2003/4/24号


毎日、映画を見てます。4月は久々に記録的な映画鑑賞数になりそう。がんばるぞ〜。

あずみ  監督 :北村龍平  出演:上戸彩、北村一輝、原田芳雄
Azumi  2003年 日本映画
今週のイチ押し:豊臣家から徳川家へと覇権が移り長きに渡る江戸時代が始まったころ。そこには徳川倒幕を狙う氾濫分子がまだ存在しており、それらの芽を摘み取るため家康の側近、南光坊天海は、小幡月斎(爺)に対して反乱を企てる危険のある者を事前に抹殺するための暗殺者集団育成を密かに命じた。そして彼が集めた少年少女10人は、その使命をまっとうすべく修行を重ね、常人を遥かに上回る剣の腕を身につけた。そしてついに彼らは山を降り使命を果たすときが来た。しかし、爺は彼らに二人ずつのペアになり、そしてお互いに殺しあうことを命じた。使命を果たすためには、友を斬ることも辞さず・・。あずみは仲間のなかでも一番気心が知れた"なち"と戦うことに。そしてあずみは彼を斬り殺した。5人になった仲間たちは爺とともに町へと降りた。そして彼らに課された使命は徳川幕府に反旗を翻した浅野長政、加藤清正の暗殺。しかし、影武者を立てた清正は難を逃れ、逆にあずみら一行に刺客を差し向ける・・・・
私評:逃げられない。殺したくなくても殺さねばならない・・・・コミックの世界では超有名な作品らしいのですが、私は原作を読んでいません。今回この映画にそそられたのは何といっても監督が、あの「VERSUS」の北村龍平だったからです。彼が撮ったスーパーアクション時代劇ということで、かなり期待していた作品。実際見てこの映画の恐ろしいまでのパワーに感動しました。殺陣のシーンの迫力は、本当に恐るべきパワー。刀の戦いだけでなく、爆薬もふんだんに使って私の度肝を抜きました。しかし、この映画の大きな魅力は主演の上戸彩です。あどけない少女の顔も見せながら、剣を握るとその顔がきりりと引き締まる。そしてアクションシーンも自ら挑んでいる。時々見せるキメのポーズが何とも絵になるんです。そしてクライマックスの怒涛の200人斬り!!この場面でのあずみの登場シーンは、あんまりカッコ良いんで鳥肌が立ちました!!このシーンは映画史に残ります。これぞアクション映画!アクション以外にも、少年少女たちの微妙な心の動きや葛藤なども実にうまく描かれていました。私的には最高のエンターテイメント・アクション映画でした。
ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密  監督:カーリー・クーリー  出演:サンドラ・ブロック、エレン・バースティン、アシュレイ・ジャド
Divine Secrets of the YA-YA Sisterhood  2002年 アメリカ映画
今週のイチ押し:1930年代、仲良し4人組ヴィヴィ、ティーンシー、ニーシー、キャロは夜中に家を抜け出し、森の奥深くで彼女たちだけの儀式を行った。「これで私たち4人の友情は永遠。私たちはヤァヤァ・シスターズよ!ヤァヤァ!!」月日はすごーく流れて現代。ヴィヴィの娘シッダがタイム・マガジンのインタビューを受けている。彼女は劇作家として成功を収めていた。そのインタビューの中で、彼女は母親のヴィヴィについて語った。しかし、その記事はヴィヴィの逆鱗に触れてしまう。これが原因で母と娘は絶縁状態。そこで登場したのがヤァヤァ・シスターズの3人。3人はシッダを誘拐し(笑)、彼女たちだけの秘密が書かれたスクラップブックを渡した。そこにはシッダが知らないヴィヴィがいた。美しく光り輝いているヴィヴィが。そしてシッダが常にトラウマとして抱えていた事件の全容もシッダは知ることに
私評:「愛しているわ、ママ」「私もよ。私の『ひまわり』」・・・・笑えて、泣けて、そして感動して。めちゃ面白かったです。長きに渡り友情を守り続けてきたヤァヤァのメンバーが最高です。なんたってエレン・バースティン、マギー・スミス、「アザーズ」のフィオヌーラ・フラヌガン、そしてシャーリー・ナイト。昔はかなり美人だったおばあちゃんたち。ユーモアたっぷりだけど、重ねた齢がさせるのか?ブラックなジョークがポンポン飛び出してくる。この個性的なおばあちゃんたちと相対するのが、サンドラ・ブロック。この映画の彼女がまた、良いんですよ。あまりに華やかで美しい母親を持った彼女にとって母親は永遠のライバルでもあり、そして反面教師でもある。ヴィヴィのいようにはなりたくないと思いながらも、彼女のDNAを確実に受け取ったシッダは結婚恐怖症。しかし、そんなヴィヴィとシッダの中を滅茶苦茶なことをしながらも取り持っていくヤァヤァ・シスターズが最高でした。しかも、ヤァヤァたちは決して完璧ではない。アル中だったり、タバコの吸いすぎで肺ガン直前だったり・・・。それなのにこのおばあちゃんたちは明るく元気で、そして常にポジティブ。全世界の女性たちの心を掴んだ原作の力は映画でも十二分に生かされていました。そして若かりし日のヴィヴィを演じるアシュレイ・ジャッドが最高でした。輝くばかりの美しさでした・・。そしてこんな人騒がせな女たちを見守る二人の男。男性の私は彼らに同調していました。やはり、世界は女で回っているのでしょうね・・・。
名探偵コナン 迷宮の十字路  監督:こだま堅嗣  声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈
 2003年 日本映画
東京のとある神社に集った3人の男。しかし、そこに現れた能面の男の弓と刀で彼らは葬り去られてしまう。そして立て続けに大阪、京都でも同様の殺人が起きた。被害者はみな盗賊団「源氏蛍」のメンバーで犯行現場から「義経記」が持ち去られていた。コナンは蘭たちと京都を訪れていた。そこで彼らは8年前に山王寺から国宝級の仏像が盗まれたことを知る。そしてその在処を書したという暗号の解読を依頼される。義経と弁慶の由来のある場所を訪ねていたコナンは大阪の少年探偵服部と出会う。そして彼もこの事件を追っていることを知り二人は協力して捜査を開始する。そんな時、コナンと服部が出席していた宴会の席でまたしても殺人事件が起こる。そして魔の手はコナンたちにも及ぼうとしていた・・・・・・。
私評:蘭、あの頃と変わってねーな・・・・今年もクレヨンしんちゃんと同じ日に公開された「コナン」。この映画も今回で7作目となりました。前作でロンドンを舞台に活躍したコナンの今回の舞台は京都。キーワードは「手毬歌」「義経と弁慶」「翁の面」そして「水晶玉」です。仏像の在処の謎解きは京都を良くご存知の方なら解けるかも??また、今回はコナン(工藤新一)と並び称される西の名探偵服部平次が登場するのが面白いです。彼の思い出と事件がシンクロして、素敵なエンディングに繋がっていきます。また、工藤新一と蘭の話も・・・(これについては多くは語れません)。そして今回の注目はCGを多用したオートバイのチェイスのシーン。なかなかの迫力でしたよ。このシリーズも劇場で見始めて4年。いつ見ても楽しめる安心印の作品です。
ロスト・イン・ラ・マンチャ  監督:キース・フルトン、ルイス・ぺぺ  出演:テリー・ギリアム、ジョニー・デップ
Lost In La Mancha  2001年 アメリカ・イギリス映画
テリー・ギリアム監督は10年にわたって「ドン・キホーテを殺した男」の映画化を考えていた。壮大なるストーリーは彼のライフワークとなるだろうと思われていた。しかし、ハリウッド映画はこの企画を蹴り、彼はヨーロッパ資本で映画の製作に取り掛かった。主演はジョニー・デップ、バネッサ・パラディ、そしてドン・キホーテにはジャン・ロシュホールという超豪華な面子。そして撮影がスタートした。しかし、ジャン・ロシュホールの体調不全による降板、撮影現場の上空を飛び回るNATOの戦闘機の騒音、そしてセットを押し流してしまうほどの豪雨など、次々と信じられないような不幸が彼らを襲う。必死にこらえてきたスタッフの中にも不協和音が・・・。この映画は呪われている??・・・。
私評:これは悲劇としか言いようがない・・・・この映画はいわゆる映画のメイキング。しかし、完成をまたずに撮影中止になってしまった映画のメイキングです。つまり、アン−メイキングというわけです。前半の製作段階では、目をキラキラ輝かせていたギリアム監督。なんせ、この企画は彼の長年の夢だったのだから。そんな彼を打ちのめすかのようにトラブルが襲う。彼の身になったら辛くて死にたくなるかもしれないけれど、観客は彼の不幸を笑いながら見ることができるのです。この映画で使ってしまったお金を少しでも回収すべく、この映画は作られたのでしょうね?でも、これって本当の話なのでしょうか?出演はギリアム監督自身と、スタッフ・キャストたち。ジョニー・デップが主演のように書かれていますが、彼の出演シーンはあまりありません。ましてや、バネッサなんて写真とフィルムテストのシーンだけ・・。あの彼女の独特の声を聞きたかったな〜。人の不幸を笑うのは不謹慎にも思えますが、笑い飛ばしてあげましょう。誰かこの映画の完成のために4億ドルを出してくれませんか??
イエロー・ドラゴン  監督:鹿島勤  出演:倉田保昭、宮本真希、照英
Yellow Dragon  2002年 日本映画
人間の能力を通常の4倍に引き上げる、究極の薬「イエロードラゴン」。しかし、この薬は多用すると人間の赤血球を食いつくし、ついには死に追いやるという欠点があった。ところがこの症状を抑える抗体を持つ男がいた。彼は原爆で放射能を被爆しながらも生きながらえ、その事が体質を変えたのだ。しかし、彼はすでに他界していて抗体を持つのは彼の娘の純だった。組織は彼女を狙い襲い掛かるが彼女の前に一人の男が現れた。彼の名は豪。彼は純を守るため、そして組織を撲滅するため立ち上がる。彼は純の父親とはベトナム戦争時の戦友だった。しかも、彼は大きな秘密を隠し持っていた・・・・・。
私評:俺、強い女って嫌いじゃないよ・・・Gメン75好きだった私は倉田保昭っていうとこの番組を思い出してしまいます。57歳とは思えない動きの良さで、自らバンバンアクションに挑んでいきます。オープニングの格闘シーン、そして颯爽と倉田登場・・、あたりまでは良かったのですが・・・。ストーリー展開や役者の演技に過大な期待を持たなければ、なかなかのアクションと苦笑モノの演出でしっかりと90分間を楽しめます。ワイヤーの特撮シーンがめちゃ多いですが、このワイヤーを担当したチームは、「マトリックス」でも活躍の面々。これは要注目です。主演は宮本真希。故・深作監督の「おもちゃ」のイメージが強かったのですが、今回はちょっとツッパった少女で、アクションも自らこなしています。彼女に思いを寄せる男役に照英が出演しています。


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