2008/1/6

新年明けましておめでとうございます。
2008年一発目に見た映画がイチ押しです。
あまりに美しい禁断の恋に涙・・・

中国の植物学者の娘たち  監督:ダイ・シージエ  出演:ミレーヌ・ジャンパワノ、リー・シャオラン
Les Filles Du Botaniste Chinois  2005年 カナダ・フランス映画
今週のイチ押し:地震で両親を亡くしたリー・ミンは孤児院で育てられたが、植物学者のチェン教授の元で実習生として働く機会を得た。教授は短気でわがままな男だったが、彼の娘のアンは同じ年頃のミンを暖かく迎え入れた。教授に怒鳴られ落ち込むミンにアンは自身のことを話し始める。彼女も10歳で母親を亡くして以来、ずっと孤独を背負って生きていたのだ。ある夜、ミンは温室の中で薬草の上で、全裸でまどろむアンを見つける。その美しさにミンは息を呑む。やがて、ふたりは強く惹かれあう。そんなある日、軍人であるアンの兄のタンが戻ってくる。教授は息子にミンを嫁にもらうように勧める。その事実を知ったアンは突発的に家を飛び出してしまう。そんなアンを追ってリンが訪れたのは、いつかふたりで訪れた寺。そこでふたりは永遠の愛を誓う。そしてアンは単身赴任するタンと結婚すればずっと一緒にいられるとミンに提案する・・
私評:そうすれば安らかに眠れます・・・「中国の小さなお針子」のダイ・シージエ監督の新作映画がひっそりと公開されていました。「中国の小さなお針子」は私の大好きな映画で、公開当時は私もこのWEBで大絶賛しています。そして今回の映画で描かれているのは中国ではタブーとされている「同性愛」。しかし、同性愛の是非を語るのではなく、美しい自然の中で惹かれあった孤独な二つの魂が、たまたま同じ性だったという悲劇なのです。そして美しい女性たちと対照的に男たちは高圧的で、粗野で、そして滑稽。この辺りの描き方はこの監督のうまさですね。フランスをベースにで中国映画を撮り続けるこの監督の作品には祖国に対する愛をひしひしと感じられます。主演はミレーヌ・ジャンパノワというフランス人と中国人のハーフと「かちこみ!ドラゴンタイガーゲート」のリー・シャオラン。息を呑むほど美しいふたりの女性の密愛のシーンは必見です。
カンナさん大成功です!  監督 : キム・ヨンファ  出演:キム・アジュン、チュ・ジンモ
200 Pounds Beauty  2006年 韓国映画

カンナは168cmの高身長ではあるが95kgと横にもデカイ。オシャレにも興味がなく風呂に入るのも億劫がる始末。しかし、神は彼女に素晴らしい歌声を与えた。その美声を生かしてテレクラのバイトもしているが、実は彼女こそ人気シンガー・アミの影の歌手。つまり、アミの歌声はすべてカンナが吹き替えていたのだ。裏方の仕事だったが彼女は幸せを噛み締めていた。なぜなら彼女が想いを寄せるプロデューサーのサンジュンとモニター越しに話ができるからだった。ところが、サンジュンの誕生会の席でカンナは彼の本音を聞いてしまう。「カンナに才能はあっても美貌はない!」その言葉を聞いて一度は自殺を試みるカンナ。しかし、一本の電話が彼女を別のベクトルへと導いたのだ。テレクラの相手はなんと整形外科の医者!彼女はついに全身整形に挑む・・・・

私評:これが私・・泣いた顔もきれい・・・原作はなんと日本のコミック。それがなんと韓国映画のラブ・ストーリーの記録を塗り替えてしまった!それは整形手術のメッカである韓国だから余計に追い風になったのでしょうね。映画の中で整形の是非が何度も問われるのですが、実は私は賛成派です。しかし、映画の中では素性を隠さなければならないという問題があるのですが、「早くカミングアウトすれば良いのに!」と思いながら映画を見ていました。この映画も男性と女性では見る目がかなり違ってくると思います。主演はちょっと米倉涼子似のキム・アジュン。パンフレットにも書いてあったのですが、彼女って特別にきれいと言う訳ではないのですが(それでも十分美人です)、魅力的なんですよ。しかも、笑いのツボもしっかり押さえていて、私はかなり好印象でした。サンジュン役は「MUSA」のチュ・ジンモ。彼ってちょっとキムタクに似ていると思ったのですが・・・??チョイ役で登場するイ・ボムスは最高でした!監督はキム・ヨンファ。
エイリアンズ Vs. プレデター2  監督:ストラウス兄弟  出演:スティーブ・パスカル、レイコ・エイルスワース
AVP 2  2007年 アメリカ映画
南極を飛び立ったプレデターの宇宙船内で、プレデターとエイリアンのハーフが産まれた。それは急激な勢いで成長し、船を制圧。そして船はふたたび地球に落ちた。そこはコロラド州の田舎町に墜落した。船内で培養されていたエイリアンの幼虫も多数、地上に放たれた。その状況を遥か宇宙の果てで見守っていたのは、プレデターのスイーパー(清掃人)。彼はひとり地球へと降り立ち、 ブルーの液体で痕跡を消していく。しかし、町の住人を媒体にしてエイリアンはどんどんと数を増していく。そして彼らを引っ張るのは二つの最強生命体の混合種プレデタリアン。一方、町では保安官がこのただならぬ状況を知り、ついには軍の出動を要請。しかし、エイリアンたちの前に武装した兵士たちも次々と葬り去られていく・・
私評:「窓の外にモンスターがいたの」「ほら、何もいやしないよ・・・うわー〜!!・・・ついにエイリアンが地上に、しかも人々が住む町に降り立った。映画のエイリアンシリーズでじわりじわりと地球に近づき、AVPでは南極を舞台に戦いを繰り広げた。しかし、今回は平和な町を一気に飲み込んでいく。そこに登場するのがプレデターの清掃人。その多彩な技の数々でどんどんエイリアンを退治していく。しかししかし、その上を行くのが混合種プレデタリアン・・。人間Vs.エイリアンズVs.プレデターの三つ巴の戦いの勝者は!?言えません!しかし、この映画って良い意味で「金を掛けたB級映画」なんですよね。捻りのない展開、安易な設定、そして無名に近いキャスト・・。それがこの映画の面白さです。その域を出ない映画だと分かって見るから面白い?でも、ラストはもうひと展開あっても良かったのでは?「あれ?これで終わり??」って感じでした。監督は視覚効果のプロ、ストラウス兄弟。
ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記  監督:ジョン・タートルト−ブ  出演:ニコラス・ケイジ、ダイアン・クルーガー
National Treasure : Book of Secrets  2007年 アメリカ映画
1865年。南北戦争が終わって5日後のワシントンでその事件は起こった。酒場にいたトーマス・ゲイツにふたりの男が暗号の解読を依頼した。その男のひとりがジョン・ウィルクス・ブース。リンカーン大統領暗殺犯として歴史に名を残した男だ。トーマスが暗号を解読するとそこには黄金都市シボラへの地図が描かれていた。そしてトーマスはその場で射殺されるが、彼は財宝を守るために日記のページを暖炉に投げ入れた。トーマスの末裔であるベンは、トーマスの功績がなければきょがくの軍資金が南軍に移り歴史は変わっていたかもしれないと講演をした。しかし、そんなベンの前にウィルキンソンと名乗る男が現れ、なんと日記の一部を提示したのだ。そしてトーマスこそが暗殺者の首謀だという。歴史から消えた日記には暗殺者のリストがあり、その中に確かにトーマス・ゲイツの名前が書かれている。ベンは先祖の汚名を晴らすべくふたたび冒険の旅に出るが・・・・
私評:俺の名前は歴史に残るか?・・・2007年末の超大作のひとつ。前作同様トレジャー・ハンター、ベン・ゲイツが世界を駆け巡り財宝の謎を解き明かしていきます。今回いちばんすごかったシーンはロンドンの街中でのカーチェイスです。迫力満点でした。それとこの映画のいいところはセットの中で俳優たちが本当にアクションをしているところです。CGに頼り過ぎない演出は迫力満点でした。前作から登場のニコラス・ケイジ、ダイアン・クルーガー、ジャスティン・バーサ、ハーベイ・カイテル、そしてジョン・ヴォイトは今回も大活躍。しかし、ダイアン・クルーガー嬢ってパーツが大きい割りには小顔なんですよね。いわゆるファニーフェイスで私好み。しかも、あのダイナマイト・ボディですからね〜。(どこ見てるんだ!?)今回はベンの母親役ということで「クイーン」のヘレン・ミレンが登場。彼女がまた、良い役なんですよ。何気にこの映画ってオスカー俳優が3人も出ているんですよね〜・・。監督も前作に引き続き、ジョン・タートルトーブ。
魍魎の匣  監督:原田眞人  出演:堤真一、阿部寛、椎名桔平
 2007年 日本映画

昭和27年の東京では続発する「美少女バラバラ事件」が注目を集めていた。薔薇十字探偵社の私立探偵・榎木津礼二郎は花形映画女優だった柚木陽子から娘の加菜子の捜索依頼を受ける。彼女は同級生の楠本頼子と共に消えたてしまったという。一方,小説家の関口巽は彼が世話になっている近代文藝の編集部で久保竣公という若手小説家と出逢う。実は彼は榎津の戦友で、彼に命を助けられたのだ。関口は中禅寺敦子とカストリ雑誌のカメラマン・鳥口と共にバラバラ事件を追うことに。3人は新興宗教「深秘御筥教」の存在を知る。そこでは不幸を匣に閉じ込めるという・・。榎木津と関口は中禅寺秋彦、別名「京極堂」の元で顔を合わせる・・

私評:君は結末を見れない・・・京極夏彦の名作「魍魎の匣」が映像化された。私もあの分厚い本を必死に読んだのですが、これが実にしっかりした作品であの長さがまったく苦にならなかった。しかし、この長編を130分にまとめるのはかなり大変だったと思います。しかし、今回はテンポを良くするためかキャラクターをちょっとコミカルにしているのが気になりました。そして京極堂シリーズの醍醐味である、京極堂の語りがみごとにスッパリ切り落とされてしまって、私はちょっとガッカリ。しかし、原作を読んだ人はやっぱり物足りなさを感じてしまうのではないでしょうか?でも、最後までしっかり見ることができたから、決してつまらなくはないんですよ・・・。出演は「姑獲鳥の夏」に引き続き堤真一、阿部寛、田中麗奈、宮迫博之。そして新たな布陣として、前作では永瀬正敏が演じた関口役を椎名桔平が演じます。これが嬉しい誤算ですごく合っていました。そして柚木陽子役は出演作が目白押しの黒木瞳。監督は「伝染歌」に続き失敗作を作ってしまった原田眞人。「突入せよ!『浅間山荘』事件」はまぐれだったのですね・・・。


前回の記事も読んでね〜!



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