2013/2/10

今回は試写会で観た公開前の作品もあります。
イチ押しは心温まるジジババのバカンスとタランティーノ版ウエスタン

マリーゴールドホテルで会いましょう	監督：ジョン・マッデン	出演：ジュディ・デンチ、ビル・ナイ、デヴ・パテル
The Best Exotic Marigold Hotel	2011年　イギリス、アメリカ、アラブ首長国連邦映画
	今週のイチ押し：夫に先立たれたイブリンは夫に多額の借金があることを知り、家を売り払うことに。一緒に住もうと誘う息子を振り切って彼女が選んだのはインドの高級リゾートホテル。そこに集った7人のイギリス人。退職金を娘の事業に費やしてしまったダグラスとジーン夫妻、股関節の手術を受けるためにやってきたミュリエル、突然、判事を辞めたグレアム、最後のロマンスを求めるノーマン、そして金持ちの男目当てのマッジ。その誰もが期待と希望を胸にジャイプールの街にやってきた。しかし、ホテルは改装中とのことでドアがない部屋があったり、電話が通じなかったり・・・。そして、若い支配人のソニーはなんだか勢いだけで空回り。しかし、彼らを一番驚かせたのはジャイプールの街そのもの。ブログを始めたイブリンは活気のある街に飛び出し、ついにはこの地で仕事を見つける。一方、グレアムは昔、この地に住んでいたことが有り、その時の友人を探していた・・
	私評：インドの諺です。終わり良ければ万事よし・・・・面白かった～。じいさん＆ばあさんがインドに飛び込んでそれぞれの生き方を見つけていく。ある者はこの地に惹かれ、ある者は馴染めず、ある者はこの地の人に魅了され・・・。インドという国の活気が映画を通して伝わってくる。そして色彩豊かな街の風景がなんとも美しい。ちょっとお高く止まったイギリス人がこの地に放たれるという設定がとても良いんですね。元気をいっぱいもらえる映画でした！出演者は「００７」シリーズのMで有名な？ジュディ・デンチ、「ハリー・ポッター」シリーズのマギー・スミス、「ラブ・アクチュアリー」のビル・ナイ、「カレンダー・ガールズ」のペネローペ・ウィルソンとセリア・イムリー、「フィクサー」のトム・ウィルキンソン、そして「ジャッカルの日」のロナルド・ピックアップ。若き支配人役には「スラムドッグ＄ミリオネア」のデヴ・パテル。監督は「恋に落ちたシェイクスピア」のジョン・マッデン。

ジャンゴ　繋がれざる者	監督：クエンティン・タランティーノ		出演：ジェイミー・フォックス、クリストフ・ヴァルツ
Django Unchained	2012年アメリカ映画
	今週のイチ押し：寒々しい夜の荒野を黒人の奴隷達が鎖に繋がれ歩いていく。そこに現れたのは“自称・歯科医”のシュルツ。実は彼は賞金稼ぎで、次なる標的の顔を知っている、ある奴隷を探していたのだ。あっという間に護衛のひとりを撃ち殺し、もうひとりの護衛を馬の下敷きにするとシュルツはお目当ての奴隷「ジャンゴ」を連れてその場を去った。シュルツが狙っていた男たちを仕留めたあとも、ジャンゴはシュルツと旅を続けた。そして二人の間には不思議な信頼関係が生まれた。実はジャンゴにはブルームヒルダという妻がいて、彼女を救い出したいと思っていることを知ると、シュルツはジャンゴに手を貸す事にした。ブルームヒルダはカルビン・キャンディという富豪の元にいる事がわかり、ふたりは彼を訪ねた。カルビンが奴隷達のデスマッチに力を入れていることを知ったシュルツは、試合のプロモーターであると偽り、カルビンに近づいた。そしてついにブルームヒルダを見つけ出す。しかし、言葉巧みに彼女を連れ出そうとするシュルツの思惑を、この家の黒人のスティーブンが見抜き、カルビンに忠告する・・
	私評：「名前のスペルは？」「D.J.A.N.G.O　Dは発音しない」「知ってるよ」・・・タランティーノ監督が「イングロリアス・バスターズ」以来に作った作品。相変わらずのタランティーノ節全開で、とにかく回りくどい。しかし、その演出が良いんだよね～・・。意外と大人しい2時間を過ぎると、あっと驚く大殺戮。この温度の差もタランティーノならではの演出です。そしてマカロニウエスタンのファンには美味しい演出もてんこ盛り。特に「続・荒野の用心棒」を見た人には超うれしい演出があります。このシーンで会場のおっさんたちがざわめきました！ジャンゴ役は「レイ」のジェイミー・フォックス。早撃ちを特訓した成果が出てますが、この錚々たるメンバーの中では影が薄く感じた・・。シュルツ役には「イングロリアス・バスターズ」でオスカーを獲ったクリストフ・ヴァルツ。何と、この作品でもノミネートされています！カルビン役には「タイタニック」にレオナルド・ディカプリオ。超～悪役との事で期待していたのですが、さらに悪い奴がいます。それはスティーブン役のサミュエル・Ｌ・ジャクソン。この男の憎らしさ＆いやらしさは天下一品です。監督のクエンティン・タランティーノはチョイ役で出演もしてます。

脳男	監督　：　瀧本智行		出演：生田斗真、松雪泰子、二階堂ふみ
	2012年日本映画
	鷲谷真梨子は医療センターに勤める精神医。その日、彼女はいつものバス乗ろうとするが彼女を残してバスは発車。しかし、その直後、そのバスは大爆発を起こした。この事件は最近立てつづけに起こっている爆弾テロ。犯人は女性の体に爆弾を巻きつけ乗車させたのだ。その女性は数日前にテレビでれロ事件について語っていた占い師だった。刑事の茶屋は犯行現場の遺留品から居場所を特定。現場に踏み込もうとすると突然の大爆発が起こった。そして現場にいたのはひとりの男。爆風で金属片が体に刺さっているが表情一つ変えない。男は鈴木一郎と名乗った。彼には戸籍もなく自分の事についても固く口を閉ざしたまま。彼の精神鑑定の担当になったのは真梨子だった。テストが進むにつれて、あるデータが真梨子を驚かせる。血液検査のデータから彼は痛みを感じない事が判明。さらに嘘発見機のテストではありえない反応が現れる。彼には感情がない？？一連の爆弾テロの犯人の緑川紀子と水沢ゆりあは真梨子のカバンに盗聴器を仕掛け、鈴木一郎の情報を逐次入手していたのだ。・・
	私評：一郎君と私は頭がふたつある一匹のヘビ・・・予告を見た時から気になっていた作品。これが予想以上に面白かったです。爆弾魔と警察、そして脳男というサスペンスも面白いのですが、鷲谷真梨子の過去とトラウマ、そして脳男の生い立ちなどがとても面白い。それらの物語がしっかりしているから映画全体が締まってきます。それに加えてアクションシーンや爆破シーンもパワフルでとても楽しかったです。キャストも素晴らしいです。脳男役は「源氏物語　千年の恋」の生田斗馬。無感情な殺戮マシーンで、しかも最高の美形と、まさにこの役に打ってつけ。真梨子役は「フラガール」の松雪泰子。彼女の迫真の演技に引き込まれます！茶谷役は「ＧＯＥＭＯＮ」の江口洋介。ワイルドなキャラクターがはまっています。そして一番の注目は緑川紀子役を演じた「ヒミズ」の二階堂ふみちゃん。めちゃめちゃサイコな役なのですがこれがまた、すごい迫力で、はまりまくっています！監督は「犯人に告ぐ」「はやぶさ　遥かなる帰還」の瀧本智行。

キャビン	監督：ドリュー・ゴダード	出演：　クリステン・コノリー、クリス・ヘムズワース
The Cabin In The Woods	2012年　アメリカ映画
	カートと恋人のジュールズ、ダナ、オタクのマーティ、そしてダナの恋人候補のホールデンの５人は、カートの従兄弟が所有しているという、山奥の湖畔に建つキャビン。見た目は古ぼけてはいるが、中はそうでもない。しかし、部屋の仕切りがマジックミラーだったりする。湖で遊んだ彼らは、キャビンに戻ると突然床の扉が開いた。中に入ってみるとそこには不思議な物がたくさん置かれていた。ダナは悪霊を呼び起こすと書かれたノートの呪文を読み上げてしまう。一方、エロい雰囲気になったカートとジュールズはキャビンの外で抱き合っていた。しかし、ふたりは地面から這い出てきた怪物に襲われてしまう。カートはなんとか逃げ出すが、ジュールズは無残な姿に・・・。しかし、彼らの行動は某施設の中から全て監視されていた。シッターソンとハドレーは、彼らに色々と罠を仕掛ける・・・・・
	私評：日本は100％成功しているぞ・・・キャビンでの出来事はまさに「死霊のはらわた」の設定。呪文までもが似ている？しかし、この映画の面白さは、それらが第３者によって仕組まれた物でホラー演出もすべて作られた物だということ。そしてふたりの若者が地下に続く穴を発見してから、物語はさらにとんでもない方向に動き始める。しかし、これ以上説明してしまうとせっかくのドッキリの仕掛けが台無しになってしまうので語りません。でも、本当にとんでもないです。私は笑ってしまったのですが・・・。また、日本が舞台の実験シーンもあるのですが、それがまた微妙で笑えます。そして最後にとんでもない大女優（？）が登場します！それは見てのお楽しみという事で・・。主演は「ハプニング」のクリステン・コノリー。そしてグループのリーダー役は「マイティ・ソー」のクリス・へムズワース。彼もあえなく・・・。監督はドリュー・ゴダード。

ゴーストフライト407便	監督：イサラー・ナーディー		出演：マーシャ・ワタナパーニット、ビーター・ナイト
	2012年　日本映画
	バンコクからプーケットに向けてフライト予定の飛行機４０７便。その飛行機には飛行機好きの少女とその両親、香港からの若い女性と彼女に目をつけた若い男、旅慣れない僧侶などが乗り合わせていた。今回のフライトで仕事にカンバックしたのはCAのネウ。彼女は10年前に幻覚を見たという理由から、長い間仕事から離れていた。彼女は機体を見た途端、何故か不安な顔になってしまう。ネウに片思いをしているエンジニアのバンクは、遠くから彼女を見ていたが飛行機の中からの異音を調査している間にカーゴ室に閉じ込められてしまう。無事に離陸した407便の中で異変が起こり始める。苦しみだした白人男性の首がぐるりと回ったのを皮切りに、機内に幽霊が現れる。しかも、機内の酸素が激減してしまう。ようやくカーゴ室から抜け出したバンクの機転で急場は凌いだものの、機内では亡霊が乗客にとり憑き、次々に犠牲者が出てパニックに陥ってしまう。そしてついにネウの口から、10年前の真実が語られる・・・・
	私評：これが私の知っている全てよ・・・タイのホラー作品では歴代NO．1の興行成績。しかし、なんでもアリの作品で、いわゆるメリハリがまったくない。怖がらそうという気持ちは伝わってくるのですが、どこかで見たことがあるような演出ばかりで目新しさはまったくなし。幽霊っぽいのが出てきたり、ゾンビみたいなのが出てきたりと手を変え品を変え、お化け屋敷的な怖さでグイグイ押してくる。正直、私は全然怖さが伝わらなくて、なんとも中途半端な気分のままで、映画が終わってしまいました。10年前の事件もよく分からなかったです。見所といえば、乗客の一人が美人だったことかな・・・主演のネウ役はタイでは超人気者らしいマーシャ・ワタナパーニット。西洋人とのハーフらしくアジア人ぽくない。演技はめっちゃヘタです。バンク役はビーター・ナイト。監督はイサラー・ナーディー。試写会で見させてもらいながらこんな感想で、彩プロさん、すみません。

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