2003/8/25号

やっと、訪れた本宅的な夏の暑さ。こんな時は映画館で涼みましょう。
怖い映画を見れば、効果は倍増??

28日後・・  監督 :ダニー・ボイル  出演:キリアン・マーフィ、ナオミ・ハリス
28 Days Later  2002年 イギリス映画
今週のイチ押し:ある、実験室。そこではチンパンジーが監禁されていた。そこに入り込んだ武装の集団はその光景を見て愕然とする。しかし、そこのチンパンジーたちはあるウィルスに冒されていたのだ。一人の女が檻のドアを開けた途端、中から飛び出してきたチンパンジーに噛み付かれた。数秒後、彼女は大量の血を吐き出し豹変した。あっという間に、実験室は血の海に・・・。その28日後、ジムはロンドン市内のある病院で目を覚ました。病院はまったくの無人、電話も繋がらない。外に出た彼は人っ子一人いないロンドンの町を徘徊する。ある教会に足を踏み入れたジムは、そこでウィルスに冒され野獣と化した人々に襲われる。そんな彼を助けたのはマークとセリーヌ。事情を聞かされたジムは彼らと自分の家へと向かうが、両親は自殺していた。絶望の中、彼らは希望を模索しロンドンの街を徘徊する・・・。
私評:生き残ることだけが全てじゃないと分かったわ・・・・この映画はホラー映画であり、SF映画であり、そしてサバイバル・アクション映画でもあります。絶体絶命の状況の中でわずかな「希望」にすがりながら生きていく主人公たち。しかし、彼らの希望を次々と打ち砕くかのように襲い来る危機、また危機。すごい迫力で物語は展開していきます。とにかく怖いです。それはウィルスの恐怖、それに冒され恐ろしい形相に変わった人々、そしてその中で正気を失っていく人々と、恐怖の対象が変わっていくのです。そして人間はどこまで強くなっていけるのかが、この映画の最大のテーマ。その原動力はやはり「希望」なんですね。監督は「トレイン・スポッティング」のダニー・ボイル。ハリウッドで撮った「ザ・ビーチ」と「普通じゃない」は(イイのですが)何か物足りなかったのですが、彼の地元イギリスで本領発揮です。デジタルカメラで撮影したちょっと粗い映像も、逆にいい雰囲気を醸し出していました。そしてこの映画のラストは「新たな希望」なのか?それとも「最悪の終焉」なのか??キーワードは「HELLO」
ファム・ファタール  監督 : ブライアン・デ・パルマ  出演:レベッカ・ローミン=ステイモス、アントニオ・バンデラス
Famme Fatale  2003年 アメリカ映画
映画祭で賑わう、フランスのカンヌ。レッド・カーペットの上を続々とセレブたちが歩いていく。その中でもひと際目を引くのは、1000万ドルのダイヤをあしらったビスチェをまとったヴェロニカだった。会場の舞台裏では、彼女のダイヤを強奪するための準備が着々と進んでいた。主犯格の女ロールは、ヴェロニカに近づき、そしてついに宝石に手を掛ける・・・。しかし、、土壇場で仲間を裏切り宝石を持ったまま会場を抜け出すのだった。パリの街でロールは国外脱出のため偽造パスポートを受け取ろうとしていた。しかし、カンヌで彼女に裏切られた男がそこで待ち受けていた。そして彼女はホテルの回廊から突き落とされてしまう。気づくと彼女は見知らぬ家のベッドに寝ていた。ロールはリリィという女性と間違えられ、この家に運ばれたのだ。リリィは夫と幼い子供を亡くして失意のどん底から行方を晦ましていたのだ。しかも、リリィはロールと瓜二つの顔を持っていた・・・。
私評:私は悪い子。心の腐った悪い子なの・・・・・久々にデ・パルマ節の映画を見た。舐める様なカメラが、主人公の視線で動いていく。美女の濡れ場が随所に登場。そしてあっと驚くどんでん返し。私が見たかったデ・パルマ映画はまさにこんな映画。お得意のオープニング長廻し撮影は、思わずニヤリ。そしてすごく気分の良いテンポで、怒涛のクライマックスまでグイグイ引き込んでくれます。それはもちろんデ・パルマの演出が良いこともあるのですが、そこで一躍買っているのが坂本龍一の音楽なんですね。流暢でしかも格調高い音楽は、この映画のもうひとつの主役と言って良いでしょう。あの「ボレロ」にそっくりの音楽の、裏話はパンフレットで読んで笑ってしまいました。(これは敢えて申しません)主演は「X−MEN」のミスティークで、ナイス・バディだけはみんなが知っているレベッカ・ローミン=スティモア。彼女の素顔を初めて見た方も多いのでは??そして彼女を追うカメラマンにアントニオ・バンデラス。まさに、今の時代にピッタリのファッショナブルな映画。この映画のラストは絶対に言えませんが、私はすごく好きです!!
呪怨 2  監督 :清水崇  出演:酒井法子、新山千春
Juon 2  2003年 日本映画
ホラー・クイーンの異名を持つ京子は、かつて惨劇のあった家で撮影をすることに。無事に撮影を終えたかのように思えたが、撮影スタッフすべてに「呪怨」は付きまとっていく。京子はフィアンセの車に同乗中、事故に逢い、子供を流産してしまう。しかも、フィアンセは意識不明の重体。撮影のレポーター朋香は数日前から部屋の壁を叩く音に悩まされていた。その部屋は角部屋なのに・・。メイク担当の恵は撮影場所にあった黒いしみが気になって仕方がない。徐々に広がっていく伽椰子と俊雄の呪い。そしてついに・・・・。
私評:あ"あ"ああぁああぁぁああぁあ"・・・・呪怨ワールドが、新たな方向に向かって進みだした。ビデオ版からのパターンは崩さず、一話一話を細切れにして紡いでいく。この作りだとどうしても話に「当たり」と「はずれ」が出てきてしまうのですが、この呪怨はその辺りを緻密に作ってあるんですね。今や日本一のホラーキャラになりつつある俊雄君は今回も大活躍。絶妙のタイミングで登場するんです。それがこの映画の中でもビックリさせるポイントなのですが、私はかなり笑ってしまった・・(笑)。そして伽椰子登場のシーンでは、必ず「ああああぁぁああ・・・」という声がきこえてくるんですよ。ラストはなんだかとんでもない展開になってしまったので、「呪怨3」の可能性も十分ありでしょう?私的には、これで打ち止めにして欲しいけど・・。主演はアイドル時代、私も大好きだったノリピーこと酒井法子。彼女の怖がる演技に、ちょっと不満ありです・・。レポーター役の新山千春はなかなかグッドでしたよ。
ジョニー・イングリッシュ  監督:ピーター・ハイウット  出演:ローワン・アトキンソン、ジョン・マルコヴィッチ
Johnny English  2003年 アメリカ映画
イギリスの諜報部員が任務の遂行中に死亡。そして彼の葬儀中の爆破事件で他の諜報部員が全員死亡・・。(その原因はここでは語るまい・・) イギリスで、残った諜報部員はジョニー・イングリッシュだけになってしまった。そして彼には重大なミッションが与えられる。女王の戴冠式用の宝石の展示会の警備についたジョニーだったが、まんまと全てを盗まれてしまう。この事件の主犯をフランスの富豪パスカルと睨んだジョニーは、執拗に彼を追うがやることなすこと失敗ばかり。しかし、パスカルはとんでもない事を企んでいたのだ。パスカルの野望を阻止できる男は、ジョニー・イングリッシュただ一人。彼のあまりに無謀な捜査が始まる・・・。
私評:俺は数々の危険を潜り抜けてきたからね〜・・・ローワン・アトキンソン最高!どうしてもミスター・ビーンのイメージが強いのですが、今回新しいキャラを怪演!!これがまた、最高に面白いキャラクターです。とにかくやることなすことドジばかり。はっきり言って「バカ」です(笑)。3分に一回は大爆笑で、映画が終わる頃にはお腹が痛くなっちゃいました。しかし、上映時間が87分なので心置きなく腹筋を使えるのです。これが2時間だと疲れちゃうんですよ・・。見てお分かりのとおり、この映画は007をパクッたシーンが多いのです、この映画の脚本はなんと本家007の「ダイ・アナザー・デイ」の脚本を担当したニール・バーヴィス&ロバート・ウェイド。今回の敵役はなんとあの、ジョン・マルコヴィッチ。フランス訛りの変な英語がまた笑えるんです。しかし、今回はローワン・アトキンソンに完全に食われてしまった・・。ジョニーの片腕ボフを演じるのは「バースディ・ガール」のベン・ミラー。彼とローワンは絶妙のコンビでした。そしてこの映画の華は女スパイ(?)役のナタリー・インブルーリア。彼女って歌手なんですね。とにかく笑いたい人にはオススメです。しかし、めちゃIQが低い映画ですよ・・。(笑)
コンフェッション  監督・出演:ジョージ・クルーニー  出演:サム・ロックウエル、ドリュー・バリモア
Confessions of a Dangerous Mind  2003年 アメリカ映画
若くて希望に溢れる青年チャック・バリスはエンタテイメント業界で一旗挙げようとNBCの案内係としてキャリアをスタートした。そんなある日、彼はペニーという女神に出会う。彼女との交際を始めたチャックは、彼女の何気ない一言から「デートゲーム」のアイデアを得る。しかし、彼が作ったテスト版はABCテレビに採用されなかった。そんなある日、彼の前にジムという男が現れる。彼はチャックにある仕事を依頼する。それはアメリカにとって都合の悪い人間を殺すことだった。厳しい殺しのトレーニングを受け、家に戻ったチャックにABCから電話が掛かる。彼のアイデア「デートゲーム」が採用され、彼はプロデューサーとして働くことになった。表向きは花形プロデューサー、しかし陰では殺人者としての二重生活が続いていく・・・。
私評:君は天性のハンターだ・・・・チャック・バリスとは実在の人間。この物語は彼の告白(コンフェッション」を映画化したものだ。しかし、なんとも波乱万丈の人生です。そして映画の中で、実際に彼に関わった人々が実名で登場。最後にはチャック自身も登場します。この映画の監督は、あの希代のプレイボーイ、ジョージ・クルーニー。しかし、彼の演出はすごく面白いです。憎い演出が多々あって、思わずほくそ笑んでしまった。そして音楽の使い方がまた上手いんです。ただ、途中からすごくテンポが悪くなってしまったのが残念。題材も素晴らしいんですけどね・・。主演のチャックを演じるのはサム・ロックウェル。彼は素晴らしいですね〜。彼の出演の決め手になったのが、やはり今日から公開されている「ウェルカム・トゥ・コリンウッド」でのジョージとの共演なのだそうです。こちらの映画も必見!!そして共演陣はドリュー・バリモア、(いとしの)ジュリア・ロバーツ、「セクレタリー」のマギー・ギンレイホール、大御所ルトガー・ハウアー、そしてジョージ自身も登場。この役者たちを見るだけでも、十分贅沢な映画ですね。余談ですが、サム・ロックウエルとドリュー・バリモアの2ショットって見たことがある!って思ったのですが、この二人ってチャーリーズ・エンジェルの1作目で共演していたのですね。


前回の記事も読んでね〜!



I Love Movieに戻る