6月6日版

 仕事がだいぶ忙しくなってまいりました。今までの鑑賞ペースを維持するのは不可能。 
 さて、どうなることやら・・。

 ハリケーン(The Hurricane)

 1999年  :  アメリカ映画
 監督   : ノーマン・ジェイソン
 主演   : デンゼル・ワシントン、デボラ・カーラ・アンガー、ジョン・ハンナー

 1960年代初頭、一人の天才ボクサーが華々しくデビューを飾った。彼の名は
 ルービン・”ハリケーン”・カーター。辛い人生を歩んできた彼が、今まさに栄光を
 手に入れようとしたとき、ある事件が彼の人生を狂わせた。無実の彼が終身刑を宣告
 される。その日から彼の孤高の戦いが始まる。自伝を出版し世間に自分の無実を訴え
 た。その本は大きな反響を呼び著名人がこぞって釈放運動に荷担した。しかし、再審
 でも有罪判決を受けた彼は次第に世間から忘れ去られようとしていた。事件から十数年
 後、一人の少年が古本市でハリケーンの本と出会う・・・。

 私評:この事件は意外と知られていなかったんですね。私はハリケーンの事件の全てを
 知っていました。ボブ・ディランの歌う「ハリケーン」と言う曲はまさに、彼の無罪を
 訴える歌だった。この曲はそのまま映画にも使われていました。彼一人の戦いの前半、
 少年との出会いから、本当に信じ合える仲間との戦いに物語は移行していく。しかし、
 彼らを最後まで支えていたものは「真実」そして「正義」。黒人だからと言う理由で、
 有罪にさせられたという展開を見ていて、思わずアカデミー賞のことが頭をよぎった。
 黒人は本当に賞には縁がないですね。アカデミー協会が賞を上げなくても、私がデンゼルには
 主演男優賞を贈ります。 素晴らしい映画でした。

 クワイエット・ファミリ−(The Quiet Family)

 1998年 :  韓国映画 
 監督  : キム・ジウン
 主演  : パク・インファン、コ・ホギョン、チェ・ミンシュク

 家族でソウルの郊外の山奥でペンションを経営することになった一家。
 しかし、ロケーションの悪さから待てど暮らせどお客は誰も来ない。
 そんなある日、一人の老婆が不吉なことを言い放って去って行った・・。
 やっと、来た最初のお客はちょっと暗いヤツ。 案の定次の朝、彼の
 死体が部屋に転がっていた。しかし、商売もこれからと言う時に変な噂
 が立ってはいけない。さっそく死体は裏山に埋めることに。次にやってきた
 カップルもなんだか怪しい・・。しかし次から次へと死体が出て来るのは
 なぜだ? そんな折、このペンションの近くに道路が完成。やっとお客が
 増えてきた・・・。

 私評:韓国映画恐るべし。シュールでブラックな題材を、思いっきりの笑いで楽しませてくれました。
 めっちゃ低予算の映画なのに、役者たちのパワーでグイグイ話に引き込んで行く。また、個性的な
 家族の面々がグッドです。「シュリ」に出演したチェ・ミンシュクとソン・ガンホの名前ばかりが
 獲り沙汰されてますが私的にはシュールなお母さんと死体処理でやっと一家の長としてのリーダーと
 なれたお父さんが、魅力的でした。 ストーリー自体もいわゆるマンガみたいなお話なですが、それ
 をこれだけのエンターテイメントに仕上げてしまうセンスの良さに感動しました。末っ子のコ・ホギョン
 がカワイイ。あと、注目は音楽です。ヒップホップ、カントリー、バラード、そしてポップと多種多彩な
 音楽がきれいに画面とマッチしてます。こんな王道を行くような笑いが、とっても新鮮だった〜。 


 千里眼 (Senrigan)

 2000年 :  東映映画 
 監督   : 麻生学
 主演   : 水野美紀、黒木瞳、柳葉敏郎、根津甚八

 日本各地にミサイルによる爆破が同時に多発する。これは米軍の基地から発射された
 もので航空自衛官岬美由紀はすぐに横須賀の基地に向かった。そこで彼女が見たのは
 テロ集団「ミドリの猿」により心をコントロールされ銃を振りまわす男だった。。
 そして彼は自らの命を断ち次にミサイルの発射を阻止する
 暗証番号を永遠に葬り去ったのだ。 しかし、そこに現れた一人の女性友里佐知子は、
 彼のしぐさ、目の動きをモニターから読み取り、10桁のコードを解読してみせたのだ。
 彼女は心理学の権威で千里眼と呼ばれていた。 そして二人の女とミドリの猿の駆け引
 きが始まった・・。

 私評:こう来たか〜! 私は「千里眼」は原作を読んでないのでまったく知らなかったの
 ですが。東宝作品「催眠」とはやっぱりまったく毛色の違う映画に仕上げてありました。
 まあ、色々と文句が出そうな映画ですが私は最後まで飽きずに見れて、良かったです。
 水野美紀がめっちゃカッコイイ。アクションシーンも吹き替えなしで演じてるというから
 たいしたもんです。イヤ、惚れました〜! 「催眠」の続編だからと言ってホラーを期待
 してはいけません。作者の松岡祐一自ら脚本も書いてるし、映画に出演もしてた。
 「ミドリの猿が世界を制す・・・」


 喜劇王 (King Of Comedy)

 1999年  :  香港映画 
 監督   : リー・リクチー、チャウ・シンチー
 主演   : チャウ・シンチー、カレン・モク、セシリア・チェン

 映画の役者を目指しスタジオに通いまくる一人の男がいた。エキストラでも
 スタントでも何でもやるけど、失敗ばかり。演劇の理論は頭にしっかり入って
 いるので理屈ばかりが先走りして・・。彼の本業は公民館の受け付け。そんな
 ある日、ある女性軍団が彼に演技を教えてくれと乗り込んでくる。彼女たちは
 女子高生パブの従業員で、お客に好かれる演技を教わりに来たのだ。その中の
 一人ピュウピュウは彼に教わった某作戦で店のNo.1を獲得する・・。しかし
 彼もスター女優キュン・イーの目に留まり、主演の座をゲットするのだが・・。

 私評:面白すぎる〜。こういう頭を使わずに笑わせてくれるコメディーは大好きです。とにかく動きや
 視覚で笑わせてくれる。会場はくすくす笑いを通り越して爆笑の渦だった。こう言うのも珍しいですね。
 主演のチャウ・シンチーがめっちゃ良いです。けっこう二枚目なのにやることがめっちゃアホで・・。
 カレン・モクはスゴイアクションを見せてくれました。冒頭のアクションシーンはスゴイ!・・でも、
 笑えちゃう。白い鳩が・・。 もう一人の主役セシリア・チェンも魅力的な女の子。ちょっと、マギー
 チャンに似てるような・・。 こういうパワフルなコメディー映画、日本も作ってくれ〜。 ジャッキー
 チェンも特別出演してます〜。 


 ナインス・ゲート (The Nineth Gate)

 1999年  :  スペイン・フランス映画 
 監督   : ロマン・ポランスキー
 主演   : ジョニー・デップ、レナ・オリン、フランク・ランジェラ
        エマニュエル・セイナー

 世界中を股に掛け、希少価値のある本を探し出す、いわゆる「本の探偵」ディーン・
 コルソ。NYに住む本のコレクターボリス・バルカンの依頼を受けて1666年に
 出版された伝説の悪魔祈祷書「影の王国への九つの扉」を探し出すことになった。
 世界に3冊が現存し、その内の1冊はボリス自身が所持していたのだが他の2冊を
 見つけ出し、全てが本物であるかどうかを調べるのが目的だ。そしてNYを後にした
 ディーンはスペイン、ポルトガル、フランスと旅をし、ついに残りの2冊を発見する。
 果たして、その本に隠された秘密とは?? 

 私評:ポランスキー久々の映画だったので、期待してました〜。 しかも、ホラー系は
 「ローズマリーの赤ちゃん」以来! しかし、ホラーとしての楽しみ方は全然できない。
 色々な国をジョニー・デップと巡るたびの映画として、楽しみました。 カメラはポラ
 ンスキーならではの美しい映像のオンパレード。中世の佇まいをそのまま残すポーランド、
 フランスの古城。 そして城内の壮大な部屋、そして素晴らしい装飾品。そして燃え盛る
 城を背景にした情事。ため息が出るくらい美しい。ジョニー・デップは今回白髪混じりの
 頭に髭で、実年齢より老け役。でも、渋い〜。 レナ・オリンはまたしても、爆発〜! 
 そしてポランスキーの永遠のミューズエマニュエル・セイナーが謎の女を怪しく演じます。
                  


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