2017/2/12

何と今年初のレビュー。限界近い・・・

ネオン・デーモン  監督: ニコラス・ウィンディング・レフン  出演 : エル・ファニング、ジェナ・マローン
NEON DEMON  2016年 フランス・デンマーク・スウェーデン映画
今回のイチ押し:田舎町からスターを夢見てLAにやってきたジェシーは、撮影現場で知り合ったルビーと意気投合。ルビーはジェシーの魅力に引き込まれた。ルビーに連れられてクラブに行ったジェシーはそこで、モデル業界で生きるジジとサラに出会う。彼女たちは数々の努力を重ねなんとかこの業界にすがり付いていた。数日後、モデル事務所を訪ねたジェシーは面接官の女性もその魅力で落とし、有名カメラマンの撮影の仕事を受ける。それはジジやサラには信じられない事だった。トントン拍子でトップスターへの階段を昇っていくジェシー。しかし、そこには思わぬ落とし穴が待っていた。純真無垢だったジェシーの内側に芽生えた大きな野心が、周りの女たちの中に嫉妬と憎悪を増幅していく。そしてついに・・・
私評: 彼女の美は作り物ではない・・・面白い!映画ののっけからど派手なメイクのジェシー。しかし、それは彼女の最低の作品の撮影。続いてのシーンはクラブの大音響とストロボ。それらは暗闇の世界に映し出された人工の美。その中で唯一無二の自然な美を纏う(いや、彼女自身が美なのです)ジェシー。しかし、彼女の周りのモデルたちも十分すぎるくらい美しいのです。ジェシーが美しすぎるのです。しかも、彼女は16歳(の設定)!無敵です。中盤までは本当にジェシーの美しさだけで物語は牽引される。しかし、後半30分は彼女が周囲に撒いた怒りの種が一気に爆発して、恐ろしい事件が起こります。しかも、ジェシーの美を欲するが故かあんな事まで・・・??主演は「マレフィセント」「ヴァージニア」のエル・ファニング。彼女ってまだ18歳なんですね。透明な魅力が溢れている。ルビー役は「ハンガー・ゲーム2」のエナ・マローン、ジジ役は「ダーク・シャドウ」のベラ・ヒースコート、サラ役は「マッドマックス 怒りのサンダーロード」のアビー・リー。これらの美女3人組もエルちゃんに平伏すのです。そしてジェシーが住んでいるモーテルの危険な管理人役でキアヌ・リーヴスが登場。怪しいです!監督は「ドライヴ」のニコラス・ウィンディング・レフン。彼の作品は一筋縄ではいかない・・
沈黙 サイレンス  監督 : マーチン・スコセッシ  出演 : アンドリュー・ガーフィールド、窪塚洋介、イッセー尾形
Silence  2016年 アメリカ映画
今回のイチ押し:17世紀。日本に布教活動にやってきたフェレイラ神父が行方をくらました。彼は棄教して日本人になったという噂が流れる。フェレイラの教え子でもあるロドリゴとガルベはその真相を突きとめるため日本へと向かった。マカオで知り合った日本人のキチジローの案内で長崎の小さな村に着いたふたりは、そこでひっそりと、そして深くキリストへの祈りを捧げている村人たちと出会った。村人に匿われながら信仰を通して村人と心を通わせていくふたり。しかし、長崎奉行の井上は、さまざまな方法でキリスト教信者を炙り出す。そしてロドリゴたちの存在を嗅ぎつけた井上は、罪なき村人たちを彼らの前でいたぶり、殺害し、ロドリゴたちに棄教を迫る。ずっと耐え忍んでいたロドリゴだったが、彼の我慢も限界に達しようとしていた。そしてついに日本人として現れたフェレイラに会い、愕然とするが・・・
私評:死んだらパライソに行けるんですよね・・・原作は日本人の遠藤周作。日本でも過去に篠田正浩監督によって映画化されたことがあるのですが、私は未見です。しかし、この映画は見ていて辛かった。長崎藩主が切支丹にたいして行う拷問の数々。それらが残酷で、思わず「ひえ~!」って悲鳴をあげそうでした。しかし、この作品で語られる人たちは切支丹虐殺のほんの僅かで、実際は何十万人もの人々が残酷な手口で命を落としたのです。映画の中では狡猾に生き延びていくキチジローが、私には悪人にも卑怯な人間にも見えず、むしろこんな輩も多かったのではと思えた。踏み絵を拒む事はきっとイエスも推奨したでしょう。ロドリゴ神父役は「アメイジング・スパイダーマン」シリーズのアンドリュー・ガーフィールド。彼の顔とキリストの顔がオーバーラップされるシーンがあるですが、注目です!?ガルベ神父役は「スター・ウォーズ フォースの覚醒」でカイロ・レンを演じたアダム・ドライヴァー、フェレイラ神父は「96時間」のリーアム・ニーソン。日本側はキチジロー役で窪塚洋介、通辞役で浅野忠信、いやらしい井上役はイッセー尾形、敬虔な隠れクリスチャン役で塚本晋也。その他、加瀬亮、小松奈菜などがすごい小さい役で登場します。監督は「タクシー・ドライバー」のマーチン・スコセッシ。
本能寺ホテル  監督 : 鈴木雅之  出演 : 綾瀬はるか、堤真一、濱田岳
 2016年 日本映画
自分ではなかなか決断ができない奥手の繭子は勤め先が倒産したタイミングで恋人の恭一にプロポーズされた。彼に言われるまま結婚式の日取りも決まっていた。そして恭一の父親に会うために繭子は京都を訪ねた。実は恭一の父親は有名な料亭のオーナーだった。急に仕事が入った恭一を置いてホテルに向かった繭子だったが、なんと予約が一か月先になっていた。観光シーズン真っ盛りの京都は観光客で溢れている。そんな繭子の目に飛び込んできたのは「本能寺ホテル」というクラシックな建物。恐る恐るフロントマンに尋ねると空室があるとの事。チェックインを済ませ、エレベーターに乗り込んだ繭子。ドアが開くと・・・そこは見た事もない景色。なんとそこは1582年の本能寺だった。そこで彼女は織田信長と出会う・・
私評:私は歴史の教師になりたいです・・・ネタ的には目新しさも感じず、映画館での鑑賞を見送ろうかと思っていたのですが、時間がピッタリ合ったので観てきました。しかし、劇場で観て良かった!映像もCGを多用しているのですが手間暇かけている。しかも、数々の過去の映画の手法を用いていて面白い!パクリと言えばそれまでですが、別に特許がある訳ではないので映画に合っていれば良いんじゃない??ストーリーも在り来りではあるけど、穴は見つからない。そして何よりキャラクターが良い。繭子役の綾瀬はるかは役によって当たり外れがあるけど、この繭子役は良かった!彼女の天然さがこの映画にはピッタリ。そして織田信長役の堤真一がいい!数々の信長役を見てきましたが、彼が一番私のイメージに合っているかも??森蘭丸役は濱田岳。希代の美少年と言われた蘭丸が・・・(笑)。でも、それがまた良いです。その他、風間杜夫、近藤正臣、高嶋政伸、平山浩行などなど。監督は「HERO」「プリンセス・トヨトミ」の鈴木雅之。
ザ・コンサルタント  監督 : ギャビン・オコナー  出演 : ベン・アフレック、アナ・ケンドリック、J・K・シモンズ
The Accountant  2016年 アメリカ映画
FBI捜査官のメリーベスは上司のキングに呼び出される。彼女に下された命令はある男の正体を突き止めること。大物たちの闇の金を動かし、そして殺しのテクニックも抜群のものを持っている男の正体は、小さな町の会計コンサルタントのウルフだった。そんな彼の元にある日、大企業から財務調査の依頼が入る。ウルフは超人的な頭脳と集中力で一晩で過去7年間の帳票を調べ上げ、帳簿の不正を見つけ出した。しかし、帳簿の不正をしていたと思われる会社のCFOが突然死亡し、調査は途中で打ち切られてしまう。その後、何者かによってウルフは命を狙われはじめる。実はウルフは少年時代、極度の自閉症であったが、軍人だった父親から戦いのノウハウを学び、そして刑務所内で同部屋だったマネーロンダリングの天才から、その手口と方法を学んでいたのだ。また、FBIのキングもある事件で彼に関わっていた・・
私評:4回半繰り返されているが、すべて同じテンポで同じキーなんだ・・・新たなダークヒーローのキャラクターが誕生??現在進行形の物語と同時に彼の過去が克明に語られる。自閉症の彼はその独自の特性を活かして現在の職と地位を手に入れた。その描き方も面白い。そして映画の冒頭の事件が、面白い形で後半に物語に絡んでくる。こういったストーリーラインの構築の仕方も私は好きです。続編ができれば、もっとアクション色が強くなるのでしょうね。ウルフ役は「バットマンVSスーパーマン」のベン・アフレック。今回の役ってちょっとだけブルース・ウェインと被るんですよね。こういう地味な男を演じてこそ本領発揮です。その他、「ピッチパーフェクト」のアナ・ケンドリック、「セッション」のJK・シモンズ、「クリフハンガー」「フットルース」のジョン・リスゴー。監督は「ウォリアー」のギャビン・オコナー。
新宿スワンⅡ  監督 : 園子温  出演 : 綾野剛、浅野忠信、広瀬アリス
 2016年 日本映画
新宿歌舞伎町でスカウトの仕事をしている白鳥龍彦。1年前にスカウトの2大勢力だった『バースト』と『ハーレム』の抗争があった。今は龍彦が所属する『バースト』が『ハーレム』を取り込んだが、スカウトマンの数が増えたため、内部でのいざこざが多発している。そこで社長の山城はシマの拡大のため横浜への進出を言い渡した。そこで白羽の矢が立ったのが幹部の関と龍彦だった。関は横浜の出身で、ハマの一大勢力である「ウィザード」の社長の滝とは、元々は盟友だった。しかし、ある事件で関は刑務所に入り、出所後も横浜に戻る事はなかった。さっそく横浜でスカウト活動を開始する龍彦たち。しかし、横浜で『武闘派』と言われている「ウィザード」はさっそく龍彦たちに仕掛けてくる。それだけでは飽き足らない滝は、新宿への進出も開始する・・
私評:本気になれば人は飛べるんだよ・・・全編ぶん殴り合いの映画です。しかし、歌舞伎町のど真ん中で撮影するなんて・・・。だけど、あのネオンのシャワーを感じるにはストリートに立たなければ味わえないからね。歌舞伎町での大乱闘シーンなんてよくできたな~と感心。そして今回は横浜元町のアーケードでも大暴れ。これらのシーンを観るだけでも十分価値あり。しかし、前作でもそうだったのですが主人公の白鳥龍彦のキャラが私は好き。こんなはちゃめちゃな男、近くにいたら面白いだろうな~。白鳥を演じるのは「怒り」「日本で一番悪い奴ら」の綾野剛。彼のコミカルで熱い演技がグッド。今回のヒロインは広瀬すずのお姉ちゃんの広瀬アリス。なんか良いです(笑)。そして横浜の滝役は浅野忠信。彼もだんだんと存在感のある役者になってきました。その他、伊勢谷友介、深水基樹、上地雄輔、椎名桔平、山田優などなど・・・。監督は「地獄でなぜ悪い」の園子温。


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