2001/4/16号

普段は過激なバイオレンス物は苦手なんですが、先週はなぜかそういう映画に
飢えていたみたい。3つのバリバリのバイオレンス映画をめっちゃ楽しんだ私です。

アタック・ザ・ガス・ステーション  監督:キム・サンジン  主演:イ・ソンジェ、カン・ソンジン
Attack The Gas Station  2000年 韓国映画
今週のイチ押し作品!:ノーマーク、タンタラ,ペイントそして無鉄砲の4人はいきなりガソリンスタンドを襲撃。破壊を重ねた挙句現金を持って逃走した。また,別の夜彼らはふたたび同じガソリンスタンドを襲撃。しかし、そこには現金はなく社長と3人のアルバイトを監禁し、ガソリンを入れに来る客の金を次々と着服することに。バイトの一人の金をカツ上げしに来た学校の番町、やけにプライドが高い出前持ち、そして町のヤクザ,警察ををも巻き込み物語は怒涛のクライマックスを迎えようよとしていた。果たして彼らの運命は?? 

私評:すごい!なんてすごい迫力、そしてスピード感。4人組の個性が光る。彼らは元々は真面目な男だったったが、それぞれある事件をきっかけにワルの道へと足を踏み込んでしまった。彼らのパワフルなブッチギレ方がなんともカッコイイ。そして彼らに巻き込まれる面々が,実に個性的でしかも可笑しい。パンクな若者の傍若無人な行動は許してはいけないことだが、なぜかこの映画の4人は応援したくなってしまった。ストーリーも良く練られているし、クライマックスのヤクザ軍団、警察軍団&暴走族が合いまみれるシーンは大爆笑。(タランティーノの映画で使われたような設定だけど・・) また,音楽の使われ方、逆さ位置から180°回転させ4人を映し出すカメラアングルなどがとてもカッコイイ。”古い奴ら,合掌”のキャッチ通り、新しい映画の誕生と言っても良いかも?? しかし、韓国映画は本当にパワフル。当分は目が離せませんね。 

ベーゼ・モア  監督 : ヴィルジニー・デハント&コラリー・トラン・ティ  主演:ラファエラ・アンダーソン、カレン・バック
Baise Moi  2000年 フランス映画
私評:アタシたちふたりなら無敵・・。 運命に導かれるように出会ったマニュとナディーヌ。お互い大事な人を殺し、自暴自棄になっていた。二人は本能の赴くまま強盗を続け、行く先々で男を誘惑しセックスにふける。そして殺人もどんどんエスカレートして行く。こんなにうまく行くはずがない!二人は最高の人生のエンディングを模索し始める・・。ベーゼ・モアとはファック・ミーという意味だとか。二人の女性監督が共同で作り上げた超過激なロードムービーは、フランスでは公開1週間で上映禁止になったという曰く付き。日本ではR15の指定です。セックスの描写も過激なら、殺しの描写も超過激。本来なら私は嫌いなタイプの映画なのですが、最後までノリノリで見る事ができました。その要因の一つは主演の二人の女優。なんと二人は無名のポルノ女優。ところがこの二人が実に良い演技をするんです。 色っぽいしぐさはもちろん、キュートな笑い、シュールな会話、そして二人の苦悩がすごく伝わってきた。本当の彼女たちも今までの人生で苦悩してきたんでしょう。ところがこの映画で、一気にはじける事ができたという。そして映画を撮り終えた今は、幸せを感じ今後の人生に灯りが差したと語っている。ただし、こういうテーマの映画ゆえ、誰もが好きになれる作品とは思えません。でも、私的には破滅的な青春を突っ走る彼女たちが、キラキラと光って見えた。
ショコラ  監督 : ラッセ・ハルストレム 主演: ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ
Chocolat  2000年 アメリカ映画
私評:めっちゃ美味しい映画でした・・。フランスの小さな田舎町に赤い頭巾を被った母娘がやってきた。この村はガチガチの石頭の村長が全てを仕切り、古くからの伝統を頑なに守りつづけていた。母娘はさっそくチョコレートショップを開店する。相手の好みにピッタリのチョコを勧める彼女の店は、評判になるが村長は彼女たちを村から追い出そうと画策する・・。どこの国の人も美味しい物には絶対に敵わない。しかも、その対象がチョコレートなら・・。チョコレートを嫌いな人って、少ないですよね。実は私もチョコは大好き。30才を過ぎてからは、あまり食べないように心掛けていますが、時々無性に食べたくなるんですよね。その時点で私はこの映画の目論みにはまっていた・・。この映画のジュリエット・ビノシュは適役だった。ミステリアスな色気、強気な性格、そしてやさしい母親という3つの要素を兼ね揃えた女性をしっかり演じていました。そして素晴らしい助演女優たちもこの映画の見所。相変わらず偏屈なおばさん役が似合うジュディー・デンチ、過去を振りきり明るい笑顔を振り撒くレナ・オリン(こんなストレートな役の彼女は初めて見た!!)、教育熱心な母親が、あのトリニティー・キャリー・アン・モス!素晴らしい女優陣の揃い踏みで、この映画をしっかりと支えています。そして添え物的な使われ方のジョニー・デップ。彼はラッセ監督の「ギルバート・グレイプ」に出演しているので、今回はサービス出演なのかも??しかし、この映画に登場するチョコレートのおいしそうな事・・・。(ヨダレ) ダイエット中の方にはとてもキツイ映画かも知れませんよ。(笑) 私もこの映画のあとはめっちゃチョコレートが食べたくなりました。強烈なインパクトがある映画ではありませんが、微笑ましい,愛すべき映画です。
バトル・ロワイアル 特別編  監督 : 深作欣二  主演:藤原竜也、前田亜季、山本太郎
Battle Royale Special Version  2001年 日本映画
私評:過激になった特別編・・・。前作とストーリは同じなのでシノプシスは書きません。今回の特別編は新たに挿入された幾つかのエピソードだけでなく、映像も過激になっていた。血しぶきのシーンが前作よりかなりくっきり見えるようになっている。その辺はデジタル処理を施したのでしょう。そして過去のクラス対抗(?)のバスケットボールの試合のシーンが挿入された。これは原作にもない設定なのですが、このシーンを追加した事によって本来仲良しだったクラスメートが、殺し合いをするという理不尽さを強調できたので成功だったと思います。その他細々したシーンの追加は邪魔にはならず良かったかも・・。でも、ラストのレクイエムなるシーンの挿入は、もうちょっと考えて欲しかったな〜。なんだか取って付けたみたいでちょっといただけない・・。でも、その中の3つ目のエピソードは、かなり重要な意味を持っています。ラストはやっぱり七原秋也の「走れ!」でスッキリ終わって欲しかった・・・。 ラストのレクイエムを再編集した形で、「ディレクターズ・カット版」を作るか?? なんだかんだ言いながらも、最後まで一気に、そして飽きずに見れてしまうのは、やっぱりこの映画が好きなんですよね。 
ドッグ・ショー  監督・出演:クリストファー・ゲスト  主演:ジェニファー・クーリッジ、キャサリン・オハラ
Best In Show  2000年 アメリカ映画
私評:やっぱり我が家の犬がナンバー・「ワン!」・・・。全米で一番のドッグショー「メイフラワードッグ・ショー」が今年も開催される。全米の各地から、続々と愛犬家が集まってきた。参加者だけではなく、主催側、そして彼らを受け入れるホテルもこの時ばかりは大忙し。そして3000匹の犬たちがペンシルバニアに集合した・・。親ばかという言葉がありますが、愛犬家は飼い主バカとでも言うのでしょうか?でも、その気持ちは良く分かります。天塩にかけて育て、そして我が子のように育てた愛犬を可愛がる気持ちは世界中どこでもいっしょ。ドキュメンタリーのような作りのこの映画は出場者のインタビューで始まる。彼らの言い分がまた、めっちゃ可笑しいんです。ほとんど彼らの生活の中心に犬が居るんですよ。そして登場するメンバーがまた、曲者ぞろい。彼らの生活がまたはちゃめちゃで可笑しい。ゲイのカップルあり、夫婦仲がどうもうまく行かないエリート夫婦あり、妻の男友達の多さにキレそうな夫婦、フライフィッシング店のオーナーながら腹話術が趣味のへんなオッサンなどなど・・。ですから、この映画は犬に振りまわされる人間たちのドラマなんですね。果たして優勝するのはどの犬か? それは見てのお楽しみと言う事で・・。テリアの歌は最高に笑えました・・・!あ〜,私も犬を飼いたいよ〜。ちなみにこの映画のパンフレットは。犬関係の広告がいっぱいです。(笑)


前回の記事も読んでね〜!



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