今回はけっこう地味な作品が多いかも??
笑う蛙 | 監督:平山秀幸 | 出演:長塚京三、大塚寧々、雪村いづみ | |
Warau Kaeru | 2001年 日本映画 | ||
今週のイチ押し:元。銀行のエリート社員だった逸平は、愛人に金を貢ぐために横領を働き指名手配になっている。逃げて逃げて、たどり着いたのが熱海。ここには妻の涼子が一人暮らしをしている別荘があったのだ。家に忍び込んだ逸平。最初は驚いた涼子も事情を察してか、彼を納屋の中に匿う事にした。その日から、二人の奇妙な生活が始まった。しかし、涼子にはすでに恋人がいたのだ。二人のやり取りを納屋ののぞき穴から固唾を呑んで見守る逸平。そこから見る妻はかつて感じたことがないほど、淫靡で挑発的だった。亡くなった父の遺産をめぐり再三訪れる親戚たち、逸平を追う刑事、そしてついには逸平の愛人までが、この家に訪れる・・・・・。 |
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私評:うそよ。みーんな、うそ・・・・谷崎潤一郎の「鍵」に似てるな〜。独特な男と女の淫靡な世界を描いた佳作でした。そんなエロスだけではなく、笑いや皮肉もタップリ込められていて、人間の浅はかさを笑い飛ばす作品ですね。主演の長塚京三は久々の映画ですね。彼はすごく味があっていいですね〜。いわゆる、中年の哀愁が漂う役者?けっこう生真面目な役が多いと思うのですが、今回はちょっとばかりはじけちゃった男役。これがまた、いいんだ!そして涼子を演じるのが大塚寧々。セリフは相変わらず下手だけど、彼女って本当に色っぽい。何だかつかみ所がないのですが、そこが魅力ですよね。この映画の中でもフェロモンをバンバン撒き散らして、私はかなり痺れてしまいました。その他にも、國村準、雪村いづみ、ミッキー・カーチスなど曲者役者がいっぱい登場します。監督は「学校の怪談」シリーズで有名な平山監督。しかし、彼には長塚京三とタッグを組んだ「ザ・中学教師」という名作があることもお忘れなく。結局、最後に笑うのは誰か?? | |||
アバウト・ア・ボーイ | 監督:トッド・フィールド | 主演:ヒュー・グラント、レイチェル・ワイズ | |
About a Boy | 2001年 アメリカ映画 | ||
今週のイチ押し:今年で38歳になるウィルは、父の残した遺産で悠々自適な生活。仕事もせず、自分中心の生活をエンジョイしている。ガールフレンドはたくさんいたけど、みんな別れ際に、捨て台詞を残して去っていく「あなたは最低!」「あなたは空っぽ!!」しかし、今度の彼女は違った。彼女は自分に子供がいることが、別れの原因だったからだ。「そうか!子供がいる女と付き合えばいいんだ!」そして彼は子連れのシングルマザーを捜し求めた。そこで彼は離婚をして一人で子供を育てている人の集まりに参加し、自分に子供がいると嘘をついて一人の女性を口説きにかかった。そこで彼は彼女の家に出入りする、少年マッコイと出会う。マッコイの母は元・ヤンキーで、しかも自殺癖がある。マッコイは母親には自分以外の男が必要だと悟り、ウィルをそのターゲットに掲げた。盛んに彼の家を訪ねるマッコイ。いつの間にか二人の間には不思議な絆が生まれていた・・・・・。 | |||
私評:こんなクリスマスは初めてだけど、なんて気分がいいんだ・・・・・・。男版、ブリジット・ジョーンズの日記というふれ込みは嘘ではない。ウィルに年齢が近いせいもあるし、いまだに独身でいるせいもあるのでしょうが、彼が心の中で囁く「本音」に思わず何度も大きく頷いてしまった私。所詮、良い人ぶっていても心の中は虚実が渦巻いているのだ〜!!はっはっは!!一人でいることの素晴らしさ、気楽さにはまってしまい、人といることが億劫になることがあります。でも、結局は誰かと一緒にいたい。できることなら、自分を慕ってくれる人たちと一緒にいたい。これが最後の答えですよね。そしてウィルはかつて感じたことのない、「温もり」と「心地よさを」知るのです。全編にわたり、シュールな笑いがいっぱいで、何度も吹き出してしまいました。男性諸氏は、己の理想を、そして女性諸氏は男の本音を・・・。ウィルを演じるのは、私生活もまさにこんな男であろう、ヒュー・グラント。まさに適役ですね。 | |||
チョコレート | 監督:マーク・フォスター | 出演:ビリー・ボブ・ソーントン、ハル・ベリー | |
Monster's Ball | 2001年 アメリカ映画 | ||
今週のイチ押し:アメリカ南部の刑務所に勤務するハンク。彼は父の影響もあり、黒人に対して差別意識を持っていた。しかし、同じ職の息子はそんな彼の考えには疑問を抱いていた。そんなある日、二人は黒人の囚人の死刑執行に立ち会った。取り乱してしまった息子に対し、ハンクは悪口雑言を吐き散らした。それが原因で息子は自殺を図る。死刑にされた囚人の妻、レティシアと息子は貧しさから、家を追い出されそうになっていた。しかも、雨の夜に彼女は息子までも交通事故で亡くしてしまう。その事故現場を偶然通りかかったのがハンクだった。二人はお互いの傷を舐め合うかのように、愛を貪り合う・・・・。 | |||
私評:俺たち、きっとうまく行く・・・・・かなり強烈な映画でした。ガチガチの黒人嫌いの男が、レティシアとの出会い、そして息子を亡くした事によって、まるで氷が溶けるかのように優しくなっていく展開がすごく好きです。ビリー・ボブの演技は最高です。そしてこの映画でアカデミー主演女優賞を獲得した、ハル・ベリーがまた素晴らしいんです。死刑囚の夫と息子のために尽くしてきた十数年が、いっぺんに弾けて飛んでしまった。まさに、心に傷を持つ男と女を運命は導き出会わせるのです。ハンクはレティシアを「大切にしたい!」と、そしてレティシアはハンクに「私を大切にして!」と何度も求めます。これが二人の生涯で欠けていた部分であり、お互いが求めていた事なんでしょうね。この映画の邦題の「チョコレート」って素晴らしいですね。久々に大ヒットの邦題。これはハンクがいつも行くレストランで、チョコレート・アイスを頼む事や、彼女の肌の色、そして決して甘いだけじゃない、ビターな大人のラブ・ストーリーなど、色々な意味を持っています。原題の「Monster's Ball」は刑務所官が死刑執行の前夜に行うパーティのことを指しているのだそうです。満点の星の下でのラストシーンについて語りたいです。 | |||
ドッジGO!GO! | 監督・三原光尋 | 出演:田島有魅子、筧利夫、益子直美 | |
Dodge Go! GO! | 2002年 日本・韓国映画 | ||
ゆき子は小学校6年生の元気いっぱいの女の子。目下のところ、彼女の興味はドッジボールだけ。彼女が所属する「ドッジキッズ」は、同じ地区の「ドッジ・ファイターズ」に連戦連敗。今度こそ!と燃えるゆき子だった。ところが、元プロ野球選手の父親が、事もあろうか韓国のプロ野球チームに入団が決まり、ゆき子は父と一緒にプサンへと移り住んだ。その頃、ドッジキッズはメンバーも集まらず窮地に陥る。そこでゆき子は韓国でドッジボールの有志を集い、日本で一緒に試合に出ることを思いつく・・・・。 | |||
私評:ぜったい勝つ!・・・・ゆき子が作った鶴の折り紙の上に「ぜったい勝つ!」と書かれていたのだすごく印象的。でも、(今はどうか分かりませんが・・)私が小学生の時は、こんな女の子っていましたね。いつも日に焼けて真っ黒で、スポーツ万能で、しかも熱い!私の同級生でもこんな子がいました。だから、主演の有魅子ちゃんが、すごく懐かしい人に見えました・・・。ストーリーは『オイオイ、それはないだろ・・」とツッコミを入れたくなるシーンがいっぱいだし、子供たちの演技は学芸会みたいだし、それに輪をかけて益子直美はセリフもヘタだし、筧利夫をめちゃ空廻りしているし・・・。でも、それらの欠点を補うに十分なパワーがこの映画にあります。それはやっぱりスポーツ映画の持つパワーなんですね。しかし、ドッジボールってこんなにすごいスポーツだったなんて・・・。小学校の体育の時間のドッジボールは得意だったけど、こんなレベルは高くなかったですからね。日韓友好の映画でもあります・・・。 | |||
パワーパフ・ガールズ ムービー | 監督:グレッグ・マクラッケン | 出演:キャサリン・キャバディーニ、タラ・ストロング | |
Powerpuff Girls Movie | 2002年 アメリカ映画 | ||
タウンズビルの郊外にある天才科学者・ユートニウム博士の研究室では、ステキな女の子を造りだす実験が行われていた。材料は、お砂糖、スパイス、そしてステキなものいっぱい。ところが間違って、謎の薬品「ケミカルX」が混入されてしまう。そして産まれたのが、めっちゃカワイイのに、とんでもないパワーを持った3人娘…ブロッサム、バブルス、バターカップの"パワーパフ
ガールズ"だ! それからガールズは毎朝幼稚園に通いなからも、いざとなったら緊急出動。そして彼女たちの最大の敵、モジョ・ジョジョとの壮絶な戦いが・・・・・。 |
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私評:モジョジョジョ〜!!むかつくぜ・むかつくぜ・むかつくぜ!!〜・・・果たしてどれくらいの人がこの「パワーパフガールズ」をご存知なのでしょう?2頭身の体に、スーパーパワーを秘めた、めちゃキュートなキャラクターです。とにかく展開がめちゃスピーディーです。初っ端の3人の鬼ごっこシーンは最高!!なんたって3人で街をほとんど壊滅状態にしてしまうんだから!少林サッカーも真っ青のド迫力でしたよ(比べるなって!)アメリカでは1998年に登場して以来、5年間いつでも超人気のアニメらしいのですが、日本では本当に知名度が低いですよね。ところが、劇場にはこのアニメを見ている子供たち、そしていかにもアニメオタクって感じの人たちがけっこう来ていました。キャラクターズ・グッズも列ができるほどの盛況ぶり。やっぱり、こういう映画は潜在的なファンがいるんですね。私も「パワーパフガールズ」のTV版ではまった一人なんです。今回の映画の話は、なんと彼女たちの誕生からなので、シリーズの第1話に当たるんです。それゆえ、初めての人でも全然OK!キュートで過激なガールズを応援しに行こう!? | |||