2004/5/16

今週見た映画は、どれもイチ押しにしたいくらいの面白い映画ばかり。
しかし、ホラーファンの私はやはりこの映画を選んでしまった・・。そして最高に笑える邦画もオススメ。

ドーン・オブ・ザ・デッド  監督:ザック・スナイダー  出演:サラ・ポーリー、ヴィング・レイムス
Dawn Of The Dead  2004年 アメリカ映画
今週のイチ押し:看護婦のアンはいつものように、夫のルイスと一緒のベッドで朝を迎えた。しかし、いつもと違っていたのは、ドアの向こうに隣家の少女ヴィヴィアンがいたこと。しかもヴィヴィアンはルイスの首を噛み切りあっという間にルイスは絶命してしまう。しかし、死んだはずのルイスは再び立ち上がり、アンに襲い掛かる。必死の思いで外に逃げ出し車に乗り込んだ彼女は、我が目を疑った。なんと人が人を喰らっている。静かなはずの住宅地は阿鼻叫喚の修羅場と化していたのだ。車を事故で失ったアンは、警官のケネス、販売員のマイケル、アンドレと妻のルダと出会う。彼らが目指したのはショッピングモールだった。一行を迎えたのは3人の警備員。そしてトラックでモールに逃げてきた8人が加わる。しかし、モールの外はゾンビと化した死人が次々と集まり。アリの這い出る隙間もなかった・・・
私評:私はここで死にたくない・・・・ジョージ・A・ロメロの名作「ゾンビ」のリメイク版です。ジョージ版の「ゾンビ」はゾンビ自体の動きものろかったので、作品的にもじっくりと見せる映画でしたが、今度の「DOTD」はまさにジェットコースター・ホラー。次々と襲い掛かる危機、また危機。息をもつかせぬ展開で終始ドキドキ感を楽しみました。「ゾンビ」のリメイクではあるけれど、テイストはまったく違う作品。もちろん、新たな解釈や展開も要所に盛り込まれています。そしてスプラッター映画としても、めちゃめちゃ楽しめます。主演はインディーズ映画の女王(?)サラ・ポーリー。小柄で華奢なサラですが、いかにも意志の強い女を好演。アクションシーンでも大活躍します。警官のケネス役は「M:I=2」のヴィング・レイサム。その他ジェイク・ウェバー、メキー・ファイファーなど個性的な役者が揃いました。監督はCM界出身の新人ザック・スナイダー。スピーディーで、しかも練りに練った演出・映像が素晴らしかった。ホラー映画ファンは必見!!
下妻物語  監督:中島哲也  出演:深田恭子、土屋アンナ、樹木希林
 2004年 日本映画
今週のイチ押し:少女時代、複雑な家庭環境に育ちすっかりシュールでねじまがった性格に育ってしまった桃子。大阪でヤバイ商売をしていた父親と夜逃げしてやって来たのがこの町、茨城県下妻だ。彼女が命を賭けているのがロリータファッション。アホな父親を騙して金をせびっては、毎週末に代官山のロリータ・ブランドショップに通っていた。しかし、ついに金が底をついたとき、桃子は昔、父親が扱っていた偽ブランドの商品をネット販売すること・・。そしてやってきたのが下妻で女暴走族チーム「舗爾威帝劉(ポニーテール)に属するイチゴ。特攻服にギンギンのバイク(原チャリ)で爆走するヤンキー娘だ。この水と油のような2人の女が出会いを果たす。その日からなぜか桃子にまとわりつくイチゴ。実はイチゴは桃子のある性格を気に入っていたのだ。ある日、桃子はお気に入りのブランドショップで、刺繍の腕を買われ白いドレスにバラの刺繍を施してくれと依頼される。一方、イチゴは憧れていたチームの先輩が脱退して以来、すっかり変わってしまったチームをやめようと考えていた・・・ 
私評:おめえの道を行け。他の誰とも違う、おめえじゃなきゃダメだって場所がきっと見つかる・・・いやはや、こんなに笑える映画だとは・・。シュールでブラックなセリフの数々、スピーディーで遊び心いっぱいの映像、そして何よりも最高のキャラクター。ロリータ少女とヤンキー娘の友情物語にここまではまれるとは思いもしませんでした。とにかく楽しかった。はちゃめちゃな青春物語のラストに待っているものは・・・??桃子役は深キョンこと深田恭子。彼女のセリフのひとつひとつがとてもシュールなんです。しかもあのファッションを着こなすとは!!彼女の新たな一面を垣間見て、すっかり彼女が気に入りました。そして深キョン以上に私の心を捉えたのはイチゴ役の土屋アンナ。(カリスマモデルなんですってね。まったく知りませんでした)とにかくヤンキー娘をここまできっちりと、そして大胆に演じてくれて・・・すごく良かったです。しかも、しっかり感動シーンもあるんですよ。その他にも宮迫博之、樹木希林、阿部サダヲ、荒川良々らがよってたかって笑いを取りに来ます。これが笑わずにいられるか!!
4人の食卓  監督:イ・スヨン  出演:チョン・ジヒョン、パク・シニャン
The Uninvited  2003年 韓国映画
結婚式を目前に控えたジョンウォンは地下鉄の最終電車で2人の少女と母親の姿を見かける。そのまま寝入ってしまったジョンウォンは終着駅で目を覚ますが、そのとき向かい合わせに座った2人の少女を見かける。翌日、彼は2人が母親によって毒殺された事を知る。その日からなぜか彼の家の食卓のテーブルにふたりが電車の中で見たのと同じように座っているのだ・・。彼と同じマンションにヨンという女が住んでいた。彼女は夫と不仲になり、ひとりでこのマンションに住んでいる。彼女はまた、ジョンウォンの父親が営む教会の信者でもあった。ある日、ジョンウォンは早朝の教会の会合の後、ヨンを車で送る事になった。しかし、彼女は何かを見た途端突然失神してしまう。実は彼女は以前に同じマンションに住む女性が飛び降り自殺を図った際、落ちてきた彼女と目と目が合ったいう。それ以来、彼女は動揺すると失神してしまうのだ。ふたりの出会いから、ジョンウォンは闇に葬り去られていた7歳までの、失われた記憶が甦る・・・・・
私評:今日はありがとう。早く子供たちをベッドに寝かせてあげて・・・韓国映画が放った謎が謎を呼ぶ迷宮ホラーです。主演のふたりがそれぞれ不思議なトラウマを抱えていて、ふたりが出会ったことによりそれらが穿り出されていく。ジョンウォンはふたりの子供の幽霊(?)の謎と、少年時代に記憶をなくしてしまうほどの衝撃的な事件が、そしてヨンは自殺者と目があったことと、友人がまだ幼い子供をマンションのベランダから落とすという事件に遭遇する。これらの事件の描き方がすごくリアルなんです。とにかく思わず目をそらしたくなるようなシーンを、真正面から映すカメラ。急に飛び出してビックリするのではなく、さりげなく残酷な描写を見せる演出に、私は何度も腰が浮いてしまいました。そして謎は最後の最後まで引きずられて・・・。ヨンを演じるのは「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョン。あのハツラツした演技とは打って変わってミステリアスで、しかも陰気な女を好演。彼女の美しさが不気味に見えるほどの演技でした。ジョンウォンを演じるのは今回初めて見たパク・ニシャン。監督は(なんと女性)イ・スヨンです。この映画のふたりの少女は「シャイニング」の廊下にいた双子と同じくらいインパクトがありました・・・。 
レディ・キラーズ  監督:ジョエル&イーサン・コーエン兄弟  出演:トム・ハンクス、イルマ・P・ホール
The Ladykillers  2004年 アメリカ映画
敬虔なクリスチャンであるミセス・マンソン=マダムの家のチャイムを鳴らす、ひとりの男がいた。教授と呼ばれる彼には、ある目論見があったのだ。実はマダムの家の地下から船内カジノの地下金庫までトンネルを掘り、現金をごっそりといただく算段だ。そのためにマダムの家に住み込み、日中は教会音楽の練習という理由をつけ、仲間を呼び集めては地下に集まることが目的。トンネル掘りは順調に進み、金庫に手が掛かる。そして・・・(ネタバレ禁止モード)。そんな姿を偶然にもマダムに見られてしまう。マダムが出した条件はふたつ・・・(またまた、ネタバレ禁止モード)。条件を受け入れられない教授は仲間とマダム殺害を企てるが・・・・・・・
私評:「"ヒッピー"・ホップはご免だよ」「いいえ、私たちの音楽は教会音楽です」・・・コーエン兄弟がまたまた、奇想天外なコメディを作り出した。しかも、主演はあのトム・ハンクス。これが面白くないわけがないでしょう!?5人のドジなプロとマダムの掛け合いも最高。この辺りの会話の紡ぎ方は、まさにコーエン節なのです。また、教授と一緒に強盗を行う4人が、それぞれ個性的で面白いんです。中でも潜入・偵察のプロ、ガエェインを演じるのが「最終絶叫計画」のマーロン・ウェリアーズ!!相変わらずのバカぶりで笑わせてくれました。そして最後のたたみ込みの展開は、まさに最上のテイスト。映画のオープニングで登場する、ごみを運搬する船がこんな使われ方をするなんて・・・。主演のトム・ハンクスは元来の彼が得意とする喋りで、思い切り笑いを取ります。彼の演技はやはりアカデミー賞級の演技。素晴らしかった。ちなみのこの映画は1955年の「マダムと泥棒」のリメイクです。この作品でマダムを演じたケティ・ジョンソンはこの年の英国アカデミー賞の女優賞を獲得。泥棒にはアレック・ギネス、ピーター・セラーズといった楽しい顔ぶれが揃っています。こちらも機会があれば、ぜひ!!


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