2002/11/04号

映画祭期間中も新作映画は逃しません!
今回のイチ押しは文豪デュマの傑作中の傑作と、ど迫力のアクション映画です。

モンテ・クリスト伯  監督 :ケヴィン・レイノルズ  出演:ジム・カヴィーゼル、ガイ・ピアース、リチャード・ハリス
The Count of Monte Cristo  2002年 イギリス・アイルランド映画
今週のイチ押し:1800年代、皇帝ナポレオンが捕らえられエルバ島に流された。商船ファラオン号の乗組員のエドモンと伯爵の息子フェルナンはこの島を訪れた。船長が病にかかり助けを求めてやって来たのだ。ここでエドモンはナポレオンから一通の手紙を預かる。しかし、マルセイユに戻ったエドモンはこの手紙が元で囚われの身となる。彼を陥れたのはなんと親友のフェルナンだった。エドモンはイフ城という孤島の監獄に入れられてしまう。彼はここで絶望を知るのだった。しかし、ある日彼の独房の床から一人の老人が現れる。彼の名はファリア司祭。ひたすらトンネルを掘り、脱獄を試みていたのだ。エドモンは司祭のトンネル堀りを手伝う傍ら、彼からさまざまな教育を受けた。しかし、不幸な事故で司祭は死亡。しかし、その隙を狙ってエドモンはついにこの島を脱出する。そして司祭が残した財宝の地図を元に、彼はモンテ・クリスト伯として生まれ変わる。そして復讐の鬼と化した彼は、フェルナンが住むパリを目指す・・・・・
私評:もう、私は神を信じない・・・フランスの文豪アレクサンダー・デュマの名作の映画化です。「岩窟王」の名前でも知られるこの物語は本では何度も読んでいたのですが、映像を見るのは初めてでした。しかし、原作の面白さを損なうことなく素晴らしい作品に仕上がっていました。とにかく金が掛かってます。モンテ・クリスト伯が初めてパリの人々の前に登場するシーンなんてめちゃ豪華です。そして衣装、料理、そして豪華な部屋のセット、帆船など、映像の見所もいっぱい。そして剣での決闘シーンをはじめ、アクションもたくさん見られます。しかし、何より素晴らしいのが演技陣です。主演はジム・カヴィーゼル。とらわれる前の彼は「エンジェル・アイズ」の時みたいに純真できれいな目をしていたのに、モンテとして復活した彼の目は野望と憎悪で別人のようでした。フェルナンを演じるのは「メメント」のガイ・ピアーズ。彼が憎憎しい役を見事に演じています。そしてエドモンの最愛の女メルセデスは新人のダグマール・ドミンクス。高貴な雰囲気はこの役には適役でした。そして司祭役は先日惜しくも他界したリチャード・ハリス。これが彼をスクリーンで見る最後の作品かと思うと寂しいですね。監督は「ウォーター・ワールド」「ロビン・フッド」などで、悪名高い(笑)ケヴィン・レイノルズ。この映画は素晴らしいけど、興行成績はどうなんでしょうね・・
トリプルX  監督:ロブ・コーエン  出演:ヴィン・ディーゼル、アーシア・アルジェント
xXx  2002年 アメリカ映画
国家安全保障局(NSA)はプラハを拠点にするテログループ”アナーキー99”に手を焼いていた。今まで派遣した諜報部員はことごとく殺されてしまった。担当官のギボンズは新しいタイプの情報部員が必要だと考えていた。それは毒を制するのは毒が必要だということ。相手がワルならこちらもワルを。そして彼が目をつけたのはスタントシーンをビデオに撮りネット販売をするザンダーだった。しかし、彼が重ねた悪事も数え切れない。協力をすれば今までの罪は語和算にするという条件で、さっそくザンダーはプラハに乗り込む。信じられないような手口でどんどんとテロのリーダーに近づいていくザンダー。しかし、ついに彼の正体が敵に暴かれてしまう・・・・。
私評:俺は情報部員なんだ・・・・、うっそでしょう・・・??・・・いやはや、すごい映画に出会いました。とにかく最初から最後までアクションシーンのつるべ打ち。しかも、その合間も笑いで繋いでいくので2時間以上ある映画が全然長く感じません。オープニングでのいきなりのカーチェイス&大ジャンプ、スカイダイビング、雪山での大滑走、・・・とにかくど迫力のアクションシーンが次々と登場します。しかも、スタイリッシュなんですよ。007の不良版とでもいう感じですね(笑) また、情報部員の秘密兵器の数々も面白いですよ。私はあの透視双眼鏡が欲しい・・・。主演のヴィン・ディーゼルは「ワイルド・スピード」「ピッチ・ブラック」「プライベート・ライアン」と出演作のすべてですごい印象を残してきました。そんな彼が満を持しての主演作。とにかく彼の魅力が200%全開です。ヒロインは私が崇拝するホラー映画監督ダリオ・アルジェントの愛娘アーシア・アルジェント。意外や意外、彼女がはまり役でこの映画の盛り上げに一役買ってます。そしてザンダーの力を見出すNSAの情報部員がサミュエル・L・ジャクソン。すでに、この映画はパート2の製作が決定しているとのこと。もっと、パワーアップした作品を期待してますよ。
 
スコルピオンの恋まじない  監督・主演:ウディ・アレン  出演:ヘレン・ハント、シャーリズ・セロン
The Curze of the Jade Scorpion  2001年 アメリカ映画
1940年、NY。保険会社の調査員のCWは昔ながらの手法で会社に貢献してきた。ところが、今度会社に入社したベティ・アンは最新のシステムを取り入れ、会社の改革を掲げていた。そんな二人はいつもぶつかってばかり。ある日、同僚の誕生パーティの席で二人は催眠術のショーの舞台に上がった。魔術師の催眠はあっという間に二人を操り、キーワードを唱えると犬猿の仲だった二人が愛の言葉を交わし始める。翌日からは元の犬猿の中に戻った二人。そんなある日、二人の保険会社がセキュリティー機械を設置した富豪の家が強盗に襲われた。CWは自ら犯人逮捕に乗り出すが、事件のあったその夜の記憶がない・・・・・。
私評:コンスタンチノープル!・・・・・・ウディ・アレンのファンにはたまらない映画ですよ。なんたってどこを切ってもウディ・テイストでいっぱいだからです。オープニングのクレジットでパチパチとノイズの入るレコード音楽が流れ、すでに気分は40’s。そしていつものごとく、まくし立てるウディの真骨頂。そして彼を向こうに回し、負けないくらいまくし立てるのがヘレン・ハント。彼女は元々コメディエンヌですからね。こういう役はお手の物ですね。化粧が崩れた顔のアップは笑いと一緒にちょっと恐怖も・・・??そしてこの映画に美しい花を添えるのがシャーリズ・セロン。今までいろんな映画で彼女を見てきましたが、この映画の彼女の美しさはNo.1でしょう。いや〜、マジでノックアウトされました。そしてベティ・アンを引き抜き、そして彼女と浮気中の保険会社の社長はダン・エイクロイド。とにかくすごい面子です。この映画のラストシーンはめちゃ好きですね。まさに、ラブコメディの王道です。
ザ・リング  監督:ゴア・ヴァービンスキー  出演:ナオミ・ワッツ、マーティン・ヘンダーソン
The Ring  2002年 アメリカ映画
一人の少女が謎の死を遂げた。彼女はシアトルポストの記者レイチェルの姪。姉の頼みを受け、謎の死の真相を追うことにした。彼女は姪が死んだ同日、同時刻に他に3人の若者が死んだ事を知る。しかも一週間前に4人は山小屋に泊まっていた。また、レイチェルは怪しげなビデオの噂を耳にした。「そのビデオを見たものは7日後に必ず死ぬ」 4人が泊まった山小屋を訪ねたレイチェルはそこで怪しげなビデオを発見する。そこに描かれていたなんとも不気味な映像を見終えた直後、小屋に電話が入る。「You will die 7 days later」 元・夫にその事を相談したレイチェルは彼にもそのビデオを見せる。そして二人はこの事件の裏に隠された核心へと少しずつ近づいていく。そんなある日、レイチェルの息子がこのビデオを見てしまう・・・。
私評:「なぜ?なぜ、ビデオを見てしまったの??」 「眠れなかったから」・・。日本ではほとんど知らない人がいないくらい有名なホラー小説「リング」がアメリカでリメイクされた。ホラー好きな私はオリジナルの「リング」が大好きなだけに、この作品に賭ける期待は大きかったです。正直な感想は・・・、イマイチでした。今回のリメイクにあたり新たな解釈がいくつか追加されているものの、ほとんどオリジナルどおりの作り。これは「ヴァニラ・スカイ」を見たときと同じ感じですね。ここまで真似なくても良いんじゃない??怖さという面でも日本版の方が遥かに怖かったですね。「怖い映画」という部分だけで考えると、かなり物足りないです。しかし、主演のナオミ・ワッツはすごく良かったですね。日本版は大根役者の松嶋奈々子だったから、よけいに引き立っているかも??その分、マーティン・ヘンダーソンが物足りない。日本版の真田広之が良かっただけに、よけいに粗が目立ってしまった。今回、貞子のキャラに当たるサマラは、貞子とはちょっと違う生い立ち。しかも、レイチェルの息子が最後に妙な言葉を残すんですよ・・。続編ができそうなエンディングでした。でもこの映画で一番不気味だったのはレイチェルの息子役のデイヴィッド・ドーフマン。彼の次の作品は「悪魔のいけにえ」のリメイク作品です(笑)。
スズメバチ  監督:フローラン・エミリオ・シリ  出演:ナディア・ファレス、ブノワ・マジメル
Nid De Guepes  2002年 フランス映画
男勝りのラボリ中尉率いる特殊警察はマフィアの最高幹部の護送の任に就いていた。装甲車に乗り込み目的地を目指していた。同じ頃、若い男女5人がトラックに乗り込んだ。彼らは窃盗団で倉庫に保管されたパソコンを盗みに向かったのだ。装甲車は突然、重火器による総攻撃を受ける。ボスを救出に来たマフィアの軍団だった。激しい銃撃戦の末、やっと逃げた先は若者たちが強盗に入った倉庫だった。倉庫の警備員、特殊警察、そして若者たちの膠着が続く中、マフィアは倉庫を包囲し総攻撃を開始する。倉庫のメンバーは共に戦うことを誓い、マフィアとの全面対決に乗り出す・・・
私評:あなただけは、絶対に許さない。女の敵よ・・・・この映画はラストのオチがイマイチなんですよね〜。それこそ108分の映画の100分まではめちゃめちゃ盛り上がりました。まずは、このシチュエーションが面白いです。知らない者どおしが絶体絶命の状況下で不思議な連帯感で結ばれていくという展開は最高です。しかも、このチームを先導するのが女性だというのも新しい展開です。この女性中尉を演じるナディア・ファレスがすごく良いんですよ。最近こういう強い女性の映画って多いじゃないですか。ナディアは「トゥーム・レイダー」のアンジェリーナ・ジョリー、「バイオ・ハザード」のミラ・ジョヴォヴィッチに負けるとも劣らないカッコよさでした。そしてついには仲間を助けるための犠牲者が・・・。このあたりの展開ってフランス映画のフィルム・ルノワールの定番。そしてこの映画の一番の見所である激しい銃撃戦は、本当にすごいです。本当に耳を塞ぎたくなるくらいの爆音と弾丸の雨。まさに蜂の巣状態です。これがマシンガンだけじゃない重火器を使用しているところがすごい!この音響は良い映画館で楽しみたいものです。フランス映画もだんだん変わってきました。


前回の記事も読んでね〜!



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