今回は邦画が多い!とにかく面白い作品が目白押しなんですよ。
日本人にとってはとても嬉しいことですね。
トリック 劇場版 | 監督 :堤幸彦 | 出演:仲間由紀恵、阿部寛、伊武雅刀、山下真司、芳本美代子 | |
TRICK | 2002年 日本映画 | ||
今週のイチ押し:ある日、売れない手品師の奈緒子は糸節村の青年団に「私たちの村に来て神様を演じて欲しい」と依頼される。生活も逼迫していた奈緒子は、報酬に釣られ、即了解した。また、上田の身の上にも事件が起きていた。同窓生の一人が宴会の席で何者かに殺されたのだ。彼のダイング・メッセージは「トイレツマル」・・・徳川の埋蔵金を探していた彼のメッセージは宝の在り処を告げるメッセージか?その場に居合わせた官僚たちは全国トイレ水洗化計画を打ち出す。糸節村についた奈緒子の前には、神と名乗る3人の男がいた。村人たちは本物の神を見つけるため、4人の神に戦いをさせるが・・・ |
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私評:お前らのやってることは、全部すべてまるッとどこまでも、お見通しだ!・・って誰もいないか・・・・・TV版を見たことがない私は一抹の不安もあったのですが、映画の初っ端からすっかりこの映画のペースに乗せられてしまった。カメラの中心で演技をしている主人公たちの後ろで、バカな事をやってるヤツらいるんですよ。これが爆笑。しかし、そんなおバカなシーンばかりではなく「トイレツマル」の謎解きや、数々の隠しネタには唸らされた。手品のトリックなんかも私にはとても興味深かったです。しかし、この映画の一番の見所は仲間由紀恵です。「リング0」で貞子をやってた頃は、演技も下手くそだったけど今や押しも押されるぬ人気女優。この映画の中ではかなりコメディエンヌの要素が多いのですが、すごく「間(マ)」が良いんですよ。その辺りは吉本軍団から学んだのかな??阿部寛は相変わらずの怪演。こういう役をやらせたら右に出るものはいませんね。この二人の掛け合いには笑わせていただきました。そして彼らを取り巻く脇役も超豪華。神様1号から3号が竹中直人、ベンガル、石橋蓮司というチョー怪しい面子。そして村長役の伊武雅刀がまた良いんですよ。事件のオチは、まあまあでしたが私はこの映画の持つ雰囲気に惚れました。TV版もぜひ見てみたいです。ところで、この映画の中で見せちゃいけないシーンにボカシ(?)が入るのですが、あれって「溺れる魚」でも同じ手を使ってましたね。このシーンは大爆笑でした。 | |||
バースデイ・ガール | 監督:ジェズ・バタワース | 出演:ニコール・キッドマン、ベン・チャップリン、ヴァンサン・カッセル | |
Birthday Girl | 2002年 アメリカ映画 | ||
真面目なだけが取り得の銀行マンのジョンは、インターネットでロシア人の花嫁探しをした。そしてついにナディアという女性とご対面。空港で出会った彼女はゴージャスな美女。しかし、彼女は英語がまったく話せなかった。仕方なく断ろうとしたジョンだったが、従順な彼女にすっかりメロメロになってしまう。そんなある日彼女は今日が自分の誕生日だと告げる。二人だけのパーティ・・・のはずだったが、彼の家に二人のロシア人の男がやってきた。一人はナディアの従兄弟だという。しかし、ある事件が元でジョンはその片割れを怒らせてしまう。暴れまくりしかもナディアを虜にされたジョンは自分の勤める銀行から9万フランを盗み出し指名手配になってしまう・・・・。 | |||
私評:「君はキリンか?」「イエス!」・・・・やっぱりニコール・キッドマンは最高です!!もう、彼女が出ているだけでイチ押し(爆)。だけど、それだけじゃないですよ。この映画はなかなか凝った作りになっています。予告を見た限りはこの映画はミステリーだと思っていたのですが、これはコメディーです。あたふたしてばかりのベン・チャップリンが笑わせてくれます。そして2転3転するストーリーもなかなかのものです。ミステリーとしては穴が多すぎるので、その辺りは目をつぶるように!(笑)しかし、ビックリしたのがこの映画の中では二コール、ヴァンサン、そしてマチュー・ガソヴィッツの3人はほとんどセリフがロシア語なんですよ。私はロシア語はまったく分からないので上手い下手は分かりませんが、フランス人の男優2人とオーストラリアの二コールがロシア語のセリフばかりというのもすごいです。でも、そうでないとこの映画は成立しないのですが・・・・やはり、この映画の一番の見所は二コール様。とにかくチャーミング。最高です。そして最近だと「完全犯罪クラブ」で見かけたベン・チャップリン。お人好しで小心者のイギリス人を好演!そして先日見た「アレックス」でも大暴れをしていたヴァンサンがこの映画でも大暴れ。(でもアレックスが凄過ぎたので、この映画では大人しいもんです)そして「アメリ」のマチューも良い演技を見せます。オチは・・・まあ、あまりつっ込みを入れないように。二コール様を拝みに行きましょう。 | |||
たそがれ清兵衛 | 監督:山田洋次 | 出演:z真田広之、宮沢りえ、吹越満 | |
Tasogare Seibei | 2002年 日本映画 | ||
幕末。庄内地方の小藩の下級武士井口清兵衛は妻に先立たれ、幼い娘二人とボケてしまった母親と慎ましく暮らしていた。彼は城での仕事が終わると、すぐに家に帰ることから「たそがれ清兵衛」と呼ばれていた。そんなある日、かつてから清兵衛が思いを寄せていた幼馴染の朋恵が嫁ぎ先から戻ってきた。酒乱の元夫との果し合いで彼を討ち取った清兵衛は上意討ちの討ち手として清兵衛が選ばれる。お上の命には逆らえず、任を引き受けた清兵衛だったが、家族のためにも、そして愛する女のためにも死ぬわけにはいかなかった。しかし、相手は一刀の達人。果たして勝負の行方は・・・・・。 | |||
私評:お前がた、おかはんがいねと寂しいか? おとさんがいてはるさけ、寂しくね・・・・・山田洋次って監督は本当にすごいですね、徹底的にリアリティーを追求すると時代劇はきっとこうなるんでしょう。しかし、時代劇の面白さはもちろん、一個の人間の味わいが実に上手く描かれています。飽食の現代に生きる私たちは、小さな幸せを忘れているのかもしれませんね。小さな幸せを噛みしめて生きるのもとても素敵なこと。それは清兵衛にとっては「家族と笑顔で過ごす毎日」を送ることだったのですね。腕も立つ、頭も切れる男が出世も功名も求めず、娘たち、そして愛する女と暮らした日々は、彼にとっては何物にも替えられない大きな大きな幸せだったことでしょう。こんな不器用な生き方もすごくカッコイイですね。清兵衛を演じるのは、まさに適役の真田広之。人柄までもが清兵衛といった感じですが、ラストのすごい斬り合いの迫力はやはり元JACの彼ならではの運動神経のよさが求められる。清兵衛を演じられるのは彼以外は考えられない。そして清兵衛の幼馴染の才女は宮沢りえ。彼女は本当に良い女優になりましたね。もちろん、美しい。だけど、その美しさを引き立たせる見事な演技力を持っています。山田監督の真骨頂、ここに見たり! | |||
AIKI | 監督:天願大介 | 出演:加藤晴彦、ともさかりえ、火野正平、石橋凌 | |
AIKI | 2002年 日本映画 | ||
ボクサー志望の青年、太一はオートバイの事故で脊椎を損傷し下半身不随になってしまう。それはボクサー生命を絶たれることでもあり、これからは一生車椅子での生活を送ることでもあった。すっかり自暴自棄になった太一は自殺を考えるが、同じ病室の常滑に制される。「とりあえず、一年生きてみろ」と。辛いリハビリを終え、退院をした太一だったが世間は障害者には冷たかった。まずますぐれて行く太一は、ある日、神社の境内で行われる古武術の奉納演武で合気柔術を見て驚く。向かってくる敵をいとも簡単に放り投げるさまに、底知れぬ魅力を感じたのだ。その日から、彼の修行の日々が始まった・・・。 | |||
私評:「人生は生きている限り修行です」・・・・実際にこの映画を見るまではあまり期待しておりませんでした。「AIKI」??何じゃそりゃ??ところが見始めたらめちゃ面白い映画でした。前半は事故のショックで生き甲斐を無くし、無茶なことばかりする太一が痛々しい。でも、もし自分だったら・・・。考えたら自分も同じことをするかも??しかし、人との出会いはそんな彼の心を少しずつ解きほぐして行く。病院で知り合った車椅子の先輩、常滑。彼を演じるのは火野正平。ぶっきら棒な役は彼には向いてますね!そして太一を気に入り、やたらと手を差し伸べる的屋の親分は桑名正博。これもまた、適役です。そして太一にAIKIを教える師匠役は、普通のサラリーマンがめちゃ似合う石橋凌。そんな豪華な脇役人に囲まれて加藤晴彦とともさかりえが生き生きと演技をしています。ともさかは別として(笑)加藤晴彦はすごく良いですね。彼は今後の映画に期待したいです。映画のエンドクレジットで実際に車椅子で合気道をしている青年の映像が入りました。そして極めつけはAIKIを遣うおじいちゃんがあっという間に10人くらいの男たちを、転がして束ねてしまうシーンも登場。ちょっと信じられないのですが、このシーンは必見でしょう。そしてチョイ役で登場する永瀬正敏、田口トモロヲ、佐野史郎らもお見逃し泣くなく! | |||
ラスト・キャッスル | 監督:ロッド・ルーリー | 出演:ロバート・レッドフォード、ジェームズ・ガンドルフィーニ | |
The Last Castle | 2002年 アメリカ映画 | ||
伝説の陸軍中将アーウィンは輝かしい戦歴を誇る軍人のヒーロー。ところがある出来事のため軍法会議にかけられ軍刑務所に収監されてしまう。 刑務所長ウインター大佐は囚人たちを管理するため二に非道な手段を用いていた。戦場の英雄アーウィンとて例外ではなく、それまでの地位も名誉も剥奪されてしまう。しかし、その真摯な姿は囚人たちの心を打ち、やがては尊敬へと変わっていく。囚人たちはアーウィンの元で忘れていた軍人魂を呼び起こされ、そして最高の指揮官の下にいることの素晴らしさを噛み締める。しかし、そんな状況をウインターが喜ぶわけもなく囚人に対して手ひどい仕打ちを施した。そしてついに、アーウィンの元で囚人たちは反旗を翻す・・・ |
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私評:これは戦場に出なかったものができるコレクションだ。戦場を知っているものはには苦痛でしかない・・・ロバート・レッドフォードはやはりすごい。まさにカリスマ。彼の行動、言動が次々と囚人たちの心を動かしていく。しかし、これは囚人たちが元軍人であったというところがミソです。彼らにとってアーウィンは伝説のヒーロー。そのヒーローのヒーローたる姿を目の当たりにして男たちは彼に追従していくのです。こんな役を演じられるのはハリウッド映画界の重鎮のレッドフォードならでは。実際、撮影場でも監督をはじめ多くのスタッフ・キャストがレッドフォードとの共演に興奮し、そして彼の偉大さに屈服したらしい。それゆえこの物語が一際真実味を帯びてくるんですね。囚人たちが最初にアーウィンに惹かれる、あるエピソードはどうって事ないシーンなのですが、レッドフォードが演じると一味違うんです。もう、ひとりこの映画のキーになるのは憎き(?)刑務所長を演じるジェームズ・ガンドルフィーニ。彼もアーウィンに憧れていたのですが冒頭に書いた台詞が、彼の中の何かを壊してしまうのです。考えてみれば彼も可哀想な男なんですよ。このジェームズは「ザ・メキシカン」の時の心優しい誘拐犯とはまったく逆のキャラでした。その他にも男臭い面子が大集合。監督は「コンテンダー」の監督です。 | |||
セレンディピティ | 監督:ピーター・チェルソム | 主演:ジョン・キューザック、ケイト・ベッキンセール | |
Serendepity | 2001年 アメリカ映画 | ||
数年前・・クリスマスも近いNY。恋人へのプレゼントを探しにデパートにやってきたジョナサンは偶然、同じ手袋を同時に選んだ女性をみてときめいてしまう。意気投合した二人はデパートの近くの「セレンディピティ」という店で語らう。この店の由来は「偶然のアクシデント」。まさに二人の出会いは「セレンディピティ」だった。デートも後半に差し掛かり、彼女の名前と電話番号をメモしてもらうが、運命のいたずらか通りすがりの車が巻き起こした風がメモを吹き飛ばしてしまう。これもセレンディピティ??彼女は自分が持っていた本に名前と電話番号を書き翌日どこかの古本屋に出すという。その本がジョナサンに渡れば、二人の出会いは運命だと。しかし、月日は無常にも流れていく・・・ |
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私評:NYのこの時間が好き・・・・運命の人って本当にいるのかも?そんな夢を持たせてくれる映画です。あまりに都合が良すぎるかもしれないけど、そこは映画なんですから目くじら立ててこき下ろすのも大人気ない。一時、夢の世界を見られて私は大満足でした。こういうラブストーリーの舞台はやっぱりNYなんですね。そんな恋の魔法があってもおかしくない街。これが浅草だとちょっとイメージが合わない。(笑)Xマスの賑わう街角、イルミネーション、そして舞い散る雪と恋のお膳立ては完璧!そして登場する主人公たちが二人とも私のお気に入りなので、よけいに楽しめたと思います。ジョン・キューザックはあのダメ男ぶりが好き。でも、今回は運命を信じひたすら彼女を追ういじらしさが良かったです。相変わらず、ちょっとお調子者なところがまた、良いんですね。ヒロインのサラはケイト・ベッキンセール。私はけっこう彼女が好きなんですよ。イギリス女性の高貴さを称えたあの笑顔が良いんですよ。私は彼女にもメロメロでした〜。 | |||
マッスル・ヒート | 監督:下山天 | 主演:ケイン・コスギ、哀川翔、加藤雅也、橘美里 | |
Muscle Heat | 2002年:日本映画 | ||
香港マフィアが台頭し無法地帯となった近未来の東京。この街に降り立ったジョーは元米国海軍の特殊部隊に所属していた。彼は日本の公安官の特殊任務についていた。彼のパートナーの桂木と首尾よく犯罪組織の黒幕とされる黎建仁を追い詰めるが、黎には逃げられ、桂木は彼らに捕まってしまう。そして桂木は地下の格闘場=マッスルドームに立たされた。そこは夜毎格闘家たちが命懸けで戦うリングだった。相手は特殊な薬を使い筋肉を増強した怪物。ジョーは桂木を追いマッスルドームへと向かうが・・・ |
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私評:Are you ready to die??・・ケインが主役なのですが脇役の哀川翔、加藤雅也がすごく良くて、彼らにばかり目が行ってしまった私。(笑)でも、ケインのスタントなしのアクションシーンはすごいです。これを演じられるのは彼だけかも??荒廃した東京の街もすごく雰囲気が出ていました。しかし、やはり一番の見所はマッスルドームでの格闘シーンです。ど迫力の対決シーンは息を呑む迫力でした。アクションだけを楽しむならこの映画はもってこいです。最後のケインと加藤雅也の対決シーンを「ストリート・オブ・ファイア」のマイケル・パレとウィレム・デフォーの戦いを思い浮かべあのは私だけではないはず?? | |||