2001/8/13号

今回は本当に良い映画ばかりでした。ドリヴンがブッチ切りかと思ったら
ブリジットに肉迫され、ヴァンパイアにかわされた後、反則王がうっちゃったという感じ?

反則王  監督:キム・ジウン  出演:ソン・ガンホ、チャン・ジニョン
The Foul King  2000年 韓国映画
今週のイチ押し作品!:イム・デホはダメダメ銀行員。今日も会社に遅刻して上司にこっぴどく怒られた。しかも,その上司はトイレでいきなりのヘッドロック攻撃。帰りの道では不良に殴られ,家に帰れば父親に嘆かれ、もちろん恋人もいない。そんな彼の目に飛び込んで来たのは,寂れたレスリング・ジム。館長に一度は断れたもののついに入門を許可された。館長の娘のコーチとイムの努力が少しずつ芽を出し始めた。しかし、ジムの経営に苦しむ館長はプロモーターから反則専門のレスラーを育てるよう持ちかけられていた。もちろん、そのレスラーとは・・・。

私評:また、韓国映画にやられた!とにかく笑えます、最初から最後まで場内は大爆笑。小さなギャグからドタバタまで笑いのエッセンスを散りばめまくったキム監督は、わたしのお気に入り「クワイエット・ファミリー」の監督。「クワイエット・・」同様、パワフルな演出には恐れ入りました。また、音楽の使い方が実に上手い。主演はソン・ガンホ。『シュリ』『JSA』と韓国映画の顔ですね。もちろん、『クワイエット・・』にも出演してました。スタントを使わない演出を,いくつもこなした彼にも恐れ入りました。しかし、彼は笑わせるタイミングと言うか「間」が良いです。また,笑いだけじゃなくてちょっとした男の哀愁、ささやかなラブ・ロマンスと友情、そして感動が・・・。しかし、ラストの終わり方はアレで良いのか??クワイエット・ファミリーでめっちゃ好印象だったコ・ホギョンと「JSA」でソン・ガンホの弟分の兵士を演じたシン・ハギュンがチョイ役で出演。コ・ホギョンはセリフなし・・・。でも、めっちゃカワイイ・・。 一番笑ったのは「シム・ウナ!」のシーンです(謎)。

ドリヴン  監督 :レニー・ハーリン  主演 :シルベスタ・スタローン、キップ・パルデュー
Driven  2001年 アメリカ映画  
若き天才CARTドライバージミー・ブライは,ポートランドのレースで昨年のチャンピオンボー・ブランデンバーグを抜き去り、一躍時の人になる。しかし、若い彼を襲う様々なプレッシャーにより、たちまちスランプに陥ってしまう。チームのオーナー、カールはそんな彼の為に、かつての花形ドライバー、ジョー・タントに助けを求めた。レースへのカンバックを目論んでいたジョーだったが・・・。 ジョーとの出会いにより,少しずつ肩の荷を下ろしかつての覇気を取り戻して行くジミー。今年度も優勝を狙うボーを僅差に捕らえ、最終レースへと臨むのだった・・・。

私評:時速400Kmのエクスタシー・・。ド迫力シーンで終始押しまくるスゴイ映画だった。コックピットからの映像は怖かった〜。飛びあがるカートカー、それに突っ込む後続車。もちろんCGなんだけど、あの”見せつけ”、そして”ぶち壊す”映像はまさにレニー・ハーリン。期待以上の迫力シーンに終始唖然としてしまった。脚本はスタローン。相変わらずなんの捻りもない内容ではあるけれど、こういう映画にあれこれ詰め込むのはナンセンス。男同士の友情もベタではあるけれど、ドラマを盛り上げるには最高だった。演出ではスタローンは今回サブに廻り、オイシイ場面は若手のキップ・パルデューとティル・シュワイガーに譲っていた。また,この二人がとても良い〜。そして車椅子のチームオーナー役のバート・レイノルズが素晴らしい。女優陣も「猿の惑星」にも出演していたエステラ・ウォーレン、「ショーガール」のジーナ・ガーションが花を添えます。(二人は本当に添え物のような扱いなんですが・・・) 公道をカートで疾走するシーンは最高でした。
 シャドウ・オブ・ヴァンパイア  監督:E・エリアス・マーハイジ  主演:ジョン・マルコヴィッチ、ウィレム・デフォー
Shadow of the Vampire  2000年 アメリカ映画
1921年。ドイツの映画監督ムルナウは吸血鬼映画を撮影にとりかかっていた。しかし、ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』は未亡人の許可が下りず、『吸血鬼ノスフェラトゥ』というタイトルになった。クルー一行が向かったのはチェコの古城。そこで吸血鬼役の俳優,マックス・シュレックと合流することになっていた。マックスは独特の役作りをする事に定評がある性格役者。そして古城に現れた彼の容姿はヴァンパイアそのものだった。メイクは落とさない、撮影は夜だけ・・。ムルナウとマックスの間には何やら、アヤシイ取り交わしがあったようだ。そして撮影現場では一人,また一人と被害者が・・・。

私評:この夏一番の怖〜い映画?? ジョン・マルコヴィッチ&ウィレム・デフォーというすごい取り合わせの映画。ウィレムのメイクアップはアカデミー賞を受賞した。いや,本当にすごいメイクだった。また、ウィレムはこの役を演じられる数少ない役者でしょう。最初の登場シーンの怖い事怖い事・・・。しかし、だんだんと恐怖が笑いに・・。彼の大袈裟な演技がだんだんとコミカルになっていく。監督役のジョンも迫力の演技。もしかして、この二人が役柄を入れ替わっても面白い映画になったかも?映画の作りも面白いです。『吸血鬼 ノスフェラトゥ』の映画のシーンをそのまま画面に再現している。セピアがかった画面、アイリス・・・。そして面白いのがサイレント映画なので、監督がそのシーンの状況を口で説明し,それに合わせて役者が演技をしているところ。サイレントのころはこんな撮影だったのでしょうね。衝撃の事実に関しては、映画をご覧になってお確かめ下さい。 めっちゃ,面白かった〜・・。
ブリジット・ジョーンズの日記  監督:テリー・ツワイゴフ  主演:ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンスン
Bridget Jones's Diary  2001年 アメリカ映画
30代、出版社勤務、独身のブリジットは悩んでいた。一人でいるのはもううんざり。でも、あまり男に飢えているようには見せられないし・・。少しでも心の支えになればと日記をつけ始める。家族や親戚の集いに呼ばれれば,必ず「恋人は?」「結婚は??」・・・。もう、勘弁して! そこで会った幼なじみの弁護士マークには,憎まれ口を叩かれて・・、でも、なんとなく彼の視線を感じるのは・・・。会社の上司ダニエルはちょっと気になる存在。そんな彼からメールが・・。そしてまさかのデートの誘いが!ここは一番、バッチリ決めなくちゃ。そして彼とは,その日のうちにバッチリ関係を持ってしまった。そして二人だけのめくるめく時間・・・。でも、週末のデートの最中に・・・???

私評:レニー・ゼルウィガーの魅力爆発・・・・ この映画のために体重を増やして臨んだレニー嬢。今回は等身大の30代の悩める女性を好演。 これぞ体当たり演技ですね。ちょっと太目のバニー姿にはビビッたけど・・。しかし、この映画の中で彼女は一体何回コケたのだろうか??(笑) 男の私が見ると、間抜けでカワイイ女性の物語で留まってしまうのですが、女性が(特に同年代の)見ると色々と考えさせられる内容かも??でも、男の立場で見ても、彼女に共感できる所はたくさんあるんですよ。彼女の上司のプレイボーイがヒュー・グラント。彼は女性関係で色々と噂になったので,彼の私生活とダブってしまった(笑)。チラシに書いてあるのですが、「ブリジットのライフスタイルを真似ると、貴女の健康を損なう場合があります」との事です。 気を付けましょう?(爆笑)
愛のエチュード  監督:マルレーン・ゴリス  主演:ジョン・タトゥーロ、エミリー・ワトソン
The Luzhin Defence  2001年 イギリス・フランス合作映画
天才と謳われたチェスプレイヤーのルージンは、今年もチェスの世界大会に出場するため,北イタリアにやってきた。その風貌はちょっとだらしなく、とても天才には見えないが・・。同じ頃、ナターリアも,避暑地としてこの場所を訪ねていた。ナターリアを一目見て恋をしてしまったルージンは、彼女の身の上も確かめずプロポーズをする。最初は戸惑っていたルージンも、彼の純粋さに惹かれていく。彼女の愛情を武器にルージンはチェスの大会で勝ち進んでいく。しかし、度重なる勝負のプレッシャーは彼の精神を少しずつ蝕んでいくのだった・・・。

私評:天才チェスプレイヤーとブルジョワ嬢の切ない恋・・・。エミリー・ワトソンってこんなにキレイだったんだ・・。どうも、一風変わった役柄が多かったエミリーですが、この映画のような淑女(?)もしっかり演じられるんですね。そしてあの美しい背中・・。それに引き替え,相変わらず変人役のジョン・タトゥーロ!見るからにアヤシイ男でした。いくらピュアな性格だからって、あんな男を好きになるだろうか?でも、この判断がこの映画を面白く見れるか,見れないかの境界線のような気がする。この映画の舞台、北イタリアのコモ湖畔。ここは古代ローマ時代からの高級リゾート地なんだそうです、本当に美しい所でした。中世の城、そしてその中庭がそのままの形で残っていて感動的。1度,行ってみたいな。原題の「ルージンのディフェンス」の意味は、映画の後半に明かされます。 「愛のエチュード」というのは、なかなか良い響きなんですが・・・・・。


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