2004/9/12

今週のイチ押しは私の大好きなアクション映画のパート2と、
久々にご対面した珠玉の青春映画の2本です。

バイオハザードU アポカリプス  監督:アレクサンダー・ウィット  出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、シエンナ・ギロリー
Resident Evil "Apocalypse"  2004年 アメリカ映画
今週のイチ押し:ラクーン・シティにある、巨大企業「アンブレラ社」内で強力なウィルスが蔓延しビルは封鎖された。社内に閉じ込められた多くの社員は、管理コンピューターにより抹殺されたがウィルスは死者を蘇らせた。そのビルの中から2人の男女が脱出に成功。ふたりは隔離され、特殊な治療を受けていた。そのひとりアリスは病室で目を覚まし、ひとり外へと出るが、ビルの中に封印されたウィルスは外に流出し、死者が蘇り"アンデッド"と化して街を闊歩しいていた。アリスは警察官のジルと数人の生存者と共に町からの脱出を試みるが、アンデッドの他にもウィルスが生んだミュータントが立ち塞がる。しかも、アンブレラ社はこの町を一掃するため、核による攻撃を進めていた。タイムリミットが迫る・・
私評:ミッション・アリス、スタートだ・・・前作のエンディングから36時間後。新たな展開を見せるこの物語。皆さんご存知のとおり、この映画の元はゲームです。そのゲームにはまりまくった私が、この作品を逃すわけにはまいりません。前作が大好きな私はかなり期待値を上げてこの作品に臨んだのですが、期待以上のできに大満足でした。前作から引き続き登場のミラ・ジョヴォビッチはかなりパワーアップしています。続々と襲い掛かってくるゾンビたちを蹴散らし、リッカーたちをぶっ飛ばし、そして恐るべき強敵とガチンコ勝負!見応えがあります。そして今回ゲームキャラがスクリーンに登場。「バイオハザード」のゲームファンなら誰でも知っているジル・バレンタインだ。映画のジルはちょっと年を食っていますが、ナイスバディなんです・・。93分間の上映時間の中に、数々の見せ場がありますが、圧巻は「死ぬほど登場するゾンビ」。そして墓場でのゾンビの登場シーンは「サンゲリア」や「スリラー」にかなりインスパイアされていますね。そして大どんでん返しのラスト。果たしてパート3はあるのか・・・?
17歳の処方箋  監督:バー・スティアーズ  出演:キーラン・カルキン、クレア・デーンズ
Igby Goes Down  2002年 アメリカ映画
今週のイチ押し:高圧的な母親に「落第息子」の烙印を押されたイグビーは17歳。家族はというと、プレッシャーに負けて神経がいかれてしまった父親、そしてエリート街道まっしぐらの兄がいる。イグビーはそんな家庭に嫌気が差しトラブルばかり起こしていた。高校は次々と退学になり、精神を鍛えるためと入れられた士官学校でもドラッグが見つかり退学。そんな彼に夏休みの間だけNYで仕事を手伝って欲しいと言い出したのは、彼の名付け親のDHだった。そこで彼は年上の女性スーキーと出会い恋をしたり、DHの愛人で踊らないダンサーのレイチェルの部屋に転がり込んだり、彼女の友人のパフォーマンス・アーティストにラッセルらと出会い、今までに経験した事がなかった生活を満喫していた。しかし、人生はそれほど甘いものではない。しかも、母親が不治の病で二人の息子に自分を殺すように依頼したのだ・・・
私評:平和主義者のガンジーだって、お前といれば最後には殴るさ・・・先日読んだ、村上春樹の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を髣髴させる、若さゆえに抱く「行き場のない怒り」や「訳のわからない不安」、そして「未知なる物への憧れ」がこの作品には見事に描かれている。この映画のイグビーの場合、裕福だからこそできる事も多いのですが私が彼と同い年だったら、きっと彼に憧れるでしょうね。しかし、この映画のラストでイグビーが本当に求めていた物が明らかにされます。それはすごく身近なものだったのですが、そのシーンがすごく好きです。そのシーンは涙が止まりませんでした。それが何かをネタバレすると、これから見る方の楽しみを削いでしまうので敢えて申しません。主演はキーラン・カルキン。もう、彼は完全に兄のマコーレを超えましたね。素晴らしい演技でした。そして彼の幼少時代の役で、弟のロリー・カルキンが登場。そして高圧な母親役はスーザン・サランドン。兄役はライアン・フィリップ。神経をやられた父親役はビル・プルマン。名付け親DH役にジェフ・ゴールド・ブラム。スーキー役はクレア・デーンズ(この映画の彼女はサイコー!)、踊らないダンサーレイチェル役はアマンダ・ピート・・・。どうです、この素晴らしい面子!!監督は「10日間で上手に男をフル方法」の脚本を経て初監督を務めたバー・スティアーズ。
アイ、ロボット  監督 :アレックス・プロヤス  出演:ウィル・スミス、ブリジット・モイナハン
i, Robot  2004年 アメリカ映画
西暦2035年。世界中でロボットが人間の生活に溶け込んでいた。このロボットの生産で世界的な大企業になったU.S.ロボティックス(USR)は、最新型のロボットNS−5型の出荷準備が急ピッチ。そんな時、USR社で事件が起こる。あるトラウマからロボットを信用しない刑事スプーナーは、彼の友人のラニング博士に呼ばれUSR社に向かうが、ラニングはビルの高層階から落ちて死体となっていた。彼の残したホロスコープで「自分は殺された」とスプーナーに告げるのだった。社内の調査を始めたスプーナーはロボット心理学者のカルヴィン博士と同行し、ラニングの部屋でNS−5ロボットを発見する。しかも、そのロボットは自らの意思で動き「人間の命令には常に従う」機能は取り外されていた。ラニングと自らをサニーと名乗るこのロボットの間にはいったい何があったのか?そんな中で数億台出荷されたNS−5が謀反を犯し、人間たちを恐怖のどん底に叩き落す・・・・・
私評:友達になれそうだ・・・この映画の舞台は30年後ですが、30年経ったらこんな世界になっていてもおかしくないですね。今、私たちが盛んに使っている携帯電話だって、インターネットだって30年前はSFみたいな産物だったのだから、この映画の世界だって決してありえないことはない。しかも、この映画はかなりディテールに拘っているので、(もちろん映像は素晴らしいです!)すごくリアリティーがあるのです。SF映画って一歩間違えると、とんでもなくつまらない映画になってしまうのですが、この映画に関して言えば、その辺りの作りは完璧です。それに加えて、シナリオが面白い。スプーナーのトラウマ、サニーとの交流(?)、など、ニヤリとさせられる展開がグッドです。主演はアメリカ一のハイ・テンション男ウィル・スミス。しかし、こういう映画には彼って打って付けです。今回も強靭な肉体を駆使したアクションシーンが随所に見られます。ヒロイン役は「リクルート」のブリジット・モナイハン。知的な雰囲気が彼女の役にピッタリ。そしてラニング博士役でジェームズ・クロムウェルが登場します。これほどまでにしっかりしたシナリオのSF映画は久しぶり。めっちゃ面白かったです。
ハイウェイマン  監督 :ロバート・ハーモン  出演:ジム・カヴィーゼル、ローナ・ミトラ
Highwaymen  2003年 アメリカ映画
のどかな田園のモーテルのテラスから、最愛の妻を見下ろしていたレニー。妻は国道沿いの露天でフルーツを買い、彼を見上げ微笑んだ。しかし、その時1台のキャデラックが彼女をめがけ突っ込んできた。あっという間に彼女の体は宙を舞い路面に叩きつけられた。それから数年後、レニーは犯人を追っていた。自らチューンナップしたバラクーダの爆音を轟かせ今日も彼を追う。コーラスの練習帰りに、友人のアレックスの車に同乗したモリーは、怪しいキャデラックに併走される。そして入り込んだトンネルの中で中央に置かれた車椅子に気付き急ブレーキを踏む。しかし、後続のトラックは止まることができず、道路に横たわっていたもう1台のトラックに突っ込んでしまう。事故を知らせようとしアレックスにキャデラックが迫る。そして彼女は無残にもひき殺されてしまう。危うくモリーも襲われかけた時、レニーの車が飛び込んでくる。間一髪、命拾いをしたモリー。しかし、レニーのCB無線に犯人からの挑発的なメッセージが届けられる・・・・・
私評:女を連れて来い。お前は俺が目当て、俺は女が目当て・・・・『ヒッチャー』は私が大好きな映画。この映画の監督ロバート・ハーモンが、まさに『ヒッチャー』テイストの映画を作り上げた。それが「ハイウェイマン」だ。しかも、今回はチューンナップされたビンテージ・カーが、力と力のガチンコ勝負。すごく見応えがあります。また、『ヒッチャー』と同様、犯人は途中で現れるので謎解きはなし。それゆえ主人公と犯人の駆け引きだけがこの映画の楽しみ。こうなってくると犯人がいかに悪党であるかが勝負の分かれ目ですが、ご安心ください。極悪非道です(笑)。主演は「パッション」のジム・カヴィーゼル。今回は悪党に天誅を加えるヒーロー役。しかし、これもまた似合っています!ヒロイン役にはちょっとキャサリン・ゼタ・ジョーンズに似ているローナ・ミトラ。そして憎き犯人役は「ペイチェック」のコルム・フィオール。これは拾い物の映画ですよ。
ヴィレッジ  監督:M・ナイト・シャマラン  出演:ホアキン・フェニックス、ブライス・ダラス・ハワード
The Village  2004年 アメリカ映画
ペンシルバニア州の深い森の中に、その村はあった。外の世界からは隔絶されたその村は深い森に囲まれていた。しかし、その森には人間以外の何者かが住んでいて、中に入ることは固く禁止されていた。また、彼らを刺激する「赤いもの」は地面に埋めなければならなかった。しかし、それらのルールはこの村を長きに渡り平和に治めてきたのだ。しかし、この村の若者ルシアスは、この村の長老たちに何度も森を抜けて街へ行くことを訴えるが、却下されてきた。そのルシアスは幼馴染のアイヴィーと結婚を約束した時、悲劇は起こった。アイヴィーを慕っていたノアは知能に障害を持っていた。しかし、そのノアがルシアスを刺してしまったのだ。アイヴィーは町に行き、ルシアスの薬を取ってくるという。しかし、アイヴィーは目に障害を持っているのだ。ついに、アイヴィーが森へと足を踏み入れた。そして長年にわたり封印されてきた村の秘密が、ひとつずつ明らかにされていく・・・・
私評:ルシアス、あなたの色が見えない・・・・シャマラン監督の作品って、実に当たりハズレがハッキリしていますよね。『シックスセンス』ではホラーの醍醐味を、『アンブレイカブル』ではヒーローの苦悩を、『サイン』では宇宙人との遭遇を扱ってきた監督が、今回扱った題材は、いわゆる「都市伝説」なのです。日本でもこういった『言い伝え』ってありますよね。まさに、この映画は日本昔話のシャマラン版。また、この映画では『愛』も大事な要素になっています。それは『男女の愛』であり、『家族の愛』であり・・・。しかし、この映画のオチには従来のシャマランの映画のファンには納得がいかないかもしれません。それでも私は上映時間の1時間50分、しっかり堪能できたので○です。主演は「サイン」のホアキン・フェニックス。その他に『戦場のピアニスト』のエイドリアン・ブロディ、『エイリアン』シリーズのシガニー・ウィーバー、『蜘蛛女のキス』のウィリアム・ハート、『ドリーマーズ』のマイケル・ピットなど、そうそうたるメンバー。そして今回映画初主演のブライス・ダラス・ハワードがめちゃめちゃ良かったです。彼女はあのロン・ハワード監督の娘です。
仮面ライダー剣 ミッシングエース  監督:石田秀範  出演:椿隆之、森本亮治、天野浩成
Masked Ryder Missing Ace  2004年 日本映画
剣崎=仮面ライダーブレイドらの活躍により、アンデッドが封印されてから4年が経った。それぞれのライダーたちは、当時の戦いの日々を忘れそれぞれの道を歩んでいた。しかし、
剣崎の前に突如として、封印されたはずのアンデッドが現れる。仮面ライダーに変身することができない剣崎だったが、彼の前に突如3人の仮面ライダーが現れ、あっという間にアンデッドを封印した。事情を聞くと封印されたはずのアンデッドが、何者かによって解放されたのだという。旧・仮面ライダーとして協力を申し出るが、新ライダーたちは頑なに彼らを拒んだ。ライダーになるためのエース・アンデッドを捕らえブレイド、ギャレン、レンゲルと次々と仮面ライダーとして蘇る。そんな時、見たこともないアンデッドの軍団が現れる・・・
・・・
私評:犯人は貴様だったのか・・・・・・私が子供のときに見ていた藤岡弘の仮面ライダーとはかなり違うのですが、正義のヒーローが悪をやっつけるという構図は変わらない。ただ、今回はライダー同士の派閥ができて、なんだか雰囲気が悪い。しかし、どちらも目的はアンデッドを倒すことなのだが・・・。こんな大人の心の葛藤が子供たちに分かるのだろうか?という疑問もあるのですが、(一応)大人の私は楽しめました。アクション・シーンは香港映画と比べたらかなり見劣りしますが、その辺りも温かい目で見守ってあげましょう。しかし、当日ビックリしたのがイケメンの登場人物たち見たさに集まった若い女性たち&主婦たち。すごいパワーです。仮面ライダーと言えば子供の映画とばかり思っていたのですが、実はそんな女性たちにも支えられていたのですね。同時上映は「デカレンジャー」。"デカイ"レンジャーなのかと思ったら"刑事(デカ)"レンジャーなんですね。こちらには悪役で遠藤憲一、そして美しい宇宙人に新山千春が登場。こういう人たちが出ているだけで、なんだかホッとしますね・・・。


前回の記事も読んでね〜!



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