2001/8/6号

ちょっと短期間でまとめて映画を鑑賞。内容の濃い今回、イチ押しにしたのは
ヨーロッパの女性映画と小粋な邦画。でも、他にも良い作品がいっぱい!  

ゴシップ  監督:コリン・ナトリー  出演:ペルニッラ・アウグスト、ヘレーナ・ベリストレム
Gossip  2000年 スウェーデン映画
今週のイチ押し作品!:グレタ・ガルボの主演作『クリスチナ女王』が,ハリウッドでリメイクされる事になった。主演女優の候補はスウェーデンを代表する9人の女優。スクリーンテストを済ませた彼女たちは、それぞれに思惑を抱いていた。選ばれるのはたった一人。今日の発表を待つ彼女たちの心に去来するのは期待?不安?また、この日は候補者の一人レベッカの誕生日でもあった。彼女のパーティに集まった9人。そしてついにハリウッドのプロデューサーから電話が・・・。果たして誰が栄冠を手にするのか??・・・・

私評:彼女たちには秘密がいっぱい??・・・ 「太陽の誘い」のコリン監督の作品だったのですが、まったく違うテイストにビックリ。まるで、ロバート・アルトマンの映画のようだった。最初のスクリーンテストのシーンから、ころころと変わる画面。そして彼女たちの私生活へとカメラは踏み込んで行く。臨月の女、レズビアンの女、自身過剰の女・・・。しかし、40歳を迎えた彼女たちが最後にひと花咲かせようと、必死になっている様が、おかしくもあり、悲しくもあり。それぞれのキャラクターが、それぞれ色々な問題を持ち、プライベートでは悩んでばかり・・。そして彼女たちに翻弄される男たちも、また哀愁漂うおもしろいヤツらばかり・・。この映画を見る時のポイントとして、とにかく登場人物の相関関係をしっかり把握しておきましょう。そしてレベッカのパーティーのシーンで、ついに電話が掛かってきます。そのオチも最高に笑えた。ラストシーンを見て「女ってヤツは・・・」って思うか?それとも「やっぱり、女はスゴイ・・」って思えるか?

真夜中まで  監督:和田誠  主演:真田広之、ミシェッル・リー、岸部一徳
Round Midnaight  1999年 日本映画
今週のイチ押し作品!:ジャズプレイヤーの守山にとって,今夜は特別な夜。憧れのG.P.サリヴァンが店にやってくると言うのだ。次のステージのため屋上で新曲の練習をしていた彼は、中国人のホステス、リンダが2人の男に絡まれているのを見て,とっさに救う。実はリンダはこの二人が恋人の佐久間を殺す現場を見てしまったのだ。やっとの思いで二人を撒いたが、実は二人の男は悪徳警官で外人のクラブのホステスに密輸させ,私服を肥やしていたのだ。彼らの代わりに殺人犯に仕立て上げられた守山とリンダは、指名手配になってしまう。佐久間が握った”証拠”を探すため,二人の捜索が始まった。次のステージは12時。それまでに証拠を見つけられるか・・・??
私評:「麻雀放浪記」「怪盗ルビー」の和田監督の最新作。とにかく全編ジャズ・ジャズ・ジャズ・・。めっちゃカッコイイ音楽で彩られた、イカす大人のファンタジー映画。 映画の中で経過する時間は、たった1時間30分。(本編は1時間50分)実際の時間と映画の時間がシンクロして物語が進んで行く。 それにしても真田広之,カッコよすぎる〜。 トランペットは実際には吹いていないのですが、本当に演奏しているかのよう。彼以外のカルテットのメンバーは、本物のジャズ・メンたち。彼らのステージは圧巻だった。ヒロインのミッシェル・リーがまたグッド。元々めっちゃ美人だけど、また一段と美しかった。そして脇役陣も、良い面子が揃ってます。チョイ役にも大竹しのぶ、三谷幸喜、唐沢寿明、名古屋章など、めっちゃ贅沢なメンバーです。 小粋なおとなのラブ・サスペンス。お薦めです。ちなみに,今この映画のサントラを聞きながら書いてます(笑)。
サイコ・ビーチ・パーティー  監督 :ロバート・リー・キング  主演 :ローレン・アンブローズ、チャールズ・ブッシュ
Psycho Beach Party  2000年 アメリカ映画  
1962年のマリブビーチ。16歳のフローレンスはサーファーに憧れ、伝説のサーファーカナカを口説き落として男だけのサーフチームに無理やり合流。しかし、彼女には秘密があった。彼女の中にはもう一つの人格が存在したのだ。そんな折、ビーチでは連続殺人事件が起こる。事件が起こるたびに別人格に変身しているフローレンスは、もしかしたら自分が?という不安に駆られる。しかし、彼女の周りには変な人がいっぱい。果たしてその結末は??・・・・。

私評:P・S・Y・C・H・O サイコ! ・・・。 面白かった〜。とてもおバカな映画なのです。登場するキャラたちがみんな変でめっちゃ笑える。オープニングでいきなり笑いをとり、そのまま怒涛の90分間。犯人探しはまあ置いといて(笑)、ナンセンスでクレージーな内容を思いきり笑いましょう。フローレンス役のローレンはなかなかキュートな女の子。彼女が笑わせてくれます。その他マット・ディロン似のサーファー、ゲイのカップル?、B級映画のヒロイン、男にしか目がない同級生、そしてB級映画オタクのフローレンスの親友、などなど・・。 このバカさとハイテンションに着いて行け! またビーチ・ボーイズをパクッタような音楽も最高。 いや〜,青春てすばらしい(爆笑)。しかし、この映画の予告編を昨日初めて見たのですが、ギャグシーンを全部ネタバレをしてしまっています。これから見ようと思っている方は、予告編は見ない方が良いですよ。
 デュカネ 小さな潜水夫  監督:オーケ・サンドグレン  主演:ロバート・ハンセン、ラルフ・ホラナー
DYKKERNE  2000年 デンマーク映画
夏休みをおじいさんの住む,港町で過ごす事になった兄弟クリスチャンとアスク。二人はダイビングをしている最中偶然、第2時世界大戦時に沈没した,ドイツ軍の潜水艦(U−ボート)を発見する。好奇心旺盛な二人は潜水艦の中を探検すると、そこには意外な物が葬られていた。そして弟のアスクは事故で意識不明になってしまう。おじいさんの家の近くに住む通称「骨おばさん」によると、アスクの魂は潜水艦の中に残っていると言う。 弟の魂を奪い返すためクリスチャンはふたたび潜水艦を捜索する。また、潜水艦のお宝を目当てに謎のグル−プもやってくる。果たしてナチが隠しつづけたお宝とは一体何なのか?・・・・

私評:一夏の冒険ファンタジー?? これは拾い物の映画でした。スリルとサスペンス、そして兄弟愛。すごくおもしろいエンターテイメント映画でした。海のシーンが多いのですが、魚たちが泳ぐ青い海ではない。真っ暗でプランクトンが飛び交う暗黒の世界。そこに姿を現す潜水艦がなんとも不気味だ。これはファンタジー映画というより,ホラー映画です。途中はけっこう怖かったし・・。また、それだけではなく兄弟たちの冒険物語でもあるし、お兄ちゃんと港の娘の恋愛もあるし、そして彼らを見守る家族たちの話でもあります。 特撮はハリウッド映画と比べてしまうとショボイのですが、それはまあ許してあげましょう。ラストのオチはけっこう笑えました。しかし、デュカネってどう言う意味なんでしょう?? 
ゴースト・ワールド  監督:テリー・ツワイゴフ  主演:ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンスン
Gohst World  2001年 アメリカ映画
おしゃれと絵を描く事が大好きなイーニド。醒めた目で世間を見渡し、面白くもないこの街をいつか出て行こうとしている。友達のレベッカはイーニドといつも一緒。高校を卒業した二人は一緒に暮らす事になっていた。いち早く,バイト先を見つけ文句を言いながらも現実をしっかり見つめるレベッカに対して,イーニドは・・・。そんなある日、二人は新聞広告の出会い欄に載っていた男を悪戯で呼び出し観察する事に。登場したのはなんともダサイ中年男。しかし、イーニドはそんな彼に何かを感じ家まで尾行する。数日後,ガレージセールでレコードを売る中年男の元を訪ねたイーニドは次第に男と友情を育んで行くが・・・・。

私評:そりゃあ,自業自得だよお嬢さん・・・。 いつもマイペースで周りの人を見下げる態度。回りの男たちはみんなバカだと思っている。約束も守れない。仕事もバカにしていて続かない。彼女に欠乏しているのは他人に対する思い遣りと社会への適応。だから、映画の中で彼女の私生活がいくらおもしろ可笑しく描かれていても、私は腹が立って仕方なかった。これはただ単にジェネレーション・ギャップなんでしょうか?でも、そんな彼女が次第に疎外され、運にも見放されて行く様をみて、「やっぱり・・」と思ってしまった。そしてだんだんと彼女に同情をしだした。これがこの映画の狙いならば大成功ですね。彼女に共感する(というか同調する)、若い子はいっぱいいるのかな??(オヤジ発言)主演のソーラ・バーチはデブだし、わがままだし、可愛くないし・・。なんだか,今までけっこう好きだったのですが退いてしまった。それに引き換えレベッカはカワイイ〜。たぶん、イーニドのコンプレックスを煽る存在でもあるのでしょう?キャラ的にも私は彼女が大好き。また、彼女たちに苛められるコンビニの店員が、めっちゃ太ったブラッド・レンフロ。 まあ、彼の場合は苛められても仕方がないキャラです(笑)。そして小娘にさんざん振りまわされるダサイ中年がスティーブ・ブシェミー。彼には共感した・・・。音楽がめっちゃ良かったのでサントラが欲しい〜!! 
セイブ・ザ・ラスト・ダンス  監督:トーマス・カーター  主演:ジュリア・スタイルズ、ショーン・パトリック・トーマス
Save The Last Dance  2001年 アメリカ映画
大好きなバレエのため名門校を受けたサラは、その日この世で一番大切な母を事故で亡くしてしまう。しかも、彼女はサラのオーディションを見に行く途中で事故に遭ったため、サラは自分のせいと決めつけバレエを止めてしまう。そして一人別れた父の元を訪ね,一緒に住む事に。新しく通い始めた学校はほとんどの生徒が黒人で、戸惑っていた彼女に声を掛けたのはシェニールと弟のデレクだった。そして彼女は次第にデレクに惹かれて行く。そしてデレクの薦めでふたたびバレエの夢を追いかける決意をする・・・。

私評:若者は夢を捨てちゃいけない・・・。 なんとなく日々を送っていて、将来の夢もない。夢はあるけどそのための努力はしない。そんな人が多いんじゃないかな?主人公の女の子は17歳。この頃に青春をぶつける何かをもってない人は可哀想だね。私なんかこの歳になっても夢だけは持っている。(努力は足りないけど・・)でも、夢を手にしたければ生半可な事ではダメ。そんな事は良く分かっているけど、実行できないと実感している人はこの映画を見ましょう。このパターンの映画は他にもあるけれど、そんな悩みがある人の背中を押してくれる映画だと思う。この映画はラブストーリーでもあり、父と娘の親子愛でもあるのですが,最終的には努力して夢を勝ち取ろうと言うシンプルな映画でした。主演のジュリア・スタイルズってあまり可愛くないのですが魅力的。たぶん、彼女の真剣な眼差しが良いのでしょう。音楽はノリノリのヒップホップとバレエの音楽が混在すると言う不思議な組み合わせ。でも、これがまた良いんだ〜! 
 監督 : デニ・ビルヌーブ  主演:マリ・ジョゼ・クローズ、ジャン・ニコラス・ベロー
Maelstrom  2000年 カナダ映画
大女優の娘でしかもブティックチェーンのオーナーであるレベッカ。しかしビジネスは芳しくなく、しかも誰の子とも分らぬ子供を宿し中絶をしたばかり。そんな苛立ちを晴らすため酒に溺れて行くレベッカ。そして酔って車を運転した彼女は誤って男を轢いてしまう。しかし、彼女は男を置き去りにして逃げてしまう。翌日から罪の意識に苛まれ、ますます精神的に参ってしまう。そしてついに轢いた男の死亡記事を見つけた。「自首すべきか?」 しかし、彼女がとった手段は運命を天に委ねることだった・・・。

私評:女は水に癒される・・・。 これもまた、どうしようもない女の物語。ストーリーはめっちゃ退屈だった。とって付けたみたいな展開は偶然が偶然を呼び・・・と言えば,聞こえが良いけど・・。見所はやっぱり映像かな。雨、シャワー、ダムの水、酒・・・。随所に『水』を配置して奇妙な世界を創り出している。ストーリーテラーは、グロテスクで不気味な魚。 この設定も面白いと思った。予告編でもこの魚だけが妙にインパクトがあった。色々な解釈の仕方があるのでしょうが、私的にはなんとも不可解な映画でした。主演のマリ・ジョゼ・クローズは終始眉間に皺を寄せほとんど笑顔を見せなかった。彼女ってなんとなく、ジェニファー・ジェイソン・リーに似てると思ったのですがいかがでしょう?パンフレットに書いてあった監督のインタビューを読むと、彼が意図している事は分かるのですが,逆に説明されないと分からないというのは、どうなんでしょう?? 


前回の記事も読んでね〜!



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