2003/6/30号

今日で6月も終わり。ということは、2003年も折り返しか〜。
今年の上半期に見た新作映画は128本!(リピート、リバイバルは除く)

ホテル・ハイビスカス  監督 :中江祐司  出演:蔵下穂波、余貴美子、平良とみ、照屋政雄
Hotel Haibiscus  2002年 日本映画
今週のイチ押し:お転婆な小学校3年生、美恵子は学校の帰り道日射病で倒れた男を発見。早速自宅でもある「ホテル・ハイビスカス」へと担ぎ込んだ。このホテルは1泊4千円のところ、今なら沖縄料理がついて3千円。しかし、客用の部屋はひとつしかない。家族はバーで働きながら一家を支える母ちゃん、三線とビリヤードが得意な父ちゃん、黒人ハーフのけんじにぃにぃ、白人ハーフのサチコネェネェ、そしておばあ。美恵子は友達のガッパイ、ミンタマーの3人で木に宿る精キジムナーを探すことに。米軍基地にフェンスを潜りぬけた3人はそこで「マヤー食いおばぁ」と会う。噂によると彼女は猫の皮を剥いで食うらしい・・。ホテル・ハイビスカス31周年と3ヶ月と3日の記念で抽選会が行われる。これでアメリカ旅行が当たった母ちゃんはサチコネェネェと彼女の父親に会いに出かけていった。二人のいない夏休み、美恵子は次々と大冒険をする・・・・。
私評:♪あるーヒンケツ、森のなカンチョー、熊さんニンニク、出会っタンコブ、花咲く森のみチンタマ、熊さんに出会っタンコブ・・・・すげー。面白すぎる。何がすごいってこの映画に登場する人たち。中でも限りなく豪快で、我侭で、独善的で、怖いもの知らずで、しかも愛らしい美恵子が最高です。もちろん、この映画に登場するほかの面々も素晴らしいのですが、とにかくこの子から目が離せない。しかも、めちゃめちゃ笑わせてくれます。また、沖縄という独特の風土と、そして方言がこの映画をより一層面白くしているんですね。ひと夏の美恵子の大冒険に付き合ってみると、きっと何か心の中に沸々と湧いてくるものがあるはず。遠い昔に忘れてしまった何かが蘇るかも??監督は「ナビィの恋」の中江監督。「ナビィ・・」が大好きな私には超期待作だったのですが、これはまた違うスタンスで面白かったですね。そしてこの映画の音楽も要チェック!!美恵子が歌う替え歌は最高ですよ〜。母ちゃん役の余貴美子はかなりビックリ。中江監督作品の常連平良さんと登川さんはしっかり出演。そして「ナビィ・・」つながりで西田尚美、村上淳がゲスト出演しております。唯一難を言うなら、言葉が聞き取れない箇所が何回もあった事。でも、良いんです。イチ押しです。この映画を見終わった後の、すっかり筋肉が緩んでしまった私の顔を皆さんにお見せしたかった。
アンダー・サスピション  監督:スティーブン・ホプキンス  出演:ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン
Under Suspition  2000年 アメリカ映画
プエリトリコ島のサンファンの港町。この町で連続少女レイプ事件が起こる。警察の捜査の末、事件の核心に触れる人物が浮かび上がる。裕福な弁護士のヘンリー・ハーストだ。若く美しい妻とチャリティ・パーティに向かっていた彼は警察から任意同行を求められる。ハーストは昨日起きた事件の第一発見者でもあった。警察署長のビクターの取調べが続く中、彼は事件の鍵を握るのは妻のシャンタルだと睨む。彼女の事情聴取をわざとヘンリーに見せることにより、彼の動揺を導こうとする。そしてついにヘンリーの少女を愛する性癖が明らかにされる。夫婦の仲が冷めてしまった過去の事件。そして追い詰められたヘンリーは・・・・。
私評:お前が殺ったんだろう!?・・・・・都内でもかなり地味に公開されている映画です。しかし、ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン、モニカ・ベルッチ、そしてトーマス・ジェーンという素晴らしい面子。これが面白くないわけがない!実際、映画のほうは・・・めちゃめちゃ面白かったです。刑事役のモーガン・フリーマンがどんどんジーン・ハックマンを追い詰めていく。いつもなら、モーガンの圧勝なのですが、相手がジーン・ハックマンだとそうは行きません。彼の反撃が始まる。しかし、そこにモニカ・ベルッチが加わり事件は意外な方向に進み始めます。この映画の幕切れは予想だにしなかったけれど、恐ろしいくらいに計算されたエンディングでした。結局はミステリーだけでは納まりきらない、もっと大きなテーマの映画。しかし、これ以上はネタバレできません。よく演技を「火花が散る」みたいな表現で表しますが、この映画の主人公たちはまさにそんな演技で私を映画の世界にグイグイ引きこんでいきました。そして過去の回想シーンの描き方が独特で私は面白いと思いました。しかし、モニカ・ベルッチはマジで美しい。今回はサービスショットもあり、ファンにはたまらない作品でしょう。監督は「プレデター2」「ブローン・アウェイ」のスティーブ・ホプキンス。アクション映画では定評のあった監督ですが、こういうサスペンスも作るんですね。いや、逆にこういう映画のほうが向いているのでは??
マナに抱かれて  監督:井坂聡  出演:川原亜矢子、蟹江敬三、宮崎美子、美波
MANA  2003年 日本映画
小田渚は30歳。仕事にも男にも見放された彼女は心機一転ハワイに向かった。目的は2年前にホノルルで手に入れたパレオに惚れ込み、このパレオを作った人に直接会い、ビジネスに取り込もうと言う算段。空港で転んだ渚に現地に少女が着替え用のTシャツを差し出した。驚いたことにそこに書かれていたのは彼女の探しているパレオと同じ、真っ赤な夕日が描かれていた。Tシャツの絵に描かれていた建物を見つけた渚は、そこの主人カイと出会う。カイにパレオの作者について尋ねるが彼はなぜか口をつぐんで教えてくれない。また、渚はカイのホテルに滞在中の潤と出会う。渚は空港でTシャツをくれた少女エイミーと再会する。なんとパレオの作者は彼女の母親だった。しかし、彼女はある事件以来殻に閉じこもり、パレオ作りをやめてしまっていた。潤、エイミー、そしてカイと触れ合っているうちに、渚の中の考え方が少しずつ変化をみせる。雄大な自然と触れ合い生きているこの島の人々の持つ、不思議なパワーは、彼女が失いかけていた大切な何かを思い出させるのだった・・・・。
私評:「これはなんと言う料理ですか??」「では、これを食べて今、どんな気分ですか?」「何かとりあえず今日あったイヤなことなんかみんな忘れちゃって、また明日がんばればイイやって感じです」「じゃあ、それが料理の名前です」・・・ハワイって行ったことがないのですが、死ぬまでに一度入ってみたいですね。この映画を見ていても「大自然に抱かれ時間がゆっくり流れる」という感じが伝わってきます。都会であくせく生きているのも私的には良いのですが、たまには息抜きで大自然に抱かれてみたい」。そんな欲求を思い切り満たしてくれる所なんでしょうね。「マナ」とはハワイの言葉で全てのものに宿る「超自然の力」や「エネルギー」のことを言うらしい。しかし、漠然としたこの「マナ」を映画の中でだんだんと感じ取る事ができました。そしてこの映画を見ていて、日頃から妙に力が入っていた肩からすっと力が抜け爽やかな気分になりました。まさに癒し系映画ですね。主人公の渚を演じる川原亜矢子がまた自然体の演技で好感が持てます。その他にも美波、宮崎美子、蟹江敬三はすごく良いんです。唯一、西島秀俊が・・・、彼って演技ヘタですよね〜・・・。監督は「破線のマリス」「ミスター・ ルーキー」の井坂監督。しかし、この監督って全然違うタイプの映画を撮るんですね・・。
トエンティマン・ブラザーズ  監督:スコット・ロバーツ  出演:ガイ・ピアース、レイチェル・グリフィス
Twentyman Brothers  2002年 オーストラリア映画
ダイル、マル、シャイン・トエンティマン3兄弟はプロの強盗。彼らのルールはたったの二つ。一つは「誰も傷つけないこと」そしてもう一つは「必ず3人だけでやること」。刑務所にいることをアリバイにして弁護士のフランク、そして悪徳警官たちを後ろ盾にして、彼らはまたしても200万ドルの現金を強奪した。しかし、長男のダイルはフランクの思い通りに自分たちが操られていることに腹を立てる。しかも、ダイルの妻のキャロルとフランクの仲も疑い始める。そんな中、フランクは再び彼らを釈放しにやってきた。今度の彼らのターゲットは競馬のビッグイベントメルボルン・カップ。ダイルはこれが最後の仕事とフランクに言い聞かせる。しかし、フランクは勝手に今回の仕事仲間を手配していた。なんと彼らは仕事が済み次第、トエンティマン兄弟を殺すよう指示されていた・・・・・。
私評:オーストラリア産のクライム・サスペンス映画が登場。しかし、重々しい雰囲気はほとんど皆無で軽いノリの犯罪映画になっている。強盗シーンはなかなかの迫力なのですが、けっこう退屈なシーンも多いかも?? ラストのオチももう少し捻りが欲しかったな〜。この映画の見所はなんといってもガイ・ピアースでしょう!今回は髭面で長髪なのでせっかくのハンサムな顔があまり拝めないのがちょっと残念??そして彼の妻を演じるのはレイチェル・グリフィス。「シャンプー台の向こうに」のコメディエンヌ、本当のジャクリーヌ・デュプレ」のシリアスな演技、そして今回はちょっとビッチな女と見るたびに違う顔を見せてくれる彼女。今後が楽しみです。しかし、この映画にはガツンと来る様なインパクトが欲しかったですね。この映画は初日に行ったにもかかわらず、観客はなんと5人!!パンフも希少価値が出るかも??


前回の記事も読んでね〜!



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