2002/6/16号

今回のイチ押しの2作品はは、両極端な作品かも??しかし、このドイツ映画は本当にすごい!
やはり、映画のレベルが高いですね。しかし、「最低」と呼ばれる映画でも感性が合えば楽しめちゃう。

エス es  監督:オリバー・ヒルツェヴィゲル  出演:モーリッツ・ブライブトライ、
Das Experiment  2001年 ドイツ映画
今週のイチ押し:タクシードライバーのタレクはある大学の被験者募集の記事を見つける。拘束時間:2週間、報酬:4000マルク・・・。また,彼はこのネタを新聞社に売り込むため、特殊なカメラを仕込んだメガネを着用し実験に臨んだ。この実験に集まったのは24人の男たち。彼らは囚人と看守に分けられ、模擬刑務所での生活を強いられた。和やかな雰囲気で始まった実験だったが、囚人側に廻ったタレクの兆発、そして彼を制圧しようとする看守たちにより小さな諍いが勃発する。そしてそれをきっかけに被験者たちは心の闇を曝け出すかのように豹変して行くのだった・・・・・。
私評:ルールを守れない奴を制圧するには、屈辱を与えればいい・・・・・すごい!人間はある環境下で、ある条件を与えるとこんなにも豹変してしまうのか??それは制圧を跳ね除ける側と、彼らをコントロールする側の対立から始まった。責任感の強い看守たちは実験を全うするために、囚人たちを鎮圧しようとする。しかし、ルールに縛られた彼等は、自ら道を探し当てるのですが、その手段がエスカレートして行く。そして驚愕のエンディング・・・・。怖い。本当に怖い映画です。この実験は実際にアメリカで行われたもの。心理学会に論争を巻き起こした。果たして自分がこの環境に置かれたときに、平静を保てるだろうか?誰もが心に抱く「心の闇」を曝け出すのではないか?そんな恐ろしさを目の当たりにしました。これはもう一人の自分を映す鏡を直視させられる、まさに戦慄の2時間でした
スコーピオン  監督:デミアン・リヒテンスタイン  主演:ケビン・コスナー、カート・ラッセル
3000 Miles to Graceland  2001年 アメリカ映画
今週のイチ押し:刑期を終えて出所したばかりのマイケル。キャデラックを飛ばしてあるモーテルへと向かう。そこで待っていたのはマーフィーと3人のヤクザな男たち。5人は合流するとベガスへと向かう。そこではちょうど年に1度のエルヴィス・ウィークが開催中だった。5人は到着するや、皆エルヴィスのコスチュームに身を包みとあるカジノへと向かう。そこで彼らはカジノの売上金を強奪する事に成功する。しかし、些細な事から仲間割れ。ついにマーフィの銃が火を吹く。しかし、マイケルは防弾チョッキを着ていたため一命を取り留めた。マイケル、マーフィー、そしてモーテル近くに住んでいる美しい女シビルとその息子の、大金をめぐる駆け引きが始まる。果たして誰が最後に笑うのか・・・・?????
私評:2度とキングの悪口を言うな!殺すぞ!!・・・・2001年のラジー賞にガンガンノミネートされ、昨年のワースト映画の呼び声も高いこの映画。でも、私ははまっちゃったんです。なんとも軽いノリの映画なのですが、それがまた私好み。とにかく、ケビン・コスナー、カート・ラッセル、クリスチャン・スレーター、デイヴィッド・アークエットらが、みんなでプレスリーの格好でラス・ベガスを闊歩するシーンは最高!!・・に笑える。しかし、銃撃戦はめちゃ迫力がありました。この映画の見所の一つは「超・悪役」のケビン・コスナー(ラジー賞の主演男優賞にノミネート!!)。変なもみあげ、薄い髪にズラをかぶってのプレスリー・ファッション。そして問答無用に次々と殺しまくる極悪非道の男。けっこうイケテます。それに対抗するのがカート・ラッセル。カートがプレスリー・ファッション??でも、これがけっこう様になってるんですよ。(特にエンド・クレジットは最高!!)紅一点のコートニー・コックス(ラジー賞の助演女優賞にノミネート!)も良い味出してますよ。彼女の旦那、デイヴィッド・アークエットと共演なのですが、二人の絡みは全然ないです。クリスチャン・スレーターもあんな●●●方で良いのか???オープニングからエンディングまでとにかく笑わせてくれます。プレスリーのファンが見たら、めっちゃ怒るだろうな〜。
スコーピオン・キング  監督:チャック・ラッセル  出演:ザ・ロック、マイケル・クラーク・ダンカン
The Scorpion King  2002年 アメリカ映画
5000年前の古代エジプト。預言者の力を借りて勢力を拡大する支配者メノムーンにより、多くの民族が滅ぼされた。そして彼は支配者として君臨すべく、次々と戦いを仕掛けていた。彼に反発する民族たちは、互いに手を組みメノムーンに対抗をすることを誓い合う。彼らは凄腕の暗殺戦士、マサイアスを雇い入れメノムーンの背後で指示を与える預言者の暗殺に乗り出す。しかし、預言者の美しさに惹かれた彼は、彼女を誘拐することに成功する。また、預言者も彼を救世主と信じ二人は固い絆を築き上げて行く。しかし、メノムーンは彼女を取り戻すべく兵を送るのだった・・・・・。

私評:Live Free...Die Well ・・・・これはマサイアス=スコーピオン・キングの種族アッカド人同士が交していた言葉。カッコイイ・・。正直言ってこの映画は全然期待していませんでした。でも、見始めたら面白かった!香港のスピーディーでアクロバティックな戦いも良いけど、ザ・ロック、マイケル・クラーク・ダンカンのような一撃必殺の戦いもすごい!なんてったって矢で人をふっ飛ばすんだぞ〜(爆笑)。迫り来る敵をバッタバッタと薙倒す、その迫力に大興奮でした。特にザ・ロックとマイケル・クラーク・ダンカンの肉弾戦は壮絶の一言。すごかった。宿敵メノムーンを演じるのはスティーブン・ブランドこいつがまた強そうなんですよ。美しい預言者を演じるのは元ミス・アメリカ・ハワイ代表のケリー・ヒュー。空手有段者の彼女はアクションもイケます。セクシーな衣装には目が釘漬けでした・・。スゴイアクションシーンの連続ですが、見終わった後はすっきり何も覚えてない(笑)。お気楽アクション映画です。
きれいなおかあさん  監督:スン・ジョウ  出演:コン・リー、ガオ・シン
漂亮媽媽  1998年 中国映画
リー・インは聴覚に障害を持つ息子ジョン・ダーと二人暮らし。女手一つで障害を持つ子供を育てるのは大変だが、彼女は歯を食いしばって頑張っている。そんなジョン・ダーを小学校に入学させるため、彼女は必死に教育をしてきた。そして今日は小学校入学試験の日。残念ながらジョン・ダーは試験に落ちてしまう。息子との時間をもっと増やし、教育の時間もたっぷりとろうと外資系の会社を辞め、新聞配達、家政婦の仕事につき、終始ジョン・ダーを傍に置くことにしたリー・イン。しかし、ある日ジョン・ダーは苛め子とケンカをし、補聴器を壊してしまう。しかも、ケンカは別れた夫に教わった事を知り、リー・インは深く傷つく。壊れた補聴器は修理することもできず、新品は5000元もするのだ。必死に働くリー・インに次々と不幸が襲う・・・・・

私評:ずっとジョン・ダーは私の失敗だと思ってた。それを認めたくなかった・・・この映画のコン・リーは「きれいなおかあさん」で「強いおかあさん」で「一生懸命なおかあさん」で、そして「やさしいおかあさん」。「赤いコーリャン」の頃の初々しさは失せ、いまやこんな普通のおかあさんがピッタリになったコン・リー。毎日毎日仕事に励み、息子を思い、自分の時間なんてまったくない。とにかく、頭の中には息子の事しかない。でも、そこは親子なんですね。きっと辛いであろう毎日なのに、笑顔を絶やさないおかあさんのひたむきな姿にいっぱいパワーを貰いました。息子役のガオ・シンは本当に聾者なんですね。でも、彼の発音の悪さや、言葉の明確さが中国語なので伝わってこなくて残念。しかも字幕にはそのままの言葉が書かれるので、よけいに伝わってこないんですよね。まあ、これは言葉の壁だから仕方ないけど・・。でも、親を思う子供も、子を思う親も、この映画は良い刺激なるはず。こんな時代だからこそ、大切にしたい映画です。
ザ・プロフェッショナル  監督:デヴィッド・マメット  出演:ジーン・ハックマン、ダニー・デヴィート
HEIST  2001年 アメリカ映画
コーヒーショップのウエイトレスが、テイクアウトのコーヒーに何かを注ぐ・・、町行く男がゴミ箱の中に何かを捨てる・・・、突如の爆発。すかさず二人の男が近くの宝石店のドアを抉じ開けた。中の従業員はコーヒーの中に注がれた睡眠薬で眠っている。そしてまんまと宝石を盗み出す事に成功。しかし、そのリーダー格ジョーは防犯ビデオに顔を映されてしまう。それを機会に、泥棒稼業から足を洗おうとした。ジョーと仲間たちだったが、彼らを仕切るバーグマンはそれを許さなかった。次にスイスに空輸される金塊の強奪を命ぜられる。逃亡を図ろうとするジョー達の前には、バーグマンの手下が立ち塞がる。仕方なく金塊強奪の計画を進めるジョーには、ある作戦があった。しかし、バーグマンも一筋縄では行かない男だった・・・・・

私評:奴ほどクールな男はいない。寝るときでも羊がヤツの事を考えるくらいだ・・・・。オッサンパワー炸裂。ジーン・ハックマン、デルロイ・リンド、リッキー・ジェイのオッサントリオと紅一点のレベッカ・ピジョンが頭脳と知能を駆使して、強盗を繰り返す。その展開の小気味良いこと!!どんでん返しに次ぐどんでん返しで最後に笑うヤツはいったい誰なのか??女の行動とラストが、私的にはイマイチだったけど、それまでの展開は面白かった。主演のジーン・ハックマンはやっぱり良いですね〜。円熟味が増した演技&アクションに脱帽です。パートナーの二人も適任です。このトリオが揃うと何かやってくれそうな気がするんですよ。敵役はダニー・デヴィート。どの映画でもみんな同じの彼ですが(笑)、それがまた良いんですよ。今回は粋なセリフもいっぱいあって悪党冥利に尽きる役??やっぱり,良い役者が揃うと、それだけで映画は楽しい。しかも、刻々と変わる展開の早さにも大満足。面白かった!!余談ですが、このえいがのテーマ音楽が「アンタッチャブル」にそっくりだと思ったのは私だけでしょうか???
ルーブルの怪人  監督:ジャン=ポール・サロメ  出演:ソフィー・マルソー、フレデリック・ディフェンタール
BELPHGOR  2001年 フランス映画
1935年、エジプトを調査していた考古学者のデフォンティーヌは3000年前のミイラを発見する。そのミイラはルーヴル美術館へと搬送されるが、途中の航海は謎の自殺者が相次ぎ、ついには博士までが謎の死を遂げる、そしてその記録はルーヴル博物館の奥深くにしまわれ忘れ去られていた。そして現代美術館の地下からデフォンティーヌの日誌と一緒にミイラが発見された。さっそくミイラの調査が始まったが、その日からルーヴルでは不可思議な現象が起こり始める。美術館の傍に住むリザは祖母と二人暮し。アパートの停電で呼び寄せた修理屋と地下に降りた地下に下りた彼女はそこn美術館に続くトンネルができていることを発見し、二人はこっそりと夜の美術館に忍び込んだ。そこでリザは調査中のミイラを見てしまう。その日以来、彼女の中の何かが変わってしまった。怨念を抱えたミイラの霊にとり憑かれてしまったのだ・・・。

私評:なんだここは。美術館じゃなくてディズニーランドだ・・・。私はもちろんルーヴル美術館なんて行った事がありませんが、歴史のある美術館だから、ゴシック調の古めかしい建物を想像していたら、本当に近代的な建物で、最新の警備を誇っていたのでビックリした。絵には本当に無頓着な私ですが、モナリザが出てきたときは「お〜!」と思いましたね。この映画はホラー映画というより、ルーヴル美術館のPR映画と言った方が良いかも?まあ、ミイラなんか掘り返して置いておけば、変な事も起こりそうだけどね。はっきり言って、全然怖い映画ではありません。でも、フランスでは大ヒットしたんですよね。イマイチ魅力が伝わってこなかったです。私的な見所は、やっぱりソフィー・マルソーでしょう!彼女って1966年産まれだから36歳でしょう?めちゃ若いですよね。おまけに、大胆なサービスショットもあるし、この映画見て損はなかったです(笑)。


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