12月26日版

 さあ、1999年も大詰め。 ラストスパートをかけます。 今週は珠玉の名作と出会えました。
 
 

 海の上のピアニスト(The Legend of 1900)

 1999年 :  アメリカ=イタリア映画
 監督  : ジョゼッペ・トルナトーレ
 主演  : ティム・ロス、プルート・テイラー・ヴィンス、ピーターヴォーン

 1946年、今は落ちぶれたトランペッターのマックスは慣れ親しんだ
 トランペットを売ろうとしていた。最後に吹いた一曲が店主の耳に止まった。 
 その曲は・・。
 そしてマックスは伝説のピアニストについて語り始めた・・・。 
 1900年、大西洋を行き来する豪華客船ヴァージニアン号のピアノの上に
 一人の男の子が置き去りにされていた。黒人機関士に拾われた彼は1900と
 命名された。 そして彼はこの船の中ですくすくと成長し、やがて彼はピアノに目覚めた。
 そのとてつもない才能は、譜面なしで乗客たちの表情を読み取り即興で演奏をしてみせた。
 そんな彼は一度も船を下りたことがない。数々の逸話を残しながらも、陸の上では存在
 しなかったピアニスト・・。

 私評:今年も大詰めに来て、良い映画に出会えました。心に残る名作です。
 ティム・ロスが今までのイメージとはまったく違う役柄ながら、見事に演じてます。
 寡黙で人に対してはとてもシャイであるにもかかわらず、ひとときピアノと向き
 合えば超人的なまでの手腕を振るう。ちょっと変わってる主人公は、まさに彼の
 はまり役です。そしてこの話しのストーリーテラーになる、マックスを演じた
 プルート・テイラー・ヴィンスがまた良い。1900の人柄に惹かれ、また彼の音楽の才能を
 一番理解していたのは彼だったのでしょうね。二人の友情もこの物語の大きなコアです。 そして楽器屋店主のピーター・
 ヴォーンがまた、良い味を出してる。 しかし、この映画の一番の見所(?)はエンリオ・モリコーネの音楽でしょう。 
 1900が奏でるピアノ、そしてパーティで奏でられるダンスミュージック。そしてジャズ。この映画のもう一人の主演は
 音楽そのもの。 ドルナトーレ監督は「ニュー・シネマ・パラダイス」以来の傑作ですね。
 


 ペルディータ (Perdita Durango)

 1997年 :  スペイン=メキシコ映画 
 監督  : アレックス・デ・ラ・イグレシア
 主演  : ロジー・ペレス、ハビエル・バルデム、エーメ・グラハム
       スクリーミン・ジェイ・ホーキンス、ジェームス・ガンドルフィニ

 メキシコとアメリカの国境。 ペルディータは検問近くで悪魔のような邪悪さを
 持ったロメオと運命的な出会いをする。しかも、この男はたった今、銀行を襲撃
 してきたばかり。2匹の野獣が運命的な出会いをしてしまったのだ。まんまと
 国境越えに成功した二人はブードゥーの儀式を行い、死体を盗んで、切り刻む
 ショーで一儲けした。そのときペルディータの提案で生きた生贄を人々の前で
 殺すことに・・。 しかも、生贄はブロンドの白人。 さっそく若いカップルを
 拉致した。 その夜、今まさにショーが始まろうとしたとき開場は火に包まれた。
 ロメオに裏切られた男の襲撃だった。やっとの思いで逃げ出す4人。そして4人の
 旅が始まった。ペルディータ、ロメオはお互いの過去をカップルに語り始める・・。

 私評:デビッド・リンチ監督の「ワイルド・アット・ハート」でイザベラ・
 ロッセリーニが演じていた女の名前がペルディータ。この役を気に入った
 バリー・ギフォードが彼女の話しの続編を書き上げた。 それがこの映画の
 原作だという。とにかく、ビッチな女ペルディータとぶっちぎれた男ロメオの
 コンビが良いです。本当にアブナイ映画です。そして妙にインパクトが強い脇役たち。
 特にロメオを執拗に追いまわす麻薬捜査官ウッディがすごい。車に跳ねられても車で突っ込んでもターミネーターのように
 起きあがってくる。後は捕らえられたカップルの女の子のエーム・グラハム。彼女はオースティン・パワーズのヘザー・
 グラハムの妹。 どうりで可愛いわけだ。 私はノリノリで見てたけど、けっこうスプラッターなシーンもありますので
 ご注意を・・。

 ターザン(Tarzan)

 1999年 :  アメリカ映画 
 監督  : ケビン・リマ、クリス・バック
 主演  : ターザン、ジェーン、ターク・・・・

 嵐の海で難破した船からかろうじて逃げ出した夫婦と赤ん坊がいた。彼らは
 アフリカに流れ着きそこで暮らしを始める、しかし・・・。 その頃、ゴリラ
 の群れでも悲劇が起きた、ヒョウのサボーによって子供を奪われたのだ。落ち込む
 母親ゴリラのカーラは移動の途中で赤ん坊の泣き声を聞く。そこにはやはりサボーの
 犠牲になった人間の夫婦の死体が・・。しかし、赤ん坊は無事だった。カーラは彼に
 ターザンと名付けゴリラの群れの中で育てることにした。すっかり成長したターザンは
 今や群れの中でも英雄となって行く。憎きサボーも彼の手によって葬られた。
 そんなある日、彼は人間の女性と出会う。 初めて会う人間に戸惑いながらも
 興味を抱いていくターザン。彼女たちはゴリラの研究のためにこの地を訪れたのだった。

 私評:やっぱり・ディズニー映画は大人が見てもオモシロイ。あのスピード感溢れる
 画面は実写では到底不可能な世界を垣間見せてくれる。まあ、それがアニメの面白さ
 なんだけど。 私はこの映画を吹替えで見ました。 金城武の吹替えは良かったんじゃ
 ないかな。でも、フィル・コリンズの主題歌をV6の坂本君が日本語にして歌っているので
 吹替え版ではフィルの歌声は聞けません。これはかなりショックだった。
 キャラクターの中ではジェーンが良いですね。こんなお転婆なヒロインはディズニー映画
 始まって以来?? 88分と時間が短いのも子供のことを考えているんでしょうね。


 ラスベガスをやっつけろ(Fear and Loathing in Las Vegas)

 1998年 :  アメリカ映画 
 監督  : テリー・ギリアム
 主演  : ジョニー・デップ、ベニシオ・デル・トロ、クリスティーナ・リッチ

 ライターのラウルと弁護士のゴンゾーはオープンカーでラス・べガスを目指して
 ぶっ飛ばしていた。 とにかく暇さえあればドラッグでトリップしている二人。
 道中も次々とドラッグを体に叩き込み混沌としていた。彼らの目的はバイクレース
 の取材。しかし、ベガスに着いた彼らはホテルのスイートに泊まり暴れまくる。
 取材などそっちのけで、狂気の世界をさ迷い歩く彼らの本当の目的とは一体なんだ? 

 私評:とにかく疲れました。 モンティ・パイソンみたいに30分くらいなら
 どんなにはちゃめちゃでも笑っていられるけど、こんなドラッギーな映像を
 永遠と見させられるとさすがに疲れる。奇想天外と言うよりやっぱり変だよこの映画。
 でも、ジョニー・デップの頭は笑った。最初に見たときは椅子から落ちそうだった。
 キャメロン・ディアズ、C・リッチもおいしい所で出演。 そこだけはばっちり見ました。
 しかし、女性のなかでは場末のカフェのウエイトレス役のエレン・バーキンが良かった。
 いまだにめっちゃスタイルが良い〜。 ちょっとキャメロンに似てるな〜と思ったのは
 私だけでしょうか? でも、もうこの映画はけっこうです・・・。 
 



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