今回は4本です。また、いろんなジャンルにトライしてます。しかし、今回はどうしてもなじめなかった映画が
あります。 たまには,そう言う映画もありますよね!
1998年: フランス映画
監督 :ギャスパー・ノエ
出演 :フィリップ・ナオン、ブランディーヌ・ルノワール
馬の肉を売る男。彼はパリを追われ愛人とともにフランスの片田舎に逃れていた。しかし、愛人の女の態度にキレタ男は妊娠中の彼女を腹をしこたま殴りつけ、そして逃げるようにパリに戻ってきた。金を稼ぎたい彼は、古くからの友人や紹介先を訪ね歩くが,仕事は一向に見つからない。日頃から蓄積してきた、心の中のもやもやは、臨界点に達しついにはぶち切れる寸前。隠し持っていた拳銃ですべてに片をつけようと思いを巡らせる。そして病院に預けていた娘を連れ出し、すべてに終止符を打とうと試みる・・・。
私評:カメラのアングルが変わるたびに、銃声のような音が鳴り響く。そして淡々と語られるどうしようもない男の愚痴が延々と語られる。彼に同情の余地はまったくない。仕事がないのも愛人の女に罵倒されるのもすべて自業自得だ。この男の愚痴に90分間付き合いたい方にはお勧めします。後半近く、突如画面に現れるカウントダウン。 「逃げるなら今のうちだ・・」その先の衝撃はぜひ,劇場でお確かめください。私的にはどうしようもない映画。終始神経を逆撫でされ最後の最後まで不快なだけの映画でした。
1998年 : アメリカ映画
監督 :スティーブン・メイラー
主演 :アリー・シーディ、デヴィッド・リー・ウィルソン、ダイン・ディリー
20年前、両親の離婚により離れ離れになっていた3姉妹とその弟。母方に残った3姉妹は逞しく自分たちを育て上げてきた母親を心から愛し、自分たちを置いて消えた父を憎んでいた。ある日、父親と一緒のダニエルの元に3人の姉が訪ねてきた。急な再会に戸惑いながらも、彼女たちを受け入れるダニエル。しかし,彼女たちが訪ねてきた理由は、母親が病で倒れ彼に会いたがっていたからだ。そして再会。結婚を間近に控えていたダニエルは、ここぞとばかり離れていた家族の交流を持とうと奮闘する。そして心の傷を埋め,20年間の空白を埋め、忘れそうになっていた人生の大切な「何か」を発見していく・・・。
私評:ファミリー・ドラマの秀作でした。家族の繋がりは、やはり他人との繋がりとは違う。心行くまで喧嘩ができるのも家族なんでしょうね。この映画を見終わった後、すごく他人に対してやさしい気持ちになれますよ。登場人物たちはわがままだったり、泣き虫だったり、本当の気持ちが言えない小心者だったり・・。でも,そんな彼らは映画を見ている今の自分を映す鏡だったような気もするし、昔の青い自分を見るようで恥ずかしかったり・・。そんな彼らが実は素直だったりすると、こっちが嬉しくなるんですよね。後半の30分は感動の涙・涙・・だったけど、見た後がとても爽やかで気持ちが良かったです。
1997年 : アメリカ映画
監督 : スティーブ・ソダーバーグ
主演 : テレンス・スタンプ、ピーター・フォンダ、バリー・ニューマン
刑務所を出たばかりのウィルソンは、服役中に事故で死んだ娘の真相を探るべく単身LAに乗り込んだ。 娘が事故で死んだとは思っていない彼は、娘の交友関係を洗っているうちに、音楽プロデューサーのテリーに辿りつく。彼はかつて裏のビジネスも手がけており、麻薬に手を出していたのだ。そしてついにテリーを追い詰めるが・・・。
私評:ストーリーはいたってシンプルだが、その描き方が非常に面白い。時間の違う3つくらいのシチュエーションを行ったり来たりしながら、ウィルソンが語っていきます。また、若かりし頃のテレンスが出演したケン・ローチ監督の「夜空に星があるように」が効果的に挿入され、タフガイになる前の主人公のナイーブさを、上手く描いていました。でも、やっぱりこの映画の見所はテレンス・スタンプ本人。めっちゃカッコイイです。確かに顔の皺がふえ、昔のような美青年ではありませんが、あの怖いくらいの緑の瞳がとても印象的。見のこなしも軽い。 対照的なのはピーター・フォンダ。昔のタフガイぶりはどこへやら、今回はただのニヤケ男。しかし、逆にこう言う役ができる彼も素晴らしいです。たぶん次回は「機関車トーマス」で彼と会うのかな??
2000年 : アメリカ映画
監督 : ジョナサン・モストウ
主演 : マシュー・マコノヒー、ハーヴェイ・カイテル、ビル・パクストン
ジョン・ボン・ジョヴィ
1942年。太平洋戦争の最中、北大西洋はUボートを要するドイツ軍の手中にあった。一隻のアメリカの潜水艦が極秘の任務のため,北大西洋を航行していた。彼らの任務はドイツ軍の最新型暗号器「エニグマ」の奪取。この暗号器を奪う以外に連合軍に勝利はあり得ない。Uボートに偽装した彼らは敵艦U−571に接近し占拠に成功。エニグマも 奪取したかに見えたその瞬間,味方の潜水艦は敵の駆逐艦により撃沈された。やむなくU−571での帰還を迫られた彼らは、絶体絶命のピンチをかい潜り脱出を試みるが・・。
私評:この映画を見て、また決意を新たにしたことがあります。潜水艦には一生乗りません。潜水艦の怖さは私の場合あの息苦しさです。しかし、今回の映画でもその辺りの恐ろしさが上手く描かれていました。ただ、どうしてもドイツ映画「Uボート」には敵わないです。今回はアメリカ側の立場の映画なんで、マシュー・マコノヒー辺りはカッコ良いヒーローになってますが、本来はもっと泥臭く、そしてもっと悲惨であったと思います。その辺りのリアリティーを求めると,ただの悲惨な映画になってしまうので映画的にはこれでOKだと思います。今回の映画でカッコ良かったのはハーヴェイ・カイテル。クルーの中でも年配で誰もが頼りにする、しかし自分の立場はしっかりわきまえているベテランチーフ。彼が最後に臨時艦長のタイラーに告げた言葉がすご〜く好きです。男気あふれるセリフでした。