2003/6/15号

今週は試写会でウィークデイが映画三昧。イチ押しは小粋なクライムアクションでした。

ミニミニ大作戦  監督 :F・ゲイリー・グレイ  出演:マーク・ウォルバーグ、シャリーズ・セロン、エドワード・ノートン
The Italian Job  2003年 アメリカ映画
今週のイチ押し:天才的な頭脳を持つチャーリーはベニスの町で50億の金塊の強奪に成功する。しかし、逃亡の途中で裏切り者が現れる。スティーブだ。彼は金塊を全て奪い取り、仲間に銃を向けた。そしてチャーリーが父親のように慕っていた金庫開けの天才ジョーが殺されてしまう。何とか逃げ延びたのは天才的ドライブテクニックのハンサム・ロブ、爆発物のエキスパートのレンチ、脅威のインターネットハッカーのライル、そしてチャーリー。数ヵ月後、彼らはスティーブがLAにいることを突き止める。彼ら4人はスティーブに奪われた金塊を再び盗み返すプランを立てる。そしてジョーの一人娘のステラも仲間入りする。盗んだ金塊を運ぶための足として、彼らが選んだのは小回りが利くミニ・クーパーだった・・・。
私評:だからお前はいつまでたってもNo.2なんだ・・・。1969年の映画のリメイクです。しかし、この映画は面白かったです。何が面白いって、まずはアクションシーン。ベニスでは水路を使ってボートのチェイス。この撮影でベニスでの撮影は禁止されたと言う曰くつきです。そしてLAでは壮絶なカーチェイス。それも渋滞の中で車をよけながらのチェイスは迫力満点でしたよ。このシーンでも問題を起こしたらしい。しかも、車がミニクーパーなので狭い水路や歩行者の階段なんかもどんどん入っていってしまう。この辺りも面白いですね〜。2番目はシナリオの妙。2時間弱の映画なのですが、そのテンポの良さの中にしっかりと犯罪のセオリーも盛り込んでいます。最新の盗みグッズも楽しいです。そして最後はやっぱりキャスティングでしょう!チームリーダを演じるのはマーク・ウォルバーグ!彼は今回ピッタリの配役。そしてセクシーで美しいシャリーズ・セロン嬢。(もう涎が出そうなくらいキレイ・・)。天才ドライバー役は「トランスポーター」のジェイソン・ステイサム。めっちゃカッコイイ〜。天才ハッカーは「オースティン・パワーズ」のセス・グリーン。爆弾エキスパートは人気ラッパーのフランキー・G。そして敵役はあのエドワード・ノートン。おまけにドナルド・サザーランドまで出ています!監督はサスペンスアクションの名作「交渉人」のF・ゲイリー・グレイ。どうだ、まいったか!!
茄子 アンダルシアの夏  監督:高坂希太郎  声の出演:大泉洋、小池栄子、筧利夫
 2003年 日本映画
スペインのアンダルシア地方で行われている世界三大自転車レースのひとつ"ブエルタ・ア・エスパーニャ"。気温は40度以上という超過酷な状況下のこのレースに出場中のぺぺは、色々な思惑を抱いていた。彼はレースの最中にスポンサーからは解雇を言い渡されてしまう。しかし、やるっきゃない!レースはぺぺが生まれた町に差し掛かる。今日はぺぺの兄の結婚式。しかも、花嫁のカルメンはかつてのぺぺの恋人。レースをしながらも、彼の脳裏にはさまざまな思いが駆け巡る。しかし、ある事故が元で彼のチームの仲間はリタイア。全ての勝敗は彼の手にゆだねられた。ゴールをめがけ必死にペダルを踏むぺぺ。果たしてレースの行方は・・・・
私評:遠くへ行きたい・・・・。日本のアニメでは、初めてカンヌでコンペティションに参加した作品です。上映時間はたったの47分。しかし、この47分の中にはドラマがいっぱい詰め込まれています。レースの駆け引き、ぺぺと兄の関係、カルメンとのこと、そして彼を取り囲む仲間たち、そしてチームメイト・・。私もそうだったのですが、このタイトルがなぜ「茄子 アンダルシアの夏」なんだろうと思いませんか?実はこれは黒田硫黄という作家が書いた「茄子」の一遍なのだそうです。マンガでは各エピソードには茄子が登場するらしいです。もちろん、この物語にも茄子が登場します。タイトルからしてコメディだと思っていた私は、けっこうシリアスなお話なのでビックリ。でも、これが(べたな話なのですが)イイ話でね・・・。また、すごくリアルな自転車レースの展開も要チェック!監督・脚本を手かがけるのは宮崎駿の右腕といわれる高坂希太郎。彼自身も自転車乗りでレースにも出場しているそうです。どうりでリアルなわけだ。声優は「千と千尋・・」で蛙の番頭をやっていた大泉洋、そして人気沸騰の小池栄子、そして筧利夫という楽しい面々。映画料金も1000円なので、サクッと見に行ってください。
EX エックス  監督:クリスチャン・デュゲイ  出演:デヴォン・サワ、ブリジット・ウィルソン=サンプラス
Extra Ops  2002年 アメリカ映画
命知らずのスノーボーダーキティとサイロは、とにかく刺激に飢えていた。どんな危険も楽しみに変えてしまう。しかも、彼らの腕は天下一品。そんな彼らがCMの撮影に呼ばれた。世界最高峰のアルプスで雪崩と追いかけっこをするシーンの撮影が予定されていた。しかし、彼らが宿に選んだ建設途中の建物には、なんと凶悪なテロリストが隠れていた。しかも、死んだと思われていた悪党を彼らは偶然カメラに収めてしまう。危険からさっさと逃げることにした彼らをテロリストたちが追いかける。しかし、逃げながらもCM撮影を続ける彼らは、絶体絶命の中で最後の賭けに出た・・・・。
私評:腹筋がやわなのね・・・・すごいアクション映画でした。シナリオはかなりボロボロでツッコミどころが満載。(辻褄が合わないことも多々・・)でも、この映画は次々に繰り出されるアクションシーンの数々を見ているだけで十分満足の映画です。アルプスの直角に近い雪肌を、雪煙を上げながら滑走するシーンなんか最高です。とにかく、世界中から集められた最強のスタントチームが、持てる技の全てを見せた!って感じですね。クライマックスの雪崩のシーンはCGなのですが、これがまた大迫力。「トリプルX」でも、そんなシーンがありましたが見比べてみるのも面白いかも??上映時間の90分間のほとんどをドキドキハラハラで過ごす事ができますよ。CMのディレクター役で登場のルーファス・シーウェルが今回は、熱い男を演じます。スキーの金メダリスト役で「TATARI」「ラストサマー」のブリジット・ウィルソン=サンプラスが出演。花を添えています。
ムーンライト・マイル  監督:ブラッド・シルバーリング  出演:ジェイク・ギンレイホール、ダスティン・ホフマン
Monnlight Mile  2002年 アメリカ映画
愛娘のダイアナを殺されたベンとジョー夫妻。彼女の葬儀の手配であたふたしているベン。そんな彼をシニカルな目で見ているジョー。そんな彼らの傍らにはジョー(妻と同じ名前なので、妻のほうはジョージョーと呼ばれている)がいた。彼はダイアナの婚約者で、彼女と結婚した後は、ベンと一緒に不動産の仕事をすることになっていた。しめやかに行われた葬儀。ジョーは葬儀が終わった後も、夫妻の家に留まった。しかし、彼は大きな秘密を彼らに言えずにいた。実は彼とダイアナは彼女が死ぬ3日前に別れていたのだ。しかも、彼女が殺された店では、ベンと待ち合わせをしていたのだが、それはジョーと別れたことを告げるためだったのだ。そんな時彼は郵便局に勤めるバーティと運命的な出会いをする。そしてダイアナを殺した犯人の公判の日がやってくる・・・。
私評:娘にも言ったことがないことをお前に言うぞ。Go! ・・・・悲しい話のようですが、決して暗い映画ではありません。父親ベンと母親のジョージョーは娘の葬儀でも、パーティの後にも涙は見せない。明るく振舞って現実を忘れようとしているのかもしれない。もしかしたら、ジョーがそこにいてくれたからかもしれない。しかし、嘘で取り繕った関係はいつしか歪みが生じてきます。しかも、ジョーはそんな状況の中で運命の女性と出会ってしまうし・・・。嘘を突き通すべきか?真実を告げるべきか??これがこの映画の問題点であり、答えでもあります。しかし、ベン、ジョージョーの2人がすご〜くイイ人なんです。そしてそれに輪をかけてお人よしなジョー。この3人のトライアングルが何とも不思議な連帯感で結ばれているんですね。それゆえ言い出せなくて・・・・。ジョーを演じるのは「遠い空の向こうに」のジェイク・ギンレイホール。そして彼が向こうにまわすのはアカデミー主演男優賞2回獲得のダスティン・ホフマン、主演女優賞を獲得したスーザン・サランドン&ホリー・ハンター。何とも贅沢な配役です。最後は静かな感動が心の深いところに留まるような映画でした。
メラニーは行く!  監督:アンディ・テナント  出演:リース・ウィザースプーン、ジョシュ・ルーカス
Sweet Home Alabama  2002年 アメリカ映画
メラニーは南部出身の女性。NYで人気のファッション・デザイナーとして成功した彼女は、ついに交際中のアンドリュー@市長の息子にプロポーズされた!(しかも、貸し切りのティファニーで!!)嬉しくてその場でYESと言ってしまうメラニー。しかし、彼女には封印しなければならない過去があった。さっそく故郷アラバマへ飛んだメラニーが向かったのはジェイクという男の家。実はジェイクとメラニーは夫婦で、メラニーは彼に離婚を申し立てに来たのだ。しかし、"勝手に家を出て行き7年間も音沙汰なし。やっと来たかと思えば離婚しろ!"なんてジェイクは許せない。その夜、久々に訪ねた街のバーで、メラニーは散々悪態をついてしまう。”こんな田舎のどこがいいの??”この町での彼女の評判はガタ落ち・・。しかし、彼女が7年間絶えず避け続けてきたのには理由があった。でも彼女は絶えずこの町を、そして人々を愛していた。そしてついにジェイクは離婚届けにサインをした。そんなある日、アンドリューがメラニーを訪ねてアラバマへとやってくる・・・。
私評:「なんで、私と結婚したいの?」「そうすれば、いつだってキスできるからさ」・・・いや〜、女性共感度100%&男性不満度100%のキャッチに偽りなし。「こんなわがまま女、ふざけんじゃねー!」って思いつつ、この映画ってリーズ・ウェザースプーンだから成り立つ映画だと思いました。彼女だとなんか許せちゃうんですよね。この映画の中での彼女のわがままぶりはハンパじゃない。「おいおい、マジかよ」って感じ。しかも、彼女を取り巻く男たちがイイ奴なんですよ・・・。彼女がアンドリューを選んでも、ジェイクを選んでも、どちらもおいしい。いっそのこと、両方に振られてしまえば!なんて思ってしまった。でも、リースだと許せちゃう・・。本当に不思議な魅力が彼女にはあります。共演陣で目を引いたのはキャンディス・バーゲン。70年代の美女が今や女性NY市長の役。しかも、これがイヤな女なんです。「デンジャラス・ビューティー」の時とちょっとキャラがかぶります。でも、私はこの人がめちゃ好きだったので・・・許します。しかし、世の女性たちよ!この映画を見て「私もメラニーを見習って・・」なんて思わないように。これはリース・ウェザースプーンだからこそ許されることですよ(笑)。


前回の記事も読んでね〜!



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