2015/2/1

昨日と今日で一気放出。新作まで手が回らない~!!
昨日から6時間もかけて書いてます・・・(汗)
今回のイチ押しは感動の法廷&家族ドラマと歌舞伎町の群像劇!

ジャッジ 裁かれる判事  監督 : デイビッド・ドブキン  出演 : ロバート・ダウニーJR、ロバート・デュヴァル
The Judge  2014年 アメリカ映画
今回のイチ押し:頭脳明晰で金さえ払えばどんな事件も無罪を獲りつける敏腕弁護士のハンク。彼はある裁判の最中に母親に死を知らされる。離婚間際の妻と最愛の娘を置いて、ハンクは故郷へと旅立った。そこには長い間絶縁状態の父ジョセフ、兄のグレン、そして障害を持つ弟のハンクがいた。久々の再会の場でもジョセフはハンクを無視。葬儀の後も過去の話で怒鳴られすぐに帰るつもりでいた。帰りの飛行機の中でグレンからの電話を受け、ハンクはショックを受ける。何とジョセフが殺人の容疑で逮捕されたのだ。ジョセフは長年に渡りこの町で判事をしていて絶大なる信頼を得ていた。しかし、被害者はジョセフが過去にある事件で関わった犯人で、最近出所してきたばかり。ジョセフはハンクではなく別の男を弁護士として雇うが、あまりの出来の悪さにハンクは自ら弁護を買って出る。しかし、次から次へとジョセフには不利な証拠が出てくる。また、ジョセフはある秘密を家族にも隠していた・・
私評: 父はうるさい男だが人を殺したりは絶対にしない・・・名優ふたりの火花が散るような演技合戦を観ました。それはこの映画のふたりのロバート。とにかくふたりの演技が私を釘付けにしました。この作品は裁判の話と家族の話のふたつがいっぺんに味わえる作品、ふたつのテーマがあるとどちらかが疎かになりがちですが、この映画はどちらもメガトン級のインパクトを残します。ハンクと父の話だけではなく、兄との確執、障がい者の弟との話もすごく良い。そして束の間、訪ねてくるハンクの娘とジョセフの交流も涙ものです。そしてついに裁判も大円団を迎える時、事件は思わぬ方向に進み始めます。そして意外な結末が待っています。ラストはめちゃめちゃ泣けました~・・・。ハンク役は「アイアンマン」のロバート・ダウニーJR、ジョセフ役は「地獄の黙示録」「ゴッドファーザー」のロバート・デュヴァル。このふたりの演技を見るだけでも十分すぎるくらいの価値がある映画。ハンクの元カノ役は「マイレージ、マイライフ」のヴェラ・ファーミガ、ジョセフの事件の判事役は「チョコレート」のビリー・ボブ・ソーントン。監督は「シャンハイ・ナイト」のデイビッド・ドブキン。
さよなら歌舞伎町  監督 :廣木隆一  出演 :染谷将太、前田愛、イ・ウンウ
 2014年 日本映画
今回のイチ押し:同棲中の徹と沙耶はちょっとだけ倦怠期。徹はお台場の一流ホテルに勤務していると言っているが実は歌舞伎町のラブホテルの店長をしている。そこには色々な人が集う。ヘナはとチョンスは日本でカネを稼いで韓国でヘナはブティックを、チョンスは飲食店を開こうと思っている。ヘナは目標額に達し数日後に韓国に帰る事に。実はヘナはデリヘルの仕事をしていて稼ぎも良かったのだ。しかし、店の名刺をチョンスに見つかってしまう・・・。家出少女をホテルに連れ込んだのは、デリヘルのスカウトマン。しかし、彼は少女の話に胸を打たれ、この仕事から足を洗おうとする・・・。次にホテルにやってきたのは音楽プロデューサーの竹中。しかし、彼の後ろに居たのはなんと沙耶だった・・
私評:待っててもいいよね・・・「グランドホテル」という名作がありましたが、これはまさに「ラブホテル」という縮小版。しかし、場所が場所だけに愛欲が絡む。男と女がくっつけば、必ず付き纏う話ではあるのです。歌舞伎町のラブホテルに集う人々の悲喜交々のエピソードが語れるのですが、それらはどれも生々しくて、可笑しくて、そして愛おしい。映画を見終えたあとは、なんだか爽やかな気分でした。エンドクレジットは絶対に最後まで見ましょう!出演者は「寄生獣」の染谷将太、「クロユリ団地」の前田敦子、「サクラサク」の南果歩、「メビウス」のイ・ウンウ、「GANTZ」の田口トモロヲなどなど。特に、イ・ウンウの演技は最高です。彼女が「在日排除」のデモの前を通るシーンは要注目!この映画の脚本は荒井晴彦、監督は廣木隆一。このふたりのコンビの「ヴァイブレータ」「やわらかい生活」はどちらも大好きなのですが、この作品で好きな映画がまた一つ増えました。最高に面白かったです。
リトルフォレスト 夏/秋  監督 :  森淳一  出演 : 前田愛、桐島カレン
Little Forest  2014年 日本映画
都会生活に馴染めなかったいち子は、故郷である東北の山村に戻り自給自足の生活を始める。そこはかつていち子と母親とで暮らした家。近くに店はなく買い物には自転車で30分かけていく。自分の田畑で作った物、山に自生する植物はいち子の大事な食料。夏は緑が美しい。そんな中で彼女はひたすら料理をして食べる。畑で採れたトマト、田んぼで育てた稲、山で採ったアケビ、クリ、そして知人の家で養殖をしているイワナ。母は何も言わずに家を出ていった。しかし、いち子の料理の腕は母から継承したものだった。村の人々と助けを借りながら、今日もいち子はひとり働き続ける・・・
私評:町までは自転車で30分、冬は1時間かかる・・・母はある日、私を置いて出ていった・・・東北の山奥の村での自給自足は想像以上にたいへん。しかし、本来の人間がそうであるかのように、いち子は自然と寄り添って生きていく。彼女を取り巻く自然の風景は本当に美しい。今回は夏、秋編という事で自然の息吹、芽生えが力強く描き出されている。そして注目はいち子が作る料理の数々。華美な料理はまったくなくその素材を手間隙かけて引き出していく。素朴なひと皿ひと皿がとても美味しそうでした。そんな大自然に抱かれて、女優としてさらにステップアップしたのが主演の橋本愛。「渇き。」「寄生獣」「あまちゃん」などで売り出し中の彼女はとにかく目力がすごい!容姿も完璧すぎるくらいの彼女が田畑で野良仕事をする事に違和感があったのですが、そこは女優さん。しっかり、田舎に溶け込んでいました。その他、三浦貴大、桐島かれん、温水洋一、松岡茉優など。監督は「LUNDRY」「重力ピエロ」の森淳一。
ビッグ・アイズ  監督 : ティム・バートン  出演 : エイミー・アダムス、クリストフ・ヴァルツ
Big Eyes  2014年 アメリカ映画
夫と別れてひとり娘を連れてカリフォルニアにやってきたマーガレット。彼女は絵画で生計を立てようとするが彼女には実力があっても商才がない。そんなある日、彼女はサンフランシスコのノースビーチで似顔絵を描いていると、パリの美大に通っていたと言うウォルターが声をかけてきた社交的なウォルターに惹かれたマーガレットは間もなく彼と結婚。しかし、ふたりの絵はまったく売れなかった。しかし、チャンスは突然訪れた。ふたりの絵を展示してもらっていたナイトクラブのオーナーとウォルターが喧嘩になり、その写真がゴシップ新聞に掲載されたのだ。そこに写っていた大きな目のマーガレットの絵に人々が殺到したのだ。しかし、ウォルターはその絵を自分の絵と言っていた。その事を知ったマーガレットは激怒するが「夫婦は一心同体」というウォルターの言葉に丸め込まれてしまう。やがてウォルターの商法が成功し、ふたりは巨万の富を得る。ウォルターは次々とテレビ、新聞。雑誌に登場しアート界の寵児となる。しかし、その裏でマーガレットはみんなに隠れて「大きな目」の絵を描き続けた・・
私評:この絵たちは私の分身よ・・・これは実話です。主人公のマーガレット・キーンは御存命で、エンドクレジットで写真が出てきます。これはいわゆるゴーストライターの話。昨年、」日本でも佐村河内守の事件が話題になったし、今はテレビでも「ゴーストライター」というドラマがあるし、意外とあちこちにある話なのかもしれません。しかし、「ビッグアイ」はアート業界を揺るがすほどの大事件だったのですね。私はまったく知りませんでした。ちょっとネタばれチックですが・・・・最後にお互いが権利を主張して裁判になるのですが、最初からマーガレットが「あれ」をやっていれば長引かずに済んだのでは??なんですぐにしなかったのかが不思議。主演は「マン・オブ・スティール」「アメリカン・ハッスル」のエイミー・アダムス。彼女の演技は的確です。ウォルター役は「イングロリアス・バスターズ」のクリストフ・ヴァルツ。いや~、彼ほどイヤらしい演技をする男はいませんね。今回もとにかくイヤな奴です。その他ダニー・ヒューストン、テレンス・スタンプなどなど。それとマーガレットの娘役デラニー・レイちゃんは本当に目が大きくて「ビッグアイ」の絵の中から飛び出してきたようでした。の監督は「ダーク・シャドウ」「フランケン・ウィニー」のティム・バートン。
アニー  監督 : ウィル・グラック  出演 :クワヴェンジャネ・ウォレス ジェイミー・フォックス
Annie  2015年 アメリカ映画
アニーは4歳の時にイタリアンレストランで捨てられた。だから、彼女は毎週金曜日の夜にレストランの前で両親が現れるのを待っている。アニーは今、里親のミス・ハニガンに引き取られて4人の少女と一緒に暮らしている。しかし、ハニガンは子供が嫌い。里親になると貰える養育費だけが目当てだ。そんなある日、アニーは苛められている犬を追いかけているとき車に轢かれそうになる。そこで彼女を救ったのは市長選挙に立候補中の大富豪スタックスだった。その様子がWEBに流れスタックスの支持率は一気に上昇。それに味をしめたスタックスの秘書はアニーを引き取り一緒に暮らすことになった。明るく前向きで、しかも純粋なアニーの魅力は少しずつスタックスの心を溶かしていく。しかし、アニーはいつか両親が自分を迎えに来ると信じ、レストランに通い続けていた・・
私評:トゥモロー、トゥモロー♪・・・アニーといえば「赤毛」で「そばかす」の女の子が定番でしたが、今回の映画はアフリカ系のアフロヘアーの女の子。ストーリーも設定も現代風にアレンジされていて、新しいアニーになっています。オリジナル版が好きな私は違和感があるかなと思ったら逆に好印象。やっぱりミュージカルっていいな~!そしてやっぱり映画ならではの演出も多々あって、私は好きですね~。私もNYの街角で歌って、踊りたい!主演は「ハッシュパピー バスタブ島の少女」で史上最年少のアカデミー主演女優賞にノミネートされたクヮヴェンジャネ・ウォレス(名前が覚えられない・・)ちゃん。ハッシュパピーの時は演出に助けられた子供の演技だったけど、今回は歌って踊って、しかも演技もバッチリ。驚きました。スタックス役は「レイ」のジェイミー・フォックス。彼の歌の美味さには驚き!ハニガン役は「悪の法則」のキャメロン・ディアス。すっかりおばさんキャラが板についてきた。キャメロンの歌を聴いたのは初めてかも??スタックスの秘書のローズ役は「インシディアス」のローズ・バーン。彼女がいい味出してます。監督は「ステイ・フレンズ」「小悪魔はなぜモテる?」のウィル・グラック。
天空からの招待状  監督 : チー・ポーリン  ナレーション :西島秀俊 
看見台湾  2013年 台湾映画
企画・監督・撮影・編集までを手がけたチー・ポーリン監督の初長編ドキュメンタリー。本作の企画は、たった一人の男、チー・ポーリンの熱意から始まった。20年以上、政府の航空写真家として台湾を上空から見続けてきた彼は、自分たちの愛する台湾がどんどんと変質していく姿を目の当たりにして、危機感を覚えていた。そこで彼は自らの安定した生活をかなぐり捨て、借金を背負いながら、この映画を撮るために全人生をかけた。
私評:私たちの故郷は瀕死の状況です・・・美しい景色を見せる台湾の観光ビデオかと思ったら、国土の自然が蝕まれている様を訴えかける社会派作品でした。前半は自然に恵まれた台湾の美しい大自然が画面いっぱいに描かれる。ため息が出るほど美しい山々をカメラは滑るように飛んでいく。台湾は国土の大半が山岳地域だと知りました。そしてカメラが低地へと降りてくると、高度成長期の日本がそうだったように産業の発展が自然を蝕んでいる様をまざまざと見せつける。高い煙突からモクモク吹き出す煙、真っ黒(場所によっては真っ赤に)変色した河川。養殖のために海水を吸い上げ地盤沈下が止まらない海岸沿いの土地。観光目的のために山を削り、高地に作られたリゾートホテル。セメントの原料となる石を極限まで掘り続ける重機。カメラはそれらをまっすぐに見せつけます。そしてカメラを通じて台湾の人々に、そして国外にも訴えかけているのです。そういう意味では日本はまだマシだったかもしれませんね・・・


前回の記事も読んでね~!



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