今回はどれをイチ押しにしようかかなり迷いました。どれもがイチ押しになりうる作品ばかり。
でも、やっぱりノリの良さで今回はこの作品を!
チャーリーズ・エンジェル フルスロットル |
監督 :マックG | 出演:キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リュー | |
Charlie's Angels Full Throttle | 2003年 アメリカ映画 | ||
今週のイチ押し:エンジェルたちの今回の使命は誘拐された米国の要人の救出作戦。モンゴルの山奥で壮絶なバトルを繰り広げたあと、彼女たちは無事に要人の救出に成功する。しかし、彼が指にはめていた指輪を持ち去られてしまう。その指輪は連邦証人保護プログラムで匿う、対組織犯罪の最重要証人リストにアクセスするためのものだった。指輪を奪還するため、エンジェルたちが動き出す。しかし、悪の組織を裏側で操っていたのは、いまや伝説となった旧エンジェルのマディソンだった。おまけに、ディランの元彼が彼女への復讐をするため執拗に追いかけてくる。果たしてエンジェルたちは今回のミッションを成功に導くことができるのか?? | |||
私評:こんな楽しい仕事、やめられないわ・・・1作目は大好きな映画で、もうすでに10回は見ているでしょう。なんたってこの映画の魅力は3人のエンジェルたち。3人が3人ともすごくチャーミングで、しかもカッコいい!!今回の映画もオープニングで3人が奇声を上げて勢ぞろいしただけで、私は鳥肌が立ってしまいました。そこからはもうノリノリの100分間。シナリオにはかなり難ありですが、そんなことはどうでも良いのです。エンジェルたちが画面狭しと、暴れまわっているだけで十分。しかも、前作に出演したメンバーが続々と登場。これがまた、笑えます。でも、やっぱり目を引くのはキャメロンですね。今回もお尻をフリフリ踊りまくり!そしてもちろんアクションも!!クライマックスでのデミ・ムーアとの一騎打ちはめちゃ迫力。そして今回の適役のデミ・ムーアがまたすごい。全身整形でピカピカに磨き上げたボディーを惜しげもなく晒してエンジェルたちに宣戦布告。これがまた、カッコいいんです。今回からボスレーが替わったのですが、旧ボスレーとの関係も笑えます。そしてTVシリーズのエンジェルも登場しますよ!!そうそう、この映画を見る前に1作目は必ずチェックしておきましょうね。あ〜、ご機嫌な映画でした。はやくパート3を作ってくれ!! | |||
二重スパイ | 監督:キム・ヒョンジョン | 出演:ハン・ソッキュ、コ・ソヨン | |
Double Spy | 2003年 韓国映画 | ||
北朝鮮の高官、イム・ビョンホはドイツの国境で西側への亡命に成功し韓国に保護される。しかし、彼は元々、北朝鮮のスパイだったため過酷な取調べ、そして拷問を余儀なくされたが、彼の潔白は証明され徐々に信用を勝ち取っていく。韓国としては北朝鮮のスパイである可能性も否定できないが、彼が持つ豊富な北朝鮮の知識を利用したいという両方の思惑があった。しかし、彼は今でも北のスパイだった。ついに韓国国内に暗躍する北のスパイたちから、彼に指令が下る。「DJの女とコンタクトをとれ。」ラジオのDJをつとめるユン・スミもまた、北のスパイだった。密命を背負った二人は恋人を装い逢引を重ねる。しかし、彼らの連絡係だった男が捕まり、徐々に彼らの正体が明かされていく・・・・・ | |||
私評:いつか、北と南が同じ国の名前になったとき・・・・韓国映画が南北問題を取り上げた社会派映画です。「シュリ」では「アクション」と「ラブ・ストーリー」のエンターテイメント。「JSA」では「友情」を描いた感動作。そして今回の「二重スパイ」では「義」を中心に置いたサスペンス映画。80年代の南北の緊張が忠実に再現されている。ハン・ソッキュは盲目的に国家を愛し、国のためにひたすら任務を果たす男を好演。彼はこの物語の中ではアンチ・ヒーローなのですが、彼の素晴らしい演技は注目せずにはいられません。それゆえにラストは強烈な印象を残すことでしょう。ヒロインのユン・スミを演じるのは「エンジェル・スノー」で私の涙を搾り取ったコ・ソヨン。彼女の質素な感じがこの映画のユン・スミとピッタリ。この映画は80年代を舞台にしていますが、今もなお北朝鮮と韓国の間にはスパイが行き来しています。80年代の危うい情勢時以上に、現代はハイテクなスパイ合戦が行われているのでしょうね。それゆえ韓国の人々には他人事とは思えない映画だったそうです | |||
六月の蛇 | 監督・出演:塚本晋也 | 出演:黒澤あすか、神足祐司 | |
A Snake of June | 2002年 日本映画 | ||
電話相談室「心の健康センター」に勤めるりん子は、潔癖症の夫と二人暮し。セックスレスな生活は、りん子の中に不満を積もらせた。そんなある日、彼女の元に封書が届く。その中にはマスターベーションに耽るりん子の写真が入っていた。何者かが、彼女の自慰を盗み撮りしたのだ。それを送ってきたのはりん子の勤め先に電話を掛けたことにより、生きる希望を見つけたという男・道朗だった。彼はその写真をネタに彼女をゆすり、屈辱に満ちた行動を強要する。そしてようやく写真とネガを取り戻したりん子だったが、彼女の中で沸々と新たな欲望が生まれてくる。夫との生活の中では決して見出すことができなかった新たな欲望が。そんなある日、夫は彼女の写真を見つけてしまう・・・・・。 | |||
私評:一緒に地獄に行きましょう・・・ブルーの画面に終始降り続ける雨。この映画のタイトルにもある蛇とは、この雨のことのような気がしました。この映画のエロスは「触れない」ところにあります。そういった「妄想」や「脅迫」が彼らのエクスタシー。それゆえ裸で抱き合う男女にはない、極上のエロスがこの映画には漂っています。なかでも、セクシーな黒澤あすかが最高でした。散切り頭に黒ブチめがねのダサい女なのですが、脱いだらすごいんです!(笑)そして彼女を追うストーカーは、塚本監督自身が演じている。彼は役者としてもすごくイイですよね。そして潔癖症の中年サラリーマンの夫は神足祐司。彼はまた、変体チックですごく良いんです〜(笑)。こんなとんでもない話なのに、この映画はとてつもなく美しい映画です。雨の中で悶える黒澤あすかの美しいこと・・。そして降りしきる雨に叩かれるアジサイの美しいこと・・。そして「死」の匂いを漂わす道朗とりん子の間に芽生える、不思議なシンパシーも。私はしびれっぱなしの映画でした。 | |||
夏休みのレモネード | 監督:ピート・ジョーンズ | 出演:エイダン・クイン、ボニー・ハント、ケビン・ポラック | |
Stolen Summer | 2001年 アメリカ映画 | ||
シカゴに住むピートは8歳の少年。両親と8人兄弟の大所帯だ。父親はアイリッシュ気質の頑固で一途な消防士。母親は子供たちの世話だけが人生になっている。ピートの家族はクリスチャンだった。夏休みを前にピートは先生に呼び出され、日ごろの素行の悪さを指摘される。「このままでは天国には行けません」。そこでピートは夏休み中に「探求」のために異教徒をクリスチャンにして、彼らを天国に導くことを思いつく。そこで彼は近所の「ユダヤ教」の学堂を訪れ、ラヴィのジェイコブセンに布教のため学堂の前でレモネードを配らせてくれと頼み込む。そんなある日、ジェイコブセンの家が火事にあい、家の手伝いをしていた女性が死んだ。ジェイコブセンの息子のダニーは、間一髪ピートの父親により救出された。それ以来、ラヴィとピートの家族の交流が始まる。そしてピートはダニーが白血病であることを知り、彼を天国に行かせるためにカソリックへの改宗を勧める。そして彼らは自らが考えた10の試練を突破したらクリスチャンになると決める。しかし、ダニーの病気の進行は、予想以上に早かった・・・・。 | |||
私評:天国に行けるのはクリスチャンだけじゃない。キリスト教のない北極の人だっていい事をすれば天国へ行けるさ・・・この映画のシナリオはマット・デイモンとベン・アフレックが新たな才能を発掘するためにネット上でコンテストを行い1万2千本の中から選ばれた作品です。マットとベンは製作総指揮を務めています。この映画はただ単に子供が死んでしまいお涙頂戴というテーマだけではありません。8人の大所帯での家族のあり方、父親と息子たちの葛藤、そしてキリスト教とユダヤ教という異宗教同志の交流、そして少年たちの成長などひと夏に起きたさまざまな事件が取り上げられています。また、それらが実にうまく描かれています。ピートとダニーを演じる少年たちの演技はもうビックリです。ハーレイ君もマコーレ・カルキンもビックリ!!この二人がすごく可愛くて良いんです。ピートの父親で頑固な男を演じるのはエイダン・クイン。彼はどちらかというと紳士っぽいイメージがあるのですが、今回はワンマンな父親を好演。しかし、彼の最後の言葉は感動的でした。そして母親を演じるのはボニー・ハント。この父親をコントロールできる唯一の存在です。そしてラヴィを演じるのはケビン・ポラック。いい面子でしょう??マットとベンは登場しませんでした・・ | |||
ニューヨーク 最後の日々 | 監督:ダン・アルグランド | 出演:アル・パチーノ、キム・ベイシンガー | |
People I Know | 2002年 アメリカ映画 | ||
ニューヨークで長年にわたりパブリシストをしてきたイーライは、心身ともに疲れ果てていた。パブリシストとは芸能人や政治家などの著名人とマスコミの間を取り持つ仕事で、人脈が物を言う職業だ。彼のクライアントは人気俳優のケアリーで、彼は議員に立候補することも決めていた。イーライは長年勤めてきたこの仕事から足を洗うつもりでいた。そして彼が最後に選んだ仕事は難民救済の慈善パーティだった。パーティの前夜、イーライはケアリーからの電話で呼び出され、警察に捕まっている彼の愛人の受け取りを依頼される。無事に彼女を引き取るが、翌日彼女が死んだことを知らされる。パーティの時間は迫っている。彼は各界の著名人を呼び寄せようと必死だ。しかし、彼にはひとつの心の拠り所があった。それは死んだ弟の妻、ヴィッキーだった。彼はこのパーティを終えたら、彼女とひっそりと暮らすつもりでいたのだが・・・。 | |||
私評:私は人生を食いつぶしてきた。まだ、遣り残したことがある・・・・この映画は見方を変えるとすごくハードボイルドな映画だと思いました。イーライの武器は「頭脳」と「人脈」。これを駆使して30年にもわたり、この業界で名を馳せてきたのだ。しかし、薬漬けでボロボロの彼の前に運命の女が現れるのです。これはアル・パチーノが演じてきたギャングにも似た設定だと思いました。彼は「銃」を「頭脳」に置き換えたのです。そして仕事は日々戦いの連続。しかし、アルはこういう役が本当に似合う。彼を取り巻くのがケアリーを演じるライアン・オニール。昔のようなカッコ良いイメージはありませんが、今回のちょっとお調子者のビッグマンはお手の物か??そして彼の愛人がティア・レオーニ。登場シーンこそ少ないのですが印象的です。そしてイーライが出会う運命の人がキム・ベイシンガー。今回の彼女はちょっと違いますよ!ラストシーンはかなり強烈なインパクトを残しますが、これぞ男の映画の美学と言えるのかも?まさにハードボイルドか??また、この映画の製作総指揮はロバート・レッドフォードが勤めています。 | |||