2012/2/5

マラソン練習と掛け持ちで映画は見れるのですが
レビューが書けませんでした・・。今回のイチ押しは私ならではのホラーと
心温まる北海道のお店の話。

ゾンビ大陸 アフリカン  監督 : フォード兄弟  出演 : ロブ・フリーマン、プリンス・デヴィッド・オセイア
The Dead  2010年 イギリス映画
今週のイチ押し:アフリカ大陸でゾンビが溢れかえった。駐留していたアメリカ軍も撤退を決定。軍のエンジニアのブライアンも最後の飛行機で飛び立つが、運悪く飛行機は墜落。ブライアンはなんとか生き延びるが、孤独なサバイバルを科せられることになった。ある村ではゾンビが大発生し、村人が次々と襲われた。その村の出身の兵士デンペレはその悲惨な光景に言葉を亡くした。瀕死の老女を助けようとするが、息を引き取った彼女もゾンビとなって彼に襲いかかる。しかし、息子が生き延びた事を知ったデンベレは息子を探すために歩きはじめる。ひとりでゾンビの群れを掻い潜り、途中で見つけた車を修理して走るブライアンはデンベレと出会い、ともにサバイバルの旅に出る。しかし、彼らが行く先々のすべてがゾンビで溢れていた・・・
私評:基地を見つければ飛行機を俺が直してアメリカに帰れる・・・・ゾンビ映画大好きな私ですが、久々に「ホンモノ」のゾンビ映画に出会いました。最近の全力疾走するゾンビも良いのですが、私はユラユラと近づいてくるゾンビの方が好き。しかも、広いアフリカ大陸の乾いた大地のあっちからもこっちからもゾンビがウジャウジャと湧いてくる。ゾンビが見えてから接触するまでの時間にミッションを行うと言うシチュエーションもドキドキして良いんです。常にゾンビに狙われている感がたまりません!また、今回のゾンビはバクッと噛みついて噛み切った肉をモグモグ食べるというのがジョージ・A・ロメロの「ゾンビ」と同じで、ロメロへのリスペクトを感じました。それに加えてストーリーも良いんですよ。ラストシーンなんかちょっと感動すら覚えてしまいました。やっぱりゾンビは最強のホラーキャラクターです(断言)!ブライアン役ははハリウッド映画にも出演している(らしい)ロブ・フリーマン。デンベレ役は西アフリカでは大スターだというプリンス・デビッド・アセイア。監督はハワード・J・フォードとジョン・フォードのフォード兄弟。。
しあわせのパン  監督 : 三島有紀子  出演 : 原田知世、大泉洋
 2011年 日本映画
北海道の洞爺湖のほとりにある小さな町、月浦。この町で「マーニ」という小さな店を営む、りえさんと水縞君の夫婦。この店では水縞君がパンを焼き、りえさんが季節の料理と挽きたてのコーヒーを出している。店の2階には宿泊施設もある。夏のある日、東京からカオリという若い女性が「マーニ」を訪れた。彼女はBFとの沖縄旅行をすっぽかされて、傷心のまま北海道へとやってきた。ちょうど、同じタイミングでトキオという、北海道の鉄道に勤める青年も店を訪れる。ワインで酔ったカオリは東京での生活について愚痴を言い始める。しかし、北海道から出る事ができないトキオにとっては羨ましい内容だった。まったく接点がないふたりだったが水縞君の機転で一気に距離を狭める・・・。秋、冬とまったく違う顔を見せる月浦。今日も「マーニ」には笑顔が溢れている・・・・
私評:りえさん、ここで無理して笑う事ないよ・・・・なんとも心が和む映画でした。こんな所で、こんな商売で生計が成り立つの?などというせこいツッコミをしなければ・・(笑)。近所の人たちとの交流と春、秋、冬に店を訪れる若者、父娘、老夫婦の話が紡がれます。どれもが心温まる話で、そんな人たちを傍らからニコニコ笑いながら見ているりえさんと水縞君の夫婦がいるんですね。主演なのに全然出しゃばらないのが良いです。そして季節ごとに出される北海道の実りを盛り込んだ美味しそうな料理の数々。そして映画のタイトルにもなっている「パン」の存在が効いています。パリパリの固いパンをちぎって相手に渡す。なんでもないシーンなのですが、そんなシーンにさりげない優しさが感じられます。その時のお互いの笑顔が印象的でした・・。主演は齢を重ねても少女のような佇まいがステキな「時をかける少女」の原田知世。水縞君役はいつものマシンガントークを封印した「探偵はBARにいる」の大泉洋。「マーニ」の来客に森カンナ(めちゃイイです!)、平岡祐太、光石研、八木優希、中村嘉葎雄、渡辺美佐子。「マーニ」の近所の常連たちにはあがた森魚、余貴美子、中村靖日・・・。監督は三島有紀子。
麒麟の翼  監督 : 土井裕泰  出演 : 阿部寛、新垣結衣、中井貴一
 2012年 日本映画
東京、日本橋の麒麟像の前で一人の男が死んだ。彼は腹をナイフで刺された彼は、なぜか犯行現場からこの像の前まで8分も自力で歩いて息絶えたのだ。付近の捜索をしていた警察が、ひとりの不審な若者を発見するが、彼は警官に追われた際に交通事故に遭い意識不明になってしまう。捜査に当たった日本橋署の刑事の加賀は、独自の方法で日本橋界隈を歩きまわり情報を集めていく。被害者の青柳が毎週末に家族にはゴルフに行くと告げて、人形町の七福神を訪ねていた事。容疑者の青年・八島が事故に遭う直前に恋人に残したメッセージ。そして八島は以前に青柳が勤めている会社が経営する工場で働いていた事があり、解雇されていた事。しかし、事件は思いがけない方向へと動き始める。そして捜査上に意外な人物が浮上する・・・・
私評:死にゆく人が発したメッセージを受け止めるのは、生きている人の義務です・・・麒麟の翼は原作が好きで、2回読んでいます。映画はそつなく作られているのですが、原作には遠く及ばず・・。しかし、加賀恭一郎を演じる阿部寛はイメージ通りで良い感じ。「容疑者Xの悲劇」の湯川といい、この作品の加賀といい、東野圭吾作品はキャラクターが本当に良いです。ちょっとネタばれになってしまうかもしれませんが・・・、青柳が勤めていた会社が最後にどうなったかをしっかり描いて欲しかったですね・・。主演は出演作が目白押しの阿部寛。良いです!彼の相棒(?)の松宮を演じるのは横溝淳平、容疑者の恋人の香を演じるのは「ハナミズキ」の新垣結衣、そしてTVシリーズの延長で登場するジャーナリストの青山亜美役は黒木メイサ。正直、この3人が作品のクオリティを下げています・・・。良い演技を見せるのが被害者の青柳を演じる中井貴一。(あの息子のパソコンを見ちゃうシーンは無理がありましたが、これは演出の問題なので・・)そしてもうひとり、良い芝居をしているのが田中麗奈。冒頭のセリフは彼女のセリフなのですが、この一言が心に染みました。監督は「ハナミズキ」の土井裕泰。
J・エドガー  監督 : クリント・イーストウッド  出演 : レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ
J. Edgar  2011年 アメリカ映画
1919年、左翼派のミッチェル・パーマーの自宅が爆弾テロに遭った。すぐに現場に駆け付けたエドガーは、そのずさんな現場検証に異議を唱えた。現場にはすでに多くの足跡がつき、血痕は水で流され・・。それを見ていたパーマー司法長官はエドガーを新設された過激派対策課に推した。エドガーは手段を選ばず強引なやり方で過激派を次々と摘発するが、それが原因でパーマー司法長官は更迭されてしまう。新しい司法長官はエドガーを司法省捜査局の局長代理に指名。これが現在のFBIのベースとなった。その頃からエドガーは権力者たちの個人情報を集め始める。そんな彼をずっと支えたのは秘書室のヘレン。いち度はエドガーにプロポーズされたが結婚より仕事を選んだのだ。しかし、彼女はずっとエドガーの傍らにいた。そしてもうひとり、エドガーが最大級の信頼を寄せたのがクライド・トルソン。彼もエドガーの右腕として生涯彼を支え続けたのだ。長きに渡り法と向かい合ってきたエドガーは自らの回顧録を作成し始める。そしてそこで彼が語った事とは・・・・
私評:それは違法では?法を曲げる事も必要だ・・・・クリント・イーストウッドの作品は毎年この頃に公開されますね。今回の題材はFBIを作り、育てた男J・エドガーの生涯。しかし、この映画を観賞する上でアメリカで起こった歴史的大事件、凶悪犯罪や犯人たちについての知識は必要です。それらが映画の中でバンバン出てくるのですが、私は半分以上を知りませんでした。そして映画はそういう歴史の背景と同時にエドガーのプライバシーを描いています。それらが面白いかと言うとちょっと疑問ではあるのですが・・。しかし、エドガーの最期って本当にあんな感じだったのでしょうか?あの死にざまはヒーローらしからぬ・・。主演はこの映画の演技が高く評価された「インセプション」のレオナルド・ディカプリオ。確かに彼の演技は素晴らしいです。彼のセリフの一つ一つが実に重い・・。彼の秘書のヘレン役は「キング・コング」のナオミ・ワッツ。今回は華やかなところはまったくなく地味ながらもエドガーを支える秘書を好演。クライド役は「ソーシャル・ネットワーク」のアーミー・ハーマー、そしてエドガーの母役はイギリスの名女優ジュディ・デンチ。役者陣は本当に素晴らしい演技を見せてくれました。監督はまだまだ現役のクリント・イーストウッド。
アニマル・キングダム  監督 : デヴィッド・ミショッド  出演 : ジェームズ・フレッシュヴィル、ジャッキー・ウィーヴァー
Animal Kingdam  2010年 オーストラリア映画
メルボルンに住む17歳のジョシュア。彼の人生はドラッグ中毒の母親の死で一転した。彼は母の葬儀を頼んだ祖母のジャニーン・コディに引き取られる事になった。なぜか、母親は祖母の家族との接触を避けていたがその理由はすぐに分かった。ジャニーンには3人の息子がいたが、彼らは銀行強盗や麻薬の密売で生計を立てていて、それらを裏で操っていたのがジャニーンだった。ジョシュアは自らの思いとは裏腹に、徐々に犯罪に加担させられるようになって行く。一方、地元警察も多発する凶悪犯罪に業を煮やしていた。そんな時に、警察が目を付けたのがコディ家の長兄であるアンドリュー。しかし、警察の中には一家に内通している刑事がいて、アンドリューは雲隠れしてしまう。そんなある日、コディ家の犯罪に加担していたバリー・ブラウンがショッピングセンターの駐車場で警察によって射殺されてしまう。無防備なバリーへの襲撃の一部終止を見たアンドリューは、警察への報復を行った。警官を呼び寄せ、路上で射殺したのだ・・・・
私評:ここに来てママにキスして・・・・オーストラリアに実在した犯罪一家をモデルにして作られた映画だそうです。まあ、どこの国にもこんな頭がおかしい奴らはいるんですね。しかし、この一家で一番狂っているのが長兄のアンドリュー。鬼畜です。彼がジョシュアのガールフレンドに行った行為など、正常な脳ミソでは理解できない。それに比べると頭はおかしいけれど気が小さい二男や、度を超えた行動に拒絶反応を起こす三男はまだまだ正常の域。私は「悪魔のいけにえ」に出てくるような全員が超猟奇家族を期待していたので、その部分ではちょっと物足りなさを感じてしまった・・。これはホラーファンならではの考えかも??ジョシュア役はこの映画がデビューとなるジェームズ・フレッシュヴィル。決して上手い役者だとは思えませんが・・。すごい存在感を示すのがジャニーン役のジャッキー・ウィーヴァー。オーストラリアでは有名な女優らしいです。アンドリュー役は「オーストラリア」のベン・メンデルソーン、そして唯一の有名人は刑事役で登場の「メメント」のガイ・ピアース。監督は役者としても活躍しているデヴィッド・ミショッド。 


前回の記事も読んでね~!



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