レビューが溜まる一方です。今回のイチ押しはオスカー候補の
ドキュメンタリー風ドラマと大爆笑の邦画
6才のボクが、大人になるまで。 | 監督 :リチャード・リンクレイター | 出演 : エラー・コルトレン、パトリシア・アークエット | ||||||
Boyhood | 2014年 アメリカ映画 | |||||||
今回のイチ押し:メイソンは母親のオリヴィア、そしておしゃまな姉のサマンサの3人暮らし。オリヴィアのボーイフレンドの横暴さに耐えられなくなったオリヴィアは、ふたりの子供を連れて母親の家に引っ越すことに。そこで彼女は大学に通い始め、学位を取ることを決意した。そんなある日、オリヴィアの元夫でサマンサ、メイソンの実父メイソンSr.がやってくる。アラスカに行っていたという父とひと時の楽しい時間を過ごすが、母との仲は修正ができなかった。一方のオリヴィアは大学の教授と恋仲になり、すぐに結婚。相手のふたりの連れ子と6人で生活が始まった。しかし、夫は徐々に酒に溺れ情緒不安定になっていく。抱え込んだ怒りの矛先はオリヴィアだけでなく子供たちにも向けられる。ついに限界を感じたオリヴィアはメイソンとサマンサを連れて家を飛び出してしまう。小さなアパートで3人の生活が始まる。しかし、メイソンSr.は子供たちと交流を続けていく。 | ||||||||
私評:「今」は一瞬の連続なんだから・・・撮影期間はなんと12年間。メイソンはオープニングの時には6歳だったけど映画が終わるときには大学1年生の18歳。彼の姉もしかり。まさにふたりの子供の成長を2時間45分でリアル体験できる言う稀有な映画でもあります。その間には様々な出来事が起き、ずっと安泰で幸せだったわけではない。しかし、子供たちは確実に成長し大人になっていく。ある意味、何の捻りもない作品かもしれないけど、私は時を忘れてこの映画に没頭してしまった。メイソン役はエラー・コルトレン、サマンサ役は監督の娘でもあるローレライ・リンクレイター。このふたりの成長記録映画としても秀逸かも?そして私がいちばん評価したいのが母親役のパトリシア・アークエット。この映画を見る数週間前に「トゥルー・ロマンス」を見たせいもあるのですがどんどんおばさん化して、どんどん肉が付いていくパトリシアが愛おしくもあり切なくもあり。しかし、12年に渡り同じキャラを演じるって(しかも、時々招集されて撮影ってすごい)たいへんです。一方の父親役の「フッテージ」のイーサン・ホークは不思議なくらい変化が少ない。あまりに変わらないので最後は髭を蓄えて登場。監督は「恋人までの距離」「スクール・オブ・ロック」のリチャード・リンクレイター。 | ||||||||
神様はバリいる | 監督 :李闘士男 | 出演 :堤真一、尾野真千子、玉木宏 | ||||||
2014年 日本映画 | ||||||||
今回のイチ押し:婚活ビジネスの失敗から借金を背負った照川祥子は死に場所としてバリ島を選んだ。絶壁に立ち海へ飛び込む直前、リュウという日本人の男が声をかけた。彼に導かれプールサイドで待っているとそこに現れたのはパンチパーマ、サングラス、眉毛なし、ゴールドネックレスといういかにもアッチ系の出で立ちの「アニキ」と呼ばれる男。彼はここバリ島での不動産ビジネスで大成功を収めた超が付くほどの金持だった。アニキから“お金持ちになるためのコツ”を教えてもらうために祥子は弟子になった。アニキの言葉を残さずメモしていく祥子。そしてアニキが住む豪邸で清掃係をしたり、バリの伝統の踊りで笑顔の勉強をしたりとどれも役に立ちそうもない事ばかり。借金に至る経緯を話した祥子にアニキは名言を吐く。「お前は自分は頑張っているのにと、他人のせいにする」。アニキはすべてお見通しだった・・ | ||||||||
私評:バリの人たちは「感謝」の達人や・・・良いですこの映画。とにかく元気が出ます。アニキがのたまう数々の名言が良いです。「失敗した時こそ笑え」「人生はドラクエや」「世界は縁で回ってんねん」などなど、映画を見ている時は「ハハハ」と笑っていたのですが結構奥が深い言葉です。お気楽に生きているようにしか見えなかったアニキの「信念」が分かった時はなんだかとっても感動した。しかし、基本はコメディなので「人生とは!?」なんて肩肘を張らずにお気楽に見ましょう。必ずパワーを貰えますよ。アニキ役は「地獄でなぜ悪い」の堤真一。とにかくパワフル!さいこー!祥子役は「そして父になる」「探偵はBARにいる2」の尾野真千子。彼女はコメディエンヌの方が力を発揮しますね。リュウ役は「のだめカンタービレ」の玉木宏、祥子を追ってバリに来た謎男は歌手のナオト・インティライミ(演技下手すぎ)、そして登場シーンこそ少ないけどリュウの元カノでナイスバディを晒してくれる菜々緒。監督は「デトロイト・メタルシティ」「幕末高校生」の李闘士男。 | ||||||||
ストックホルムでワルツを | 監督 : ペール・フライ | 出演 : エッダ・マグナソン | ||||||
Monica Z | 2013年 スウェーデン映画 | |||||||
スウェーデンの片田舎で堅物の父親、優しい母親、そして愛らしい娘と暮らしているモニカ。彼女はジャズシンガーになる夢を捨てきれず、交換台の仕事をしながらジャズクラブのステージに立っていた。そんな彼女に幸運が訪れる。彼女の歌を聞いたアメリカの評論家を通じて、ニューヨークで舞台に立つことになった。そこで彼女は有名な女性ジャズシンガーと会い、その場で歌ってみせるが「あなたの歌にはハートがない」と一刀両断。その言葉が予言したかのように、ステージは盛り上がらず失敗に終わってしまう。それは彼女がスウェーデン人で英語の歌を歌うことに無理があったのだ。モニカは地元のバンド・メンバーと共にスウェーデン語のジャズを作り歌い始める。すると、彼女の歌は大ヒットしみるみる有名人になっていく・・・ | ||||||||
私評:娘よ、私はお前を心から誇りに思う・・・モニカ・ゼタールが活躍したのは1960年代。私は彼女の存在さえ知らなかったのですが、スウェーデンでは国民的な歌手だそうです。元々、シングルマザーで仕事をしながらの歌手活動というハンディを背負いながらもひたする夢を追いかけていく姿に感動。そして1964年にビル・エヴァンスと共作して以来アメリカでも活躍して映画にも出演。映画は彼女の栄光を見届けて終わる形で、とてもハッピーでした。しかし、母国語でジャズを歌うというのは、今では当たり前かもしれませんが当時はかなりのチャレンジだったはず。その勇気と決断が彼女の成功を呼んだのですね!主演はこれが映画デビューという歌手のエッダ・マグナソン。歌のうまさはもちろんですが演技も抜群のうまさ。しかも、美しい!!彼女の陰で支えるベーシストのストゥーレ役はスベリク・グドナソン、彼女の父親役はシェル・ブリィクヴィスト。監督はデンマーク生まれのペール・フライ。 | ||||||||
アップルシードアルファ | 監督 :荒牧伸志 | 出演 : 小松由佳、諏訪部順一 | ||||||
2015年 日本映画 | ||||||||
元・SWATのデュナン・ナッツとブサイボーになった恋人リアレオス・ヘカトンケイレスは、街を牛耳るギャングの双角の依頼を受けあるワクチンを奪うが、地下鉄で移動中に襲撃を受けワクチンを失ってしまう。しかし、それらは双角が仕掛けた罠だった。その代わりにふたりが送り込まれたのは、ある町に送り込まれる。そこには戦闘用のロボットが多数稼働していて、それらを駆除して武器を押収する事が今回のミッション。そこでふたりは「オリュンポス」から来たというアイリスと半サイボーグのオルソンと出会う。ふたりは大きなミッションを抱えていた。オルソンは最近調子の悪かったリアレオスの回路をチェックすると、そこには双角によって仕込まれたディスクが・・・ | ||||||||
私評:オリュンポスに行くわ・・・CGアニメーションのクオリティは言わずもがな、緻密なストー、しっかりと描き込まれたキャラクター、戦闘シーンの組立、戦法もすごくリアルです。元々、私は2004年に公開された1作目の「劇場版アップルシード」が好きで、この映画はDVDもあるので何度も見ています。この作品は当時にしては超画期的だった「フルCGアニメ」として注目されましたが、その「絵」のクオリティよりストーリーが好きではまってしまったのです。今回の「アルファ」は原作の第1話のリブート版。しかし、デュナン、リアレオスのバックグラウンド知っていないと、唐突にストーリーが始まるので予習しておきましょう!それにしてもカッコイイ。それにしてもデュナンの巨乳の胸元、無防備すぎるでしょう!?戦う時にも邪魔そう。 | ||||||||
あと1センチの恋 | 監督 : クリスチャン・ディッター | 出演 : リリー・コリンズ、サム・クラフリン | ||||||
Love, Rosie | 2014年 ドイツ・イギリス映画 | |||||||
ロージーとアレックスは幼なじみでいつも一緒。友達以上、恋人未満の関係を続けている。お互いの初恋も初体験も語り合える仲。ロージーの18歳の誕生日、彼女は飲み過ぎて意識を失ってしまう。しかし、実はこの時に・・・??それ以来、ふたりのすれ違いは続いていく。アレックスはロージーにイギリスを離れて一緒にボストンの大学に行く事を提案する。アレックスは医者になること、ロージーはホテルのオーナーになるという夢を持っている。お互い大学の合格し前途洋々に見えたが、ロージーの軽はずみなセックスが原因で妊娠が発覚。一方のアレックスはベサニーとの恋愛に夢中。結局、ボストンへはアレックスひとりで旅立った。ロージーは子供を産んで里子に出すはずだったが、産まれてきた子供の顔を見てひとりで育てていく決意をする。その後も、定期的に連絡を取り続けるふたりは5年後に再会する事に。アレックスがロージーをボストンに呼んだのだ。久しぶりに語らうふたりは少しも変わっていなかった。しかし、・・・・・ | ||||||||
私評:私たち・・親友でしょう!・・・お互い好きなのに近すぎて好きって言えない。その感情ってある意味「近親相姦」的な思いかも??そしてお互いを意識してあと1センチ近く、あと1分早く言えたら、もっと早くにふたりは一緒になっていたかもしれない。だけど、ふたりが離れて12年間も抱き続けてきた思いは、何にも負けない強い愛に育っていました。それにしてもあまりのすれ違いに観ているこっちはイライラ。「キスしちゃえ!」と心の中で叫んでいました。そしてお互いの性体験までカジュアルに話せる中って友人としては良いけど夫婦としてはどうなんでしょう??独身の私にはわかりません(笑)。そしてこの映画は音楽の使い方がすごくいい。ビヨンセの「クレイジー・イン・ラブ」やエルトン・ジョンの「タイニー・ダンサー」は大好きな曲なので、かかった瞬間、嬉しくなっちゃいました。ロージー役は相変わらず眉毛が凄い「白雪姫と鏡の女王」「シャドウハンター」のリリー・コリンズ。可愛いです。アレックス役は「スノーホワイト」のサム・クラフリン。監督はドイツ人のクリスチャン・ディッター。これが初英語作品だそうです。 | ||||||||