8月9日版
中国発のラブストーリー、危険なロードムービー、見た事もない不思議な映像、そして感動の友情物語
1998年 : 中国映画
監督 ： チャン・ヤン
主演 ： リュイ・リーピン、ブー・ツンシン、シュイ・ファン
結婚とは何？ 中国は北京の街で繰り広げられる、５組のカップルの
恋愛模様。 それぞれのテーマは初恋、熱愛、結婚、離婚、そして再婚。
カメラのファインダーの向こうにいた彼女は女神。 一遍で恋に落ちる
男女。離婚寸前の両親を何とか食いとめるため奔走する少年は怪しい秘薬を
料理に盛りこむ・・・。 四川料理の火鍋。 真っ赤な激辛スープと
白湯スープを同時に味わうじゃぶしゃぶ。陰と陽、男と女をあらわすおしどり形に
仕切られた鍋。 うまく混ざるか？ 恋の行方は・・・？
私評：中国映画も侮れない。 チョットどん臭いかなと高を括っていたら
とってもポップでトレンディーな映画だった。 ５つの恋愛アラカルトが
それぞれとても面白い設定で、しかも現実味がある。 恋愛の仕方に国境はないんですね。
どこに行っても男と女のドラマはあります。 また、音楽がとても良いんです。
もちろん、みんなエイジアン・ポップス。 言葉の壁はあるけど、Ｍｕｓｉｃ Ｉｓ Ｈｅａｒｔですね。
昨年度、中国ではタイタニックと並ぶ大ヒットだったそうです。 ５つの話の中でも好きなのが離婚寸前
夫婦とその息子の話。 なんか、ウルウルしちゃった。 間もなく、劇場公開です。
1998年 : アメリカ映画
監督 ： ラリー・クラーク
主演 ： ジェームズ・ウッズ。メラニー・グリフィス
ヴィンセント・カーシーザー、ナターシャ・グレッグソン・ワグナー
１６歳のボビーはドラッグ中毒。 夜中に自販機の売上を盗んでは食を繋いで
いたが、警備員に見つかりボロボロにされてしまう。恋人ロージーの部屋に
なんとか逃げ延びたが重症。 そこで友人の叔父メルを呼び手当てをしてもらった。
メルはヤバイ商売をしていたが、パートナーにボビーを選んだ。 そしてメルと
恋人のシド、そしてボビーとロージーの危ない旅が始まった。 メルとボビーは
ドラッグと金をまんまと盗み出し、前途は明るいかに見えたが麻薬の受け渡しで
トラブルが起きた。メルは銃で撃たれ、ボビーも半殺しの目に逢う。 シドの機転で
なんとかその場は逃れた。 その時の恐怖からどんどん麻薬におぼれて行くロージー。
しかも彼女はボビーの子供を流産してしまったのだ。ヤバイ仕事から足を洗おうとする
ボビーをメルは必死に押し留めるが・・・。
私評：ラリー・クラークの「Ｋｉｄｓ」を期待してみると、チョット物足りないかもしれない。
前作のドキュメント風の映画とは違い、しっかりしたロードムービーとなっている。
しかし、メラニー・グリフィスがドラッグを打つシーンとかはとてもリアル。 ドラッグの怖さ
が分かる。 また、バイオレンスシーンもふんだんにある。 美形少年ヴィンセント君も
ボコボコにやられて血だらけ。 良い男が台無し。 ナターシャは、すごく気にってしまった。
ジャンキーだけど純真なロージー役がとてもいじらしくて、可愛かった。 ジェームズ・ウッズは
だいぶこの映画に入れ込んでいたみたいで、めっちゃ切れてた！ メラニー・グリフィスも今までの
イイ女のイメージをかなぐり捨てて、峠を超えた中年女を熱演。 ラストは、イマイチ納得できないが
面白い映画でした。
1997年 : アメリカ映画
監督 ： ダーレン・アロノフスキー
主演 ： ショ−ン・ガレット、マーク・マーゴリス
日常生活には順応できないが、天才的な数学の才能を持つマックス・コーエン。
彼は常に一つの数式によって宗教からウォール街の株式まで全てを解析できると
いう考えに取り憑かれていた。1）数学は大自然の言語である。2）私たちの周り
の全ては数字に置き換えられる。 3）全ての数字はグラフにすると必ずパターンが
ある。 彼自身が「ユーグリッド」と名付けたスーパー
コンピュータのユークリッドがついに神秘の数字をはじき出した。
その時から始まる、マックスのパラノイア。 自身の中の何かが崩壊を始めたのだ。
ついには、危険な妄想にまで取り憑かれたマックスが最後に見たものは？？
私評：まったく新しい映像体験だった。 モノクロの映像にアナログな映像。
そしてデジタルサウンドのポップな音楽たち。 とてもストレートに目に焼き付く
画面。数字の解析のプロセスもとてもリアルです。だからと言って難しい映画
かと言うとそうではない。 ミステリー仕掛なシナリオも飽きません。 ８５分間の新しい
映像体験をしてみませんか。 しかし、デビッド・リンチの「イレイザーヘッド」とダブるんだよね。
かなり意識して作っているような気がします。
1998年 : イギリス映画
監督 ： デビッド・リーランド
主演 ： キャサリン・マコーマック、レイチェル・ワイズ
アンア・フリエル、スティーブン・マコーミック
１９４１年、第２次世界大戦下のイギリス。男たちが戦地に駆り出される中、
女性は男性のいなくなった農場でボランティアで働く「農業促進婦人会」が
あった。彼女らは「ランド・アーミー｣と呼ばれた。ある日、３人の若い
女性が田舎町ドーセットに降り立った。ステラは名家の娘。 気高く聡明、
しかも婚約者がいる。アグは大学卒の才女だが恋も知らず処女を守り続けて
いる。プルーは、気まぐれで情熱的、男にも積極的だ。戦時下でなければ
出会う事もなかった３人はローレンス家で働く事になる。 一人息子の
ジョ−はパイロットになる事を夢見ながら農業に精を出していた。
彼女たちは慣れない共同生活と農作業をお互いに助け合い、励まし合う
うちに次第に固い絆で結ばれ始めた。ジョーはステラに次第に惹かれて行くのだった。
しかし、戦争はそんな彼らの夢を捻じ曲げ、そして運命を狂わせはじめた・・・。
私評：女同士の友情ものなんで、けっこうお気楽に見た映画です。 しかし思った以上に
面白かったです。性格も育ちもまったく違う３人の女が、身上を話し、悩みを語り、そして
恋を助け合う内にだんだんと結ばれて行く過程がとても良いです。女性が見たらもっと楽し
めるんじゃないかな？ また、イギリスの田舎のため息が出るくらい美しい風景も必見！
美しい森、朝霧に包まれた新緑の丘、蒸気を吐きながら走るＳＬが止まる小さな駅。
良いですね。
前回のも見てね！
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