今週は淋しく3本のご紹介にとどまりました。 忙しいときは仕方ないです・・・。
1999年 : アメリカ映画
監督 : シドニー・ルメット
主演 : シャロン・ストーン、ジョージ・C・スコット、ジェレミー・ノーザム
フロリダ刑務所で刑期を終え、故郷のニューヨークに戻ってきた女、グロリア。
犯罪組織の一員として刑に服した彼女は、当然のように組織を訪ねたが、
そこで待っていたのは元の仲間たちの冷酷な裏切りだった。
ついの彼女は銃を向けた。そしてその場に居合わせた7歳の少年とともに
脱出を試みるのだった。 しかし少年は組織の重大な秘密を知っていたため、
彼を殺すべく組織は全力を挙げた。行動を供にし徐々に少年への愛情が深まって行く
グロリア。もう、失うものはないと信じていた彼女は、やっと掛買いのない
守るべきものを見出したのだ。 そして二人の過酷なサバイバルゲームは開始された。
私評:80年版のグロリアは決して美人ではなく、どん臭いイメージが逆に母性愛を
感じさせ、またリアリティーを醸し出した。 シャロン版ニキータは、ピンヒールに
挑発的なミニスカート。 女の武器を十分兼ね備えているにも関わらずハードボイルドな
世界にどんどんはまって行くインテリジェスな女だった。 良い悪いは別として、シャロンの
グロリアは魅力的だった。でも、どうしてもオリジナル版と比較してしまう。
カサベテスが作り上げたグロリアのイメージが強烈過ぎた。 何故この映画をわざわざリメイク
したかは分かりませんが、「グロリア」を見るつもりだと物足りない。 でも、シャロンの別の
映画だと思えばそれなりには楽しめる。 相変わらずゴージャスなボディーのシャロンを見るに
留めましょう。
1998年 : イタリア映画
監督 : アウレディオ・グリマルディ
主演 : アルバ・ピエレッティ、ミキ・マノロヴィック
音楽家の亭主を持ち、自らも画商として働く人妻。 彼女は亭主との生活には
満足していると思いこんでいた。 そんな亭主は心から妻を愛していたが、
コンサートのため妻を一人残しパリを訪れることになった。
ある日仕事中に倒れてしまった彼女は医者から毎日「肉」を必ず
食べるように指導された。 友人の紹介で訪ねた
肉屋を通うようになった彼女は、ある時肉屋の夫婦の情事を目撃してしまう。
それ以来亭主を見る目が変わってしまった彼女は、肉屋の亭主に気持ちを見透かされ
ついには彼との情事に溺れて行くのだった。
私評:欲情が辿りついた場所・・、ヨーロッパ全土に空前の官能ブームを巻き起こした・・・。
チラシのコピーもこの部分しか使えません。 ワイルドな逞しい男と人妻の不義は、
「チャタレイ夫人の恋人」「ピアノレッスン」というクラシックな作品もあるので、
もう少し格調高い映画を期待していたのですが、そっちの方の期待は見事に裏切られた。
作りも雑だし、カット割りもすごくヘタ。音楽を最後まで聞かせるために、バスからの
景色を延々映したり、セックスシーンも「もう良いだろう〜」って位長い。
私のように笑い飛ばせればそれなりには楽しめると思いますよ。しかし、さすがにイタリア映画!
こういう映画でもテンションが高い!!
1998年 : オランダ映画
監督 : ロバート・ヤン・ウェストダイク
主演 : ヒューホ・メッツェルス、ルーラント・フェルンハウト
ヴラトカ・シーマック
アムステルダムの町で観光に訪れた女のこを片っ端からナンパして
体とお金を頂戴する二人組ヒューホとゴーフ。しかも、彼らは女の子達の
パスポートを破いて勲章としてコレクションしていた。ヒューホはクールに
事を片付けるがゴーフは心優しく、また女の子達にも同情的ですぐに惚れてし
まう。 そんな二人の前にシベリアからやってきたララが現れた。しかも
ゴーフはそんな彼女にすっかり惚れこみ二人のアパートに連れこんでしまう。
そしてゴーフは彼女の故郷シベリアに連れかえる決意をし、今まで二人で貯めてきたお金を山分けしようと持ち出す・・。
私評:面白い!! とにかく主演の二人は本当なら許せないファックボーイたち。 でも、彼らの
キャラクターの良さがこの映画のキーです。 特にゴーフはとても憎めないキャラクター。ララを
愛するあまり暴走もしてしまう。 また、ララはミステリアスでしかもビッチな部分も兼ね揃えている。
この3人の絡み合いが面白いんです。 本当は誰が1番ワルなのか? はたしてシベリアに辿りつくのは
誰なのか? この結末は映画でご覧下さい。 しかし、最近のヨーロッパ映画は本当に面白い。
この映画にしても勢いがある。 パワーがある。 早回しの町の風景。 視線をモノクロの画面で写す。
音楽だってガンガンのクラブ系。「ロック・ストック・・・」ではまった人たちには超おすすめです!