2001/9/17号

今週も映画館,試写会場へと日々奔走しました。今週も8本! どうだ!!

トゥームレイダー  監督 :サイモン・ウエスト  出演 : アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・ボイト、イアン・グレン
Lara Croft Tomb Raider  2001年 アメリカ映画  

5000年に一度、太陽系の全惑星が一列に並ぶというグランドクロスを1週間後に控えた日,ララ・クロフトは亡き父のメッセージを受け取った。イルミティーナという秘密結社が時間をコントロールできるという、伝説のトライアングルを狙っている。そして父はそのトライアングルを手に入れるために必要な、「キー」をララに託したのだ。そしてイルミティーナの、襲撃でキーは盗まれてしまう。悪の手にトライアングルを渡してはならない。巨大な敵を向うに回し天下無敵の”トゥーム・レイダー”ララ・クロフトの世界を股に掛けた大冒険が始まった!!・・・・
私評:世界の謎は私のモノ・・・・。「トゥーム・レイダー」とはトレジャー・ハンターの事。 元はファミコンの世界的大ヒットソフトだ。このゲームがまた,メッチャ面白い! もちろん,ゲームの主人公が女トレジャー・ハンターのララ・クロフト。そしてゲーム通なら誰でも知っているこのヒロイン役に抜擢されたのが、今ノリに乗っているアンジェリーナ・ジョリー。彼女がまた、はまり役だった。オープニングの壮絶な死闘から危機また危機のの104分。私はめちゃ楽しみました。圧巻はララの豪邸の中でのバンジーのようにゴムの紐での銃撃戦は圧巻でした。アクションだけではなく、最新のCGを駆使したシーンもたくさんあります。また、今回アンジェリーナと彼女の実の父親ジョン・ボイトが競演。舞台挨拶で彼女が言っていたのですが、実際の彼女とジョンも彼女が子供の時に離婚があり、離れ離れだったので二人のシーンは自分自身の体験とダブったらしいです。もう、こういう映画は楽しんじゃうしかないでしょう。いつも言ってますが、細かい事はガタガタ言わないこと!(笑)
かあちゃん  監督:市川崑  主演:岸恵子、原田龍二、うじきつよし、勝野雅奈恵
KAH-CHAN  2001年 日本映画
天保末期の江戸。庶民の暮らしは貧窮を極めていた。とある,長屋の居酒屋で常連の4人がこんな噂話をしていた。同じ長屋に住む「おかつ」は家族6人がみんな働いている。そしてかなりの金を貯めこんでいると・・。それを聞いていたのが若い泥棒の勇吉。さっそくその夜、おかつの家に忍び込んだ・・・が、すぐにおかつに見つかってしまう。「どうしてもこの金が欲しいなら、その前にこの金がどんな金なのか聞いておくれ」。・・・・ 話を聞き終わると勇吉は具の音も出なかった。諦めて帰ろうとする勇吉を、おかつは強引に引き止めた、しかも、翌日子どもたちに「勇吉は遠い親戚なので,今日から一緒に暮らす」と告げる・・・・。
私評:こんな世の中だからこそ、こんな映画が見たい!・・・アメリカでのあのテロ事件の翌日、この「かあちゃん」を見に行きました。こんな江戸人情話は久しぶりに見たけど、やっぱり良いもんです。 ほのぼのとした話の原作は私の大好きな山本周五郎。 さすがって感じです。友達からは「こういう映画は,わざわざ映画館で見なくても・・」という言葉が出てきたが、私はこれこそ映画館で見る映画だと思う。映画ならではこだわりがたくさん見つけられます。それはセットだったり、衣装だったり,小道具だったり。 そしてこの映画はわざとカラーと白黒の中間のような、発色を押さえた色使いをしています。これがまた,良い感じです。主演は岸恵子。長年フランスに住んでいた彼女は、エレガントなイメージがあるのですが,映画の中では長屋で5人の子供を持つおっかさん。このギャップが良いんですよ。子供たちもそれぞれ、すごく良いキャラ。そして長屋の仲良し4人組が、また最高! 特にコロッケが・・・。 市川監督は映画の70%は役者で決まる!と言ってましたがまさにその通りだと思いました。そして市川監督らしい、すごく粋なラスト・・・。 大好きな映画です。
 カウボーイ・ビバップ 天国の扉  監督:渡辺信一郎  声の主演:山寺宏一、林原めぐみ、石橋蓮司
Cowboy Bebop  2001年 日本映画
西暦2071年,火星の都市アルバシティでタンクローリーが爆発炎上した。タンクからは謎の物質が漏れ、周囲3Kmで多くの死者が出た。正体不明のテロリストには3億ウーロン(火星の通貨)と言う莫大な懸賞金が掛けられた。それをビバップ号のクルーたちのスパイク、ジェット、フェイ、そしてエディが黙っているはずがない。さっそく、犯人の手掛かりを探し始める。そして彼らの捜査線上に現れたのは、2年前にタイタンの戦いで死んだはずの男、ヴィンセントだった。スパイクは謎の男から小さなビー玉状のカプセルを手に入れる。果たしてビー玉に隠された秘密とは?そしてヴィンセントの狙いは? 賞金稼ぎ(カウボーイ)たちの戦いが始まる・・・。

私評:大阪のまさづみ君がお薦めしてくれたアニメ映画。しかし、これがまた面白かった。私はTVシリーズも見た事がなかったのですが、4人の主人公のキャラがすごく良いですね〜。しかも、映画用に作られたこのストーリーは緻密でいて、そして大胆ですごく面白かったです。特に私が好きなのは、要所要所で現れる町の風景。オープニングのクレジットのバックの街なんて,最高です。しかも人々の表情や動きがすごく良いんです。主人公のスパイクの声は「オッハー!!」の山寺宏一。顔とキャラのギャップがあり過ぎ(爆笑)。でも、声優ってすごいね。また、冒頭でのコンビニ強盗で店員の女の子に説教を垂れているのが石橋蓮司!!ピッタリです!! また,私は近未来のカップラーメンにめちゃ惹かれた・・・・。 これはお薦めですよ〜!
ドラキュリア  監督:パトリック・ルシエ  主演:ジェラード・バトラー、ジョニー・リー・ミラー、クリスファー・プラマー
Doracula 2000  2000年 アメリカ映画
ロンドンの博物館に強盗が入った。しかし、そこには金目のものはなく棺が一つ横たわっているだけだった。仕方なく棺を担ぎ出した彼らはアメリカに向かった。しかし、その棺は吸血鬼ドラキュラのものだった。次々とドラキュラの餌食になる強盗たち・・・。 その頃ニューオリンズに住むマリーは謎の男に襲われる悪夢に悩まされていた。その男こそ、ドラキュラだったのだ。そしてドラキュラを追ってアメリカにやってきたのは博物館のオーナーのヘルシング教授だった。彼も恐ろしい秘密を隠していた。そしてついにドラキュラはマリーの元へと現れる。なぜ、彼女が狙われるのか?そしてついに本当のドラキュラの正体が明かされる・・・・。

私評:歴史は裏切られた・・?? 突如として上映が決まった?この映画。マスター・オブ・ホラーの異名を持つウエス・クレイブンが、あのドラキュラをスタイリッシュに、そしてミステリアスに蘇らせた。銀の弾丸に弱い理由は? 十字架には効力がない? そして不死身の体の理由は??数々の新しい要素が折り込まれ、ストーリーはとても面白かった。ドラキュラ役のジェラード・バトラーがセクシーで良いですね〜。 ジョニー・リー・ミラーはヘルシングと一緒にアメリカにやって来た青年。クリストファー・プラマーがヘルシング教授。しかし、この映画の弱点(?)はヒロインが可愛くな〜い。(笑) そこが残念でした。 でも、やっぱりホラー映画映画館で見るのが一番。今回は映画館での試写会だったので音響がすごく良くて、ドキドキも倍増でした。 最後に明かされるドラキュラの秘密は、なかなか面白い発想で私は好きだな〜。強盗団の一員として北野武の「BROTHER」に出てたオマー・エプスが出てました。
ファイナル・ファンタジー 監督: 坂口博信  声の主演:ミン・ナ、ドナルド・サザーランド、アレック・ボールドウィン
Final Fntasy  2001年 アメリカ映画
近未来の地球は,ファントムという地球外生命体により絶滅の危機に瀕していた。科学者のアキは毎夜不思議な夢を見た。それはファントム同士が戦い続ける夢だった。しかし、ある日”何か”が現れ,ファントムたちは凍りついたように恐怖に立ちすくむのだった。そんな中、彼女の上司のシドは8つの生命体を集める事により作る事ができる融波装置で,ファントムを押さえ込む事を研究していたが、軍は強力なレーザー砲台「ゼウス」で、一気にファントム壊滅を目論んでいた。アキは8つの生命体を探すため,ゴーストタウンとなったNYに降り立った。そこで彼女は対ファントムソルジャー隊「ディープアイズ」と出会う・・・・・。

私評:「死は終わりじゃないと,君は言ったろう。 今はそれを信じている・・・」。これもゲーム界では知らない人がいないくらい超有名なソフトの映画化。 ファイナル・ファンタジーは幾つかゲームもやりましたが、めっちゃ感動があります。(]はまだなんです・・)。どれも根底にあるテーマは「愛」。この言葉に私はめちゃ弱いです。この映画はフルCG。しかし、CGの進歩というのはすごいですね。特に登場人物たちの髪の毛の一本一本、皺の一つ一つまでがしっかりと描かれている。そして動きもスムーズだし、しかも表情まで・・・。これじゃあ、いつかは役者が不要になってしまうよ。また、CGアニメならではのカメラアングル、そしてクリーチャーたちが画面の中で縦横無尽に動き回る。本当に初体験の映像体験だった。ストーリーの方も,私は好きなんだけどテーマが壮大過ぎた感がありますね。 謎もたくさん残ったし・・。しかし、この映画でCG映画の更なる可能性が高められた事は確かです。今後もこんな映画が次々に登場する事でしょう。また,この映画の声優陣はすごいです。上には書かなかったけど、S・ブシェミー、「MI:2」のヴィング・レイムス、ジェームズ・ウッズも出ています。 
コレリ大尉のマンドリン 監督:ジョン・マッデン  主演:ニコラス・ケイジ、ペネロペ・クルス、ジョン・ハート
Captain Corelli's Mandolin  2001年 アメリカ映画
第2時世界大戦下のギリシャ・ケフォロニア島。占領軍としてこの島にやって来たイタリア陸軍の大尉アントニオ・コレリ。戦争中なのに実戦経験のないアントニオは、訓練こそ一生懸命するものの島の生活をエンジョイしていた。そして彼が一目ボレしたのが島の娘ペラギアだった。しかし、彼女はすでに結婚していて,夫は戦場へと赴いていたのだ。音楽をこよなく愛するアントニオが爪弾くマンドリンの調べは、二人の気持ちを引き寄せた。 しかし、この島にドイツ軍が乗り込んできたときから,平和な毎日は消え去ってしまう。そしてついにドイツ軍の銃口はイタリア兵士にも,向けられた・・・・。

私評:彼は弾き続ける・・・人生の喜びを伝えるために・・・。意外とただのメロドラマだと思っている人が多いのではないでしょうか?しかし、この映画はけっこう悲惨な映画です。前半はとぼけたキャラのニコラス・ケイジは、イタリア訛りの英語で、おちゃらけたシーンが多かった。こういう役のニコラス・ケイジはちょっと苦手。ところが後半はまさに彼の真骨頂。あまりの悲惨な映像に目を背けたくなった。実は私はこの原作本をすでに読んでいて、その本の内容のスゴさにすでに感動していました。しかし、映画では映像や音楽、そして戦闘シーンにばかり趣が置かれ、肝心な人物の心情がイマイチ描かれきれてなかったような気がする。ジョン・マッデンの映像は相変わらず面白い。ほとんどカメラが動き回っている。そして上から下からと、縦横無尽なカメラアングルがすごいです。島の娘役は 最近本当にすごい勢いで映画に出ているペネロペ・クルス。今回は情熱的でいて、しかも芯のしっかりしたギリシャ女を熱演。彼女の父親で頑固な島の医師役が、ジョン・ハート。重厚な演技を見せてくれます。そして彼女の夫役は「アメリカン・サイコ」のクリスチャン・ベール。たぶん,この映画の中でニコラス・ケイジは本当にマンドリンを弾いているんだと思いますよ。
チャック&バック  監督:ミゲル・アルタテ  主演:マイク・ホワイト、クリス・ウェイツ
Chuck and Buck  2000年 アメリカ映画
子供の心を持ったまま大人になったバック。ある日,彼の母親が死んだ。訃報を聞きLAから駆けつけたのは、バックの幼なじみのチャック。バックは久しぶりの再会に胸を弾ませた。その気持ちは友情を超える何かが・・。しかし、チャックはしつこいバックを気味悪く思い、そそくさとその場を去ってしまう。しかし、バックはチャックを追ってLAまでやってくる。ほとんどストーカーと化したバックに、チャックの堪忍袋はついに切れてしまう。次にバックは二人の少年時代の事を芝居にしてチャックに見てもらおうとする。芝居の準備が着々と進む・・・。果たして過去に二人の間には一体何があったのか??・・・・・

私評:LAのBONさん、シカゴのMuseさんがお薦めしてくれた映画です。正直言って、前半部分のバックのストーカー行為には面食らった。無邪気と言えば,聞こえは良いがこれは異常だ。 私はこの後、きっと悲惨な事件が起こるのだろうと勝手に想像してしまった。しかし、物語は意外な急展開を見せる。チャックとバックの二人に過去に何があったのか?しかも、その時点でバックの心の成長は止まってしまっていたのだ。そしてある夜の出来事で、二人の諍いは終結する。この映画はいわゆるインディーズ系の映画。 たぶん、この映画の題材はメジャー系では絶対に作られないでしょう。それはあまりにもリアルで、あまりにも病んでいるから。 コメディー映画だと思っていた私にはちょっとショッキングな内容だった。でも,ラストの演出が全てを洗い流してくれる。大人になり切れなかったバックの成長が垣間見れたから・・。 この映画はデジタルビデオで作成された作品です。(画質もちょっと粗い)
ビバ!ビバ!キューバ  監督:ヘラルド・チホーナ  主演:タイス・バルデス、ウラジミール・クルス
Un Paraiso Bajo Las Estrellas  1999年 キューバ・スペイン合作映画
ハバナの超一流キャバレー「トロピカーナ」。若くて美しい娘シシーはここのダンサーになることを夢見ている。しかし、頑固で強暴な父親にはこの事は話せない。なぜなら父はかつては,トロピカーナで働いていて淫乱な妻を、ダンスの振付け師に寝取られたと言う過去があったからだ。そんなある日、街でばったり出会ったイイ男!しかも、トラック運転手の父がこの男を跳ねてしまい、家に担ぎ込んできた事で二人の仲は急接近。しかし、父の友人プロメディアは、この青年のお尻の星型の痣を目ざとく見つけてしまう。これはシシーの父の一族の男にだけ現れる痣だった。と言う事は,シシーと彼は兄妹??果たして二人の恋のゆくえは??・・・・・・

私評:ゴージャスな灼熱のラブストーリー・・。 なんてはちゃめちゃな映画なんでしょう。複雑怪奇な人間関係、そして開き直りの早さはお国柄なんですかね? 一目遭ったその日から、恋の花咲く事もある・・、かも知れないけど、キューバの人ってこんなに軽いの??まさに愛の狩人が集う街ですね。 この映画の舞台のクラブ・トロピカーナは実在の店。62年の歴史を持つ老舗だそうです。しかし、その店の楽屋裏では、愛の狩人たちが今宵も・・・(笑)。 私はどちらかというとこういうコメディーは苦手なんですが、90分と言う時間の短さも手伝ってか、最後まで楽しく見ることができました。ラスト近くの、登場人物たちの意外な関係が次々と明かされるシーンは、さながら「パルプフィクション」の三つ巴銃撃戦??(爆笑) まあ、どんなにおバカでも、どスケベでも、尻軽でも、みんなが幸せならイイんじゃない?? 堅い事は言いっこなしね!! 


前回の記事も読んでね〜!



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