2004/4/11

今回は、あのマコーレ・カルキン主演の怪作がイチ押し。
メチャメチャ面白かったです〜。

パーティ・モンスター  監督:フェントン・ベイリー、ランディ・パルバート  出演:マコーレ・カルキン、セス・グリーン
Party Monster  2003年 アメリカ映画
今週のイチ押し:「ディスコ殺人事件」の作者ジェームズ・セイント・ジェームズが、自分の本について語り始める。1980年代のNY。ジェームズはナイトクラブでは超有名人。育ちのよく、裕福な彼は我が儘放題。そんな彼にまとわり付いてきたのは中西部の貧しい家の出身のマイケルだった。彼はジェームズから、いかにすれば成り上がれるかを伝授され、めきめきと頭角を表し始める。いつしかマイケルはパーティのプロモーターとして名を馳せるようになる。有力なクラブオーナー、ピーター・ガティエンに気に入られたマイケルは、ジェームズと立場が逆になってしまう。倒錯的なメイクと奇抜な仮装に身を包んだ若者たちは、「パーティ・キッド」と呼ばれ、首謀者のマイケルは時代の寵児となる。彼が繰り広げるさまざまなパーティ企画は、ことごとく大ヒットするが、マイケルはドラッグに溺れ始める・・・・
私評:ねえ、ボクもファビュラスになりたいんだ・・・・今から10年くらい前、クラブキッズのカリスマ、マイケル・アリグが逮捕された。私はたまたま、何かでこの記事を読み、あの80年代後半のクラブシーンをリードした男について、ちょっと調べた事があるんです。そのマイケルの話が映画になったというので、迷わず「見たい!!」と思ったのですが、今回、私がそそられたもうひとつの理由はあのマコーレ・カルキンが9年ぶりに映画に復帰したということ。いったいどんな22歳になったのか?とても楽しみでした。映画の中のマコーレ君は、まさにマイケル・アリグそのもの。子役時代にピークを向かえ、その後アル中になったマコーレは、クラブシーンで成功を収めドラッグで堕落していくマイケルとピッタリ重なってしまったのです。しかも、ゲイであり、ドラッグ中毒、とんでもないパーティ・ファッションが、全然違和感なくマコーレと重なった。それだけでも、この映画はすごい。ところがストーリーも、音楽も、そして他の役者たちもこの映画は素晴らしい。ジェームズ役はセス・グリーン。彼も奇抜なファッションにオネエ言葉のクラブキッズになり切ってました。そしてマイケルのグルーピー役で登場の、クロエ・セヴィーニはまさにはまり役。そしてちょっと間抜けで不細工なキッズ役で登場のマリリン・マンソンにも要注目!!これは拾い物映画でした!!
ドラムライン  監督 :チャールズ・ストーン3世  出演:ニック・キャノン、オーランド・ジョーンズ
Drumline  2002年 アメリカ映画
ハーレムに住むデヴォンはマーチング・ドラマーとして天才的な才能を持っていた。実は彼の父親もドラマーで、才能は彼から引き継いだもの。彼に目を付けたアトランタのA&T大学のマーチング・バンドのリー監督は彼をスカウトする。A&T大学には優秀なマーチング・ドラム部があった。しかし、デヴォンは、バンドでドラムを叩くには問題があった。彼は自らの細胞に溺れ、自信過剰になりすぎていたのだ。それはチームでの演奏を逸脱し個人プレーに走るという危険性を秘めていたのだ。ライバル校との対戦時に、チームリーダーのショーンの挑発を受けたデヴォンは、一人ドラム・パフォーマンスを演じ、リー監督の怒りを買ってしまう。しかも、デヴォンは楽譜が読めないことを隠していたが、発覚してしまう・・・・
私評:One Band! One Sound!! ・・・何年か前に「チアーズ」という映画があったけど、この映画は「チアーズ」のマーチング・バンド版と言って良いかも?しかし、マーチング・バンドのパフォーマンスがあんなにすごいものだとは知りませんでした。映画の中で何度も挿入されるマーチング・バトルのシーンは思わず圧巻!しかも、映画館の音がすごく良かったので(渋谷のシネクイント)地響きのようなドラム合戦を堪能しました。そして後半の30分はバンドとしてのパフォーマンス、そしてドラムだけの対決が続き、ほとんどセリフもない。ところがこの30分間は何ともいえない快感なんです。その快感はヒーローが活躍する感動ではなく、バンドがひとつになり、一糸乱れぬ演奏をする、まさにOne Band! One Sound!!の感動なんです。この映画の演奏シーンに嘘はありません。主演のニック・キャノンは「MIB2」のチョイ役でスクリーン・デビューを果たした若者。そしてリー監督役は「エボリューション」のオーランド・ジョーンズ。
ゴッド・ディーバ  監督 :エンキ・ビラル  出演:リンダ・アルディ、トーマス・クレッチマン
Immortal Advitan  2004年 フランス映画
近未来のニューヨーク。そこは神々、人間、ミュータント、エイリアンと様々な人種がひしめき合う。NYの空に突如として現れたピラミッドの中では人の体に鷹の頭を持つ神のホルスが死刑を宣告される。彼に残されたのは7日間。彼はある目的のためにジルという女を捜し始める。一方、30年前に冷凍保存されていた政治犯のニコポルはバーでジルと出会う。青い涙を流す謎の多い彼女は自分が何者なのかも知らなかった。そんな時、ホルスはニコポルに目を付ける。そして彼の体に乗り移り、ジルに近づこうとする。ホルスの力の前では無力なニコポルは、ホルスの命ずるままジルに近づくが、ニコポルはジルに対し真の愛で接触を試みる。果たしてホルスの目的とは何か・・・・?
私評:私の涙の青は、もう落ちないわよ・・・・・またしても、すごいCGの映画がやってきた。しかも、この作品はハリウッド製ではなくフランス映画!!近未来のNYの風景はまさに「フィフス・エレメント」の世界。しかし、最新のCGは「フィフス・・」以上の迫力とリアリズムを醸し出しています。そして登場人物も実際の人間が演じているのはニコポル、ジル、そして女医役のシャーロット・ランプリングの3人だけで、あとの登場人物はすべてCGなんですね。とにかくその凝りに凝った映像には唖然とさせられてしまった。しかし、ストーリーは余計な伏線が多く、メインのストーリーがなんだか薄れてしまった。それはCGを見せたいがために、余計な演出を増やしたかのようにも見えるのですが・・・。ニコポル役は「戦場のピアニスト」のトーマス・クレッチマン、そしてジル役は元・ミス・フランスのリンダ・アルディ。いや〜、かなり美しい女性です。そしてフランス映画界の重鎮、シャーロット・ランプリング。彼女って元々、不思議なオーラが漂っているので、この映画にはピッタリの配役だったかもしれません。とにかく、この映像は大画面で楽しみたいですね。
Deep Love アユの物語 監督:Yoshi 出演:重泉充香、古屋敬多、風見章子
Deep Love  2004年 日本映画
高校生のアユは今日も渋谷を徘徊していた。無表情で無感動、でもお金を稼ぐために体を売る。学校でも彼女はつま弾き。唯一、アユに懐いてくっつきまわる、ちょっと頭の足りないレイナが話しかけてくるだけ。そんな時、アユは一人暮らしの老女と知り合う。一人暮らしの老女は花を植えながらアユに優しく語りかけた。そんな時アユは一匹の犬を拾う。犬が飼えないアユは藁にもすがる気持ちで老女の家を訪ねた。老女はそんな彼女と犬のパオを優しく受け入れるのだった。初めて触れる人の優しさに少しずつ老女に心を開いていくアユ。そしてアユは老女が昔育てていた少年の話を聞かされる。老女の家で一緒に棲み始めたアユは老女に自分が売春をしている事を告げるが、その夜老女は息を引き取ってしまう。そんな時、彼女は老女が育てていた少年に出会う。公園に捨てられていた少年を彼女は自分の息子として育てたのだが、実の父親が現れ連れて行かれたのだ。しかも、少年は心臓を病んでいた。老女の意思をついで少年の心臓手術を受けさせようとする・・・・・。
私評:いつかまた、一緒に来れるよね・・?? 携帯電話のサイトから火がつき、あっという間に若者たちに浸透して行ったこの作品。原作本もベストセラーになったこの作品が原作者のYoshi自身の手に掛かって映画になった。「お金」に振り回され、それを得るためにいとも簡単に体を売る高校生たち。実際、こんな女子高生たちが渋谷にはたくさんいるんでしょうね。アユの場合、最初はなんとなく体を売っていたが、少年の命を救うために、またしても体を売り始める。痛々しいまでのその映像を見ていて、私は嫌悪以外の何も感じ取れなかった。おばあちゃんの死ぬシーン、そして少年とその父親とのやり取りも私は辛くて辛くて・・・。そして最後には・・・。私は感動はまったくなく、何とも言えない遣る瀬無さだけが心に残ったのだが、映画館にいた女子高生たちはアユに感情移入して号泣していた。でも、私が思うに彼女は最初から間違っていた。それを修正する機会は何度でもあったはずなのに、抜け切れなかったのは彼女の弱さでしかないと思うのですが・・。アユを演じるのは1600人の中から選ばれた新人重泉充香。彼女はすごく良い雰囲気を持っている。もちろんすごく美人だし、しかも足がめっちゃ長い・・。心臓病の少年役は古屋敬多。脇役陣は風見章子、本多博太郎、竹中直人、黒田アーサー、二木てるみという良い面子が揃っています。しかし、この物語についていけないのは、世代の差なんでしょうか??


前回の記事も読んでね〜!



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