2002/12/16号

やっぱり、すごかった「ギャング・オブ・ニューヨーク」!!私は大好きな映画です。

ギャング・オブ・ニューヨーク  監督 :マーチン・スコセッシ  出演:レオナルド・ディカプリオ、ダニエル・デイ・ルイス
Gangs of New York  2002年 アメリカ映画
今週のイチ押し:1846年のニューヨークでは、アイルランド系のデッド・ラビットという一派ととイタリア系のギャング組織が対立していた。幼少のアムステルダム・ヴァロンは、デッド・ラビットのリーダーである父親を敵のボス、ビリーに目の前で殺された。アムステルダムは投獄され、復讐を誓いながら15年の歳月が過ぎた。そしてついにアムステルダムがNYに帰ってきた。しかし、そこは仇のビリーの組織に仕切られ、悪行が横行していた。そこで出会ったのが幼少のアムステルダムを救ってくれたことがある青年ジョニー。ビリーの組織の下で働いていたジョニーはアムステルダムをビリーに紹介し、 彼はまんまと組織への潜入を果たした。しかし、ビリーの元で働いているうちに、彼に対して不思議な感情が湧き出てくるのだった。ある日、アムステルダムはジェニーという女に出会い、次第に惹かれていく。そしてジェニーも。しかし、彼女に恋をしていたジョニーはアムステルダムを裏切り、ビリーに彼の素性をばらしてしまう・・・・
私評:俺はあの牧師を尊敬していた。いまだに奴ほどの男には出会っていない・・・公開が延期されついに一年以上も待たされたこの映画。しかし、それだけの大きな期待を受けながらも、思い切り応えてくれる映画でした。これはアクション映画、ラブ・ストーリーと歴史ドラマというバックグラウンドを持った、男同士の絆の映画です。本来なら悪役で憎い存在であるべきなのに人間臭くて、しかも悲しい男を演じたダニエル・デイ・ルイスが最高でした。そしてラストは泣けました〜。こんなに可哀想な敵役がかつていたでしょうか?そして主演はディカプリオ。彼はやはりカリスマ性がありますね。しかし、この映画では完全にダニエル・デイ・ルイスに食われてしまってました。ヒロインはキャメロン・ディアス。予告編で見る限り、彼女とディカプリオも合わない感じがしたし、時代背景と彼女も合わない様な気がしたのですが、物語にぴったりと収まっていました。さすが!!その他にもリーアム・ニーソン、ジム・ブロードベンドのオスカー男優たちに「ET」のヘンリー・トーマス、ジョン・C・ライリーら個性派揃い。しかし、やはり私が評価するのは監督のスコセッシです。やはり、悲しい男の映画を撮らせたら右に出るものはいませんね。2002年も最後に来ていい映画に出会えて幸せでした・・・・。
 
水の女  監督:杉森秀則  出演:UA,浅野忠信、HIKARU
Mizu No Onnna  2001年 日本映画
今週のイチ押し:雨女の清水涼は結婚式の前日にフィアンセと父親を同時に亡くしてしまった。その日もすごい雨だった。傷心旅行から帰った涼は、彼女の家の中で一人の男を見つけた。こ汚い格好の男だった。彼は風邪を引いていて一晩の看病をして帰すつもりだったが、涼はなぜか彼の後を追ってしまう。すると、彼は「火を見ることが好き」な男だった。涼の家は銭湯を営んでいるためボイラー係として、彼を家に置くことにした。それは水の女と火の男の出会いだった。ふたりは不思議なハーモニーで共同生活を続けていく。しかし、ある日警官が貼りに来た指名手配の写真の中に、放火犯の彼の顔が・・・・
私評:「いつまでもおったらええやん。ずっと・・・。」「うそや。ずっとなんてこの世にあらへん」・・・不思議な雰囲気を持った映画でした。それは主演のUAと浅野忠信が紡ぎだす不思議なハーモニーなのです。それがまた、とても気持ちがいい。この映画の一番の見所はやはり主演のUA。彼女ってなんか動物的でもあるし、植物的でもあるのですが、逆にどちらにも属さない不思議な、それこそ「もののけ」のような存在に思えた。だから、彼女が何かするたびに雨が降るということにすごく真実味が沸くんですね。しかし、UA自身もすごい雨女らしく、雨のシーンが多いこの映画のために、かなりの雨を降らせたらしいです。(実際、彼女はコンサートツアー中、LAでも雨を降らせたらしい・・)また、相変わらずボーっとしている浅野もこの不思議女にはピッタリのパートナー。そこにまた、怪しいキャラクターたちが合いまみれ、どんどん不思議ワールドへと引き込まれていきます。また、すごく美しい映像の数々も要注目です。私は二人が風呂の中でもつれ合いながら抱き合うシーンがすごく好きです。私がこの映画を見に行った当日は監督のトークショーがあり、この映画の裏舞台なども聞くことができました。映画をご覧になった方には、ぜひ聞いてもらいたい事が・・・???
スパイダー・パニック  監督:エロリー・エルカイェム  出演:デイビッド・アークエット、カーリ・ワラー
Eight Legged Freaks  2002年 アメリカ映画
アメリカの片田舎のハイウェイをアルマジロが横切った。それを避けようとしたトラックの荷台から有害物質を詰めたドラム缶が転げ、その下の池へと落ちた。池の近くでたくさんのクモを育てているジョシュはその池の虫をクモに食わせると成長が早いことに気づく。しかし、どんどん巨大化するクモの一番最初の犠牲者になってしまう。そしてクモはジョシュの家から逃げ出してしまう・・。数日後、町は巨大なクモの大群に襲われる。ジョシュの友人でありこの街の女性保安官サムの息子でもある少年、マイクはこの事態を早くに察知するが誰も取り合ってくれない。しかし、とんでもない数のクモの大群を目の前に町中がパニックに陥る。数日前にこの町の戻ってきたクリス、そして保安官助手ピートらとともに町のモールへと逃げ込むがクモの大群は続々とモールへと集まってくる・・・。
私評:「これはエイリアンの襲来だ〜!」「だから、違うって言ってるだろう!クモだよ!!」すごい!こんなおバカなことにこれだけの金と技術をつぎ込むなんて・・。これはA級映画のスタッフたちが精魂込めて作ったB級映画。本当におバカです。ストーリーなんか見え見えだし、オチまで読めちゃうのですがそれでも笑わせてくれるのです。私がこういう映画を表現するときに「IQの低い映画」って言いますが、まさのその通りの映画。だから、このバカさを笑い飛ばせない人にはオススメできません(笑)。主演は「スクリーム」のデューイ保安官助手のイメージのまんまのデイヴィッド・アークエット。彼のキャラってこんなはずじゃなかったのに・・。そして私の目を惹きまくったのが「バーバー」のスカーレット・ヨハンセン。こんな映画にも出ちゃうんですね〜。しかも、メッチャかわいい〜!!ゴースト・ワールドの時には隣にソーラ・バーチがいたから気づかなかったけど、彼女って・・・???私は大好きな映画で〜す。 
ブラッド・ワーク  監督・主演:クリント・イーストウッド  出演:ジェフ・ダニエルズ、アンジェリカ・ヒューストン
Blood Work  2002年 アメリカ映画
FBIのプロファイラー、テリーは、ある事件で犯人に挑発されていた。「俺を捕まえてみろ!」そしてその現場に残されたなぞの数字の羅列。しかし、現場の外にいた男が犯人だった。ひとり犯人を追うテリー。しかし、追跡の途中で彼は心臓発作を起こし犯人を取り逃がしてしまう。しかも、彼は病のためFBIを引退してしまう。2年後、テリーの心臓のドナーが現れ、無事に手術を終え、術後も順調だった。そんな彼の前に一人の女が現れる。彼女の姉が殺され、しかもその姉の心臓がテリーに移植されたのだった。不思議な縁を感じたテリーはひとり調査に乗り出す。調査を進めていくと、彼女の姉を殺した犯人と同一犯の犯行が以前にあった。しかも、二人の被害者には意外な共通点があった・・・・
私評:この数日間の調査で、自分の中で失くしていた何かを取り戻したような気がする・・・クリント・イーストウッドって70歳過ぎているんですよね。しかし、相変わらずの若々しさに脱帽。まあ、70過ぎてラブシーンができるのは役者冥利に尽きるかも??映画はどうかというと、実にわかり易い映画です。被害者の共通点、犯人の目論見、そして謎の暗号もすぐに分かっちゃいます。でも、面白いのはクリント・イーストウッド監督の演出なんですね。こういう映画にありがちな複雑怪奇な映画にはせず、本当にわかり易く作っているんですね。しかも、編集がうまいので映画自体にすごくリズム感があって話が良いテンポで進んでいきます。また、イーストウッドの良い所は「俺様バンザイ!」的な作りを表に出しているところ。でも、それは決して嫌な意味ではなく彼の映画ではそれが良い方に作用しています。だから、この映画を見ていてもすごくイーストウッドがかっこよく見えるんですよ。まあ、色々とツッコミもしたくなる作品ですが、私は好きです。あと、この映画を見ていて思ったのですが、ミステリー映画の中で登場人物がキーワードを言うときに字幕として活字にしてしまうと、バレてしまうことってないですか?この映画の数字の暗号なんか、まさにそのジャンルだと思います。共演はジェフ・ダニエルズ。こんなフニャフニャした役はお手の物ですね。そしてテリーの主治医はアンジェリカ・ヒューストン。やはり、こういう役者が一人いると映画自体がビシッと締まりますね。 

もうひとりいる  監督:柴田一成  主演:佐久間信子、世那、河辺千恵子
Mou Hitori Iru  2002年 日本映画
グラビア撮影のため廃校にやってきた撮影班。モデルは瑞貴、摩耶、そして有香の3人。撮影中、瑞貴は彼女たちのマネージャーの井坂が「もうひとり」いることに気づく。そして井坂は歪んだ顔で後者から飛び降り死んでしまう。その時、スポンサーの諏訪がつぶやく。「もうひとり」の自分に出会うと、その人は死んでしまうと・・。井坂は「もうひとり」の自分を見てしまったのだ。続いて瑞穂は、「もうひとり」の衣装係の倉橋も見てしまう。倉橋、諏訪、そしてカメラマンの山崎と次々と犠牲者が出る中、ついにターゲットは3人の少女たちに・・・・
私評:それってドッペルゲンガーでしょう??・・・・もうひとりの自分=ドッペルゲンガーに殺されていく人たちの映画です。これは元々ビデオ用に撮られた作品なので、デジカメを使用し、しかもめちゃめちゃ低予算で作られています。ですから、劇場公開されているけど、ビデオ上映です。しかし、この映画の注目は監修を清水崇が務ていること。(彼は呪怨の監督です)そして人気上昇中のヤングアイドルの3人が登場していること。そのため劇場は"いかにもその女の子たちのファン組”と”いかにもホラー映画ファン組”に分かれていました(笑)。私は一応、後者です(笑x2)怖さはそれほど感じられませんでしたが、なかなか良くできた作品でした。でも、これが昼間の出来事じゃなくて夜の出来事だったらもっと怖かったのに。多分、照明のお金をケチったんでしょうね・・。左の写真にもあるとおり、ドッペルゲンガーに狙われると、顔がグニャーと歪んでしまうんです。ここで警告。「もうひとり」の自分にあってもそれを傷つけてはいけません。答えは映画の中に・・・。


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