10月2日版

 今回は3本のご紹介。しかし、たまには、はずれもあるさ。 

ポーラX(Pola X)

 1999 年 :  フランス映画
 監督  : レオス・カラックス
 主演  : ギオーム・ドパルデューカテリーヌ・ゴルベワ、カトリーヌ・ドヌーブ

 何不自由ない生活を送る青年ピエール。彼はアラジンと言うペンネーム
 を使い本を出版しており、ベストセラーになっていた。そんなある日、彼は夜な夜な
 夢に現れる黒髪の女に本当に出会ってしまう。彼女の名はイザベル。ボスニアの難民だ。 
 しかも、彼女はピエールの姉だと言う。彼女の出現に動揺するピエール。
 そして彼は全てをかなぐり捨て、イザベルとの駆け落ちを選ぶ。しかし、
 全てをかなぐり捨てたはずの彼の中に燻っていたのは、
 小説家として認められたいと言う欲望だった。貧しい生活の中で彼のよりどころは
 イザベルだけになって行く。そして姉と弟が超えてはいけない一線を越えてしまう。
 ピエールが「姉さん」と呼ぶ母親マリーの死。そして元の婚約者の訪問などで次第に精神的に追い詰められていく。 

 私評:映画のオープニングは爆雷シーンから始まった。 カラックスと言えば、「ボーイ・ミーツ・ガール」や
 「ポンヌフの恋人」を見てすっかり気に入っていた監督。 そんな彼の新作ゆえに、メチャ楽しみにしてた映画です。
 内容はと言えば、これがまた私的には素晴らしかった。主人公ピエールが何不自由な暮しをしていたが為の
 未成熟さ。そして純粋さが、彼をドンドン追い込んで行く。 そんな心の不安や渇きが映像を通して伝わってくる。
 と言うのはせりふを極力押さえ、画で訴えかけて来るのです。 キューブリックの映画にも似たこんな手法の
 ラブストーリー(ある意味、姉と弟の禁断の愛の物語)は見る側の感性にゆだねられている部分が多いかもしれない。
 私のハートには突き刺さるようなメッセージがビンビン届いた。 姉、弟、恋人、母親の複雑な関係や想いを
 勝手に想像して楽しめる。 きっとこの映画は見終わったあとに語りたくなる映画です。


カスケーダー (Cascadeur)

 1998年 :  ドイツ映画 
 監督・主演  : ハーディ・マーティンズ
 主演  : レグラ・グラウヴィラー、ハイナー・ラウターバッハ

 ナチの秘宝「琥珀の部屋」捜し求める女性考古学者。彼女を追いまわす謎の秘密組織。
 彼女は元ヒットラーの側近だった男の持っていた本から、カギを発見したばかり。
 しかし、組織のものに捕らわれやっと思いで飛行機からパラシュートで飛び降り逃げ出した
 彼女が着地したのは、元スタントマン・ヴィンセントの所。 美女は放っては置けず、
 彼女と共に財宝を探すことに。 そして財宝を巡る大争奪戦の火蓋は切って落された。
 ドイツが生んだ世界一のスタント馬鹿野郎の、明日はどっちだ!?
 くたばれCG映画。 ハリウッドをぶっ飛ばせ!! アクション映画の本道はスタントだ! 


 
 私評: 全編アクション映画を期待していった私はすっかり、肩透かしにあってしまった。だって、
 アクション映画なのにあくしょんシーンが少ないんだもの・・。 楽しみ方としてはこの映画のチラシ
 を先に読んでこの映画が、いかにお馬鹿な企画かを熟知した上でご鑑賞されるとことをお奨めいたします。
 ミュンヘンの街を封鎖して撮ったと言うゴーカートのチェイスシーンは凄いです。これが30分くらいの所
 だったので「オ〜、これからだな!」と思っていたら最後まで行っちゃった。トホホ・・・。

ブロークダウン・パレス (Brokedown Palace)

 1999年 :  アメリカ映画 
 監督  : ジョナサン・カプラン
 主演  : クレア・デインズ、ケイト・ベッキンセール
       ビル・プルマン 

 高校の卒業旅行でタイに出かけたアリスとダーリン。二人は子供の時からの
 親友同士だ。二人は偶然出会ったオーストラリアの青年と仲良くなり、
 香港に行こうと誘われタイを発とうとした。が、空港で突如警官隊に囲まれ
 二人は逮捕されてしまう。アリスのバッグにはヘロインが入っていたのだ。
 無実の罪を着せられた二人は必至に訴えを起こすが聞き入れてもらえない。
 アメリカ大使館も二の足を踏んでいた。 そんな彼女たちの救いとなったのは
 タイ在住のアメリカ人弁護士、ハンク。(通称ヤンキー・ハンク)
 二人の少女の無実を晴らすため、捜索を始める。果たして二人は無事に収容所を出ることが出来るのか? 
 そして二人の友情の行方は?? 

 私評:しかし、実際にこういう事件が起きていると言うから恐ろしい。特にタイは麻薬に対しての
 取締りが厳しいらしい。(そのくせ国内に麻薬は溢れているらしいが・・) この映画の鑑賞のポイントは
 2人の少女の友情物語ですね。 しかし、私はタイという国名を出して映画を作ったこと自体にすごく
 腹が立つ。確かにこういうことはあるのかもしれないが映画で取り上げる題材ではないと思う。
 あと、もう一つ贅沢を言えば二人の収容所での絶望感みたいなものが伝わって来なかったんですが・・。
 クレア・デインズもロミオ&ジュリエットのカワイイ女の子からハイ・ティーンになり魅力的になりました。
 ケイト・ベッキンセールの弱々しい繊細な少女役も良かったです。 


前回のも見てね!


 
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