2014/1/5

今年初のレビューですが、3作とも観たのは昨年。
今年の1本目がまだ観れていません・・・。

麦子さんと  監督 : 吉田恵輔  出演 :堀北真希、余貴美子、松田龍平
 2013年 日本映画
今週のイチ押し:小岩麦子23歳。彼女は声優を目指して専門学校の入学金をバイトでコツコツ貯めている。彼女にはパチンコ店で働く兄の憲男がいる。そんなある日、ふたりの元にふたりを捨てて出て行った母親の彩子が突然舞い戻って来る。麦子には母親の記憶がまったくない。同居を始めて間もなく憲男は家を出てしまい、麦子は彩子とふたりだけの生活を余儀なくされた。彩子の行動がいちいち癪に障る麦子だったが、声優学校の案内書を勝手に開封した彩子に対して麦子の怒りは爆発。彼女を突き飛ばし「母親とは思っていない」という冷たい言葉を投げつけた。間もなく、彩子は帰らぬ人となってしまう。彼女は末期のがんだったのだ。彩子の四十九日にあたる日、麦子は母の故郷を訪ねた。そこで彼女は母親の意外な素顔を知る・・
私評:赤いスイートピー~♪・・・「さんかく」「ばしゃ馬さんとビッグマウス」と私に衝撃を与えた吉田監督の作品。これがまた、素晴らしい映画でした。親に対しては特にかもしれませんが、周りの人に対して素直になりきれない事ってありますよね。ついつい突っ撥ねてしまう。本当は好きだったのに素直に気持ちを表せない。そしてその人がいなくなってから後悔・・・。そんな感情を真正面から描いています。また、母の知られざる、そして驚くべき過去が麦子をひと回り大人にしていく。ラストの麦子の笑顔は最高でした。本当に心温まる作品。また、作品の最後に流れる松田聖子の「赤いスイートピー」がとても印象的でした。主演はCM、ドラマ、映画と引っ張りだこの堀北真希。彼女が等身大の女子を好演!だらしないけど、どこか憎めない兄役は「船を編む」の松田龍平、そして子供たちのために常に明るくふるまい、愛情を注ぐ母はベテランの余貴美子。彼女が最高の演技をみせます。その他、温水洋一、麻生祐未、ふせえりらが脇を固めます。監督は吉田恵輔。彼の次回作「銀の匙」も絶対に観に行きます。
ハンガーゲーム2  監督 :フランシス・ローレンス  出演 :ジェニファー・ローレンス、ジョシュ・ハッチャーソン
The Hunger Game : Catching Fire  2013年 アメリカ映画
独裁国家パネムが毎年行っているハンガーゲーム。74回大会で優勝したカットニスとピータは貧しい故郷の第12地区から「勝者の村」の新居に移った。その後も、各地の凱旋イベントに引っ張りだこ。しかし、ふたりはゲームを勝ち残るために相思相愛を装ったため、ふたりの進展が常に話題になっていた。そんなある日、カットニスの元に大統領のスノーが訪れる。そこで彼はカットニスにある「警告」を告げた。実はカットニスの行為は国民の士気を高め各地で政府への反乱の気運が高まっていたのだ。そんな士気をくじくため大統領は記念すべき75回ハンガーゲームの詳細を発表する。今回は特別ルールを採用し12地区に生存するこれまでの優勝選手の中から選手を選ぶことになったのだ。第12地区で過去に優勝した女性はカットニスだけ。彼女はふたたび地獄の競技場へと戻らなければならなかった・・・
私評:勝ち続けろ・・・正直言うとハンガーゲームの1作目はそれほど面白く感じられなかった。しかし、2作目はめちゃくちゃ面白かった。アクション、映像、ドラマの深み、キャラクターの描き方、どれをとっても一級品。全米での興行は1作目の方が良かったらしいのですが、私はこちらの方が断然好きです。しかし、日本ではかなり粗末な扱い。私が観た成田の映画館では日本語吹き替えだけだし、上映回数も少ないし・・・。しかし、今回は次回へ続く・・という終わり方。ハンガーゲームの最終章は2部作になるそうです。最近こういう興行方法が多いですね。まあ、作る側の売り上げを考えれば致し方ありませんが・・・。主演は「世界にひとつのプレイブック」でオスカーを獲ったジェニファー・ローレンス。まだ、23歳ですがすでに大女優の風格。しかも、こういうアクションができるのが強いですね。1作目から続きジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース、ウディ・ハレルソン、ドナルド・サザーランド、エリザベス・バンクス、スタンリー・トゥッチ、レニー・クラヴィッツ。そして新たな布陣としてフィリップ・シーモア・ホフマン、ジェフリー・ライト、ジェナ・マローンという超豪華なキャスト。監督は今作から「アイ・アム・レジェンド」「コンスタンティン」のフランシス・ローレンス。次回作も楽しみです!
FLU 運命の36時間  監督 : キム・ソンス  出演 : チャン・ヒョク、スエ
 2013年 韓国映画
密入国労働者たちを積んだコンテナが韓国郊外の町、盆唐についた。しかし、コンテナ内にいた人々はひとりを除いて全員が死亡。しかも、生き残ったひとりは逃走してしまう。コンテナの運び屋の兄弟はコンテナ内で謎のウィルスに感染し、搬送された病院で弟は死んでしまう。彼が死亡してから24時間も経たないうちに盆唐の全ての病院に彼と同じ症状の患者が次々と担ぎ込まれ死んでいった。盆唐市での感染者はとんでもない数になり、韓国全土が恐怖に包まれた。政府は2次感染を防ぐため盆唐を封鎖することを決定。そんな中で救急隊員のジグはある事故の現場で知り合った女医のイネと、彼女の娘のミルをパニックの中で必死に守ろうとしていた。しかし、被害は想像を絶するほどのレベルに達していて、アメリカ軍は盆唐の町全体を消滅させようと攻撃の準備をしていた・・・
私評:それが僕の使命だから・・・韓国版の「アウトブレイク」ですね。しかし、韓国の映画の力にはいつも感心させられます。これだけの規模の映画を幾つも排出するのですからね。日本では無理でしょう。ストーリーは取って付けたように次から次へと被害が広がりパニックも広がっていく。そしてアクションシーンもふんだんに盛り込まれていて怒涛の2時間でした。ストーリーの中に倫理を欠くようなシーンもあるのですが、それが逆にリアル。こんなすごい映画ですが、上映館は都内で1館だけ。本当にもったいないです。主演は「僕の彼女を紹介します」のチャン・ヒョク。ひと目惚れした女性のために疾走する救助隊を好演。イネ役には「ミッドナイトFM」のスエ。気が強くてちょっと生意気なキャラが良いです!ジグの先輩でコミカルな部分を担当するが「王の男」「黒く濁る村」のユ・ヘジン。監督は「MUSA-武士-」のキム・ソンス。やっぱり、韓国映画は侮れないですね~。


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