2005/1/4

新年、明けましておめでとうございます。今年の一発目は
年越しオールナイトで見た3作品と話題の邦画です。

約三十の嘘  監督:大谷健太郎  出演:椎名桔平、中谷美紀、妻夫木聡
 2004年 日本映画
今週のイチ押し:大阪発の豪華寝台特急に4人の男とひとりの女が乗り込んできた。今は落ちぶれた詐欺師の志方、紅一点の美人詐欺師の宝田、アル中からようやく復活した若手の佐々木、頼りない新リーダーの久津内、お調子者で宝田にくっついてやってきた新参の横山。彼らは北海道でひと儲けするために久々に集まったのだ。久津内の仕切りは完璧のように思えたが・・。京都駅でひとりの女が彼らに合流した。その女、今井は前回の仕事の時に男と一緒に金を持ち去った過去があった。猛反対する宝田だったが、今井は独特のフェロモンを振りまき男たちを丸め込んでしまう。そして北海道での仕事は見事に成功。しかし、仕切りの悪い久津内に替わって横山がみんなを仕切ったのだ。帰りの列車の中で現金を詰め込んだスーツケースを眺める一行。そして彼らは「いつもの儀式」を執り行った。ひとりにスーツケースを預けるが、鍵はダミーを含めて全員が持つ。横山がスーツケース係りに、そして他のメンバーが鍵を持つことに。しかし・・・、横山が寝ている間にスーツケースが盗まれてしまう。そしてやっと見つけたケースから現金は消えていた。列車の中という密室で犯人はどうやって金を奪ったのか??詐欺師たちの騙しあいが始まった・・・
私評:私はもう一回このメンバーで仕事がしたいの・・・・この映画の見所はなんと言ってもキャスティングだ。なんだか掴み所がない椎名桔平、一人で熱くなっている中谷美紀、若さゆえに暴走しがちな妻夫木聡、いかにも優柔不断な田辺誠一、お調子者の八嶋智人、そして何を考えているのか分からない伴杏里。この6人が列車の中で、(つまり逃げ場のない密室で)もつれ合って絡み合って・・・。とにかく彼らの会話が楽しいです。彼らの言葉のひとつひとつに裏がありそうなんですよね〜。ミステリーとしての楽しみはほとんどありませんが、誰が嘘をついているのかを見抜くのは面白いかも??まあ、オチはあまり期待しないように!このメンバーの誰もが主人公で、またはまり役なんですね〜。特に私が注目したのが伴杏里ちゃん。ある意味この映画の中では中谷美紀の対極にいるのですが、良い雰囲気を持っています。彼女にだったら騙されるかも??そしてクレイジーケンバンドの軽快な音楽もこの映画の楽しみ。この映画のイメージキャラクターになっているゴンゾウは映画の中でもほとんど登場せず・・。監督は「とらばいゆ」の大谷健太郎です。
The Juon 呪怨  監督 :清水崇  出演:サラ・ミシェル・ゲラー、ビル・プルマン
The Grudge  2004年 アメリカ映画
アメリカからの留学生カレンは、医療の勉強中。ボーイフレンドが日本にいることもあり、毎日をエンジョイしていた。そんな彼女にヘルスケアの依頼が舞い込んだ。本来は日本人のヨーコが担当しているのだが、東京在住のアメリカ人ということでカレンが選ばれたのだ。さっそく、その家に向かったカレン。家にはエマという老女がひとりぼっちでいた。一通りの作業を終えたカレンは、2階の押入れの中で一人の少年を発見する。彼の名前は俊雄。介護事務所に連絡を入れたカレンはその直後に恐ろしい影に出会う。実はその家では3年前に一家皆殺しの事件が起きていて、それ以来不可思議な出来事が頻発していたのだ。そしてそれらの怪奇現象はエマの息子夫婦、やはり日本に住んでいる娘、そして大学教授のピーターにも及んでいたのだ。そして次なるターゲットとしてカレンの身の回りで奇怪な現象が起きはじめた・・・・
私評:「ワタシハ、カレン。アナタハ?」「としお〜」・・・昨年日本でも大ヒットした『呪怨』のハリウッドリメイク版。監督の清水崇が自らメガホンを握り、史上初の日本人監督作品でハリウッド興行成績1位、そして興行収入1億ドル突破という偉業を成し遂げた作品です。しかし、映画の作りは日本版のキャストをアメリカ人に置き換えただけで、ほとんどが同じ。(一部ビデオ版の呪怨のシーンもリメイクされています。)柳ユウレイが演じた「小林君」がビル・プルマン演じる「ピーター」という役に代わっているところはめちゃ笑えました。しかし、私が見たのはアメリカ公開版でレイティングの関係でエグイシーンがカットされたバージョン。日本公開版が「完全版」となるようです。こっちも見に行かなくちゃ!主演はもうアイドルとは呼べないサラ・ミシェル・ゲラー。彼女もこの作品で久々に大ヒット作の主演を務め棚ボタだったのでは?そしてオープニングでいきなり「あんなこと」をしてしまうビル・プルマン。そしてサム・ライミの弟テッド・ライミが登場。そして有名どころではクレア・デュバルが登場します。日本からは刑事役で石橋稜が参加。やはり英語がしゃべれるとこういう役が回ってきますね。伽耶子役はもちろん藤貴子、そして俊雄君は小関雄哉君が演じています。怖いけど笑えますよ!
オーシャンズ12  監督 : スティーブン・ソダーバーグ  出演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット
Ocean's 12  2004年 アメリカ映画
3年前、ラスベガスのカジノで莫大な金額の現金強奪に成功したダニー・オーシャンと10人の仲間たち。今はそれぞれ別々の生活を送っていた。しかし、カジノのオーナーベネディクトの怒りは3年経っても治まってはいなかった。彼はダニーと仲間たちを次々と追い詰め、現金とその利子を返すよう脅迫する。もし、戻せなければ彼らは蛇よりも執念深いベネディクトにより葬り去られてしまうだろう。もう、アメリカでは商売ができないと踏んだ一行が目指したのはアムステルダム。しかし、ここにはメンバーの一人ラスティのかつての恋人が住んでおり、しかも彼女は刑事だった。着々と計画を遂行する彼らの前に思わぬライバルが登場する。フランス人の貴族の彼は華麗に盗みを行い、自分がこの世の中でベストの泥棒と信じている。そして彼はベネディクトへの返済金を賭けての大勝負を挑んでくる。果たしてダニーたちに勝算はあるのか??・・・・・
私評:国内じゃ俺たち有名すぎるだろ・・・・3年前にベガスをはめた11人が帰ってきた。そっくりそのままのメンバーに、キャサリン・ゼタ・ジョーンズという強力な新入りを迎えまさに豪華スターの揃い踏み。彼らを見ているだけで十分元手は取れた気分。ストーリーは前作の方が遥かに面白いけれど、今回はアドリブとしか思えない演出に大爆笑。特にジョージ・クルーニーとブラッド・ピットの会話なんてほとんどアドリブじゃないかな?また、その会話に必死に混ざろうとするマット・デイモンがなんだかとっても可愛く見えた。(笑)ジュリア・ロバーツの登場シーンは私的には大爆笑。ここでは絶対に書けませんが、前代未聞の演出です。また、そこに登場するあっと驚く超有名人。私は完全にソダーバーグ監督の演出にやられました。ここまで笑える映画だとは・・・。前作で登場したメンバー+キャサリンの他には、フランス代表のヴァン・サン・カッセルが登場。彼のパフォーマンスにはビックリしました。ハリウッドの面々を喰ってしまいそうな勢い。やっぱりこの映画は見ておかないと・・・
ロング・エンゲージメント  監督:ジャン=ピエール・ジュネ  出演:オドレイ・トトゥ、ギャスパー・ウリエル
A Very Long Engagement  2004年 フランス映画
第1次世界大戦の最中。防空壕の泥道を高進する5人の男がいた。彼らは皆、戦場から離れるため故意に怪我をしたとされて処刑されることになっていた。しかし、司令官は彼らをフランス軍とドイツ軍の中間にある『ビンゴ』と呼ばれている塹壕に置き去りにされた。そして彼らは全滅したと思われていた・・・。そのメンバーのひとりマネクには故郷に婚約者を残していた。彼女の名前はマチルド。幼少の頃から障害を持っていた彼女に、ずっと優しくしてくれたのがマネクだった。お気に入りの灯台で互いに愛を紡いできたふたり。しかし、戦争はふたりの間を引き裂いた。マチルドはマネクの訃報を聞くが、奇蹟を信じて情報収集に奔走する。そして生き残った人々の証言をひとつひとつ組み合わせていくが、彼が死んだという決定的な証拠は見当たらない。そして今日も郵便屋が砂利を蹴散らして手紙を届けにやってくる・・・・・・
私評:私が近道を通って先に着けたら、彼は無事に帰ってくる・・・・『アメリ』のジュネ監督とオドレイ・トトゥが組んだロマンチックな作品との噂を嗅ぎつけ見てまいりました。しかし、作品のテイストは『アメリ』とはまったく違いかなり暗い物語。しかも、登場人物が多くて(しかもフランス人の名前で覚えづらい)物語を追うのがけっこう大変でした。まあ、オールナイトの3本目に見たというのもあるのですが・・。しかし、映像の端々にジュネ監督らしい遊び心が見られて、その部分はすごく楽しかったです。主演のオドレイ・トトゥは相変わらずチャーミング。しかし、彼女の作品はどうしてもアメリとかぶってしまうのです。今回は特にそれが感じられました。出演者の中でビックリなのが、ジョディ・フォスター。しかも、フランスの片田舎のオバサン役で登場します。もちろんセリフは全部フランス語。こんな所にも彼女の才能がうかがい知れます。そしてガブリエル役は「かげろう」のガスパール・ウリエル。フランス軍の隊長役でチェッキー・カリョも登場します。私はイマイチ乗り切れませんでしたが、ある意味深〜いラブ・ストーリーなのでしょう・・。 


前回の記事も読んでね〜!



I Love Movieに戻る