凍結する前と変わらぬ豪華な生活を送っていた。後方車両のカーティスは彼を慕うエドガーらと共に革命を起こすべくタイミングを見計らっていた。彼らの食料であるプロテインブロックの中に、時々入っている赤いカプセルに書かれたメッセージ。何者が送って来るのかも分からないが、カーティスはこの情報を信じていた。今回のメッセージに記されていたのは「ナングン・ミンス」。それはこの列車の監獄に入れられているセキュリティの鉄人の名前だった・・
私評:プロテインを喰え。中身を知っているのだろう?・・・韓国の映画監督の中でも私が特に好きなのがポン・ジュノ。毎回、違うジャンルの映画を作る彼がハリウッドで作ったのはこの映画。設定が面白い上に、ポン・ジュノらしい人間同士のドロドロした関係や、意表を突くブラックな笑いが、ド迫力のアクション映画の中に盛り込まれています。圧巻は暴動の肉弾戦。スローモーションで、しかも長いワンカットで見せるので迫力満点です。そして韓国の気鋭監督の元に集結した面子がすごい!カーティス役は「キャプテン・アメリカ」のクリス・エヴァンス、エドガー役には「リトル・ダンサー」のジェイミー・ベル、列車の総理大臣役は「ムーン・ライズ・キングダム」のティルダ・スウィントン、後方車両の人たちのリーダーのギリアムは「エイリアン」のジョン・ハート、スノーピアサーの創造主ウィルフォード役は「アビス」のエド・ハリス、息子の奪回のために革命軍に加担するおばちゃんは「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のオクタヴィア・スペンサー。もちろん韓国からも「殺人の追憶」のソン・ガンホと「グエムル 漢江の怪物」に続いて今回もソン・ガンホの娘を演じていたコ・アソン。誰もがポン・ジュノのファンだと言う。韓流ファンでなくても、この映画は観ておきましょう!
ダリオ・アルジェントのドラキュラ  監督 : ダリオ・アルジェント  出演 : トーマス・クレッチマン、アーシア・アルジェント
Dracura  2012年 イタリア・フランス・スペイン映画
1893年、トランシルバニア。森の小屋で逢瀬を楽しんだ若い娘タニアが無残な姿で発見された。彼女の死を怪しんだ不倫相手が彼女の墓を暴くと彼女の首には噛み痕が残されていた。若い司書のジョナサンはトランシルバニアのドラキュラ伯爵から仕事を貰い、この町にやってきた。この仕事の仲介をしてくれたのは彼の友人で、この町の町長の娘でもあるルーシーだった。森の奥深くの城の赴いたジョナサンは伯爵と会い、城内の図書室に向かった。そこに現れたのは死んだはずのタニアだった。彼女は生ける屍となっていたのだ。美しい肢体を晒してジョナサンを誘惑するタニア。しかし、ジョナサンはドラキュラの餌食となってしまう。数日後、ジョナサンの妻のミナが町に到着する。友人のルーシーとの再会を喜んだ彼女だったが、突如ルーシーは体調を崩してしまう。ミナは彼女の膝の裏側に噛み跡があるのを発見するが・・
私評:忘れるでない、彼は悪魔なのだ・・・私の大好きなホラー映画の監督ダリオ・アルジェント。しかし、彼の最近作はどうもパッとしない。前作の「ジャーロ」はあまりに酷いできでガッカリしてしまった。今回の作品は原作がしっかりしているので、つまらない映画にはなり得ないと思っていたのですが・・・。雰囲気はすごく良いのですが70年代に「鮮血の美学」とまで謳われた彼の作品からは程遠かったです。しかも、エロを前面に押し出したりしているところが微妙。彼の愛娘アーシア・アルジェントも父親のために全裸になってサポートしています。そして一番びっくりしたのは「カマキリ」。これは映画でご確認ください。この映画は元々は3Dで作られていたのですが、日本では2Dのみの公開。しかも渋谷の映画館のレイトショーだけ。毎回、温かな応援コメントを寄せているよしもとばななさんも苦しいコメント。だけど、彼の映画は見ちゃうんですよ。今回は良い施設での試写だったのでラッキーでした!ドラキュラ役は「戦場のピアニスト」のトーマス・クレッチマン、ルーシー役は「サスペリア・テルザ 最後の魔女のアーシア・アルジェント、そしてヴァン・ヘルシング役は「ヒッチャー」のルトガー・ハウアー。次回作こそ、期待してますよ、アルジェントさん!


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