今回のイチ押しも邦画です。最近、邦画がイイですね。
リバイバルの超大作も本来ならイチ押しなのに、ウソの宣伝文句にちょっとキレました(笑)
命 | 監督:篠原哲雄 | 出演:江角マキ子、豊川悦司、平田満、麻生久美子 | |
Inochi | 2002年 日本映画 | ||
今週のイチ押し:作家の柳美里はその激しい性格が災いし、自殺を繰り返してきた。しかし、彼女は不倫相手の男の子供を身ごもってしまう。生むべきか、中絶するべきか彼女は悩んでいた。そんな折、彼女は東京キッドブラザーズの東由多加を訪ねた。彼は美里の元の恋人であり、彼女の文才を見出した男でもある。そして子供を産むことを決意した。しかし、東の体は癌に冒されていた。そして美里は東に一緒に子供の世話をして欲しいと申し出る。美里の子供のためにも必死の治療を続ける東。そしてついに彼女は男の子を出産する。 | |||
私評:この子がこの世で一番最初に対面したのは母親でも父親でもなく、この僕だ。東由多加だったんだよ・・・・強烈なお話でした。生まれ来ようとする「命」と癌に奪い取られようとする「命」を、目の当たりにして今まで、自分の「命」の価値を見出せなかった柳美里が変わっていく。「命」は「愛」であり、そして「絆」なんですよね。どん底に落ちて初めてそんな事実と向かい合う主人公と自分の最後の「命」の炎を燃やして何かを残そうとする東が悲しく、そして美しかった。柳美里って私は嫌いなのですが、彼女の嫌な部分も映画の中では包み隠さず描かれている。その辺りに柳美里の、この作品に対する思い入れがすごく強く描かれていました。私はこの話自体は知っていたのですが、原作は読んでいません。でも、原作を読んだ方にも、読んでいない方にもこの作品の目指す「命」の大切さは伝わると思いますよ。辛い話なのですが、この作品の持つ力強さは感動的でした。柳美里を演じるのは江角マキ子。強い女のイメージの彼女ですが、この映画では主人公の心の弱さも見事に体現しています。そして東を演じるのは豊川悦司。相変わらずセリフは下手ですが、病気になりどんどん痩せ衰えていく男を熱演。過酷なまでの減量に耐え、痛ましくも強く、そしてやさしい東を見事に演じきっています。監督は「初恋」の篠原哲雄。彼らしい美しい映像も随所に盛り込み(特に子供が生まれた日の雪のシーンは最高・・)、ストレートにこの愛の物語を描ききりました。私も思い切り泣けました・・・・。 | |||
アマデウス ディレクターズ・カット | 監督:ミロス・フォアマン | 出演:F・マーレイ・エイブラハム、トム・ハルク | |
Amadeus Director's Cut | 2001年 アメリカ映画 | ||
1823年、ウィーンの街に悲鳴が響き渡った。一人の老人が自殺を図ったのだ。病院に運び込まれ一命を取り留めたこの男は、かつてはウィーンの宮廷音楽家だったサリエリだった。告白を聞くためにこの病院にやってきた若き神父に彼は語り始めた。順風満帆だった彼の人生を狂わせた男。彼の名はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト。幼少の頃から天才と謳われヨーロッパ中にその名を轟かせていた若き音楽家だ。ザルツブルクの大司教の元で彼の音楽の演奏会があることを知り、出向いたサリエリは、モーツァルトがどんな男なのか興味津々だった。そこで彼が見た男は気品のかけらもない下品な小男だった。しかし、彼の音楽はサリエリを魅了した。やがて、ウィーンにやってきたモーツァルトはその才能を発揮し皇帝をも魅了した。そしてサリエリが愛した女さえも奪い取って行ったのだ。モーツァルトへ憧れと嫉妬が彼を次第に変えていった。そしてモーツァルトを陥れる画策を練り始める・・・・。 | |||
私評:僕は下衆な男です。でも、僕の音楽は違う・・・・・。すごい!やっぱりこの映画はすごいです。セットのすごさ、音楽のすごさ、演技陣のすごさ、そしてシナリオのすごさ、どれをとっても文句のつけようがない。特にサリエリを演じるF・マーレイ・エイブラハムとモーツァルトを演じるトム・ハルスは最高です。この年、F・マーレイ・エイブラハムがアカデミー主演男優賞を受賞したのですが、トム・ハルスとダブル受賞にして欲しかったな・・。今回は20分にも及ぶシーンが追加されている。すごく興味深いのはサリエリとモーツァルトの妻コンスタンツェのシーンと、貧困にあえぎ借金しまくるモーツァルトのシーン、そしてサリエリの悪行など、オリジナル作品のイメージを崩さず、なおかつ重要な事柄を盛り込んでいます。3時間は決して長くなかったです。しかし・・・・・・・、今回の売りであるはずのデジタルサウンドに関してはガッカリ。音は確かにデジタルドルビーになっているのですが、ノイズが多く、しかも伸びきったテープのように音楽が微妙に早くなったり遅くなったり。私はそんなに音楽通ではありませんが、誰もがこれには気付いたでしょう。せっかく、JBLの最高の音響システムを誇るタイムズスクエアで上映しているのに、めっちゃ残念でした。余談ですが、モーツァルトの妻を演じる巨乳のエリザベス・ベリッジって宮崎美子(今は宮崎淑子だっけ?)に似てると思うのですが・・・・。 | |||
スパイキッズ2 失われた夢の島 | 監督:ロバート・ロドリゲス | 出演:アレクサ・ヴェガ、ダリル・サラヴァ、アントニオ・バンデラス | |
Spykids 2 The Island of lost dreams | 2002年 アメリカ映画 | ||
パート1で世界の危機を救ったカルメンとジュニはOSS(戦略事務局)で、本当のスパイとして働いている。今日も怪しいテーマパークで大統領の娘の危機を救うため招集が掛かるが、ライバルのゲイリーとガーティが邪魔に入り、手柄は持っていかれてしまう。しかも、全世界の武器を無力化する秘密兵器トランスムッカーも、悪者に盗まれてしまう。名誉挽回のために、悪者を追い謎の島へとやってきたカルメンとジュニはこの島で謎の科学者と出会う。彼はこの島での実験で、不気味な容姿の動物を作り出してしまい、島の地下に隠れていたのだ。しかも、この島には彼が発明した巨大なトランスムッカーがあるため、ハイテクの武器はまったく使えない。二人を追い、ライバルのゲイリーとガーティ、そして二人の両親とおじいちゃんとおばあちゃんまでこの島に乗り込んでくる。果たしてカルメンとジュニは、トランスミッターを悪の手から守ることができるのか??・・・・・ | |||
私評:スパイに必要なのはハイテクな武器??いや、使い方しだいでこの輪ゴムも・・・・・面白かった〜!私は「1」より「2」の方が断然面白かったです。想像を絶する?ハイテクマシーンの数々、そして終始ぶっちぎりのテンポの良さで100分間があっという間でした。ちょっと大きくなった二人のキッズが、それぞれに恋らしきものをしたり(?)して、これも面白かったです。また、今回はライバルのスパイキッズが登場するのも良い設定でした。ライバルスパイの女の子はなんと、ハーレイ・ジョエル・オスメントの妹!!これがそっくりすぎて笑っちゃいました。今回はお父さんのアントニオ・バンデラスとお母さんのカーラ・グギノの脇役でした。でも、二人の子供がしっかり演じているので、これでいいのだ!おじいちゃん役は「スター・トレック・シリーズ」でカーンを演じたリカルド・モンタリバン。笑わせてくれます。「1」から引き続き、アラン・カミング、トニー・シャルーブ、ダニー・トレホ、そしてチーチ・マリンが同じ役でちょっとだけ登場します。今回の新キャラで要注目は怪しい科学者役のスティーブ・ブシェミ。やっぱり、怪しい役は彼が一番です(笑)。どんどんパワーアップしていくキッズたちのパート3はあるのかな?? | |||
クラブ・バタフライ | 監督:キム・ジェス | 出演:アニータ、キム・ヨンホ、キム・ヒョニ | |
Club Butterfly | 2001年 韓国映画 | ||
30代の夫婦のヒョクとキョンは、いわゆる倦怠期になっていた。共働きで経済的には不自由はないものの、セックスはすれ違いばかり。気分転換に旅行に行き、思い切りふたりだけの時間を楽しもうとするが、なぜかヒョクは妻にこたえる事ができなかった。そんな時、ヒョクの元に、スワッピングの誘いのメールが届く。”クラブ・バタフライへようこそ”。夫婦の危機を友人のウの打ち明けたヒョク。そして妻のキョンもウの妻に同じ悩みを打ち明けていた。そしてキョンはウの夫婦がスワッピングをしている事を聞かされる。しかも、それが夫婦円満の秘訣なのだと。ついに二人はスワッピングパーティに参加を決意するが・・・・・ | |||
私評:これで、私たちうまく行くのかしら・・・・。最近、韓国からこういうエッチっぽい映画がいっぱい来てますね。韓国映画に、あまりはずれがない私は早速見に行ってきたのですが内容は、現代版のロマンポルノといったところかな?ただのエロチックな映画ではなく、夫婦のあり方、セックスに対する考え方、モラルや風習も織り交ぜ、きちんとした作品になっています。でも、この題材って20年位前の日本では取り上げれらていますよね。でも、この映画の面白いと思ったのがラストなんです。これって見てる側に考えろってことなんでしょう。まあ、ここにオチを書くわけにはいかないので、興味のある人は映画館でお確かめ頂くか、私にメールをください(笑)。主人公の倦怠期の妻を演じるのは韓国のトップモデルアニータ。でも、ガンガン脱ぎます(笑)。そしてウの妻を演じるのは元・ミス韓国(本当か??)のキム・ヒョヒ。彼女もガンガン脱ぎます!!(爆笑) まあ、この夫婦の気持ちは分からないこともないですが、どうなんでしょうね??日本ではノーカット・オリジナル版で公開されていると言うことは、韓国ではカットされていたのでしょうか? | |||
ル・ブレ | 監督:アラン・ベルベリアン | 出演:ジェラール・ランヴァン、ブノワ・ポールブルード | |
Le Boulet | 2002年 フランス映画 | ||
仲間の裏切りによって投獄された希代の大悪党モルテス。彼は模範囚として刑務所で7年間を過ごし、まもなく出所できることになっていた。ある日、仲の良い看守のレジオに頼んでいた宝くじが当たった。賞金はなんと1500万ユーロ!しかし、モルテスはレジオが当たりくじを盗んだと勘違いして、刑務所を脱獄し、またしても警察に追われる身になってしまう。ところが、レジオは宝くじを盗む気はまったくなく、宝くじを買ったあと、アフリカに行ってしまった妻と連絡を取っていたのだ。モルテスとレジオはレジオの妻を追いアフリカへと向かう。モルテスに恨みを持つ男のトルコ、そしてモルテスを追う警察とどんどんアフリカに集結。モルテスとレジオはダカールラリーに参加し、妻を追うが・・・・ | |||
私評:一緒にアフリカまで行ってもらうぜ!・・・・笑いとアクションをふんだんに盛り込んだ快作でした。特にカーアクションはすごいですよ。予告編でもあったメリ−ゴーランドのシーンは必見です。でも、私的には一番の見所はトルコとレジオの妻が踊るシーン。これは大爆笑でした。この映画ってフランス映画なのですが、ハリウッド映画のノリなんですよ。このテンポの良さ、そしてアクションのつるべ打ちはお勧めかも?でも、私は主演の一人ブノワがどうも苦手。めちゃうるさくて、笑えるシーンも笑えなかったんです(悲)。これはあくまでも私個人が合わなかっただけで、多くの人は楽しめると思いますよ。この映画に出てくる、歯に金属を入れた大男は、ぜったいに007シリーズのリチャード・キールだと思ったら、偽者でした。彼を真似してるのですが、彼がまた良く似ているんですよ。フランス映画の「TAXI」も、私はイマイチ乗れなかったのですが、この映画を好きな人には絶対にお勧めできます。1500万ユーロって日本円だと幾らくらいなのか?調べておこうっと。 | |||