2011/2/6

昨日に引き続きレビューをアップしました。
もう2作品あるのですが・・・今回のイチ押しもホラーです・・

ザ・ライト エクソシストの真実  監督:ミカエル・ハフストローム  出演:アンソニー・ホプキンス、コリン・オドノヒュー
The Rite  2011年 アメリカ映画
今週のイチ押し:葬儀屋の息子のマイケルは自分の進路に悩んでいた。そんな時に彼が選んだのは神学校への道だった。しかし、最後まで彼には信仰心は芽生えず、神の道を去ろうと決めたその日、事件は起こった。彼の目の前で若い女性が車に跳ねられたのだ。とっさに彼女のために祈りを捧げたマイケルを恩師のマシュー神父が見初め、彼にバチカン行を勧めた。そしてマシューは彼にそこで行われている悪魔祓いの講義を受けることを推した。しかし、マイケルは悪魔の存在を信じる事はできなかった。そんなある日、かれはルーカスと言うベテランのエクソシストと出会う。ルーカスと行動を共にしたマイケルは数々の説明のつかない現象を目の当たりにする。16歳の妊婦の少女が、ルーカスの祈りを聞くと豹変したのだ。しかも、彼女は誰も知るはずがないマイケルの過去、そして父親との葛藤を次々と喋りはじめたのだ。しかし、ルーカスの健闘むなしく、少女は命を落としてしまう。悪魔に敗北したルーカスはすっかり意気消沈してしまう・・・
私評:ゾッとするだろう?・・・昨年末に「バチカンのエクソシスト」と言う本を読んだ私にはかなりタイムリーな作品でした。バチカンには実際にエクソシストのコースがあり、エキスパートが世界中を飛び回っているのです。しかも、今回の映画は真実に基づいて作られているのだそうです。これと言ってすごくエグいシーンはないのですが、最初から最後まで緊張の連続。悪魔と神父の壮絶な戦いは、マジで怖かったです。そして悪魔は人間の弱みに付け込んで・・・??これ以上、言えません。ルーカス神父を演じるのは怪優というのがまさに相応しいアンソニー・ホプキンス。今回の彼はハンニバル・レクターより怖いかも??そして悪魔に対して懐疑的な若者マイケルを演じるのは舞台役者のコリン・オドノヒュー。彼の演技は素晴らしいです。彼の父親役は「ブレードランナー」のルトガー・ハウアー。そしてマイケルと行動を共にする女性ライターは「アイ・アム・レジェンド」のアリシー・ブラガ。監督は「1408号室」のミカエル・ハフストローム。
RED  監督:ロベルト・シュベンケ  出演:ブルース・ウィリス、ジョン・マルコヴィッチ
RED  2011年 アメリカ映画
元CIAの超エリートのフランク。現役を引退した彼はオハイオの田舎町で静かに暮らしていた。そんな彼の唯一の楽しみは役所の年金係の女性サラと電話で話す事。彼はサラに好意を抱きはじめていた。ところが、静かだった彼の生活が一瞬にして終わってしまう。突然、彼の家を武装した男たちが襲ったのだ。しかし、百戦錬磨のフランクはあっという間に男たちを片付けてしまう。その足でフランクはサラが住むカンザスシティへと向かった。彼が予想した通り、フランクと接触があったサラも何者かのターゲットになっていたのだ。サラを巻き込んでしまったフランクは、彼女を伴い、次なる目的地へと向かった。そこはかつての彼の仲間のジョンがいるニューオリンズ。理由が分からないサラはフランクによってモーテルに軟禁されていたが、CIAのクーパーによって連れだされる。しかし、フランクはあっという間にサラを奪回してしまう。フランクは事件の真相を探りながらかつての仲間の元を訪ねていく・・・・
私評:私も連れて行って!!・・・ベテラン俳優総出演のアクション映画。この映画にはめっちゃ元気をもらえました。おじさんたちと言うよりおじいさんたちが大活躍。アクションだけではなくて、洒落たジョークも満載。とにかく笑えます。しかし、この映画の見所はなんといってもキャスティングです。予告やネットでは主演の4人ばかり持て囃されていますが、とんでもないキャストが登場するんですよ・・・。主演はこの役はやっぱりこの人「ダイ・ハード」のブルース・ウィリス。彼の旧友で今は老人介護施設にスケベじじいになっているのが「インビクタス 負けざる者たち」のモーガン・フリーマン。猜疑心の塊で武器のエキスパートを演じるのは「マルコヴィッチの穴」のジョン・マルコヴィッチ。そして女ながらに重火器のエキスパートで殺した人間は数知れず・・・は「クイーン」のヘレン・ミレン。彼女がでかいマシンガンをぶっ放すシーンはサイコー!!サラ役は「フライド・グリーン・トマト」のメアリー・ルイーズ・パーカー。そしてここからが驚くべき脇役たちです。まずは、ロシアのマフィア役で「ブレイブハート」のブライアン・コックス、CIAの書類管理室にいるのは「ポセイドン・アドベンチャー」のアーネスト・ボーグナイン、そして悪徳軍需企業の社長役は「ジョーズ」のリチャード・ドレイファス!どうです、この夢のようなメンバー!監督は「君が僕を見つけた日」のロベルト・シュヴェンケ。ちなみにREDとはRetired Extremely Dangerousの訳。「とっても危険な退職者たち」
GANTZ  監督 :佐藤信介  出演:二宮和也、松山ケンイチ、吉高由里子
 2011年 日本映画
就職活動中の大学生、玄野は自分の日常に幻滅していた。そんなある日、彼は地下鉄のホームで幼なじみの加藤を見かけた。ところが、次の瞬間酔っ払いが線路に落ち、加藤は躊躇なく線路へ飛びおりた。酔っ払いを救出した加藤に玄野は手を差し伸べるが、勢い余ってふたりは線路に落ちてしまう。そして列車がふたりに近づく・・・気が付くと玄野と加藤のふたりはマンションの一室にいた。そこにはすでに何人かがいて、部屋の中央には黒い球体があった。マンションは完全にロックされていて出口はない。しばらくすると、黒い球体から音楽が流れる。そして球体の表面には謎のメッセージが現れる。「ねぎ星人を倒せ!!」すると、球体は突如開き、中には武器、スーツ、そしてひとりの男がそこにはいた・・・。次の瞬間、彼らは別の場所へと転送された。メンバーのひとりの西丈はこのミッションの経験者。巧みな嘘をついてメンバーを戦場へと駆り出すが、犠牲者が出てしまう。ねぎ星人を倒しミッションを終えた彼らは再び元の部屋に戻された。そこにはそれぞれの点数が表示された。このミッションを終えるにはトータルで100点を獲らなければならないのだ・・
私評:加藤はみんなを守れ。俺がひとりでやっつける・・・原作のコミックはかなりの人気作らしいのですが、私は全く知りませんでした。話自体はとんでもない展開なのですが、何の違和感もない。日本映画もこれだけのCGを使えるようになったのですね。クライマックスの大仏との戦いなんか、かなりの迫力。ちょっとビックリしました。そしてこの映画にリアリティを加えるのが主演のふたり演技とオーラです。玄野役は「硫黄島からの手紙」「大奥」の二宮和也。彼はやっぱり上手い!そして加藤役は超人気若手俳優、「ノルウェイの森」の松山ケンイチ。このふたりが良い感じで絡み合っています。いきなり全裸で登場の美女、岸本を演じるのは夏菜。現生で玄野に惹かれている同級生役は「蛇にピアス」の吉高由里子、その他田口トモロヲ、本郷奏多などなど。しかし、この作品は2部作。今回が面白かっただけに、次回作も必ず見に行きますよ。423日の公開です。監督は「ホッタラケの島」の佐藤信介。余談ですが・・・、2番目に登場する“田中星人”ですが、私たちの年代はあの“田中星児”の事だと分かるのですが、若い人は分からないでしょう?しかも、バックに彼の音楽が流れているし・・・。私はとってもウケました・・。
幸せの始まりは  監督 :ジェームズL・ブルックス  出演 : リース・ウィザースプーン、オーウェン・ウィルソン
How Do You Know  2010年 アメリカ映画
リサは子供の時からソフトボール一筋の人生。常に一線を突き進んできたが、彼女も31歳になり、ついにはアメリカの代表チームから外されてしまう。ソフトボール以外に何もなかった彼女の人生にポッカリ穴が空いてしまう。恋愛を真剣にした事がなかった彼女も、”結婚”のふた文字が頭に浮かぶが、どうして良いのかが分からない。軽い気持ちでプレイボーイのメジャーリーガーにマティの部屋に転がり込んだ。大会社の御曹司のジョージはその日、ダブルのショックを受けた。信じていたガールフレンドにはフラれ、しかも仕事では投資詐欺の嫌疑を掛けられてしまったのだ。落ち込んでいたリサとジョージは、リサの友達の手配で食事を共にした。ジョージは何ともストレートな性格のリサに惹かれるが、彼女にはBFがいることを宣言される。しかし、リサも真面目なジョージがなんとなく気になっていた。そんなふたりが偶然再会をする。マティの住居がジョージの会社と同じビルにあったのだ。ふたりの再会は運命なのか??・・・・
私評:そこのバス停で待ってる。10時間はいると思うよ・・・大人のラブストーリーですね。私的にはどうも納得がいかない展開もあるのですが、人生はどう転がるか分からない。そして何がきっかけで人を好きになるのかも・・・。私は”プレイボーイだけどリサには優しい”マティがなんとなく可哀そうになってしまったのですが、これはこの映画を観る人によって違うんでしょうね?前半の1時間半は、コロコロ変わる女心に私は軽い怒りさえ感じてしまったのですが、それを演じているのがなんともキュートなリース・ウィザースプーンだから許しちゃいました。彼女は今回も胸元を全開にして、可愛いけどセクシーな女を好演。Tシャツもわざわざ肩を出してブラ紐を見せる当たりは・・・。災難続きの真面目男を演じるのは「ナイト・ミュージアム」のポール・ラッド。そして能天気なプレイボーイ役は、やはり「ナイト・ミュージアム」に出ていたオーウェン・ウィルソン。このふたりが対局で良いキャラクターです。そしてジョージの父親役は重鎮ジャック・ニコルソン。テキトウなオヤジのか??それとも??この4人の取り合わせが最高です。しかし、私が一番感動したのはジョージの秘書が出産し、病室に集うシーン。笑えるし、ちょっと泣けるし・・めちゃめちゃ良いシーンでした。監督は「恋愛小説家」のジェームズ・L・ブルックス。 
ソウル・キッチン  監督 :ファティ・アキン  出演 :アダム・ボウスドウコス、モーリッツ・ブライトロイ
Soul Kitchen  2009年 ドイツ・フランス・イタリア映画
ジノスはレストラン“ソウル・キッチン”のオーナー兼シェフ。ジャンクフードが中心だが、レストランのファンは多い。しかし、ジノスの身に幾つかの試練が降りかかる。まずは、恋人のナディーンが仕事で上海に行ってしまう事になったのだ。彼女を追って中国に行く事も考えているジノスだが・・。そして店の税金を滞納してしまい、その代償としてステレオを差し押さえられてしまう。しかも、ギリシャ製の重た~い食器洗い機を移動中にぎっくり腰になって・・。そんな時、ジノスは幼なじみのイノマンと再会する。しかし、この出会いも不幸を巻き起こす。イノマンはジノスの店の場所が気に入り、なんとか店を手に入れようと悪事を仕掛けてくる。しかし、ナディーンの家族と訪ねた高級レストランで、ジノスはシェフのシェインがクビになる現場を目の当たりにする。ジノスはシェインをシェフとして招いた。そして時を同じくして、ジノスの兄のイリアスが刑務所から仮出所してくる。彼を従業員として雇い入れるが、彼はレストランのウエイトレスのルチアに一目惚れしてしまう・・・・
私評:「このスパイスは何だ?」「惚れ薬だ・・」「全部入れちまえ!!」・・世界3大映画祭を制した若きドイツ人監督の作品です。いやはや面白かったです。基本的にはコメディ映画なのですが、色々な人々の人生が見事に織り込まれています。それゆえにたくさん出てくる登場人物がみんな印象的で見事に私の脳にインプットされているのです。これぞ演出の妙でしょう!それにしても災難続きの主人公には本当にシンパシーを感じました。ほんわかとしていて、見終わった後にほんのりと幸せを感じられる映画でした。レストランの話なので美味しそうな料理もバンバン出てきます。お腹にも優しい映画です??主演は脚本も共同で手掛けているアダム・ボウスドウコス。そして兄貴のイリアスを演じるのは「es[エス]」「ラン・ローラ・ラン」のモーリッツ・ブライプトライ。この映画で唯一、顔を知っていた役者です。監督は「そして、私たちは愛に帰る」のファティ・アキン。


前回の記事も読んでね~!



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