2004/4/26

GWも近づき、公開作品が目白押し。頑張って映画館に通わなくちゃ・・・。
今週も面白い映画がいっぱい!でも、イチ押しは少年の目を持った監督の感動作。

ビッグ・フィッシュ  監督:ティム・バートン  出演:ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー
Big Fish  2003年 アメリカ映画
今週のイチ押し:ウィルは少年時代から、父親のエドワードの話が大好きだった。父親が実際に体験したと言うファンタジックでスリル満点の冒険の数々はウィルだけでなく、誰をも魅了した。しかし、ウィルも齢を重ねて、いつしか父親の破天荒な話が信じられなくなる。そしてウィルの一世一代の結婚式の日から、二人は会話を交わさなくなってしまう。数年後、フランスに住んでいたウィルの元に、母親から電話が入る。エドワードの容態が良くないというのだ。久々に再会を果たした父と息子。ウィルはエドワードに本当の事を話して欲しいと頼むのだが、エドは今まで話したことはすべて真実だと言う。そしてエドは再び語り始める。彼が辿ってきた波乱万丈な人生を。そして彼が出会った不思議な人々のことを・・・・。
私評:これは僕の死に方じゃない。魔女の目に映った死に方とは違う・・・ティム・バートンの映画は大好きな私。それは彼がいつも少年の視線で映画を作るからかも?今回の「ビッグ・フィッシュ」はまさにそんな映画。エドワードが体験した、数々の不思議な世界が映像となり私をワクワクさせてくれました。そして信じられないようなお話には、しっかりと最後にオチが付いていて納得させられました。この映画を見て思ったのですが、私は自分の父親の人生についてほとんど知らない。少年時代の話や若い頃の話を聞いたことがないのです。そんな寡黙な父親が、こんなにお喋りな息子を持つというのも不思議な感じ。今度、父にそんな話をしてみようかな・・・。若い頃のエドワードを演じるのはユアン・マクレガー。平気な顔して「ボクは18歳」なんてセリフを言えちゃうところが彼らしい??そして今のエドワードを演じるのは「アルバート・フィニー」。彼の演技、そして話し方はさすがです。エドワードがひと目惚れする妻は若いときがアリソン・ローマン。(めちゃキレイです・・・)そして今の妻を演じるのはジェシカ・ラング。その他にも不思議な町に住む詩人役にスティーブ・ブシェミー、サーカス団の団長にダニー・デビート、そして魔女役はヘレナ・ボナム・カーターというなんとも贅沢な顔ぶれです。そして摩訶不思議な映像と不思議な人々の登場は、まさにティム・バートンの世界。私はこういう映画が大好きです
クレヨンしんちゃん 夕日のカスカベボーイズ  監督 :水島努  声の出演:矢島晶子、ならはしみき
Crayon Shichan 2004  2004年 日本映画
いつものように「リアル鬼ごっこ」をしていた、しんちゃん、風間君、まさおくん、ボーちゃん、ネネちゃんの5人は、ひょんなんことで「かずかべ座」という古びた映画館を見つけた。こっそりと侵入してみると広大な土地の映像が映し出されていた。トイレに行っていたしんのすけが戻ってみると4人の姿がない!なんと4人は映画の世界に引き込まれてしまったのだ。しんのすけはひろし、みさえ、ひまわりと共に彼らの後を追って映画の世界へと入っていった。そこは西部劇の世界で、過去のことを忘れてしまった春日部市民がたくさん住んでいた。しかも、彼らは強制労働を強いられていた。しんのすけは4人を探すが、風間君はこの町の保安官に、まさお君はネネちゃんと結婚してしがない農民に、そしてボーちゃんはインディアンとしてこの町になじんでいた。時が止まり、太陽も動くことを忘れてしまったこの街。しんのすけたちは何とか春日部に帰ろうとする。しかし、強大な敵が彼らの前に立ち塞がる・・・・。
私評:春日部防衛隊!ファイアー!!・・・・今年もやってきました、クレヨンしんちゃんの劇場作。毎回、大人をワクワクさせるネタがいっぱいのこの映画ですが、今回は映画の世界が舞台になっており、西部劇ファンには、思わずニヤリとさせるエピソードが出てきます。たぶん、子供は全然わからないでしょう・・(笑)。クライマックスでは、スーパーおパンツを履いた春日部防衛隊が、すごい大活躍。それをバカバカしいと思ってしまったら、この映画には付いていけませんが、ここでノリノリの人は大満足でしょうね。私はもちろん後者です。そしてしんのすけのほのかな恋と、その行方もこの映画の大きな見どころ?私はこの展開が好きです。いつものことながら野原家の団結力は凄まじい。彼らのパワーってもちろん家族ためでもあるのですが、今回は生きることへの執念を感じた・・。そして野原家だけでなく、今回はしんのすけの幼稚園の友達も大活躍。しかし、「オトナ帝国」「あっぱれ戦国」と比べると、どうしても見劣りしてしまうのは仕方ないか・・??
キル・ビル VOL.2  監督 :クエンティン・タランティーノ  出演:ユマ・サーマン、ダリル・ハンナ、デヴィッド・キャラダイン
Kill Bill Vol.2  2004年 アメリカ映画
オーレン・イシイを倒したブライドは、メキシコを目指した。そこにはビルの弟、バドがいたからだ。彼のトレーラーの下に潜みエドに襲い掛かるが、彼女は返り討ちにあってしまう。エドはブライドが持っていた服部半蔵の刀を拾い上げた。そして彼はエル・ドライバーに電話をし、刀を売ることに。翌朝、エルはバドのトレーラーを訪ねてくる。バドはブライドを殺さず、生きたまま墓に埋めたのだ・・・。エルとの戦いは壮絶を極めた。女と女の戦いの最中、エルはあるとんでもない事実をブライドに聞かせる・・・。ついにブライドはビルの元へと辿りついた。しかし、ブライドはビルの家でとんでもない人物と出くわしてしまう・・・・・
私評:パイ・メイは「五点嘗爆心拳」を教えたのか・・・?ついに完結を迎える「キル・ビル」。しかし、パート2は本当に愛の物語だった。なんたって、歯の浮くようなキザな(だけどカッコイイ)セリフがてんこ盛り。そのセリフの量たるや・・・。1では破天荒なアクションがメインだったが、パート2ではじっくりと魅せてくれます。しかし、タランティーノのこだわりはすごい。ブライドが中国でパイ・メイの元で修行をするところは、わざとフィルムの質を落として、さながら昔の香港映画風に撮影。そして各話ごとにフィルターを入れ替え、映像に違いを持たせている。しかし、アクション・シーンでもしっかり見せ場が用意されています。エル・ドライバーとの戦いはすごかった〜。あのオチは最高!!そして最後、ビルと延々と愛について語るシーンはカッコイイセリフのオン・パレード。そして・・・もう言えません。ブライドは、もう彼女以外は考えられないユマ・サーマン。今回も泥にまみれ、血だらけになり・・・。いや〜、すごかったです。そして私的にはすごく良いと思ったのがエルを演じるダリル・ハンナ。80年代のセクシー・アイドルだった彼女がこんなに冷酷で残虐な女を演じるなんて・・・素晴らしい!!バドはマイケル・マドセン。やっぱり味わいがあるな〜。そしてビルは最高の配役の、デヴィッド・キャラダイン。教会のピアノ弾きの役でサミュエル・L・ジャクソンが出ているのを見逃さないように・・・。この映画のあと、VOL.1を見直したら、また面白い発見がありました。それは・・・ここには書けません。
CASSHERN  監督:紀里谷和明  出演:伊勢谷友介、麻生久美子、唐沢寿明
CASSHERN  2004年 日本映画
こことは違う次元のある時代。世界は大亜細亜連邦共和国とヨーロッパ連合という2つに大きく分かれ互いの戦争はいつ果てるともなく続いていた。最終的には大亜細亜連邦が勝利を収めるが、戦争の被害は甚大でウィルス、放射能により土地は荒れて、人々の心も荒んでしまう。そんな時、人類の再生を提案する一人の科学者がいた。彼の名前は東博士。彼は人間のあらゆる細胞を復元させる「新造細胞」を提唱するが保健省はそれを却下。しかし、軍関係により東博士の研究は保護される。そして実験場の事故から、新たな生命体「新造人間」が誕生する。その恐るべきパワーは鋼鉄の軍のロボットでさえ打ち砕いた。ブライキングが率いる新造人間たちが人類に宣戦布告をする。しかし、彼らに立ち向かうもう一人の新造人間がいた。彼の名は鉄也。またの名をキャシャーン・・・・・。
私評:なぜ、人は戦うのかな・・・・??実は私はアニメのキャシャーンはまったく見ておりません。それどころか映画で見るまで「新造人間」ではなくて「人造人間」だと思っておりました(それはキカイダーでしょう!(笑))。しかし、この映画は表現がすごくストレートで中盤までの怒涛の展開はしっかり把握できました。それに加えて凝りに凝ったビジュアルと(ちょっと安っぽいけど)、実にアニメチックなバトルシーンなど、私の意表をつく展開に口をあんぐり。そしてこの映画の素晴らしいところはキャスティングです。キャシャーン役の伊勢谷友介、ルナ役の麻生久美子あたりはまさにアニメキャラクターという感じ。ところが、この物語に現実味を持たせるのが寺尾聰や大滝秀治の存在。まさか、彼らがバリバリのCG作品に出るなんて・・。ちょっとビックリ。ブライキング役の唐沢寿明はすごい迫力と演技で圧倒されました。そして新造人間の佐田真由美、要潤、宮迫博之の存在も忘れてはいけない。特に佐田真由美とキャシャーンのバトルはすごかった!!ところが、最後の最後に来てこの物語は失速してしまう。訳が分からないうちに物語は駆け足で進み、あっという間にエンドマーク。これはちょっと残念でした。それにしても2時間20分の長丁場もしっかり映画に没頭できたのは、映画のクオリティの高さでしょう。 
ピーター・パン 監督:P.J.ホーガン  出演:ジェレミー・サンプター、ジェイソン・アイザック
Peter Pan  2003年 アメリカ映画
ウェンディは二人の弟と一緒に、「シンデレラ」や「白雪姫」の話の最後に海賊を登場させ、大ハシャギするのが大好きなちょっとお転婆な女の子。しかし、顎のラインが伸びてきたウェンディは叔母からレディの教育を始めるべきだと言われる。翌日、父親の勤める銀行で騒ぎを起こしてしまったウェンディは父親に「大人になれ!」と怒られてしまう。その夜、寝静まった子供部屋に一人の少年がやってくる。彼の名前はピーター・パン。実は彼はウェンディの話を聞きに、何度かこの窓を訪れていたのだ。しかし、前回この部屋を訪れた時に、彼の影を置いてきてしまったのだ。ウェンディに見つかったピーターは彼女をネバーランドに誘う。そこには彼女の大好きな海賊がいるからだ。ウェンディは弟のマイケル、ジョンを連れて、ピーターと一緒にネバーランドへと飛び立った。そこはまさに夢とファンタジーの世界だった。海賊船のフック船長は氷で覆われていた海が溶けて、ネバーランドが春になったことでピーターが戻ってきたことを知る。ウェンディは密かにピーターに恋をするが、ピーターには「愛」という言葉を知らなかった・・・・・・
私評:彼女はいずれ去る。そして大人になるんだぞ ・・・・・ 私は元々ディズニーのピーター・パンが大好きでもう何度も映画を見ています。あのアニメの名作が実写でリメイクされると聞き、実はとっても不安でした。まず、第1にピーター・パンとウェンディを演じる子たちにどうも違和感があったこと。そしてもうひとつはスピルバーグ監督の「フック」という映画が(私的には)とってもつまらなかったこと。ところがそんな不安は映画を見て10分も経つと消えてしまった。ピーターを演じるジェレミー・サンプター君は、まさにピーター・パンそのもの。そしてウェンディ役のレイチェル・ハート=ウッドちゃんも可憐でまさにウェンディ(彼女ってケイト・ベッキンセールに似てるよね?)。もうこの二人のキャラを受け入れられたら怖いものなしです?ILMの素晴らしい映像、そしてアニメ版では語られなかった(だけど、この物語ではとっても重要な)ピーターの弱点など、見所が満載です。フック船長役には悪役はお任せのジェイソン・アイザック。しかも、彼は気の小さいウェンディの父親役も演じています。そして妖精ティンカーベルの役は「8人の女たち」「焼け石に水」などフランソワ・オゾン作品でお馴染みのリュディヴィーヌ・サニエ。めちゃめちゃ可愛かったです。ラストもアニメ版とは違うんですよ。この映画を見ていて「いつまでも少年でいる方法」を発見しました。それは「今」だけを見つめて、それを精一杯楽しむ心を持つこと。 
チルソクの夏  監督:佐々部清  出演:水谷妃里、上野樹里、桂亜沙美、三村恭代
 2003年 日本映画 
1977年の夏。下関の高校生、郁子は釜山で行われた陸上大会に出場した。郁子は同じ陸上部の3人の親友、巴、真里、玲子とこの地を訪れたのだが、他の3人は男の子の物色に必死。巴はさっそく韓国の男の子に目を付けた。彼の名前は安(アン)。ところが安が好意を寄せたのは郁子だった。夜間の外出禁止令を破り、郁子の宿舎にやってきた安は木を上りまるで「ロミオとジュリエット」のように話をした。そして二人は来年の七夕(チルソル)も会おうと固い約束を交わした。それから始まった二人の文通。ところが郁子の父親、そして安の母親は二人の交際を反対する。それは郁子や安が生まれるずっと前の戦争のせいだった。お互いに辛い日々もあったけど、また、夏がやってきた。今回は下関で行われる陸上大会。韓国からの船を出迎える郁子は安の姿を見つける・・・・
私評:イル・イ・サン・サ・オー・リュ・チル・パル!!・・・・・・どんな話なのかも良く知らずに見に行ったのですが、これがなかなか面白い話でした。1977年の下関を舞台に韓国人の青年と日本人の少女の淡い恋と、少女たちの友情、そして当時の日韓の感情摩擦をも描いた作品。とにかく主演の4人の女の子たちの元気ハツラツとした演技が良いです。そして70年当時のヒット曲が随所に掛かり、(しかも彼女たちがピンクレディの曲を歌って踊るシーンでは、オジサンは涎が出るほど嬉しかったです)私も自分の高校時代にタイムスリップ。主演の4人は映画、CMなどで最近売り出し中の女の子ばかり。なかでも玲子役の三村泰代ちゃんはどこかで観た事があると思っていたら「バトルロワイアル」で琴弾加代子を演じた子だった(バトロワのファンなら分かりますよね!?)主演の郁子を演じる水谷妃里は清涼飲料「SENOBY」の子・・(といっても分からないか?)そしてこの映画には意外な人が出演しています。郁子の父親役で山本譲二、彼女の先生役でイルカが登場します。テーマ曲はイルカの「なごり雪」なのですが、この歌が映画の中で大きな役割を果たしています。少女たちの爽やかな青春ドラマでした。


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