今年に入ってあまり映画が観れていません。一番の原因は
金欠です(苦笑)実家のリペアにお金が掛ってしまったもので・・
今回のイチ押しは感動的なホラーと小さな町の心温まるドラマです。
永遠のこどもたち | 監督:J. A. バヨナ | 出演:ベレン・ルエダ、フェルナンド・カヨ |
EL OFRANATO | 2007年 スペイン・メキシコ映画 | |
今週のイチ押し:海辺の孤児院で幸せな子供時代を過ごしたラウラはずっと閉鎖されていた孤児院を、障害を持つ子供たちのためのホームとして再建するために買い取った。医師の夫カルロスと障害を持つ息子シモンと移り住んだラウラは夢を膨らませるが、息子のシモンは空想の友達を作って遊び始める。ラウラは一抹の不安を感じるが嬉しそうに話す息子を叱ることができない。そんなある日、ラウラの元にベニグナという老女がやってくる。彼女は誰も知らないはずのシモンの病気や生い立ちをなぜか知っていた。不気味に思ったラウラは老女を追い払うが、その夜、ラウラは物置小屋で老女らしき人影を見る。数日後、施設への入園希望者を集めたパーティの最中、忙しいラウラは騒ぎ出したシモンを叱りつけてしまう。怒られたことで姿を消したシモンは、そのまま行方不明になってしまう・・ | ||
私評:家においでよ・・・・ホラー映画好きの私は、なんとも不思議な雰囲気を漂わせる予告編に惹かれて劇場に足を運びました。確かに怖い映画ではあるのですが、私はなんとも言えない深い感動で心が一杯になりました。そして物語は上のシノプシスの後に、どんどん転がって行きます。そして待ち受ける感動のラスト!(ちょっと強引でもありますが)ところで・・外国の郊外の家ってなんとなく不思議な雰囲気があって、いかにも何かが出そうな気がするんですよね〜。ニコール・キッドマン主演の「アザーズ」なんかも家が怖かったし・・。そしてこの映画の映像の美しさにも感動でした。海、洞窟などの大自然が見事に描き出されていますので、この辺りも要チェックです。主演は「海を飛ぶ夢」のベレン・ルエダ。母親としての愛情の強さを体現してみせます。そして小さな役ですが霊媒師役でジェラルディン・チャップリンが登場。彼女はスペイン語もできるのですね・・。監督はこれが長編デビューのJ.A.バヨナ。製作は「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロです! | ||
ラースと、その彼女 | 監督:クレイグ・ギレスピー | 出演 : ライアン・グズリング、エミリー・モーティマー |
Lars and the Real Girl | 2007年 アメリカ映画 | |
今週のイチ押し:アメリカの小さな町に住んでいるラースは、兄のガスとその妻のカリンの家の庭のガレージに住んでいる。幼い頃の辛い経験から、彼は人との交わりを極端に避けている。カリンは何度もラースとの交流を持とうとするが、その度に肩透かしに合っている。そんな彼はまるで透明人間だ。そんなある日、ラースはガスの家を訪ね、紹介したい人がいると告げる。「ついにラースにも彼女が!」と大喜びするガスとカリン。しかし、ラースが連れてきたのは等身大の人形「リアル・ドール」!しかも、ラースはこの人形にビアンカと名前をつけ、仲良く話をしている。弟が完全にイカレてしまったと思ったガスは、町の女医ダグマー医師に相談する。ところが彼女は彼の世界を受け入れ、ビアンカを普通の女の子として扱うことを提案するが・・ | ||
私評:人が一番好きな単語って自分の名前なんだって。だから、名前をたくさん呼んであげてごらん・・・・なんだか最初はただの変人でとっつき辛かったラース。しかし、だんだん彼の暖かくて優しい人柄が伝わってくる。そしてラース以上に暖かいのが町の人たち。最初は疎んじていた人たちが、ラースのために芝居を打つのですが、だんだんとそれが当たり前になっていく過程が好きです。こんな素敵な町に住んでみたいです。主演は「君に読む物語」のライアン・ゴズリング。彼の何とも言えない温かい演技が良いです。カリン役は「マッチポイント」のエミリー・モーティマー、ガス役は「ジェシー・ジェームズの暗殺」のポール・シュナイダー。監督は「Mr.ウッドコック 史上最悪の体育教師」のクレイグ・ギレスピーです。ちなみにリアル・ドールのビアンカが来日して東京巡りをしました!その様子がパンフレットに出ています。これがまた、大爆笑!!写真はシネクイントのロビーに飾られたビアンカです! | ||
ワルキューレ | 監督: ブライアン・シンガー | 出演:トム・クルーズ、テレンス・スタンプ、ビル・ナイ |
Valkyrie | 2008年 アメリカ映画 | |
第2次世界大戦中。ドイツ軍のシュタウンベルク大佐は悩んでいた。国家に忠誠を誓い尽くしてきた彼は、悪行を重ねるヒトラーに絶望していた。しかも彼は連合軍の爆撃に巻き込まれ、片手と片目を失ってしまう。ヒトラーへの不信を抱いていたのは彼だけではなかった。トレスコウ少将は、ヒトラーの乗り込んだ飛行機に起爆装置付きの酒を積み込んだが失敗。しかも、彼とともにヒトラー政権の転覆を目論む優秀な部下が捕まってしまう。そしてヒトラー暗殺を目論むレジスタンスの秘密会議にシュタウンベルクは招集される。そんなある日、彼は自宅でワーグナーの「ワルキューレの騎行」を聞いた時に大胆な作戦を思いつく。ドイツ国内では有事の際に反乱勢力を鎮圧する「ワルキューレ作戦」という既存のオペレーションがあった。その作戦を利用してヒトラー暗殺後のベルリンを一気に掌握し、ナチスの政権までも転覆させるという大胆な作戦だった。作戦は秘密裏に、そして着実に進められていくが・・・・ | ||
私評:人命を守るのが将校としての自分の責務である・・・・ドイツに実在した男のドラマです。しかし、私はドイツ国内で、しかもヒトラーが掌握する軍内でこんなクーデターがあったなんて全く知りませんでした。しかも、そのクーデターが実によく出来た作戦で、完璧なまでのシナリオ、そして根回し。しかも、この時代の乏しい通信手段の中で行われたこの作戦は本当にドラマティック。いまなら携帯でチャチャッと連絡できるのですが、電話のやりとりはめちゃめちゃドキドキしました。そしてこの映画でクーデターを起こす男たちの男気、国家への愛には感動。そして自分の正義を信じて散っていった男たちに涙が・・・。主演はまた新たな一面を見せてくれたトム・クルーズ。彼の緻密な演技が光ります。その他にもビル・ナイ、ケネス・ブラナー、テレンス・スタンプがシュタウンベルクとともにクーデターを起こす男たち。彼らのひとりひとりが強烈な個性を見せつけます。そして二つの勢力の狭間で、この作戦のカギを握る男役のトム・ウィルキンソンがめちゃめちゃ憎らしくて良かったです。監督は「ユージュアル・サスペクツ」「Xメン」のブライアン・シンガー。劇場公開は3月20日です。 | ||
罪とか罰とか | 監督:ケラリーノ・サンドロヴィッチ | 出演:成海璃子、永山絢斗、犬山イヌコ |
2008年 日本映画 | ||
アヤメはいまいちイケてないアイドル。同じ日にスカウトされた同級生の耳川モモはすごい勢いで売れて雑誌の表紙を飾っているのに、アヤメのページはなぜか逆さまに印刷されて・・。能天気なマネージャーからの励ましも彼女に力を与えず、最近はモモの幻影にも悩まされている。そんなある日、彼女は衝動的に万引きをして警察に捕まり、事の成り行きで「1日警察署長」をすることに。すると、そこにはアヤメの元彼の春樹がいた。しかも、彼は刑事でありながら殺人癖があるというとんでもない男。実はこの日の朝に恋人をマンションのベランダから突き落として殺していたのだ。一方、その部屋の隣では怪しい3人組がコンビニ強盗を企んでいた。署員たちは署長のアヤメの指示を待っている。果たしてアヤメは事件を解決することができるのか??・・・・ | ||
私評:がんばれ・・正しくがんばれ・・・・笑えた!!とにかくバカらしさ満載。そして怪しさ満載。こういう映画はとにかくアイデアです。そのおバカなアイデアに正統派清純女優だと思っていた成海璃子ちゃんがピッタリとはまっているんです。いや〜、ちょっとビックリしました。最初から最後までめちゃめちゃハイテンションで、しかも微妙なギャグを織り込んだこの作品。とにかくこういう映画大好きです!主演は「神童」「イキガミ」などでしっかりした演技を見せた成海璃子ちゃん。彼女のこのヌルさは上野樹里以上かも??そして脇を固めるのは「フレフレ少女」の永山絢斗、マネージャー役は犬山イヌコ、そしてコンビニ強盗に奥菜恵、大倉孝二などなど。そして本当にチョイ役ですが佐藤江梨子、麻生久美子、市原由衣、そして行定勲監督まで登場します。監督は「グミ・チョコレート・パイン」のケラリーノ・サンドロヴィッチ。劇場公開は2月末です! | ||
感染列島 | 監督 : 瀬々敬久 | 出演:妻夫木聡、壇れい、国仲涼子 |
2009年 日本映画 | ||
いずみ野市立病院に勤務する松岡のもとに急患が運び込まれた。その男は前日に松岡が診察をしてインフルエンザは陰性だった男。しかし、彼は多臓器不全で体中の穴から出血をして死亡した。しかも、院内のスタッフ、来院した患者、そして松岡の先輩医師・安藤にも感染し病院はパニックになる。事態を収拾させるためにWHOが派遣したのはメディカルオフィサーの小林栄子。かつて栄子は松岡の恋人だった。栄子は病院を隔離し、患者にもプライオリティをつけて進めていく。その強硬さに反発をするスタッフも出てくるが、彼女の真摯な姿勢に院内のスタッフは一致団結して対応に当たった。当初、ウィルスはいずみ野の養鶏場の鶏から発症したインフルエンザだと思われていたが、松岡と栄子は疑念を抱く。実は第1感染者の妻の麻美の父親が東南アジアの小国・アボンで医師をしていた事がわかり、感染源を突き止めるため松岡はアボンへと飛ぶが・・・・ | ||
私評:たとえ明日人類が滅びるとも、今日、君は林檎の木を植える・・・日本もこういう映画をどんどん作ってほしいですね。ネタ的には角川映画の「復活の日」やハリウッドの「アウトブレイク」にも準じる作品なのですが、日本が得意な浪花節的な要素をたくさん盛り込んであるのがグッドです。驚異的な勢いで蔓延していく未知のウィルスと戦う人々、そしてその家族や恋人の物語がいいバランスで最後まで続いていきます。けっこう、泣けるシーンも多いんですよ。ツッコミどころも満載ですが、こういう映画には付き物なので言わないでおきましょう。主演は妻夫木聡と壇れい。このふたりは自然な演技でいい感じ。しかし・・・、へんな関西弁を操る藤竜也がなんだかとっても邪魔な感じ。その他、国仲涼子、池脇千鶴、光石研、カンニング竹山、田中裕二(爆笑問題)などが良いサポートを見せます。監督は「Rush!」の瀬々敬久です。実はこの映画、ハリウッドからリメイクの問い合わせが殺到しているそうです。 | ||
ミーアキャット | 監督 : ジェームズ・ハニーボーン | 声の出演 : ポール・ニューマン |
Meerkats | 2008年 イギリス映画 | |
アフリカのカラハリ砂漠に住んでいるミーアキャットのコロ。コロは生まれて3週間目に初めて穴の外に出た。家族のリーダーは母親。だけど、親戚一同で助け合い、コロを危険から守り、導いてくれる。体長30センチしかない彼らは外の世界では敵だらけ。特にゴマバラワシは最大の天敵。それゆえ家族は常に協力して離れずに生活することが大切。コロには兄がいる。兄の仕事はコロの子守りと餌の調達。特に彼らの大好物のサソリだ。しかし、彼らが住む砂漠は雨が少ない。しかも、今回の干ばつは劇的でもう数カ月の間雨がない。体脂肪が少ないミーアキャットがこのままでは餓死してしまう。そしてついに彼らは危険を覚悟で茂みの中へ獲物を探しに行くことに。しかし、見張りをしていたコロの兄はワシに襲われてしまう・・・・ | ||
私評:大人になるのは誰でも難しい・・・私はこういうドキュメンタリーが好きなのですが、それ以上にこの作品に魅かれたのは、ナレーションをしているポール・ニューマンの遺作だということ。私が初めて自分でお金を払って見に行った洋画が彼の「明日に向って撃て!」で、それ以来彼のファンだったので・・・。しかし、映画も存分に楽しめました。ミーアキャットって本当に人間みたいなんですね。演技をつけているわけではないのですが、彼らの動きはとてもコミカル。そして彼らの生活は実にスリリングで、ドラマチックです。そしてこんなに小さな生き物に、生きることの素晴らしさを教えてもらえるんですね。この映画の制作は「アース」のBBC。今回もどうやって撮影したんだろう?と思ってしまうほど、カメラが色んな所によじ登り、潜り込み、そして近づいていきます。とにかく驚きの連続です。監督はこれがデビュー作になるジェームズ・ハニーボーン。 | ||