2001/6/4号

今週は3本。でも、これくらいが普通ですね。映画以外にもイベントが多かったな〜。

幼なじみ  監督:ローベル・ゲディギアン  出演:ロール・ラウスト、アレクサンドル・オグー
A La Place Du Coeur  1998年 フランス映画
今週のイチ押し作品!:舞台は南フランスの町、マルセイユ。16歳の少女クリムは今日も恋人のべべに会いに刑務所を訪ねる。彼は無実の罪で投獄されてしまったのだ。今日、クリムはべべに二人の子供を宿した事を告げた。幼なじみの二人は気がついた時から、いつも一緒で、自然に結ばれそして結婚を決意した。お互いを運命の人と信じ、今までも、そしてこれからもずっと一緒だと信じていた。二人はもちろん、クリムの家族、そしてべべの父親もそれを疑わなかった。彼らはなんとかべべの無実を晴らし、刑務所から出そうと奔走する・・・・。

私評:自分が予告編から抱いていたイメージとは、かなり違う内容の映画だった。でも、それがかえって私には良かったみたい。幼い頃から一緒で、気が付けばいつも一緒だった二人は当然のように、これからの未来も二人で歩いて行くと信じている。私のように幾つも恋をしてきた人にはちょっと不思議な世界ではあるけれど、運命の人はきっといると思うし、そういう人と出会えれば彼らのようにずっと添い遂げられるのでしょう。しかし、私がこの映画で一番胸を打たれたのは、彼らの家族の愛情だ。べべの父親はべべの大好きな杏のタルトを彼が子供の頃から作ってあげているのだが、彼が刑務所に入っても、家の外でひたすら杏の皮を剥いているシーンはジーンときた。そしてクリムの母親も決して強い人間ではないのに、彼らの為に一人外国に出向く。そして二人の父親の友情と信頼。 運命に祝福された二人のために、(もちろん愛する子供の為に)しゃかりきになって働くシーンなどは感動でした。石畳のマルセイユの町並みもとてもきれい。まさに絵になる町でした。とにかく愛に溢れた映画です。主演のロール・ラウストちゃんがかわいい・・・。そしてもう一つ注目したいのが,この映画の音楽。 なんて心地良いんだ〜。 

山の郵便配達  監督:フォ・ジェンチイ  出演:トン・ルゥジュン、リゥ・イェ
Postman In The Mountain  1999年 中国映画
今週のイチ押し作品!:1980年代初めの中国湖南省西部の山岳地帯。父親は足を痛めた為に郵便配達の仕事を辞めなければならなかった。1日40km、3日で120Kmの道程を歩き続け、そして郵便を届けつづけた彼は、その仕事を息子に引き渡す事にした。息子の初めての仕事の日、一人で出かけるはずだった息子とひょんな事から同行する事になった父。今まで仕事でほとんど家に居なかった父を息子は「父さん」と呼んだ事がない。そんな二人が初めて二人だけの旅に出かけた。行く先々で出会う人々は、みんな父を暖かく迎えてくれる。そして息子は今まで知らなかった父親の姿を垣間見るのだった・・・・。
私評:父親をおぶった事がありますか?私はないです・・・。 以前に「遠い空の向うで」の時に、私と父の事についてちょっと書きましたが、この映画を見てやっぱり親父の事が頭に浮かびました。映画の中で父親は郵便の仕事の大切さを、静かに説いていく。しかし、それはマニュアルに書かれた仕事ではなく、父の心の広さ、そして暖かさがさせる”ふれあい”。知らなかった父の偉大さ、そして仕事についての考え方が、息子の中でどんどん変わって行く。それは父子であるからこそ分かり合える事かもしれない・・。私は独身なのでもちろん息子は居ませんが、息子を持つ父がこの映画を見るとまた、見方も考え方も違うと思います。もし、この先自分が父親になり、息子を持ったら、またこの映画を見てみたいですね。そして忘れてはならないのがこの映画の美しい風景。映画の中で途中1回だけ、車が出てくるけど、他は電気もないようなところばかり。しかも、この時代設定が1980年代というのだから、ビックリです。さすがは中国・・・・。 ラストシーンはなんのセリフもないのですが、父と息子の心は通じ合い、そして理解し合ったのだと分かった。 ステキな映画でした。 
ギフト  監督:サム・ライミ  主演:ケイト・ブランシェット、キアヌ・リーヴス
The Gift  2000年 アメリカ映画
私評:占い師のアニーは3人の息子と一緒に静かに暮らしていた。しかし、彼女は人の運命を見抜く特殊能力「ギフト」を持ち合わせていた。心優しい彼女の元には色々な人間が訪れていた。ある日、息子が学校で問題を起し、呼び出された彼女は彼の教師のウェインと出会う。そこで紹介された彼のフィアンセのジェシカを見た時、彼女は不吉なものを見てしまう・・。数日後、ジェシカは行方不明になり警察は必死の捜索を続けたが、ついには彼女を見つけることができずアニーを訪ねてくる。そこで彼女が見たものとは・・・。私はサム・ライミの昔のホラー映画を期待していたものだから、ちょっと期待はずれだった。しかし、ドラマとしてはすごく濃厚で面白い作品に仕上がっている。この映画の一番の見所はケイト・ブランシェットの演技でしょう。やっぱり彼女はすごい。「ギフト」を授かってしまったがゆえの悩み、恐怖を見事に演じています。そしてワル役のキアヌ君も私は合格点をあげたい。冴えなかったのが、アカデミー賞女優のヒラリー・スワンク。彼女ってやっぱり華がないですね。先生役のグレグ・キニアはいつも通りでした(笑)。 また、今回ちょっとビッチな役で、しかもヌードまでご披露してくれるケイティ・ホームズにも注目!彼女は「GO!」の時から、ちょっと気になってたんだ。脚本はビリ・ボブ・ソートンだったんですね・・。 ホラーとしての楽しみより、ミステリーとして楽しんだ方が良いと思います。 


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