今回は2作品。 邦画の久々ヒット「鉄道員(ぽっぽや)と「オープン・ユア・アイズ」です。
1997年 : スペイン映画
監督 : アレハンドロ・アメナーバル
主演 : エドゥアルガ。ノリエガ、ペネロペ・クルス
ナイワ・ニムリ
ハンサムで自由な恋愛を楽しみ、裕福な生活を送る青年セサル。
彼にしつこく付きまとう女, ヌーリアの車に同乗中事故にあい、
重傷を負ってしまう。しかし、彼にとって致命的だったのは美しい顔を
失った事。憬れの女ソフィアからも冷たくされてしまう。しかし、泥酔し
道端で目を覚ました彼の目の前にソフィアが現れ、彼に謝罪をし二人は
愛を誓う。顔の傷は絶対元には戻らないと医者にさじを投げられていたが
最新の医学により、元の顔を取り戻した。全ては元の幸せな生活に戻ったと
思っていた彼を次々と襲う不可解な出来事。交通事故で死んだはずの女
ヌーリーがソフィアだと名乗り現れる。自分が狂ってしまったのか? それとも
これは悪夢なのだろうか? どこまでが夢で、どこからが現実なのか? 次第に彼は精神を病んで行く・・。
私評:ある意味で、既存の映画の境界線を越えた映画かもしれない。 騙し騙され、主人公と
ともに悪夢の世界を右往左往した私。 精神病院でマスクを付けたままカウンセリングを
受けるシーンとかはとても不気味だ。一体物語はどこに向かって走って行くのか?
良かった〜!と思った次の瞬間、事態は最悪に陥ったり、また矛先を変えてハッピーになったり。
1分一秒毎にめまぐるしく変わる運命。 衝撃のラストまで、解読は不可能です。
覚める事のできない悪夢の恐怖を存分に味わってください・・。
ソフィア役のペネロペ・クルスがとても良いです。
1999年 : 東映映画
監督 : 降旗康夫
主演 : 高倉健、大竹しのぶ、小林稔侍、広末涼子
北海道の雪深い小さな終着駅「幌舞」で2年前に亡くした妻と、
生まれてわずか2ヶ月でこの世を去った娘、雪子の思い出を胸に
鉄道員として人生を全うする駅長、佐藤乙松。かつては炭坑町として
栄えた「幌舞」も今では寂れて幌舞線も廃線が決まっている。
友人の杉浦仙次は、系列ホテルへの就職が決まっていたが乙松は
ただひたすら、この駅での鉄道員=ぽっぽやとしての仕事にこだわる。
周りの心配をよそに、彼は日々駅長の仕事を確実に心を込めて勤めるのだった。
ある日、古めかしい人形の忘れ物が駅にあった。この人形を受け取りに
替わるがわる訪れる少女。 不思議な少女たちに振りまわされる乙松・・・。
駅のホームに立つたびに、過去の思い出が彼の頭を過る。子供の生まれた日、
死んだ日、妻静子との幸せな日々、そして彼女の最期・・いつも彼はここで
列車を迎え、そして送り出していた。雨の日も雪の日も天気の日も。
私評:先日、仕事で東映に行ったとき「昔の映画ファンが劇場に帰ってきた!」と言っていた。
たしかに私が見に行った映画館は(浅草と言うこともありますが)おじさんおばさんばかり。
日本映画の全盛期に映画館に通いつめた輩が、まさに映画館に帰ってきたんです。
この映画は、はっきり言って高倉健のための映画。 佐藤乙松=高倉健です。
不器用で、頑固で、職人肌で、だけど暖かくて、思いやりがあって、そして自分よりまず人のことを
第一に考える。こういう男が昔はいた。そんなノスタルジーさえ感じてしまった。
高倉健の涙は、他の俳優の百倍の威力がある。 私は涙の洪水だった。 特に雪子との再会には
涙した。 最高だった。 広末涼子はそう言った意味で、あの大俳優高倉健を相手に凛とした演技を
して見せた。 彼女独特のほのぼのした魅力も十分使いながら。 たまにはこういう映画が見たいですね。
日本人なんだもの!